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村便り:2007-12-27(木) (白菜漬用の白菜を調製し干す)
投稿日:2007-12-28(金)

 漬け物にするため白菜を収穫。

 今年の白菜は大きく育たなかった。理由は追肥不足。白菜は2、3回追肥して、葉数をかせぎ、葉っぱを大きくしてやる。寒くなると生育が止まり、肥料不足のものは小さい葉のまま結球しない。白菜は肥料食いなのである(しかも食い残しが多いので、まるで飽食肥満のわれわれ現代日本人のようである)。

 大根も大きくならなかった。間引きも追肥もできなかったからである。大根は肥料食いではないが、追肥は一度はしてやらないと太らない。また間引きしないと、お互いに肥料を奪い合いながら掣肘し合うので、これまた肥大の妨げとなる。

 白菜にしろ大根にしろ、追肥や間引の時期は、畑の農繁期と稲の収穫とが一時重なり合いながら続く頃なので、通いの一人兼業農家という私の境遇ではしかるべき世話をきちんと施すのはなかなか難しい。そのうえ、生育の状況は把握しながらも必要な手が出せないのは辛い。

白菜
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とろ箱に並べて干している白菜。順調に育った白菜の場合、とろ箱には二つ割りにした白菜は6片しか並ばない。しかし、今年は小さいので、8片も並んだ。結球が半ばまでしか進んでいないのは、画像で分かっていただけると思う。
 毎年年末の恒例になっている沢庵漬は今年は断念した。でも白菜漬は曲がりなりにもやることにした。

 白菜は二種類栽培している。ひとつは、普通の、すわなち砲弾型の白菜。もうひとつは、長円筒形の白菜(紹菜、たけのこ白菜)(*)。白菜漬にするのは前者。
この白菜は、普通の白菜と同じ施肥量でも結球した。もしかすると、長円筒形の白菜は普通の白菜よりも肥料が少なくても育つのかもしれない。また、体験からすると、こちらの方が圃場での貯蔵性に優れる。

 結球しているのは少なかったが、多くは半結球のものを都合30個ほど収穫した。重量にして23kg。

 白菜は軽く洗った(*)あとで一日(といっても正午から5時過ぎの日没までであるが)干して(*)暗くなってから小屋に納めた。明日は雨の予報だから、荒漬は明後日の予定。
(*)白菜を洗う理由と、それにまつわる思い出話については、「村便り:2007-01-28(二回目の白菜漬の準備)」に書いてあります。
 また、干すことに関しては「村便り:2006-12-25(白菜の荒漬け)」を参照してください。
 さらに、白菜漬全般(塩加減やつけ方)については「天地人籟: 2003-01-05  白菜漬け」を参照してください。

村便り:2007-12-23(日) (蕎麦を碾く)
投稿日:2007-12-25(火)

 昼前から蕎麦の製粉。電動製粉機を使う。製粉作業は、粉が埃のように周囲に舞うので、村まで行って小屋でやろうかとも思ったが、自宅のベランダですることにした。さいわい、暖かくて風のない日なので屋外での作業も苦にならなかった。

 製粉機は四年前に買ったもので、今までに三回しか使っていない。だから製粉の工程はまだ確立していない。三回目に使った二年前を思い出しながら、作業を進めた。

剥き実
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 殻をとった蕎麦の実。
 新しい蕎麦は甘皮が緑である。古くなるにつれて、褐変する。甘皮が緑なのは??が含まれているからであり、それが蕎麦のかおりの素になる。
製粉
(クリックで画像の拡大)
 製粉に使う道具。
 一番奥が電動製粉機。上皿から穀類を入れて、手前の口から受け皿に製粉されたものが出る。
 手前に、ストレーナー、篩、粉受け容器が積み重ねてある。一番上のストレーナーで皮を除く(工程(1))。その下の60メッシュの篩で粉を取る(工程(2)と(5))。
分離した粉と殻
(クリックで画像の拡大)
 篩分けた粉と殻。
 左上が(2)の工程で出たそば粉Ⅰ。そば粉Ⅱも見た目には同じ。右上は(2)の工程で篩に通らなかった殻まじりの粉。手前は(1)の工程で分離した蕎麦殼。
製粉工程
(1)殻を外しながら製粉。製粉機から出てきた粉を、まず、台所用品のストレーナーに通して、大きな殻を除く。

