<< 2018-02 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   

2018/02
このページの記事一覧   1/1
 (クリックで個別ページ表示)
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2018-02-15(木) (畑の耕耘の準備)
投稿日:2018-02-16(金)

今日は畑の草刈りをしようと思い、野良に出た。

防鳥ネット
畑に行くと鳥の声が耳についた。飛び立つ鳥もいた。ヒヨ[ドリ]である。畑の隅には雑木(大きいものは、山桜、コナラ、ウワミズザクラ)や柿の木が生えているので、そこが彼らの前線基地になっている。攻撃(略奪)目標は南天の実と野菜。これから飛来数(頻度と個体数)は増え、畑の作物が食害されると思われる。そこで、葉菜類(小松菜、かつお菜、ビタミン菜など)に防虫ネットをベタ掛け[野菜にじかに掛けること]することにした。今冬は葉菜類の育ちが悪く、普通に育てば一株で2、3回の食事に使えるのだが、今冬は1回分にしかならないくらい小さい。それでも彼らに食われるのは腹が立つ。防虫ネットは防鳥ネットにもなる。

鳥の鳴き声を聞くと、春が近くなった、と感じる。厳しい寒さの中では凍っていた鳥の声が融け始め、はじけ出したような印象である。そう言えば、昨日はバレンタインデー! でも、枯れた老人には無縁の《愛の囀り日》だった(笑)


(クリックで画像の拡大)
草刈機で草を払う。
 草刈機からこちら側が草を刈った部分。
遅れた寒起し
使っていない畝は寒が明ける頃までには耕耘しておきたかった。いわゆる寒起しである。(寒は、小寒[今年は1月5日]から立春の前日の節分[今年は2月3日]まで。だから、だいたい1月の一カ月が寒にあたる。)すると、起こされ、露出した土は凍みたり融けたりしながら、細かく砕け、春からの農作業で、扱いやすい土になる。(土を露出させることがポイント。たとえば草が生えていると、土は寒さから守られる。)

そうではあるが、2月も半ばになってやっと、それまで寒さに抑えつけられ重くなっていた腰を上げ、耕耘の準備をすることにした。秋から冬にかけて耕作していない畝は草が生え、背丈が伸びだしている。耕耘機で耕せなくはない背丈であるが、根とつながって地上部分が残っていると、草が生きかえるし、また耕耘後の作業の邪魔になる。そこで、今日はまず草を刈ることにした。



(クリックで画像の拡大)
裏の畑のなかでも、特に粘土質が強いところでラッキョウを作っている。その畝の土の状態を写した。
 鎌の左側、画像の真ん中あたりの土を指で軽くかき回した。凍みて融けてぼろぼろの状態になっているのが、見て分かってもらえると思う。
今日は、裏の畑の草刈りで終わった。まだ、横の畑と前の畑が残っている。三面の畑のうち、寒起しの優先度は、裏の畑が一番である。裏の畑は粘土質が強く、起こすと固い塊になりやすい。寒起しは、そのような土でも、寒気にさらして、ぼろぼろに砕いてくれる。

村便り:2018-02-09(金)(人参と大根の播種)
投稿日:2018-02-10(土)

私は通常、2月上旬に人参と大根の種蒔きする。人参と大根は1シーズンで何回か種を蒔くが、これが最初。立春を過ぎたといえ、文字通りの露地には種蒔きはできない。したとしても発芽しない。だから、蒔いたあとビニール・トンネルをかけて保温する。今年は寒さが厳しいので、それが緩むのを待って、今日になった。


(クリックで画像の拡大)
凍みているところは、鍬で耕すと、土がばらけず、大きな塊のまま起きる。左下の棒は、鍬の柄の一部。
 

(クリックで画像の拡大)
凍みた土を砕いたところ。四つ鍬の手前、小さくなった土塊の表面が白くなっているのは、土の中で凍った水分。
村を囲む山を見ると、落葉樹が生えているところは、いくぶん白っぽい色に変わり、柔らかい感じになっている。木の芽の蕾がふくらみ始めたからである(と私は理解している)。「春」は暦の上だけでなく、じじつ、大地の内部から「立」ち始めている。それにあわせて、種を落としてやる、ということになろうか。

今日は、朔夫氏がやってくる日。彼には午後2時にやってくるよう伝えたが、私は朝10時半ころ畑に行き、種蒔きをする畝を起した。作業時間を考えると、午後2時から畝作りを始めていたのでは、日が落ちるまでに種を蒔き終わらない。畝は去年11月に一度耕耘して畝立てしていたが、それから時間が立ったので、もう一度鍬で起こす必要があった。鍬を畑に打ち込むと抵抗感がある。土が凍みていたのである。厳冬期に土が凍みるのは珍しくない。



