<< 2016-06 >>
SunMonTueWedThuFriSat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

2016/06
このページの記事一覧   1/1
 (クリックで個別ページ表示)
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2016-06-20(月) (除草剤、イノシシ、ジャガイモ)
投稿日:2016-06-21(火)

除草剤の撒布
今朝、6月11日に田植えをしたダブに除草剤を撒いた。

最近、コナギが増えてきた。ヒエは水中では発芽しないが、コナギは逆に水中で発芽する。田植えを済ませたあとはしばらく田を湛水状態にする。コナギにとっては発芽に絶好な環境である。そのコナギがすでに発芽している。除草剤は雑草が大きくなると効かない。(たとえば、ヒエだと、2.5葉期まででないと効果がない。)だから、私は田植え後1週間で除草剤を撒くことにしている。

ムナクト
(クリックで画像の拡大)
ムナクト。
 水は、割れた瓦を使ってせき止めている。
しかし、ダブは田植えが遅れ、梅雨の時期になってしまった。除草剤撒布のあと3日ほどは田の水をオーバーフローさせないように注意しなければならない。しかし、強い雨が降れば、オーバーフローしてしまう。そこで、天気予報をみながら(ところが梅雨時期は予報は当たらないことがしばしば)、時期を見はからっていた。梅雨前線は近くで停滞しているので、3日も梅雨の晴れ間は期待できない。結局、雑草の成長と天気予報とを見比べて、今日、午前中に除草剤を撒くことにした。オーバーフロー対策として、田んぼの水位は土が隠れるくらいに低くし、ムナクト[排水口]の止め板は畦と同じ高さにした。これで、多少の雨は田んぼ内で受け止めることができるだろうが、おそらく3日もしないうちに強い雨が降り、水はオーバーフローする可能性が高い。

イノシシに荒されたジャガイモ畝
(クリックで画像の拡大)
イノシシに荒されたジャガイモ畝。
畝は、草取りを怠ったので、畝の両端に草が生い茂っている。
ジャガイモ畝にイノシシ侵入!
田んぼから畑に帰った。ジャガイモがそろそろ収穫時期である。ジャガイモ畝の近くにキュウリを定植するため裏の畑に行った。すると、キュウリ畝に足跡があるではないか。畝は昨日、整地し、すぐにでも定植できるようにしていたので、足跡ははっきり確認できる。よくみるとイノシシ。この畑はイノシシ対策として電気柵で囲ってある(ただし、いまは通電していない)が、その柵を突破してイノシシが入ってきたようである。キュウリ畝から、二畝隔てたジャガイモ畝を見ると…やられていた! 全体の四分の一程度が荒されていた。(イノシシは、たぶん、そこまでジャガイモを食べて、満腹になったのだろう。後日、またやってくるつもりで、ゲップをしながら立ち去ったに違いない。)

(ちなみにイノシシがよくやってくるのは雨の後。地面が軟らかくなり、掘りやすくなるからだろう。かれらは結構かしこい。)

今年は近所の畑でイノシシがジャガイモを食い荒らし、無傷で残っていたのはわが家を含めて二軒の畑だけだった。わが家の畑には侵入しないだろう、という楽観(イノシシは電気柵を《学習》し、通電していない電気柵でも近寄らないことが多い)と、もしかすると侵入するかもしれない、という不安と、両方があったが、とうとうやってきたのだ。

電気柵
(クリックで画像の拡大)
電気柵。
 電線は4mくらい置きに立てたポールの碍子[がいし]に通す。画像のポールには碍子が3個ついている。普通は下2個に電線を通す。
 碍子の高さには理由がある。イノシシは警戒心が強いので、電気柵をこえる前に、鼻を近づけて探る。鼻の先は毛が生えていないので、電線にあたると電気ショックを受ける。探る鼻の高さが二つの碍子あたりになるのである。
 だから、一番上の碍子に電線を通すのは、普通は、無意味である。しかし地形上、一番下の碍子が低くなりすぎるような場合、一番上にも電線を通す。
 ポールの向こうがわが家の畑。こちら側が他家の畑。こちら側が少し高い。
 左側、ズッキーニ畝の左隣からジャガイモ畝がはじまる。右側、
侵入経路を確かめると、電気柵が一カ所、電線が切れていた。電線はむき出しのアルミニュームで、切れているのは、つなぎ合わせていた箇所だった。イノシシが侵入のために切ったのか(だとすれば、ダミーの電気柵はもう効果がなくなり、じっさいに通電しなければならなくなる)、自然にほどけ、その隙間を利用してイノシシが侵入したのか、よく分からない。その箇所は再度、つなぎ合わせ、さらに、少し高い位置にもう一本電線を張っておいた。

