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村便り:2013-11-30(土) (あと少し。人の後押し。)
投稿日:2013-12-01(日)

 稲架7つを残して11時半から脱穀開始。脱穀開始時と途中で計った水分含有量は、16.3%(晴天)、15.5%(晴天)、16.3%(この時点で、晴天から曇天に変わっていた)。脱穀すれば、たいてい水分は減るので、ぎりぎりの水分含有量(多くても16%)。

小春日和
(クリックで画像の拡大)
小春日和。朝10時撮影。
 記事の内容とは関係のない画像ですが…
 陽光を受ける白い山茶花、枝に残る朱色の熟柿、その背景に青々と澄んだ空。私にとっての小春日和の1イメージ。
 まず、「村便り:2013-11-28(木) (初雪)」の画像にある4稲架を脱穀した。

「運ぶのを手伝おうか?」
 農作業をしていると、近くの農道を知っている人が通り掛かり、挨拶をしたりする。今日は最初に、田んぼの近所のSさん(私より5歳年上)が、私が脱穀しているところまで来て声をかけた。話が聞き取れるように、脱穀機の出力を落とした。「(脱穀した籾の袋を)運ぶの手伝おうか?」と彼。以前も、雨が降り出したら袋を運ぶのくらいは手伝うで、と言ってくれていた。彼の家は、我が家の田んぼの近くに田んぼがあるが、ごく一部を畑に転換しているだけで、あとは耕作放棄状態。でも、その畑があるので、田んぼで作業している私とはよく出会い、話をする。「うん。でも、ええわ。Fに、夕方に運搬車をもってきて、袋を軽トラに積んでくれる、ゆうけん[言うので]。」と答える。「ほんまに、ええん?」「うん。ありがとう。」

 Fさん(私より10歳年上)は前回脱穀した時にも、原動機付の運搬車で籾袋を軽トラックに積んでくれた。「孫の子守のついでじゃけん。」と言いながら、孫娘(小学校に上がるまえくらいの年齢)を連れてきて作業をした。籾袋は20㎏余り。不用意に持ち上げると腰を痛めるくらいの重さである。そして、脱穀が終わったあと、田んぼに散らばる袋を集めて、トラックに載せるのは一仕事である。だから、籾袋を運んでもらうと、1稲架よけいに脱穀できる。

「しめ縄の穂がいるんじゃが…」
 しばらくすると、農道を上がってくる人が見えた。小学校の同級生であるが、村の住んでいる地区が離れているので、このあたりの農道で見かけることはない。散歩なのか、と思い、眼で挨拶をしただけで、作業を続けた。すると、後ろから彼が声をかけてきた。「一束もらえるかの。しめ縄を作りょぉるんじゃが、ホが足らんのんじゃ」と言う。私は藁が必要なのだと合点し、すでに脱穀の済んだ田んぼを指して、「あそこにあるけん、もってって[もって行って]や」と答えた。脱穀機は藁カッターを装着しているので、脱穀した藁はその直後に裁断してしまう。それでも、農作業に使うため、カッターを作動させずに少量の藁束は残してある。しばらくすると彼は帰って来て「ホがいるんじゃ」と言う。その時やっと彼の必要なものが分かった。しめ縄につける稲「穂」が必要なのである。稲架からまだ脱穀していない稲束を外して彼に渡した。「これ[一束]だけでええんや?」「これだけありゃ、足りる。」と、彼は礼を言って去った。この時期、稲架が立っているのは我が家の田んぼしかない。私にとっては不本意のことではあるが、彼の役には立ったことになる。

 4稲架を脱穀し終わると、脱穀機を軽トラックに積んで、わずかに離れた、最後の田んぼに運んだ。自分自身で籾袋を集めるとすると、この時点で今日の作業は終了しなければならない。しかし、私はFさんをあてにして、最後に残った3稲架の脱穀を始めた。時間を計算するとあと1稲架はできる。はたして作業の途中にFさんがやってきた。脱穀が終わるのに時を同じくして、Fさんが軽トラックに籾袋を10袋積んでやってきた。「ここの袋も運ぼうか?」とFさん。「ええわい。3袋しかないし、[軽トラックまで]すぐじゃし、わしが運ぶわい。」と私。「わかった」と去るFさんにお礼を言い、後片付けの作業にとりかかった。

「あんた方の田んぼか」
 作業の途中ふと顔を上げると、田んぼに沿った県道の歩道を歩いてくる人と眼が合った。また小学校の同級生だったが、「穂」を求めたのとは別の男性である。「いつまでも稲架が残っちょる[と]思よぉったが、あんた方の田んぼか。」彼はそこが我が家の田んぼとは知らなかったようである。しかし、散歩で見かけるたびに「いつまでもこがん[脱穀しない]が、どこの田んぼじゃろうか」と怪訝に思っていたに違いない。彼と話をしながら、私は雲の切れ目から見える山の端に沈む太陽がしきりに気になった。ひとしきり話をしたあとで、彼はまた散歩を続けた。私は軽トラックに今日最後の3袋を積んで、屋敷に急いだ。蔵の収納庫に今日の13袋を積み上げおえたころは、すでに夕闇が迫っていた。
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