(クリックで画像の拡大)
里芋類の畝。休耕田。
 右の畝は、普通の里芋(村ではコイモと呼ぶ)。左の畝は、エビイモ。形に違いはあるが、食味はほとんど変わらない。あえて区別すれば、エビイモの方が粘り気が少ない、と言えるかもしれない。
午後、朔夫氏がやってくると、まず田んぼ(休耕田)に行って、里芋を掘った。里芋の畝はスクモで厚く被覆して防寒しているので、いまのところ、芋は寒害を受けていない。里芋は寒さに弱いので、畑に植えたまま冬を過ごさせようとすると、防寒しないと腐ってしまう。

畑に戻ると、私は播種のための作業を続けた。肥料は11月に軽く施したが、やはり元肥[もとごえ。種蒔きをする前に施す肥料。]がないと大きくならないだろう、と判断し、元肥として発酵鶏糞を蒔き条の間に入れた。「川」の3本の縦棒の両側が、蒔き条だとすると、真ん中の縦棒が元肥の位置である。そこに浅く溝を掘り、発酵鶏糞を入れて土と混ぜ合わせ、それから、溝を土で蓋をする。蒔き条の下に入れないのは、大根でも人参でも、地中に伸びて太った根を食用にするが、直下に肥料分があると、根の伸長に影響が出ることがあるからである。


(クリックで画像の拡大)
除草・中打ちしたキャベツ畝。ネットで被覆してあるのは、蝶対策。まだ、蝶はいないが。春になって、蝶が葉っぱに卵を産みつけると、孵化した青虫が食害する。
私が作業をしている間、朔夫氏には大きくなり始めたキャベツに追肥[ついひ、おいごえ。作物の生育途中に追加して施す肥料]をしてもらった。キャベツの周りに、ホトケノザを主体にした草が生えている。生え具合からしてキャベツの生育に大きく影響することはないだろうが、その中に春になると背が高くなる草も混じっている。そこで、まず、ざっと草取りをしたあとで、追肥し、また中打ち[なかうち。中耕。作物の間を鍬で軽く掻くように耕して、小さな雑草を除いたり、固くなった土の表面を砕く作業。三つ鍬を使う。]をしてもらった。作業前に私は多少の指示はするが、あとは彼にまかせた。これだけのことを彼ひとりでできるようになったのは、10カ月ほど《農業実習生》として「てつがく村」農園で働いてもらった成果といえようか。

種蒔きをする頃になり、朔夫氏はキャベツ畝での作業を終わって、私が作業しているところにやってきた。種蒔きをしながら、畝の横で見ている朔夫氏と雑談。


(クリックで画像の拡大)
ビニール・トンネルで被った人参と大根の畝。トンネルの裾は、土を置き、トンネルを密封する。密封するのは、防寒・保温と保湿のため。
 左の畝には玉葱が育っている。画像が少しぼけていて、玉葱の苗が小さいので、画像で確認できない。
最近は、辛味の少ない、あるいは、ほとんど感じられない大根が目立つ。去年、この時期に大根の種を種苗店で買った。すると、そこの店主が、いつも私が蒔くのとは違う品種を薦めた。薦められるままその種を買った。ところが、できた大根は辛味がない。私は辛くない大根は好きではない。たとえてみれば、気の抜けたビールのように感じるのである。そこで今年はまた以前の品種にもどした。雑談の途中で朔夫氏に大根の好みをきいた。彼は甘い(=辛味が感じられない)大根が好きだと言う。なるほど、と思い、トマトの好みもきいた。トマトは市場では酸味のない(少ない)甘いのが好まれるようである。しかし、私の好みは、酸味があり、またトマト独特のにおいのあるもの。朔夫氏は、というと、甘いトマト。大根の好みから想像した通りだった。さらにピーマンの好みをきいた。彼は、子供が嫌う、あの独特の、青臭い、とも表現できる、においのあるピーマンよりも、パプリカがいいと答えた。ちなみに彼はニンニクも嫌い。野菜の好みは、彼の場合、彼の性格に通じているようにも思えた。

種蒔きを終わると、畝にビニール・トンネルをかける。今日、昼間は比較的暖かかったが、作業が終わる頃は日没近くなり、寒くなった。朔夫氏は、種蒔きをじっと見学していたためか、指先がかじかんできたそうである。

仕事終いで鍬の泥を洗い落とすのは、朔夫氏の役目。私は《親方》なので威張っている(笑)

 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R