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村便り:2013-11-28(木) (初雪)
投稿日:2013-11-29(金)

 今年は冬の訪れが早いのかもしれない。

枯れ残る稲架
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枯れ残る稲架。
 「枯れ残る」と形容したいような稲架。稲束は干し始めてから1カ月あまり。はじめの頃は、茎はまだ青く水分を含んでいるので、びっしりと、行儀よく並んで掛かっている。しかし、(籾とともに)茎が乾いてくると、束と束の間に隙間ができてきて、掛かった竿からずり落ちかげんになる。実際にずり落ちて、「枯れ落ちて」、しまうものもある。
 脱穀が済んでいないのは、画像の4稲架と、最後に稲刈りした3稲架(「村便り:2013-11-02(土) (稲刈り完了)」の三番目の画像)。籾袋にして20袋あまり。一日ではきついかもしれないが、二日あれば余裕をもって脱穀をおえることができる。
 銀色のシートをかぶっているは、脱穀機(ハーベスター)。
 今朝、村経由で出勤した。村に入ると車のフロントガラスに雨粒がぽつぽつと確認された。雨は、降っているとは見えないほど。すると、何か白いものが視界に入った。雪である。今シーズンの初雪。

 紅葉は深く色づき、落葉が間近の様子。

 雪の降る前に脱穀は済ませたい、と思っていたが雪に先をこされてしまった。今週末で脱穀を完了したい。
村便り:2013-11-22(金) (稲こぎ開始)
投稿日:2013-11-23(土)

 稲こぎ(*)を始める。ここ一週間は晴天続きだったので籾は十分に乾いている。十分でなくても、スケジュールを考えると、こぎ始めないといけない。流行語の「今でしょう」ではないが、今を逃してしまうと、稲は稲架にかかったまま年を越してしまう(現実味を帯びてはいるが、むろん誇張)。それでもこぐ前に一応、水分計で水分含有量をはかってみる。15.1%。合格! である。出荷するには14.5%に調整しなければいけないらしいが、自家用だとこのくらいで十分。乾きが悪い時期だと16%をきれば、こいでしまう。そして、その分は早めに(梅雨に入るまでには)食べてしまう。
(*)「こぐ」について。
 「脱穀する」の意味。標準語では「こく(扱く)」。しかし、「村」では「こぐ」と濁音化する。なお、標準語では「こぐ」は、脱穀と関連しているとは言えるが別の意味で使われる。「草木を根のついたままそっくり引き抜く」とある国語辞典は語釈している。

脱穀開始
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脱穀開始。
 よく晴れている。しかし、稲架の一部が陰になっている。田んぼに接して、南西側に家が立っているためである(下の画像、参照)。陰になる部分は稲の生育が悪い。稲刈りのころになっても、まだ青い。積算日照時間が稲の成熟を決めるが、まさにそれを実感させる。
 脱穀機(ハーベスター)は田んぼまでは軽トラックで運ぶ。ぎりぎり荷台に載る。そして、朝、11時半に脱穀を始めた。朝のうちは湿度が高い。11時くらいには下がりだすので、そのころが開始の目安。早く始めるとしても10時が限界(むろん時期により違う)。

 最初にもち米をこぐ。収量は、精米後で50kg余りか。1年間の消費量として、これだけあれば十分すぎるほど。あとはすべて、うるち米。

一日の仕事量
 一日脱穀すれば、どのくらいできるか。一人でやるとして計算する。稲架ひとつが45分。精米後の重量では70kgほどであろうか。脱穀は3時を過ぎたらやめる。日没(今は17時前)までには、脱穀した籾を蔵に納めたいからである。すると、脱穀する時間は4時間。順調にことが進めば、なんとか5稲架だろう。今日は計算通りの5稲架であった。

 もし2、3人でやるとすればもっと多くできる。1[ひと]稲架の脱穀は30分。脱穀しているのとは別の人間が、籾袋を蔵に収納するとすれば、脱穀は5ないし6時間できる。すると稲架は10あまり片づく。1人でやるときに比べて倍の仕事量である。そんな計算をしながら、しかし、一人農家の私はのろのろと、しかもいらいらと稲をこぐ。