ジャガイモは5種類作っている。メークイン、男爵、デジマ、普賢丸、アンデス赤。デジマ以降の3品種は、春秋兼用種で、春は食べるためというより、秋の種をとるために作る。男爵は茎が枯れ始め、収穫時期になった。次はメークイン。春秋兼用種はまだ茎が青い。食い荒されたのは、デジマと普賢丸のそれぞれ半分、およびアンデス赤の全てである。

またイノシシがやってくるかもしれないので、できれば今日中に全部掘り上げてしまおうと、昼飯抜きで、作業を始めた。男爵とデジマは全部掘り上げたが、その頃から雨が落ち始めた。結局、メークインと普賢丸を残して、作業は中断。張りなおした電気柵の効果で、イノシシの侵入をくい止められればいいのだが…

ジャガイモは、芽を一株2本にする
ジャガイモは、今年は栽培法を変えた。いままでは種芋から出た芽を1本にして、他の芽はかいていた。ところが特大の芋ができることがよくある。品種によっては、一株に2個くらいしか芋がつかず、それが特大ということもある(私が作ったもので言えば、デジマ)。ところが、芽を3本にすれば、程よい大きさの芋が数も多くできる、という情報をインターネット上で得た。そこで、今年は試してみた。

ジャガイモの掘り上げ
(クリックで画像の拡大)
掘り上げたジャガイモ。
品種は男爵とデジマ。
一株3本は、今まで1本にしてきた者にとっては冒険的な数である。そこで2本にし、株間は30cmにした。(アンデス赤は1本。理由は独特な芋の付き方。また、メークインは半数だけ2本にした。芋の数が多い品種なので、2本にすると粒が小さくなりすぎるような気がしたのが理由。)掘り上げてみると、男爵とデジマに関しては、一株2本の結果は上々だった。デジマは一株3本でもいいかもしれない。

村便り:2016-06-19(日) (クワイ)
投稿日:2016-06-19(日)

今年はじめてクワイの栽培に挑戦している。

クワイは父が栽培していたことがある。そして冬の寒いときに掘りに行った思い出がある。農耕を始めてから時折そんなことを思い出し、クワイ栽培を考えたことはあったが、サラリーマンをしながら農耕をしていた時代には時間的にも精神的にもその余裕はなかった。

今年の正月に姪が差し入れてくれたお節料理にクワイがあり、作ってみようか、とまた思うようになった。姪も父が(彼女にとっては、お祖父さんが)クワイを作っていたことを記憶していた。それを聞いて、やる気をかためた。

クワイの種
(クリックで画像の拡大)
クワイの種。
 ポットに植える前。萎びて表面に皺がよっている。
 
クワイ田の代掻き
(クリックで画像の拡大)
クワイ田は狭いので、人力で代掻き。
 左側、樋が入れてある水路が「横手」。ポットに入れたクワイは、その横手ではなく、滞水しがちな横手に入れた。
 
クワイの定植
(クリックで画像の拡大)
クワイを定植した田んぼ。
 前の画像の田んぼとは少し形状が違う。株間を考慮して、作り直した。
 株間は60㎝。この数字には理由があるが、いまは説明を省く。いずれまたクワイについて記事を書くとき、この数字について触れることがあろう。
種は大手の種苗会社の通信販売で入手した。値段は意外と高く、10個で2100円であった。4月始めに発送されてきたが、田植えの準備に合わせて、休耕田の片隅にクワイ田を作るつもりであったので、それまでは屋内で保存しておくことにした。ところが、届いたときは充実した種であったのが、次第に萎びてきた。里芋の種は植えつけるときまで充実している。萎びた種は腐ってしまう。私は、里芋の種の経験から、不安になった。高価な種を、植える前に腐らせてしまう! とうとう4月終わりに種苗会社に電話し、どうすべきか尋ねた。応対した会社の人は、そのままで大丈夫です、と答えた。さらに、植えつけが遅くなり、心配なようだったら、ポットに植えて、腰水が無理なようだったら、乾かさないように水やりして植えつけまで育てればいい、と説明した。

