<< 2009-10 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

2009/10
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2009-10-10(土) (白菜につく虫、落水作業の続き)
投稿日:2009-10-11(日)

 気持ちの上では、田んぼの落水作業が今日一日の作業を占めていたが、鎌を研ぐ砥石を水に浸けている間、野菜の追肥、中打ち[中耕-除草や土の通気性の改善のため-]、元寄せ[土寄せ]をした。それで結局、午前中が終わった。

 世話をした野菜は、金時人参(追肥・中打ち)、アサツキ(追肥・中打ち)、シュンギク(中打ち)、ホウレンソウ(中打ち)、ジャガイモ(追肥・元寄せ)、白菜(追肥・中打ち)、ブロッコリー(追肥)、ネギ(追肥・元寄せ)。そのうち白菜は定植後、3回は追肥をする。白菜は肥料食いであるが、食い残しも多い。だから、追肥の回数が多くなる。


白菜
(クリックで画像の拡大)
白菜。
 外葉の穴がダイコンサルハムシが食害したところ。中心付近の新しい葉は食べられていない。中心から出てくる葉が結球するので、外葉に穴をあけられても生育と収穫時の姿には影響はない。
 九月の終わり、井手頭[農業用水路の《組合》長]が畑にやってきた。井手関係の伝達のためである。そのおり、その人は私のやっている自然農法について質問した。質問には「草があると虫が来こんかい?」というのもあった。その話から発展して白菜の話になった。白菜はどうしても虫が来る、とその人。虫とは、小さな、黒光りする甲虫であるダイコンサルハムシのことである。「わしゃ、ひとりより一週間、遅う種蒔きする。ほいなら、虫にやられん」と私。「いつごろ種蒔きすんるんな?」という質問に「今年は九月一日じゃったかの」と私。その人は「ほうか。昔は白菜は9月25日に種蒔きすることになっとった」。大根は9月10日、という頭はあったが、白菜の種蒔きの日にちは私のなかでは決まってはいなかった。だから漠然と九月の頭を種蒔きの時期にしていたが、9月25日を基準にすれば、ほぼ一週間後になっていたことになる。

 慣行的な時期に種蒔きする人は殺虫剤を用いる。そうしないと、白菜は消えてしまう。殺虫剤を用いないとすると、二週間ほど朝晩、サルハムシを捕殺するしかない。殺虫剤を使いたくない、だからといって、捕殺の手間をかけたくない。そこで私は一週間遅く蒔く、という方法をとることにした。

 すると、外葉はサルハムシに食われはするが、生育には影響はない。ただ、白菜は寒くなると結球しなくなるので、追肥をおろそかにせず、時期に遅れず、回数も省かないようにしないと、半結球のまま冬をむかえる。去年は失敗した。今年はなんとしても結球させようと、いままでのところ追肥はきちんとやっている。



ダブ
(クリックで画像の拡大)
 イノシシ。
 ダブは休耕田(というよりむしろ耕作放棄田)に囲まれているので、イノシシが出没する。去年は収穫前に荒されてしまった(下の画像参照)。そこで、今年は本物の電気柵をで田んぼを防御することにした。おそらくイノシシは熟した稲を食べようと田んぼの近くまで来るのだろうが、電気柵に阻まれて中に入ることはできない。そこで、隣の休耕田の土を掘り返しながら餌探しをしたのだろう。次第に、隣の休耕田はイノシシが《耕し》た部分が広がった。
 左がダブで実る稲。右がイノシシが荒した休耕田。
 

(クリックで画像の拡大)
イノシシが踏み荒らした稲。去年の11月1日。
 午後は、10月4日に着手した、ダブ[湿田]の落水の続き。日没までには終わった。結局、ダブの落水作業は、時間的にはまる一日かかったことになる。

 帰り際、生育が少し早いモチの熟し方を確認した。穂軸の黄変具合が目安である。籾のついている軸部分が三分の二以上黄変したころに刈り取りする。おそらくは来週末になろう。
村便り:2009-10-08(木) (台風18号通過後の朝)
投稿日:2009-10-08(木)

 今年初めてやってくる台風(二年ぶりに上陸する台風、だそうである)。暴風雨圏内に入ることはまぬかれないと覚悟して、昨日は夕方、多少の備えをした。ダブの稲の一部が倒伏していたが、半分ほどは10月4日に藁で縛って立てておいた。残りの半分を、時折小雨が降るなか、縛った。

稲
(クリックで画像の拡大)
台風通過後の田んぼ。
 田んぼの左の部分、縛った稲が「く」の字の帯になっている。
 
蕎麦
(クリックで画像の拡大)
蕎麦。
 縛っていくうちにコツがつかめてきた。二株を一束にすると、安定が悪い。だからといって、四株を一束にすると、束が大きくなるし、穂の受光体勢が悪くなる。三束だと、安定するし、穂の受光体勢が大きく損なわれない。ぬかるむ田んぼでときに体のバランスを崩しながら、残り半分を縛り終えた。


