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村便り:2007-02-24(温床の《壁》を藁で編む)
投稿日:2007-02-28(水)

編み終わった藁の《壁》
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編み終わった藁の《壁》。
 一週間後に藁を踏み込む予定の第一温床。
突っ支い棒
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突っ支い棒をして藁を編む。
 四月始めから使う予定の第二温床。
角を編む
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角を編む。
 午前中は子どもにつきあって家にいたため、農作業は午後。先日から作り始めた温床の枠を藁で編む作業をした。二ヶ所の温床を四時間ほどで仕上げる。あとは藁を踏み込めば温床の完成だが、第一回目の踏み込みは一週間後の予定。

 毎年やる仕事なのでとくに新味はないが、今年は、藁の編み方の、些細な点でふたつ進歩があった。

 ひとつは、藁を編むとき、枠の横棒に支柱をかませること(二番目の画像を参照)。藁を編みつける枠は、前回の村便りの画像を見てもらえば分かるように、棒を紐でくくりつけて作ってある。紐はきつく縛ってはあるが、藁を編むときどうしても横棒が下がってしまう。ふと思いついて、枠を作るとき使った竹の切れ端で、横棒に突っ支い棒をした。思いついてみれば、コロンブスの卵で、アイディアとも言えない平凡な工夫である。

 もうひとつは、角を編むとき編みつける部分を長くすること(三番目の画像を参照)。いままでは角をうまく仕上げられなくて、藁の《壁》に隙間が空いたりしたが、この工夫(これもコロンブスの卵)でその問題点をクリアできた。

 夕方五時のサイレンが鳴るころ仕事仕舞をして帰宅。農作業が忙しくなりはじめたとはいえ、まだまだのんびりしたペースである。

(温床に関する関連記事は、前回の記事の末尾にまとめてあります。)
村便り:2007-02-20/21(温床の準備/エシャロット)
投稿日:2007-02-26(月)

 週末は雨などで農作業ができなかったので、火曜日と水曜日の午前中、農作業。

 三月初旬と四月始めに作るふたつの温床の準備。踏み込み温床は毎年、畑の隅の、決まった場所に作る。去年の温床は、育苗が終わってからそのままにしておいた。

 まずやるべきは、温床の残骸の片づけ。火曜日は、温床の周囲の枯れ草を取り除き、踏み込んだ藁を掘り出した。藁は完熟した堆肥になっており、ほとんど土の状態。

幼虫とドングリ
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甲虫の幼虫と、発根したドングリ。
発根したドングリは三個、その上に幼虫が丸まっている。
温床の骨組み
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骨組みを作った温床。
 左に積んである藁束は、温床に踏み込む材料。右のビニールの中では、人参と二十日大根が育っている。
エシャロット
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エシャロットの植え付け。
 去年7月始めに収穫して種として保存していたもののうち、三分の二が腐ってしまった。収穫時期や保存の仕方が悪かったのだろうか。今年は、その点を研究してみなければなるまい。なお、植え付けたのは、去年と同じ数の7球。
 ふたつ目の温床から堆肥を掘り出していたときである。堆肥のなかから、甲虫の幼虫がたくさん出てきた。子どもがカブトムシやクワガタの飼育に熱中していたころ、一緒に温床を掘り起こしたことがあった。子どもが、堆肥のなかにカブトムシが卵を産むことがある、と知り、確かめたがったからである。それ以前には堆肥のなかに甲虫の幼虫らしいものを見たことはなかったので、いるとは思わなかったが、子どもの探究心につきあった。結果は、私の予想通りだった。ところが、今年の堆肥のに、飼育場かと思えるくらいに甲虫の幼虫が潜んでいたのである!しかし、《飼育場》をそのままにしておくわけにはいかない。成虫になるまで待っていたら、野菜の育苗ができない。私は幼虫を端からバケツに入れて、別の場所に作った《飼育場》に移住させてやった。《飼育場》の作り方は素人の私だから、移住が成功したかどうか自信がない。