一日の終わりに
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脱穀の終わった田んぼ。
 太陽は画像右側の山に沈んだところである。
 正面の山は灰ヶ峰。山の向こう側が呉市街。灰ヶ峰を村側から見ると、鳳凰が飛翔しようとして羽を広げつつあるかのようである。その頭に当たる部分に、戦時中は高射砲が据えられていた。いまでもその跡は残っており、瀬戸内海を眺める展望台になっている。そのあたりに、画像では小さな突起が見えるが、それは無人の気象台。その左側(鳳凰の羽の片側にあたる部分)に立っているのは、鉄塔。
「いがいぃ」、「はしかい」、ちくちくかゆい
 稲をこぐと、藁の細かなくずが衣服の隙間から入り込んで、肌がちくちくとかゆい。先日、高知県出身の同僚と話していて、その「ちくちくとかゆい」のを土地の言葉でどう表現するかが話題になった。彼の地方では「はしかい」と表現するそうである。「村」では「いがいぃ」。かゆくなるは、「いがゆぅなる」。インターネットで調べてみると「はしかい」は広範囲にわたって使われる言葉のようである。それに対し、「いがいぃ」は、インターネット検索ではヒットしなかった。地域性の高い方言なのだろうか。「いがいぃ」の「いが」は「毬」(栗などのイガ)に通じるような気がするが。

 暗くなって、稲架を解体した。冷え込む闇のなかで作業しながら、12月始めまでには脱穀が終わるだろうかと、と心細くなった。やるしかない! のだが…
村便り:2013-11-13(水) (エンドウの播種)
投稿日:2013-11-17(日)

 エンドウの種蒔きをした。エンドウは、私のスケジュールでは、遅くとも11月の始めには種蒔きをする。11月も半ばになってからは、おそらくはじめてではなかろう。

 年齢のせいか、2年ほど前から、あきらめが早くなり、間引き栽培や植付けの遅れがよくある。7月半ばから8月始めにかけて播種したあと育苗して、冬に収穫する、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーはこれまで欠かした記憶がないが、今シーズンはやめてしまった。エンドウも、今年は例年になく植付けが遅れ、播種をあきらめかけた。しかし、いま蒔いておかないと、来年初夏、5月後半からのの豆の季節が抜けてしまう、と思うと、空虚感とともに急く気持ちがわき、やっと今日種蒔きをした。

エンドウの播種
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エンドウの播種。
 左の畝にスナップエンドウ。右の畝に実エンドウ。もみ殻を円形に撒いてあるところが、エンドウを蒔いた個所。一個所に4粒蒔いてある。春になり、茎が伸び始めたころに支柱をたてる。
 スナップエンドウの左隣の畝には、枯れ草のなかでラッキョウが旺盛に茎を伸ばしている。一昨年に植えつけしたもの。今年夏に収穫をしたかったが、時間がとれず、2年栽培に変更した。1年栽培に比べて、数は多くなるが、ひとつひとつの粒は小さくなる(はず)。
 向こうの、黒いビニールマルチの畝は、他家の畑。その手前に排水溝があり、そこからこちらが我が家の畑。
自然畝に種蒔き
 過去の作付け図を検討して、連作にならない畝を決めると、草刈りをした。そこは、昨秋から冬にかけてキャベツなどを栽培したまま、収穫後の片づけもせず、いままで草が生えるままにしておいた畝である。自然農法の経験から、エンドウは《自然状態》の畝でも十分育つことがわかっていたので、草刈りをしただけの畝に種蒔きをした。

エンドウは開花以前に受粉する
 種をまいたのは二種のエンドウ。ひとつは、皮ごと食べるスナップエンドウ(スナックエンドウ)、もうひとつは、実エンドウ(皮はかたいので食べない)である。その二種を隣り合った畝に蒔いた。父の死後、百姓を始めたころ、母が、スナップエンドウと実エンドウは近くに植えると、(交雑して)スナップエンドウの皮がかたくなる、と言ったことがある。それ以降、二種のエンドウは離れた畝に植えていたが、あるとき、豆類は開花前に受粉をおえているので、近くに違う品種の豆を植えていても交雑の心配はない、ということを知った。(ただし、虫が蕾を食い破って交雑がおきることもあるそうである。)しかし、隣り合わせにこの二種のエンドウを植えたのは、いままでになかった、と思う。だから、母の言葉をふと思い出した。