(2)殻を除いた粉を60メッシュの篩に通して、粉(そば粉Ⅰ)を取る。

(3)前の工程で篩を通らなかった、小さな殻まじりの粉を、再度、製粉機にかける。ただし、製粉機は(1)の工程より細かく碾けるように調整する。

(4)製粉機から出た粉を(1)で使ったストレーナーよりも細かい目の篩にかける。この工程で篩に通らなかった殻まじりの粉を、クズ粉とする。

(5)クズ粉を除いたものを60メッシュの篩に通して、粉(そば粉Ⅱ)を取る。篩に通らなかった粉を、そば粉Ⅲとする。

 以上の工程で玄蕎麦3kgから取れた粉は
そば粉Ⅰ - 900グラム
そば粉Ⅱ - 550グラム
そば粉Ⅲ - 550グラム
クズ粉 - 150グラム
になった。

 蕎麦打ちに使えるのはそば粉Ⅰとそば粉Ⅱであるから、重量比で玄蕎麦の半分ということになる。しかし、完全に機械化された工程で効率よく碾くと、おそらく、重量比で玄蕎麦の三分の二が利用できる粉になるのではないだろうか。

 そば粉Ⅰとそば粉Ⅱを使って蕎麦打ちし、夜、同僚家族と一緒に食べた。粉は、そば粉8と小麦粉(中力粉)2の割合で混ぜたものを900グラム使った。人数は6名(うち二人は「中人」)。

蕎麦のかおり
 新蕎麦のかおり、という固定観念がある。しかし、製粉しているときはふとかおりが立つことがあったが、食べるときはなかった。食感はなめらかだった(私は通ではないので、大雑把な感想である)。

 かおりはほとんどないものだろうか、それとも、製粉の過程で飛んでしまったのだろうか。使った製粉機は小径の石臼が高速回転するもの。回転数の調整はできない。製粉が終わって石臼を触ってみると、かなり熱かった。昔ながらの手回しの石臼がいいのは、製粉時に熱が出ないのでかおりが飛ばないからだ、と言われている。電動でも、本格的なものは、低速回転もできるようだ。しかし、そんな製粉機は家庭用としては高額すぎる。暇になったら、今は使わないまま小屋の隅に重ねてある手回し石臼を使って蕎麦を碾いてみたいものである。
村便り:2007-12-20(木) (水選/洗した蕎麦を乾かす。 製粉機はどこ?)
投稿日:2007-12-21(金)

 12月23日(日)に同僚家族と蕎麦打ちして食べる予定である。そのため、先日から玄蕎麦の調整を行なっている。いままで行なった調整は、

 (1)脱穀した蕎麦を篩(目は、蕎麦の実が通る大きさ)を通して大きいゴミを除く。
 (2)箕で風選する。
 (3)再度、篩(目は、蕎麦の実が通らない大きさ)でゴミを除く。
 (4)玄蕎麦を真水につけて精選し、洗う。

である。(詳しくは「村便り:2007-12-16(日) (蕎麦の実の「磨き」)」を参照。)