 台風18号の影響は心配したほどではなかった。朝、田んぼに寄って様子を見た。新たに倒伏したところがあるかと思ったが、ほぼ無傷。蕎麦は倒伏しやすいので覚悟していたが、こちらも軽傷。収穫が近い稲と蕎麦が無事だったので、胸をなでおろした。
村便り:2009-10-04(日) (田んぼの落水開始)
投稿日:2009-10-07(水)

播種ホウレンソウ(次郎丸)

 稲刈りに向けて田んぼの落水作業。今年の稲刈りは10月後半になる予定だが、田んぼの落水は、ダブ[湿田]は二週間前くらいから作業を始める必要がある。排水のいい田んぼは一週間前の落水で間に合う。

落水
(クリックで画像の拡大)
落水作業 1。
 田んぼの周囲に溝をつけた。水は向こうからこちらに流れ下り、田んぼから排水される。溝をつけて間もないので、水はまだ途中までしか来ていない。
 溝は、向こう側で、さらに右側に曲がっている。下の画像参照。
 
ウワコウダの落水
(クリックで画像の拡大)
落水作業 2。上の画像の続き。
 ウワコウダの周辺につけた溝。水は向こうからこちらに流れ、上の画像の溝に続いて流れる。10月3日の「村便り」に書いたように、この部分は稲が倒伏している。一部は、3、4株を藁で縛り、立て直した。画像でもお分かりかと思う。

 「きけん」という黄色い札の下がっている緑色のポールは電気柵。画像では見えないが、ポールにはアルミ線が張ってあり、夜は高圧の(4000ボルト以上)電気が流れている。イノシシ対策。
 稲刈りを委託していた時期には、落水には気をつかった。重量のあるコンバイン[刈り取り・脱穀機]を使うので、少しでも田んぼがぬかるんでいると、機械が泥に沈んで稲刈りができない。落水が十分でない、と委託した人に文句を言われたこともある。しかし、いまはバインダー[刈り取り・結束機]を使い自分で稲刈りをしているので、さほど神経質にならなくていい。軽量のバインダーはコンバインより土のやわらかさに対する適応性がある。それでもダブの場合は余裕をもって排水作業をしておかないと、バインダーでも埋まってしまい、使えないことがある。

 ダブの場合、田んぼの周辺に溝をつけて、地下水位の高いウワコウダから排水しやすくする。溝を掘り上げるところは、田植えのとき、あらかじめそれだけのスペースをあけて、苗を植えてある。そのスペースに溝をつけるには、まずスコップで踏み込んで条をつけ、それから、土が硬い場合は三つ鍬で土を上げてから、平鍬で仕上げる。泥だらけになる作業である。


 昨夜は小中学校の同窓会だった。会場はQ市内。初めて幹事をやり、慣れない役割ゆえ準備に手間取った。二次会につきあい、自宅のあるH市に向かう最終電車になんとか間に合い帰宅。幹事だったので、酒は控えめにしたため、今朝は比較的はやく起床できた。それでも、追い込むようには作業はできないので、落水作業は中途半端で終わった。

ホウレンソウ播種
(クリックで画像の拡大)
ホウレンソウ播種。手前の、スクモが被せてあるところ。ここの電気柵はダミー。
 ホウレンソウは9月始めから10月半ばまで一週間置きくらいに少しずつ蒔くと、新鮮なものが食べられる。…といつも考えているのだが、今年ははじめて、そのスケジュールで蒔いている。二回目の播種。一回目は日本ホウレンソウ、今回は次郎丸。


村便り:2009-10-03(土) (仲秋の名月のコイモ)
投稿日:2009-10-05(月)

 今夜は仲秋の名月。コイモ[主として、子芋を食する里芋]はこの日を初掘りと決めている。仲秋の名月は別名《芋名月》だからである。

今年の初掘りコイモ
(クリックで画像の拡大)
今年の初掘りコイモ。
 雨続きだったため、掘り上げると泥も一緒についてきた。その泥を洗い流したところ。
草に埋もれたコイモ畝
(クリックで画像の拡大)
草に埋もれたコイモ畝。8月16日。
 
コイモ、畝元寄せ
(クリックで画像の拡大)
コイモ、畝元寄せ。8月16日。
 例年ならとっくに梅雨が明けた時期だか、今年はこの時期になっても雨が多かった。やっと二回目の元寄せ。「やっと」というのは、理想的には元寄せは、2回か3回おこない、しかも梅雨明けごろまでには終えてしまうからである。
 去年の里芋は大粒だったが、今年はこの時期としては普通の、小さな粒。なぜ去年のが大粒だったのか。ひとつは草取りと元寄せの管理が順調にできたのたと、もうひとつは、もしかしたら、去年は田んぼとしては乾燥気味のところに植え、さらに夏のあいだ干ばつ気味だったので、そのストレスが粒を大きくした、ということもあるかしれない。