タマネギ苗
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育苗中の苗。
 定植適期の大きさになっている。定植適期の苗は、本葉3枚のとき。本葉2枚以下の場合、冬の寒さに負けやすい。それに対して、4枚になった苗は収穫期に薹立ちしやすい。3枚と思っても、3枚目が大きく成長していると4枚目が伸び始めていることがある。このような苗は、すでに大きすぎる。
タマネギは2月始めの定植も可能
 作業をしていると、隣のお姉さん(すなわち、私より年長の女性)が声をかけてきた。「今年はどこでタマネギの苗を作りょうるん?」去年は、エンドウを蒔いている畝と同じ区画の畝でタマネギは育苗した。お姉さんの家のすぐ隣である。しかし、今年は、別の区画の畑に種蒔きをしたので、お姉さんの目には入らなかったようである。「向こうの柿の木の近くに種をまいた。あの辺に行ったら、見てみんさいや。ええがいに出来ようるで。」「去年は遅う、(タマネギを)植えたよね」とお姉さん。タマネギは、9月20日ころ種蒔きして、11月半ばに定植する。しかし、去年はその時期に時間がとれなかったので、年が明けて2月始めに定植した。「うん、2月始めに定植した。それでも、ちゃんとできたで。」11月に時期を逸したら、厳寒期が過ぎ、根が動き始めるまえ、すなわち、2月始めに定植しても、タマネギは、6月になれば、11月に定植したものと同じようにできる。言ってみれば、タマネギは定植の適期が2回ある。あるいは、適期を逃しても、挽回のチャンスはある。

 畑の、作付けシーズンは、タマネギと、ポットで現在やはり育苗中のそら豆を定植すれば終了する。タマネギの方は、どうも年があけてからになりそうだが…
村便り:2013-11-06(水) (サツマイモの掘りあげ)
投稿日:2013-11-07(木)

掘りあげたサツマイモ
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掘りあげたサツマイモ
 午前中、サツマイモを掘りあげた。苗は自家育苗のもの。植えつけたら世話なし。もしかしたら一度は草取りをしたかもしれない。また、キジが芋をつつくので、茎が少し伸びたとき、ネット(蔓もの用のネット)で覆った。

 品種は高系14号。鳴門金時はこの系統のようである。


山茶花
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山茶花。
 畑の隅、井手の脇に生えているサザンカが咲き始めた。サザンカの白い花は霜にあうと枯れてしまう。赤い花はそうではないようである。わが家にあるのは白いサザンカのみ。
 肉眼では、白い花びらの陰影がもっとはっきりしているのだが、画像ではそれがうまく表現できていない。
 
サフラン
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サフラン。
 畑の隅の所々に生えている。父方の伯母が植えたと聞いたことがあるが、正確なところは分からない。
 花弁は、肉眼では、少し赤みを帯びているのだが、画像では、それがまったく表現されない。
 「ひろば」に、サツマイモの収穫について菜園さんの書き込みがあったので、「雑記帳」で話題にしてみました。また、ダダさん(藤田さん)の掲示板いつも花などの写真が掲載してあるので、それに刺激されて、いま畑で咲いている花を撮ってみました。でも、ダダさんのようにはうまく撮れません。
村便り:2013-11-02(土) (稲刈り完了)
投稿日:2013-11-03(日)

稲架
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日が沈もうとするころ、稲架の並ぶ田んぼ。10月30日。
 左端の稲架以外は、南北の方向に並んでいる。南北方向であるのは、稲架の両側に太陽があたる時間を均等にするため。向こうが北。左端の稲架が立っているのは、他家の田んぼ。
 昨日、今日と二日続けて作業をして、やっと稲刈りを完了した。10月中、それも中旬いっぱいで稲を刈りおえたい、と考えていた。しかし、サラリーマン稼業との関係でむずかしいと予測していた、その予測通りになった。稲刈りのあと、稲架で干して脱穀をするが、11月に入ると稲が乾きにくくなる。晴れの日が続くことが少なくなり、乾いては雨にぬれる繰り返しになるからである。去年は一部の脱穀が12月にずれこみ、また、12月はどうしても農作業ができない事情があり、脱穀と乾燥の作業を委託した。乾燥の作業とは、十分に乾いていない籾を、乾燥機に入れ、所定の水分含有量にまでにしてもらったからである。