洗った蕎麦を乾かす
(クリックで画像の拡大)
 洗った蕎麦をざるで乾かしているところ。
 ざるは、梅干し用の梅を乾かすときに使う、丸い竹ざるを使った。ざるの目から蕎麦が落ちてしまうので、布を敷いた上に蕎麦を広げた。
乾いた蕎麦
(クリックで画像の拡大)
 乾いた蕎麦。
 蕎麦を乾かすとき、ときどき蕎麦の位置を変えてやると乾きがはやい。位置の変え方に関して、籾を干す際のやり方を思い出した。何らかの理由で十分に乾燥していない籾は筵に広げて干す。籾の位置を変えるには、筵の両端を上げて籾を筵の中央部に集める。それから、道具(籾さがし)を使って、籾を再度、筵に広げる。(道具と、蕎麦を筵に広げた画像は「村便り:2007-11-24(土) (タマネギ定植)」にあります。)
 手前のざるを見ていただきたい。下敷きの左右の端を持ち上げて、蕎麦が中央に寄せてある。その蕎麦を再度、手でざる全体に広げる。このようにして位置変えをする。
調整した蕎麦
(クリックで画像の拡大)
水選/洗して調整が終わった蕎麦。
 (3)の工程を終えた玄蕎麦はいったん保存し、製粉するときその都度、必要量だけを(4)の工程を通すことにする。
 (3)の時点で1.1kg(一升枡、1杯)あった重量は(4)の工程を終了すると、1kg弱になっていた。(4)で、おおよそ10%のゴミや未熟蕎麦が除去されたことになる。

 製粉は蕎麦打ち当日の午前中に行なうつもりだが、2年間使っていない製粉機を点検しておかなければならない。ma femme の記憶では、小屋に納めてあるはずであった。しかし、小屋のどこにも見当たらなかった。そこで、蔵に入れたのだろう、ということになった。蔵は晴れた昼間しか開けない。湿気の侵入を防ぐためである。日程と天気予報を考えれば、今日しか開ける日はなかった。そこで、午後一コマ目の授業が終わると、車で40分離れた[蔵と小屋しか建っていない]屋敷に急いだ。

 蔵の中を探したが製粉機はなかった。いったいどこに? 私にはまったく見当がつかなかった。

 夜帰宅して、ma femme と一緒に記憶の中を探し回ったが、在り処に関する情報は見つからなかった。仕方ない。そこで、家の隅に以前おいてあった製粉機の記憶から辿りなおすことにした。小屋にもっていく前は、ここにあった…すると ma femme は何か閃いたようだった。そして、その横の押し入れを探すと…一番奥に製粉機が「隠れ」ていたではないか!なんともあっけない幕切れである。奥に押し込んだのは間違いなく ma femme であるが、おそらくは、それはあまりに普通の行動なので記憶にあとを残さず、邪魔だから小屋にでももっていけばいいのに、という思いが代わりに記憶になりすましたのだろう。

 せっかく玄蕎麦を3kgも洗って乾かしたのに、という徒労感の混じった苛立ちが、一転して安堵になった。

 残るは製粉と蕎麦打ち。請うご期待。
画像の追加
投稿日:2007-12-19(水)

「村便り:2007-12-16(日) (蕎麦の実の「磨き」)」 に画像を追加しました。
村便り:2007-12-16(日) (蕎麦の実の「磨き」)
投稿日:2007-12-17(月)

一日人間ドック
 昨日、12月15日は一日人間ドック入り(実質は、半日ドック)。三年前から、職場の健診の代わりに、人間ドックでの健診を受けるようになった。それまでも一年置きに人間ドック入りしていたが、一年置きを毎年に変えたのは、家族の健診を促すためがあった。ma femme は専業主婦的状況にあるので、定期健診は強制されない。しかし年齢から考えれば、定期的な身体のチェックは望ましい。腰の重い彼女を自分が受診することで動かそうと考えたのだ。

 例年、8月終わりにドック健診を受けていたのだが、今年は申し込みが遅れたため、この時期になった。今まで通り、結果は、問題なし、だったが、8月と12月の時期の差は体重差にあらわれた。8月は農耕のシーズンの只中で、暑さの中で長時間農作業することが多い。栄養摂取量より消耗量が多いので、結果として、体重が減少する。冬は作業量が減るし、食欲も旺盛になる。夏冬の体重差は3kgほどになる。冬の体重増は脂肪分が寄与しているので、体脂肪率も増加していた(私は体脂肪率は低い)。

