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村便り:2007-09-14(金) (ネズミ大根[山口大根]の種蒔き)
投稿日:2007-09-22(土)

 朝、ネズミ大根を蒔く。種は一昨年、長野の人からいただいて、それから自己採種してきたもの。「山口大根」といい、長野の或る地域で作り続けられてきたものであり、その種を少量いただいたのである。ネズミの形をした激辛大根で、パサパサした肉質である。かの地ではソバの薬味に使うそうである。長野の人は、短冊に切って天ぷらにしてもおいしい、と言っていた。
 野菜は、その家、その地方の食生活にとけ込めないと、定着しない。そういう意味では、このネズミ大根は、瀬戸内の山間部の村では、まだ「異邦人」的な存在である。でも少量でも作り続けてみよう、と思っている。作り続けるには、種苗会社では扱っていない品種なので、自己採種するしかない。昨秋播種してこの夏に採種したもので二、三年分は優にあるが、今年も採種を試みるつもりである。二、三年続けて株を選抜しながら採種を続けると、この地方に馴化した品種になるのではないか、と思う(期待している)。
村便り:2007-09-08(土)…15(土) (畑の農繁期)
投稿日:2007-09-20(木)

 9月は、秋の畑の農繁期。「村便り」は9月7日で止まっているが、農作業はそれからも続いている。その日その日の記憶はもう薄れてしまったが、作業は記録してあるので、播種と定植を中心に、これまでの農作業を簡単に紹介する。



タマネギ種蒔き(1)
(クリックで画像の拡大)
タマネギの播種。
 私の種蒔きの仕方を紹介する。
 写真の蒔き床(ポールで囲ってある長方形の部分)は、80cm×120cmである。80cmは一定で、播種量によって120cmとなっている辺の長さを変える。種1mlにつき20cmにする。120cmであるのは、したがって、蒔く種が6ml、ということになる。80cmは最後に蒔き床を覆う藁の長さを考慮しての長さである(下の写真参照)。
 蒔き床を整地し、鎮圧したあとで、苦土石灰(私は、カキ殻石灰を使う)を薄く、しかし、全面白くなるように散布する(蒔き床の左部分を参照;私はストレーナーを使って撒く)。黒いタマネギの種を識別しやすくするためである。それから、種をパラパラと、だいたい全面おなじ密度になるように、蒔く。密度は、背景の白のおかげで、目視で簡単に確認できる。
 その上に、土をかける(蒔き床の右部分を参照)。私は篩を使って覆土する。
(次の写真の説明に続く)
タマネギ種蒔き(2)
(クリックで画像の拡大)
(前の写真の説明から続く)
 覆土した上から籾殻を、下の土が見えないくらいに、たっぷりと撒く。さらにその上を藁で覆う。
 籾殻と藁は乾燥防止のためである。また、タマネギの種は好暗性の[光が射さないように暗くしてやると発芽しやすい]発芽をするので、そのためでもある。藁は風で飛ばないように、棒などで押さえておく。
 発芽までは毎日灌水して、乾かないようにする。
2007-09-08(土)
播種:極早生タマネギ

 タマネギは、9月20日過ぎに黄タマネギと赤タマネギを種蒔きする。黄タマネギは、品種を選べば、6月収穫から翌年の3月までは貯蔵できる(芽が出ない)。だから、4月と5月が端境期になる。ところが、極早生タマネギは、5月始めに収穫できる。だから、極早生タマネギを作れば、端境期が一カ月に短縮でき、事実上、年中タマネギを利用できることになる。以前、セット球(*)を使って端境期を凌ごうと試みたことがあったが、栽培が難しいことと、種が入りにくいことが原因で続かなかった。極早生タマネギは、播種期と定植期が、普通のタマネギと少し早いだけで、栽培の仕方も難易度も変わらない。
(*)「ホームタマネギ」という名称で販売されているのが、セット球。2月にビニールトンネルの中に種蒔きし、5月下旬、2cmほどの小球の時に収穫して夏のあいだ保存するとセット球ができる。それを晩秋ないしは初秋に定植する。