 《飼育場》の堆肥にはもうひとつの椿事(?)が潜んでいた。茶色の小さな球根がいくつか出てきて、それらは皆、発芽していた。しかし、その球根は見知ったものではない。よくよく見ると、じつはドングリで、発芽していたのではなく、発根していたのである。温床のすぐそばに十年ほど前からドングリの木(コナラだろうか)が育っている。母が、○○(私の姪にあたる)が植えたドングリが芽を出した、と言っていたような記憶がある。その木に一昨年、実がなっているに気づいた。去年は、さらに多くの実がなった。その実が温床のなかに落ちて発芽したのである。

 堆肥のなかの甲虫の幼虫にしろ、発根したドングリにしろ、実物を見るのは初めての経験なので、子どものようにわくわくした気持ちになった。

 水曜日は、整理した温床の骨組み作り。

 さらにエシャロットの植え付け。エシャロットは昨年春、フランス人の友人から送ってもらったものから自家採種した。去年は三月下旬に植え付けして夏に収穫した。その経験から、少し早めに、すなわちワケギが生育を始めるころに、植え付けた方がいいのでは、と考えていた。そこで畑のワケギの様子から植え付け時期を判断したのである。

関連記事

【踏み込み温床】
伝え来ったわざ(2002-03-30)
踏み込み温床(2003-03-20)
続・踏み込み温床(2003-03-24)
「藁枠の編み方」(2006-03-03)

【エシャロット】
「エシャロット」(2006-04-13)
《長い間の念願だったエシャロットの種球を手に入れて、この春、植えつけた。収穫は夏の終わりになる予定だが、はたしてうまく育つだろうか?》
「エシャロットの収穫」(2006-07-08)
《7月7日にエシャロットを収穫した。春に植えて夏に収穫する作型に不安を抱いていたが、エシャロットは私の不安をよそに立派に育っていた。》

I字姿勢の合理性 【太極拳】
投稿日:2007-02-15(木)

 2月9日(金)の稽古は、弟子の一人が風邪で欠席。

 お師匠さんは、太極拳の記事に目を通したそうで、一ヶ所疑問の点を指摘した。以前の記事で、太極拳姿勢(背骨のS字をI字型に伸ばした姿勢)について書いた個所で、太極拳をやっていると内股になる、との師匠さんの言葉を引用したが、その点に疑義を示された。「ワタシ、内股になるって言いましたっけ。両足は平行にはしますが。」「ム…」と頭のなかでまず答えて「はい、訂正しておきます」と私はかしこまった。

 稽古中、お師匠さんは動きを止めた状態で弟子の体勢を確かめることがある。I字姿勢について、作り方のこつは掴めたつもりだが、実際の動きのなかで間違いなく実現することは私にはまだできない。だから、お師匠さんに「もう少し腹を引っ込めて」とか「胸をすぼめて」とか指示されることがよくある。体育館は寒いので着ぶくれ気味で稽古している。そこでお師匠さんは姿勢が怪しいと思われる個所を触って確かめて指示を出す。腹を押されると腹を引っ込め、背中を触られると背中を丸くする(言い換えれば、胸をすぼめる)、ということをやっていると、自分が粘土細工の人形になってお師匠さんにいじられているような変な感覚を覚える。

姿勢の合理性
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動作は左から右に変化する。右側で青い線は、右足の踵が地面を押す力が右手に伝わる経路を示している。身体の中を走る力線とも言えようか。左足にも青線が入っているが、その意味は、この姿勢では左足にも体重がかかっている、ということである。
 お師匠さんがある動作の説明をしているとき、I字姿勢についてあることが閃いた。指を上に向け掌を前に向けた手を、耳のあたりから前方に向かって押し出す動作がある。(図参照。図では右手を前に押し出している。)この動作は、小指の下の掌の部分で相手を突く動作である。だから、指より掌が心持ち先行して出て行かなければならない。さもなければ、弱い指の部分で相手を突くことになり、指にダメージを受けかねない。また、指はまっすぐ上に向ける。このとき、一番力が入れやすいからである。

 太極拳は本来、武術である。対戦相手がある。だから、相手の存在しない套路[型の練習のため一連の技を組み合わせたもの]でもつねに相手は想定されている。手の動きや姿勢は戦闘的意図に基づいた合理性をもっている。上に述べた手の動きは、手の平面が地面と垂直になり、かつ指がまっすぐ上を向いているとき、合理的なのである。