 昼は、健診施設でもらった食事券を使って ma femme と一緒に食事。午後は、農作業には行かないことにして、一人で本屋廻りをしてから帰宅した。夜、ma femme がぽつり。「久しぶりに一日中家にいたね。」家にいた、ではなく、ma femme と一緒にいた、と言う方が正確である。週日サラリーマン、週末百姓の二重生活者にとって、たしかに滅多にないこと。のんびりした一日であった。

 さて、日曜日の今日。私は、昨日と性格が一変し、苛々こせこせ動き回る週末農夫に戻った。

 メインの作業は蕎麦の「磨き」作業。「磨き」という言葉は、インターネット上の知友人(知人のようであり、友人のようでもあり…)、ムーさんのブログで知った。蕎麦は脱穀して篩や実でゴミを除いたあと、「石抜き」と「磨き」の工程を経て、粉にする。

「石抜き」

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本文にある(3)の工程。脱穀した蕎麦からゴミを除く最後の工程。
 作業しているところは自然畝。

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(3)の工程で10kgの玄蕎麦からでたゴミ。

(クリックで画像の拡大)
水選/洗の工程。ゴミと未熟蕎麦が浮かんでいる。

(クリックで画像の拡大)
水に沈んだ実を洗って篩に移し、水切り。
 「石抜き」とは、実に混入している石や泥を除く工程。機械化された工程では専用の機械はあるようだが、すべて手作業の私は、その工程を特別には設けない。脱穀した実を、
(1)まず目の粗い篩で大きなゴミ(蕎麦の葉や枝)を除き、
(2)ついで箕を使って、残ったゴミを除く。
(3)最後に、目が、蕎麦の実より小さい篩を使って、小さなゴミ(葉っぱが微塵になったものとか、雑草の実とか、昆虫や昆虫の幼虫が残した糞とか)を振るい落とす、
という三工程の(2)と(3)で「石抜き」ができてしまう。とくに(3)のときに、篩に入れる蕎麦の量を少なくすれば、石や泥は発見しやすい。

私流「磨き」すなわち水選/洗
 ムーさんのブログで初めて知った「磨き」はどうやら「蕎麦の実についている汚れや泥を磨き落とす」工程のようである。これにも専用の機械があるようである。
 私は「磨き」という言葉と工程を知る以前に、今年は製粉する前に蕎麦の実を洗ってみようと考えていた。そう考えるきっかけになったのは、種蒔き前に、種を塩水で選別した経験である。塩水(塩10%)の場合、目視によると半分ほどの実が水面に浮かんだ。そこで真水だと、未熟な実と細かなゴミが浮かぶはずである、と考えた。去年の種を使って実験したところ、予測した通りになった。粉にして茹でると、汚れや泥が微量混入していたとしても健康には関係ないとは思ったが、今年は、昨今の食品偽装事件に触発されて、製粉工程を衛生的に管理しようと考えた(なんてことは、嘘! で、動機はたんなる好奇心)。
 ということで、今日は「磨き」目的で、蕎麦の水選/洗をしてみた。

今年の収量
 まず、脱穀しておいた実を全部、(1)から(3)の工程を通して、ゴミ除けと石抜きをした。今年の収量をはかると、10kgだった。一升枡一杯の実が1.1kgで、全部で1斗あったので、こういう計算になった。播種量は1kgだから、10倍に増えたことになる。今までで一番収量が多いが、栽培の仕方次第ではまだ伸びるかもしれない。

「磨き」は成功!?
 ついで水選/洗。水が八分目まで入ったバケツに一升枡一杯の実を入れた。そして浮かんだ未熟実とゴミをすくい取り、沈んだ実を軽く洗った。それを目が一番小さい篩に流し込んだ。水を切った蕎麦は、自宅に帰って、梅干しを干す竹製のざるに広げて乾かした。
 竹ざるの蕎麦を確認したところ十分に「磨か」れている様子。作業は手早くやったので、水がなかまでしみ通ってはいないと思われる。したがって、私流の「磨き」は成功、と言えそうである。

 さあ、どうでしょう、ムーさん。
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