2007-09-11(火)
播種:宮重大根、三浦大根、カザフ辛味大根、聖護院大根

 大根類は9月10日を目処に種蒔きする。この日を境に、私にとっての秋の農繁期が本格的に始まる。いくら乾燥した夏の年でも、この時期になると畑の土に湿り気がもどってくる。表面は乾いていても、表土を鍬で軽く剥いでやると、湿り気を帯びた土が現れてくるようになる。
 宮重大根(青首大根)は大部分は沢庵に使う。また、年内に利用する。三浦大根は年明けてから利用する。三浦大根は、吸い込み型(*)の大根なので寒さに強いからである。カザフ辛味大根はおろすと美味しい。「辛味」という名前がついているが、激辛ではない。清冽な辛味、とでも表現できようか。
(*)普通(と思う)大根は抽出型である。大きくなると根が地上に現れてくる。吸い込み型は、根はほとんど地上に現れない。地中に向かって伸びるのである。だから、寒気に触れる部分が少なく、真冬でも肉質が劣化しにくい。


2007-09-12(水)
播種:紅芯大根

 中国大根。形は丸く、中が赤みがかっている。サラダに利用する。赤い彩りを添えるのにいい。


ソバの畝
(クリックで画像の拡大)
休耕田のソバの畝。
 白っぽく見える葉は、風にあおられて裏返しになっているもの。
2007-09-13(木)
 一日の休暇をとって農作業。午前中は休耕田でソバの元寄せ。条間には雑草(主としてシロザ)が密集して生えているが、まだ小さいので、平鍬で削り取り、それからソバの株元に土を寄せる。すなわち、除草と倒伏防止を兼ねた作業である。
 午後は屋敷周りの畑での作業。

播種:ホウレンソウ、ベトラーヴ
定植:渦巻カリフラワー、カリフラワー、ブロッコリー

 ホウレンソウは(できれば)10月半ばまでに三回蒔く。9月始めから蒔けるが、まだ高温期を脱していないので発芽しにくい。だから少し気温が下がって(といっても今年はいつまでも暑いが)蒔く。、一昼夜水に浸してから蒔くと発芽しやすい。ちなみに、村の気候では、10月半ばを過ぎて種蒔きすると、十分に大きくならないうちに春を迎えてしまう。
 ベトラーヴ(フランス語)は別名ビート。ホウレンソウと同じアカザ科。根元が太り、それを利用する。根元が太るまでは、赤いホウレンソウ、といった草姿。サラダにして食べる。フランス留学時代に初めて知った野菜。わが家の定番作物になっている。
 カリフラワーのうち「渦巻」の形容詞がついているのは、渦巻型に盛り上がった形(ソフトクリームを思い浮かべていただきたい)のカリフラワー。面白い形なので、遊びのつもりで苗を作った。
 ブロッコリーは二種。遅く採れるようになる品種は、主花を採ったあと、側花がたくさん出るタイプのもの。だから春先まで利用できる。


2007-09-15(土)
播種:高菜、広島菜、春菊、エシャロット

 漬け菜類は9月半ばを過ぎてから種蒔きを始める。早蒔きすると虫がつきやすいからである。ホウレンソウや春菊(キク科)は早蒔きしても虫害は心配ないが、広島菜などアブラナ科は注意が必要。
 エシャロットは、日本で同名で出ている早取りラッキョウではなく、種球がワケギに似た、正真正銘のエシャロット。種はフランスから輸入した(正確には、友達に送ってもらった)。3月に植えて夏に収穫する、という作型で栽培できることは分かったが、夏に収穫した種は翌年の3月になるとかなり腐ってしまう。そこで、今回は、9月植えで年内収穫、という作型が可能かどうかを実験してみることにした。これである程度の大きさの種球が収穫できれば、食用にも翌春の種用にも利用できる。そして、二期作ができるとなれば、この地で安定的に栽培できることになる。結果は?請う、ご期待!
村便り:2007-09-07(金) (キャベツ類の定植)
投稿日:2007-09-10(月)