 こう考えていくと、I字姿勢は理解しやすく、かつ、作りやすいものになる。たとえば柱を押してみる。背中を丸め、腰を前に押し込むようしないと力が入らない。背骨がS字形では駄目である。I字姿勢はだから、向かって来る力に対抗するのに合理的な姿勢である。相手と戦う姿勢である。

 図の動作に即して言えば、こうである。動作は左から右に変化する。左手を、膝前を払うようにしながら左体側に移動し、やや遅らせて右手を前に押し出す。腰は進行方向に向かって回す。その一連の所作からなる上半身が、全体として前に移動する。移動は足の動きによる。右踵を少し外側に押し出すようにしながら、右膝を伸ばし、右足の力で前進する。すると、右踵が地面を押す力が、背骨を経由して右手に伝わる。言い換えれば、身体全体の力が右手掌に集中される。この合理的な力の集中に、I字姿勢は貢献しているのである。

 このように理解すれば、実際に動くとき、相手をイメージし、たとえば手で押すつもりになれば、背骨は自然にI字形になる。合理的なやり方とは言えないが、額で何かを押すつもりになっても、やはりI字形になる。

 お師匠さんにいじられ、お師匠さんの説明を聞いているうちに、このような姿勢の合理性に思いいたった。(お師匠さんいかがでしょうか、こんな理解は?)
村便り:2007-02-12(子どもと二人の野良仕事)
投稿日:2007-02-14(水)

 土曜日から月曜日にかけての三日連続の休日は、最初の二日は卒論を読むために《出勤》したので、月曜日だけを農作業にあてた。子どもと二人で畑に行く。

 子どもは幼稚園の頃から週に一度は畑について来るのが習慣になっている。だから、私が農作業をしていても自分一人での時間の過ごし方を心得ている。今日は、サッカーボールを蹴ったり、木の枝を切って作った《ボール》を、折れた鍬の柄を再利用した《バット》で打ったり、本を読んだりして、むろん退屈するときもあるのだろうが、夕方まで野良で過した。

 今日は、まず午前中は友人と知人に送る荷物を作った。知人には、京芋を送ってもらった返礼に、八つ頭を送るつもり。そこでまず、子どもと一緒に田んぼに八つ頭を掘りに行った。私は一輪車を押して、子どもは自転車に乗って。里芋類は休耕田に作る。冬が近づくと畝をもみ殻で厚く覆って越冬させる。そして必要に応じて掘りあげる。

 田んぼに行くと、隣の他家の田んぼで、その家の主人(Nさん)が作業していた。八つ頭を掘り終えると、その人の方に声をかけた。向こうはこちらに気づき、手を上げた。そして大きな声で何かを言った。私は聞き取れなかったので、畦を通って近づいた。「三月三十一日と四月一日に泊まりがけで羽合温泉に行くけん、予定しとってや。」年に一度の講中(*)旅行である。Nさんは講中の幹事をやっている。そして私の子どもに向かって「あんたも行くじゃろうが。はあ[もう]人数に入れとるで」と話しかけた。子どもは「うん、行けると思うよ」と答えた。子どもは講中旅行によくついて来る。しかし去年の一日旅行には来なかった。ある時、Nさんは私の子どもに「なんで来んかったんな」と訊いた。子どもは「温泉行って泊まるんなら行くけど」と答えた。するとNさんは「よーしゃ、今度は一泊旅行にするけん、絶対来いよ」と子どもに念を押した。その時の約束が頭に残っていたのかどうかは分からないが、本当に今年は一泊旅行になり、子どもも心が動いたようである。
(*)「講」とは葬儀のための互助組織。我が家が属している講は、血縁・地縁で結びついた十数家で構成している。講については以前 記 事 を書いたことがある。

 午後は、一週間あまり前に人参を蒔いたビニールトンネル内に二十日大根を蒔いた。まだ人参は発芽していなかった。暖かい時期でも発芽まで一週間はかかるので、暖冬とはいえ低温期、種がなかなか芽を切り[芽を出し]たがらないのは、当たり前。