 それに対して、今年は、例年のごとく、草取りは、一度草に埋もれてからやった(すなわち、里芋は生育がおそくなった)ため、子芋の数は少なくなかったが、ほとんどが小振り。この位が、私の好きな《衣被き[きぬかつき]》にちょうどいい。



稲の倒伏
(クリックで画像の拡大)
稲の倒伏。
 地形は、左から右に傾斜している。
 数日来の雨で、稲の一部が倒れていた。ダブ[湿田]のウワコウダ[傾斜地にある田んぼの上側の部分]の稲である。ウワコウダは、いつも水のある状態のため、根が表面を這いがちである。稲の生育の後半は、水は飽水状態[踏み跡に水が溜まっている程度の水分]にあるように管理し(言い換えれば、間断灌水[水がなくなったら入れる、といった水管理]をし)、根を地中深くに張るようにするのだが、ウワコウダはこうした管理がうまくできない。また、ウワコウダのぬかるみを走る田植機の車輪が滑り、稲の株間が狭まるため密植がちになり、稲が徒長がちになる。さらに、風が吹くと、やわらかい泥では株元が安定しない。そういった理由で倒伏したのだろう。株がしっかりしているヒノヒカリとしては珍しいことである。
村便り:2009-10-02(金) (自然畝を《壊す》)
投稿日:2009-10-02(金)

 不除草が自然農法の原則のひとつだから、自然畝には草は生えている。その草を必要に応じて刈り敷いて管理する。しかし、多年草が生えると始末に悪い。種で畑にやってきて地下茎で繁殖するものには、根を縦横にのばし、茎が硬く背が高くなるものがある。セイタカアワダチソウ、ヨモギ、〇〇[名前が分からない]がそうである。また太い根を地中深くまで伸ばし、その根がある限り生き延びるものがある。スイバがそうである。背は高くはないが、密集して増殖するものもある。ノギク[?]がそうである。メヒシバも長年耕さない畑に侵入してくるが、地下茎で繁殖するので、畑周辺からじわりじわりと入ってくるので、侵入は比較的阻止しやすい。いくら草を敵にせず、と言っても、多年草は種類によっては野菜栽培に支障をきたす。しかし、不耕起も原則だから、多年草がいったん畑に入ると駆除するのがむずかしい。根まで取り除きながら一本一本処理すればいいが、実際には、そんなことはできない。そこで、思い切って、自然畝を更新することした。


自然畝の草刈り
(クリックで画像の拡大)
自然畝の草刈り(2009年9月6日)。
 向こうの建物は、隣家の納屋。
 
自然畝の耕耘
(クリックで画像の拡大)
自然畝の耕耘(2009年9月19日)。
 >ネットが被覆してあるところは、隣家の畑。その手前、耕耘中の畝の両端にウリ類が支柱にからまっているが、左はキュウリ、右はニガウリ。キュウリの手前は、草のなかにトウガンがまだ《生きて》いる。ニガウリの手前は瓢箪形のカボチャ(バターナッツ)があったが、もう《あがっ》てしまっている。
 
自然畝の畝立て
(クリックで画像の拡大)
自然畝の畝立て(2009年9月19日)。
 わが家の畑は、屋敷の前、横、裏に合わせて一反ほどがある。現在、自然畝があるのは、横と裏の畑である。それぞれ半分弱が自然畝になっている。畝の数としては横の畑で5条、裏の畑で6条。今秋から各々の畑で1条ずつ更新していくことにした。更新は、私の心づもりでは、一年ほど慣行畝(ただし有機農法)として使ったあと、ふたたび自然畝に戻すやり方でおこなう。すると、慣行畝である間に何度か耕耘することになるので、多年草は駆除できる、という算段である。

 自然農法に転換して8年の畝は、まず草を草刈り機で払った。土の表面は枯れ草で覆われている。刈った草と枯れ草を片づけて、耕耘機で土を返した。自然農法をはじめて年数がたつと土はやわらかくなる、と読んだことがあるが、実際には慣行畝の方がやわらかい。初夏にトマトとかピーマンとかを定植するときは、小型のスコップで踏み込んで植え穴を作るほどである。いまは秋の始め、畝が乾燥していることもあるが、鍬で起こすのは難儀なほど土は硬かった。耕耘機で耕すと、草の根っこがごろごろと出てきた。慣行畝の土は細かいが、自然畝のはぼろぼろしている。団粒組織とはこんなものか、と思う。

 更新を始めた自然畝のうち、一条は秋ジャガを定植した。秋ジャガのあとはタマネギを定植する予定である。草の生え方はやはり慣行畝より早い。ニンニクも芽を出し始めた。このニンニクは、もともと薹のさきにつく種球から育ったものである。もう一条(画像の慣行畝)は、年明けてから収穫するキャベツを定植した。残ったところは、広島菜を定植する予定である。

 いまは、「自然畝5、6年 → 慣行畝1年」という自然畝のサイクルを考えている。このサイクルで作物をどう組み合わせていくか。私にとって、自然農法の新しい経験のはじまりである。
 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R