そこで5月始めに、ポットに植えつけてから、田んぼの横手[田んぼ内部の水路]の中にいれ、常時全体が水に浸かっているようにして、育て始めた。

しばらくすると発芽した。種をとりだしてみると、植える前には萎びていたのに、充実した状態に戻っていた。しおれた野菜の苗は水やりするとまた元気を取り戻すが、それに似ている。つまり、クワイの場合、種芋は萎びても(指で押して、中がしっかりしていれば)、発芽には問題がない、ということだろうか。

それから1ヶ月たち、田植えが済みクワイ田を作り、6月5日に定植。今年の年末には無事、クワイが収穫できるだろうか?

村便り:2016-06-13(月) (ダブでの田植え)
投稿日:2016-06-16(木)

田植えは大半を5月28日(土)と29日(日)におえた。しかし、ダブ[湿田]が残った。そのダブを2週間後の6月11日(土)に田植機で植えつけ、13日(月)に植え継ぎして今年の田植えは完了した。(機械植えの場合、機械を方向転換する隅とか、変形田の凸凹部分とか、どうしても植えられない部分が残る。その部分を手植えで補うのが「植え継ぎ」である。)

ダブでスタックしたトラクター
(クリックで画像の拡大)
ダブでスタックしたトラクター。2008年5月。
 前輪は地盤が浅いところにあり、後輪は《底無し》の穴にはまった。いわゆる《亀の子状態》になり、後輪はグリップを失った。前輪だけでは、《底無し》からは這い上がれなかった。
 このときは、近所のお兄さんに、チェーンブロックでトラクターをつり上げてもらい、後輪にアルミ製のあゆみをかませ、ギヤを超低速に入れて脱出した。
 チェーンブロックは、トラクターを囲むように三角錐の形に立てた3本の棒の先端につり下げた。棒はトラクターの前方に見えるもの。畦から田んぼの内部に向かっておかれている。
 
草の生えたダブ部分
(クリックで画像の拡大)
草の生えた《底無し》。
 底無し部分は耕作しなかった時期がある。上の画像と見比べると、底無し部分がどこかお分かりいただけるかと思う。
 
無事田植えが終わったダブ
(クリックで画像の拡大)
無事田植えが終わったダブ。
 植え残しているS字部分は、あとから手植えで植え継ぎした。
 

(クリックで画像の拡大)
ダブ全体を見る。広さは5畝(500㎡)。
ダブは扱いづらい。作土の底(硬い地盤)までが深く、トラクターが埋まり込んでしまうような、いわば《底無し》の部分もある。代掻きの仕方が悪いと田植機(私の使っているのは乗用田植機)さえ埋まり込んでしまう。この田んぼでは、じっさい、トラクターがスタックして動けなくなったことがあるし、また、今は休耕(耕作放棄と言えないでもない)している、別のダブでは田植機が立ち往生してしまったことがある。

今年も代掻きを始めるときには、過去の苦い経験ゆえに、不安だった。しかし、今までで一番ことがうまくことが運び、田植えが終わったときには爽快な達成感すら感じた。そこで今年の田植えを中心にして、どのようにダブを田植えしたかを報告する。

ダブとはどんなところか
なぜダブになるのか?田んぼごとの事情があるので、いま話題にしている田んぼに限って、説明する。この田んぼは傾斜地にあり、しかも地下水位が高い。したがって、田んぼの上部分は湿田になりやすい。上から常時、水が流れ込むからである。(1番目の画像の左側が上である。)

さらに、作土の底が深い。代掻きが終わってから底の深さを測ったことがある。作土は軟らかくなっているので、棒を突き刺すと硬い地盤まで入っていく。それから地中に埋まった部分の長さを測れば、底の深さが分かる。一番深いところ(すなわち《底無し》のところ)は50㎝であった。私のもっているトラクターの最低地上高は35㎝なので、30㎝あまりの深さのところまでは、スタックしない。しかし、50㎝もあれば、トラクターのタイヤが泥を踏み抜いてしまうと、間違いなく身動きできなくなる。