 昨日つくった畝にキャベツ類を定植。冬に収穫するキャベツ類(キャベツ、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)は7月中旬から8月始めにかけて種蒔きして9月に定植する。今日定植したのは、キャベツ(普通のキャベツ、縮緬キャベツ、紫キャベツ)、芽キャベツ、カリフラワーである

 ここ数年は初秋に定植するキャベツ類は自然農法畝に定植していたが、今年は慣行農法畝に変えることにした。自然畝では、定植した苗が根切り虫やナメクジにやられて消えてしまうことがよくあり、また、カリフラワーは、肥料を要求するためか、育ちが悪い。自然畝でも工夫と世話(*)を惜しまなければ、それなりのものが出来る、と考えてはいるが、今年は日和ってしまい、易きに流れた。ただ、慣行農法にあてた場所は、夏のあいだ草が繁茂し、なかなか定植できる状態にすることができなかった。数日前に畑の草刈りをし、やっと昨日、耕耘機で丁寧に土を砕いて畝にした。そのようなわけで、ポット育苗してた苗はすでに定植適期(キャベツ、カリフラワーは本葉5枚程度)をすぎていた。
(*)根切り虫は事前に発見することはできない。しかも、自然畝は雑草が生えているので、根切り虫には格好の住み処である。根を切られたら、その周辺を浅く掘ってイモ虫を見つけ出して退治し、被害の拡大を防ぐしかない。
 ナメクジに茎をかじられるのを防ぐためには、定植した株の周囲、半径10㎝ほどは土を露出させる。土を乾燥させまいとして株まわりを枯れ草などで覆うと、ナメクジのために橋渡ししてやるようなものである。ナメクジは乾燥を嫌い、湿り気を好むからである。露出した土に、元肥を兼ねて、発酵鶏糞をまいておくのもいいかもしれない。
 自然農法は、自然放任農法ではない。それなりの肥料を施さないと満足できるものはできない。野菜の〈顔〉を見ながら施肥してやる。また、草に埋もれないように、時折草を刈って株元に置いてやる。
 自然畝と慣行畝とでは定植密度を変える。慣行畝の場合、キャベツは1ガンギ(1メールほどの長さ)に3株植えるが、自然畝では、2株である。自然畝ではいくぶん粗植にしないと育ちが悪い。ただし、カリフラワーは背丈が高くなるため、また、芽キャベツは収穫の容易さのため、慣行畝でも、1ガンギ、2株にする。

 作業は午後後半に始めた。レーキで畝を均し、定植穴を掘って、そこに、桶で担いで来た水をたっぷりと入れる。定植してから、また苗の周りにたっぷりと水をやる。最後に、蝶の飛来を阻止するためネットを被せて、作業は完了。沈む太陽と競争で作業を進めて、終わった時には暗くなりはじめていた。
村便り:2007-09-02(日) (ソバの発芽、白菜播種、田植機の格納準備)
投稿日:2007-09-04(火)

ソバ
 朝、屋敷に着いて着替えをしてから、休耕田にソバの様子を見に行った。徒歩で五分ほどである。どの田んぼもすでに出穂していて、早いものは穂を垂れ始めていた。

 ソバは8月26日(日)に種蒔きした。土が乾いていたせいか発芽が遅かった。播種後六日たった昨日でようやく発芽が揃いだした。今朝は全面発芽。

 ソバ蒔きの様子を簡単にまとめおく。

 種(自家採種)は塩水で選別した。初めての試みである。10%の食塩水を使う、と書物に書いてあったので、その通りにしたが、もう少し薄い塩水でもいいのではないか、と思われた。