 例年、最後に稲刈りをするのは、ダブ[湿田]である。この田んぼは、ウワコウダ[傾斜地にある田んぼの、上側の部分]がいつもダブ気ている[湿田状態である]。そこは、バインダー[刈取り・結束機]が使えない。タイヤが埋まり込んでスリップするからである。だから、鎌で手刈りするしかない。

湿田用タイヤ
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湿田用タイヤ。
 バインダーについているのは普通タイヤ。手前の六角形のタイヤが湿田用タイヤ。湿田用のタイヤは、土がかたいところでは、ゴトン、ゴトンといった感じの振動がある。しかし、土の軟らかいところでは、振動がなく、かつ沈まない。普通タイヤより、幅が少し広い。
 今の方向で、画像を見ている眼からして、右側に装着すると、湿田用になる。方向を逆にして、左側に装着すると超湿田用になる。六角形といっても、向かい合う角を結んだ線に対して左右対称ではなく、微妙な違いがある。
 ところが、今年は湿田用のタイヤが転がり込んできた。秋になってのこと。近所を通りかかると、そこのおにいさん(私からしての「おにいさん」であり、客観的には、初老の男性)が、湿田用のタイヤは要らんか、と声をかけてきた。「もろうて来たんじゃが、うちにはあるけん、いらん。いりゃあ、やるで。いらんのんなら、捨てる。」そのときは返事をしなかった。二日後、軽トラでまた通りかかったときに、「どうするんな。もって帰れや。」とまた言われたので、荷台に積んでもって帰った。その人はすでにもっているので、もしかしたら、私のことを考えて、もらって来たのかもしれない。

 そのタイヤをタブのウワコウダで試してみた。タイヤの着脱は簡単である。普通のタイヤでは入れなくなった時点で、タイヤを交換した。その部分は足が埋まり込むくらいの軟らかさである。そして足跡には水がたまる。だから、長靴で作業するのだが、それも田靴[軟らかくて薄いゴムでできた膝下までの長靴]を使う。普通の長靴では泥にとられて脱げてしまうからである。湿田用タイヤは経験がないので、その効果については不安もあったが、ダブ気たところは残らず稲刈りができた。

稲架
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最後の稲刈りとなったダブに立つ稲架。
 向いの小山は紅葉が始まっている。
 画像の左側がウワコウダ。
 この田んぼは耕作放棄田地帯にある。イノシシが荒らしにくるので、電気柵を張りめぐらしてある。この田んぼが昨日と今日で稲刈りをしたところ。今朝、ウワコウダの稲刈りを始める前に隣の田んぼをみると、昨夜イノシシが掘り返したのであろう跡があった。
 電気柵の電池は、近々外すつもりである。電池は1個4000円(税抜)もするので、必要なとき(出穂してから、稲刈りが終わるまで)以外は外しておく。今年は去年使ったものを使った。いまのところ、電圧は十分にあるので、できたら来年も使おうと思う。
 ちなみに、稲架ひとつに稲は320束ほどかかる。稲架の横木(ナルと呼ぶ。私は孟宗竹を使っている)は9m余り。
 このタイヤは付ける方向によって、湿田用と超湿田用に使い分けができる。今日試したのは湿田用の方向だったので、このタイヤを使えば、水が落としてあれば、どんな田んぼでも稲刈りができそうな気がする。今年は、ダブ気たところは最後に稲刈りした田んぼだけだったが、他の田んぼでも年によっては、普通タイヤのバインダーは使えないときがある。だから、湿田用タイヤはこれから重宝するだろうと思う。

 稲を稲架に掛けおわり帰る途中、田んぼで、使い藁にする藁を縛っていたおにいさんを見かけたので、あらためて礼を言った。今朝、作業を始める前にタイヤ圧について、おにいさんに聞きに言ったので、私がダブの稲刈りをすることは知っていた。「湿田用のタイヤを使こうたんじゃが、全部刈れたわい。ええもんをもろうた。ありがとう。」このおにいさんには今まで何度もお世話になっている。本当に足を向けて寝られない人である。

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