蕎麦のゴミ除き
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蕎麦のゴミを除いたあとは、細かい目の篩を使って細かい土塊を除く。その作業は後日。
 それからとりかかったのは、昨年11月、脱穀したままにしていた蕎麦のゴミを飛ばす作業。脱穀した蕎麦には、葉っぱが粉々になったものとか茎の切れ端が混じっている。茎などの大きいものは、蕎麦を篩に通して除くか、手で除く。葉っぱの粉砕くずのような軽く小さなものは、箕を使って吹き飛ばす。作業をしていると子どもがやって来て、箕の使い方を見ている。自分もやりたそうな顔をしていたので、やらせてみた。私の真似をして箕を揺する。しかし初めてなので要領が掴めず、《種蒔き》をしてしまう。「春になったら、その辺に蕎麦が生えるぞ」と言うと、子どもは笑った。今度はやりかたを説明してから、再度挑戦させると、うまくなった。

 五時のサイレンが鳴るころ作業終了。日が長くなったな、と思いながら、急いで着替えをして、車に乗り込んだ。子どもはすでに車に乗って待っていた。
村便り:2007-02-06(二回目の白菜漬)
投稿日:2007-02-10(土)

 今冬二回目の白菜漬は、2月6日の午後、本漬けをした。

漬ける前
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足かけ三日干して仮漬けする前の白菜。
仮漬けした白菜
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仮漬けした白菜。
 白菜は50リットルの桶にあふれるほどであった。確実に水を上げるため、重石を一個余分に重ねた。
本漬け
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重石をおく直前の状態。仮漬けのときに《蓋》にした外葉を本漬けのときにも利用して、白菜を覆う。この上に板を置いてから重石を載せる。
 1月28日に調製して、足かけ三日干した白菜は1月30日に仮漬けした。一回目のときは、白菜19個(重量は48kg)だったが、二回目の今回は16個(重量は30kg)。一回目は50リットルの桶に入りきらず、さらに40リットルの桶も使ったが、今回は50リットル桶でなんとか間に合った。一回目は水の上がりが悪かったが、今回は重石を増やしたところ、順調に水があがった。

 今年の白菜漬が従来と違うところは、まず、白菜を洗うこと(これは二回目の今回、行なった)。汚い外葉を剥がし、二つに割った白菜は洗って、まだ葉の間に残っているゴミや潜んでいる虫を流しだした。次の相違点は、調製した白菜を干すこと。

 洗った効果は、本漬けの時に確認できた。本漬けのするとき、仮漬けしておいた白菜の水分をざっと絞り棄てる。すると今までは溜まった水にゴミが少なからず出ていた。虫も少数ながらも確認できた。水は絞り出しただけであるから、まだ葉の間にはゴミや虫が残っているはずであった。しかし今回は、溜まった水に見えるゴミは少なかった。理由は、むろん漬ける前に洗ったからである。したがって、白菜の中にまだゴミが残っているにしても、従来ほどではないはずである。

 干した効果はあるともないとも言えない。効果があれば、味に出るべきである。しかし、干す手順を別にして同じ条件で白菜を漬けて、干したものと干さなかったものとを味比べしなければ、効果のほどは確証できない。そんなことをする余裕は今の私にはないから、気分の上で、効果があった、というしかない。まあ、洗えば水を切らなければいけないので、そのために干す、と考えてもいいかもしれない。なお、葉の水分の減少のために水の上がりが悪くなるのではないか、というわずかな気がかりは、調製の手順をもれなく踏んだ二回目の経験で、解消した。

 今冬は異常な暖冬である。そのため白菜漬が例年より早く変質するのではないか、と心配している。いま食べている一回目の白菜漬は《完熟》状態であるが、早めに食べ終えて、二桶目にとりかからないと、せっかく量を漬けた白菜も無駄になるかもしれない。

関連する記事
「白菜漬」(2003年1月5日の記事)
 白菜漬の詳しい説明。

村便り:2006-12-25(白菜の荒漬け)
 漬ける白菜を初めて干してみた。

村便り:2007-01-02(白菜の本漬け)

村便り:2007-01-28(二回目の白菜漬の準備)
 白菜を初めて洗った。葉の間に挟まっていたゴミや虫が出てきた。
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