 畝は縦ガンギ[蒔き床]に仕立てた。1ガンギは幅が鍬の幅、長さが1メートルの長方形。まず、種を、発酵牛糞堆肥[肥料分は少ない]とカキ殻石灰とに混ぜた。種、堆肥、石灰は同じ容量である。その混合物を軽く一握りして、1ガンギにばらりと蒔いた。種を堆肥と石灰に混ぜるのは、蒔きむらを少なくするためと、石灰の白で、蒔いた場所が容易に確認できるようにするためである。去年は厚蒔きになったので、今年は少し薄蒔きになるよう加減した。種の量が1kgで、100ガンギ蒔けた。

(去年の発芽状況は「村便り:2006-09-14(ソバの生育)」の画像を参照してください。)

白菜などの播種
 午前中は、白菜、レタス、チマ・サンチュの種蒔き。ただし、ポット育苗。

 白菜は、近所より一週間おそく種蒔きする。害虫対策である。この時期の播種だと、定植してからダイコンサルハムシが食害することはない。ただし、あまり遅まきすると結球しない。一度、9月15日あたりに直播きしたことがあった。8月終わりに直播きすると、発芽してまもなく虫に食べられて消えてしまうが、順調に生育した。しかし生育後半に気温が下がり、結球に至らなかった。大根は遅まきしても大根になるが、白菜は白菜にならない、という教訓をその経験から得た。

 品種は早生種とタケノコ型になる白菜。早生種は大部分を白菜漬に使う。

田植機の格納準備
 午後、草刈りした畝の土を返そうと、耕耘機を小屋から出した。ベランダ育苗していたキャベツやカリフラワーの苗を定植する場所を作るためである。しかし、そのとき、今日やろうとしていた別の仕事を思い出した。田植機の格納準備である。田植え後ずっと気になっており、遅くとも8月中にはやってしてまおう、と考えていた作業なので、耕耘機を小屋にもどし、別の小屋から田植機を出した。

 格納など田植えがおわってすぐにできる、あるいはやらなければならない作業である。しかし、二足草鞋の百姓はこのざまである。田植え後、田植機の泥を軽く落としただけで、残りは時間のあるときにやるつもりで小屋に入れた。しかし、他の作業に追われるうちに、三カ月も経ってしまったのである。

 格納準備といっても機械の整備などやるわけではない。落し残した泥を洗いながし、バッテリーを外し、ガソリンを抜くだけである。でもその作業で午後の時間は過ぎてしまった。

 キャベツ類の苗はすでに定植適期を迎えているが、定植は数日後になるだろう。
村便り:2007-09-01(日) (まずは《原野》の草刈りから)
投稿日:2007-09-03(月)

 9月になった。畑の農繁期が本格的に始まる。今の畑(慣行農法畝)は、あるべき姿から言えば、除草・耕耘されて畝の下準備ができていなければいけない。しかしわが家の畑は、一部をのぞき、雑草が繁茂している。ここ三、四年くりかえされた状態である。事情を知らない人の眼には、自然農法畝と慣行農法畝が共存しているわが家の畑は、むしろ野原だろう。

 今日のメインの仕事は畑の草刈り。ここまで繁っては、草を抜くなど悠長なことはやっていられない。草刈り機で畝の草をなぎ倒した。草は二、三日その場で萎れさせてから焼き払う。その後、耕耘機で土を返す。時間が許すかぎり、数日おいてもう一度耕耘してから種蒔きをする。まるで原野を畑にもどすような手間である。

 畝作りまでの作業の全体を頭で描き、始まった農繁期のスケジュールを考えると、この秋の畑はやめた!と投げ出してしまいたい気もした。その気持ちをじっと押さえ、自棄にならずコツコツと作業を進めていけば何とかなる、と自分を説得しながら、草刈りを続けた。

 どうなるでしょうね、この秋の畑は…
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