水はけ対策の横手
湿田対策として、まず上から流れ込んでくる水をはけやすくしている。荒起こしする際は(荒起こしは乾田状態でする)、ぬかるんでいると、タイヤで土を深く掘ってしまう。作業をしにくいし、また、深い轍は残ってしまうからである。水はけをよくするためには、田んぼの畦に沿って、畦の内側に排水溝を設ける。その排水溝を「横手」と呼ぶ。(1番目の画像で、トラクター後ろ側にS字状の畦様のものが見える。草が生えている部分である。その部分と上の田んぼとの間に溝のようなものが確認できると思う。それが横手である。だから、横手を含めて横手から右側は、田んぼの内部である。)横手はふつう流水路として使う。田んぼによっては、用水路からの取水口がなく、それより上の田んぼから取水した水を横手を通して入れる。流水路としての横手は鍬の幅よりも少し広いくらいで十分である。しかし、湿田対策で設ける横手は幅を広くする。さらに、できるだけ深くする。すると、水の張っていない時期(つまり、秋から春まで)には、タブの部分は乾きやすくなる。もし横手を設けないと、一年中、水が抜けない状態になる。

荒起こしのあとは代掻きである。

荒代掻きの仕方
代掻きは二度する。荒代掻き(「アラジ」と呼ぼう)と植え代掻き(たんに「代掻き」と呼ぼう)である。アラジで初めて水を入れて土をかき回し、そのあとで畦塗りと肥料撒布をして、代掻きをする。そして代掻きの3、4日後に田植えをする。(代掻きと田植えの間に、2日か3日をおいて、代掻きでかきまわした土を落ち着かせる。)

アラジの際には、ダブの部分は畦に沿ってトラクターを走らせるのではなく、バックで畦際まで寄り、そこでローター[回転する鋤]を下ろして、畦と直交する方向に、前進しながら土をかく。代掻きの際にはトラクターを畦に沿って走らせるが、アラジ際にもそうすると、同じ轍を二度走ることになるので、轍が深くなる。それに対し、アラジの轍と代掻きの轍が直交するようにすると、轍が深くなるのを防ぐことができる。

ただ、その際、荒起こしの際に土を十分に砕いていないと、スタックする危険がある。強湿田の部分は何年か耕作しなかった時期がある。その間、その部分には草が生い茂り、土中は根が縦横に張ってしまった(2番目の画像参照)。そこを復田しようと思い立った。荒起こしの際には、土を起こさず、アラジになって初めて起こした。バックしてトラクターを入れ、ローターを下ろして前進しようとしたとたんにローターに強い力がかかり、踏ん張った後輪は土を踏み抜いてしまい、動けなくなった(1番目の画像参照)。そのような事態に陥らないために、荒起こしの際に、土をよく砕くのである。

植え代掻きの仕方
ダブ部分は、アラジはやるが、深くなるのを防ぐため、代掻きはしない、という手もある。じっさい、そうした年もある。しかし、そうすると雑草対策で問題が生じる。私は除草剤を使用する。除草剤は、アラジのときと田植えのあとの2回使用する人がいるが、私は田植えあとの1回だけである。もし代掻きをしないと、除草剤を撒布するときには雑草が大きくなってしまい、除草剤が効かない場合がある。だから、ダブも代掻きまですることにしている。除草剤は田植え後1週間くらい、すなわち、代掻きから10日あまりで撒布するが、そのころは、まだ雑草は除草剤で退治できるくらいの大きさにしかなっていない。

さて、代掻きの際は、外周は畦に沿ってかく。ダブの部分もやはりそうであるが、トラクターはできるだけ直線的に走らせる。少なくとも急な方向転換は避ける。曲がると、タイヤが泥を押す形になり、タイヤに強い力がかかり、土を深くしてしまうからであり、また、泥にはまり込むことがあるからである。

今年は、ここまで順調にことは運んだ。トラクターがスタックしない限り、ほぼ、田植機がスタックすることはない。田植機の方が最低地上高は大きいからである。「ほぼ」であり、「必ず」ではない。じっさい、トラクターがスタックしないで代掻きをおえた田んぼで田植機をスタックさせたことがあった。田植機は車輪の幅が細いので泥を踏み抜きやすい。それが原因だったと思う。今年は、代掻きをしながら、深いところではタイヤの埋まり具合を確認し、その埋まり具合から田植機は余裕で走ることができると判断した。

こんな具合にして、ダブの田植えが終わった。

 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R