<< 2008-06 >>
SunMonTueWedThuFriSat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

2008/06/11
このページの記事一覧   1/1
 (クリックで個別ページ表示)
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2008-06-01(日) (田植え)
投稿日:2008-06-11(水)

苗の購入
 稲の苗はJAの育苗センターに注文する。自家育苗する人も多いが、私は手間の関係から苗は購入する。従来は10日苗(20日間育苗したもの)しかなかった。機械植えの場合、20日苗を使うが、育苗センターで10日育苗されたものを引き取り、田植えまで自分で管理しなければいけなかった。すると、水やりが手間がかかるし、温度管理をしない苗は伸びない(水やりの手間を省くため、そのうち、水を張った田んぼに苗を浸けておくようになった)。だから、発育不十分な苗を植えるようなことになり、背丈が短い苗は水没したりした。そもそも手間がかけられないから苗を購入するのだから、田植え直前までセンターで管理してくれないものか、と不満に思っていたが、一昨年から20日苗が選択できるようになった。一昨年は試行年度であり、苗の供給日が田植え日と違っていたので購入は見送った。昨年から田植え日が複数選択できるようになり、購入を始めた。今年も20日苗を注文した

 苗は育苗センターか、JAから管理を委託された農家で引き取る。引き取るのは、田植え日前日か当日のいずれかでもいいので、田植え当日の今日の朝、引き取ることにした。委託された農家のビニールハウスから軽トラックで2往復して、田んぼに直接運んだ。


 田植えは、田んぼの水を落としてひたひたの状態で行う。昨日のうちに水はある程度まで落としておきたかったが、今朝になった。田植機を軽トラックにつんで田んぼに到着すると、田植えを最初にする予定の田んぼの水はすでに田植えができそうなくらいまでに減っていた。最初に田植えするのは、植え付け面積が少ないモチである。

ながぐつ田
(クリックで画像の拡大)
 植え始めの田んぼ。田植機の操作席から見たところ。10時半。
 すでに一往復、すなわち、8条を植えている。ハンドルすぐ前のポールのわずか左側、田んぼの土に向こうに伸びるまっすぐな線が引かれているのがお分かりであろうか。田植機が、前の4条を植えるとき、マーカーでつけた跡。この跡とポールを重ねるようにして前進する。
 
ダブ
(クリックで画像の拡大)
 ダブが植え終わり、田植え完了。18時半。
 この田んぼが一番やりにくいところである。変形田である上に、土が深い。
乗用田植機での田植の手順
 田植えを実際に経験していない人には分かりづらいであろうが、乗用田植機での田植の手順を説明してみよう。形状からすると理想的である、直方体の田んぼを想定する。また田植機は4条分を一度に植えることのできる仕様だとする。(ちなみに条間は30cmである。)田んぼの、畦際の三辺を「コ」の字型になるように8条分空ける。そして残りの部分(これも直方体である)を、畦際から4条ずつ植えていく。田植機が回転するのは「コ」の字型の上辺と下辺にあたる場所である(この場所を「マクラ」と呼ぶ)。「コ」の字型の内側が植え終わると、最後に空けておいた畦際の8条分を植える。外側の4条から始めて、ついで内側の4条を植える。たとえば、「コ」の字型の上辺の左端から始めたとすると、「コ」の字を描いて下辺の左端に至り、そこでUターンをして「コ」の字を逆にたどり、出発点の上辺左端に戻る。ここで田植えが終了する。

狭い変形田での機械植え
 わが家の田んぼは、一枚ごとの面積が狭く、変形している(「変形」とは「直方体」を基準にしていう)。狭いので、乗用田植機を少し走らせたかと思うと田んぼの端になり、回転して向きを変えなければならない。旋回する場合には、旋回する側の車輪にブレーキをかける。短い回転半径でまわれるからである。ただ田植機はパワーステアリング機能はない。だから、泥の中の回転には、腕力がいる。平生力仕事をやりつけていない人ならきっと翌日は筋肉痛になるだろう、と思われるくらいに何度も何度もハンドルを切って植え進む。

 機械植えでは、田んぼの角に植え残し部分がでる。だから、同じ面積でも、一枚の田んぼと複数枚の田んぼを比べると、後者のほうが植え残しが多くなる。

 しかも変形田だと、植え条の調整がむずかしく、そのぶんさらに植え残しが増える。たとえば「D」字型の田んぼがあるとしよう。最後にまわるのは、左側の縦線を除いた右側の「 )」の部分である。植え始めは左の畦際であり、それらから(例にあげた字の形では、上下に移動しながら)4条ずつ右に向かって植える。すると植え条は少しずつ短くなる。だから、上下移動の植え始めと植え終わりでは、植える条数の調整が必要になる。田植機には片側2条の植え付けを停止するレバーがついている。そのレバーを利用しながら、短くなる側の2条を一時植え付け停止にして、調整する。面倒な操作であることはむろんのことであるか、さらに、2条の植え付け停止をしたのを忘れ、レバーをもとに戻さないで次の植え付けを始めることがある。しばらくしてレバーをもとに戻さなかったことに気づくが、2条分が植えられていない。

 いまは変形田でも空想上の比較的変形度の少ないものを例にあげたが、実際の田んぼはもっと変形している。私は田んぼ一枚一枚に識別の便のために名前をつけている。「大町」、「タブ」、「しかく」、「ながぐつ」、「くさび」、「おうぎ」、「さんかく」、「半とっくり」である(これ以外に、あと3枚あるが、耕作放棄しているか、小学校の演習田である)。最初のふたつを除いては、形状からの連想でつけた名前である。その名前から変形ぶりを推測していただけるのではないかと思う。最初のふたつも他の区画に比べて、変形ぶりはけっして劣ってはいない。

 乗用型は歩行型のものに比べて、あとからの植え継ぎの手間が増える、と歩行型を使っている人は言うが、たしかにそうである。乗用型は一度に4条以上を植える。歩行型は2条であし、小回りが利く。そうではあるが、乗用型の方が速いし楽である。それが、私が乗用型を選んだ理由である。


 今年は代掻きと田植えの間が一日しかあいていなかったので、また、苗もよく成長していたので、標準より深植えした。軟らかい泥に苗をしっかり立てよう、との意図からである。

 また、一株の苗の本数は例年通り、一株3本を目処に調整した。ところが、予定の田んぼを全部植え終わってみると苗があまりすぎた。苗箱は一反[10a]あたり16枚(これが標準とされる箱数)で注文した。去年の実績は14枚/反だったからである。しかし、今年は12枚/反になってしまった。1株1本のところも目立つ。あとからの反省であるが、最初に数m苗を植えて株あたりの本数を確かめて本数を調整し、また、最初の区画を植え終わって、植え付け予定量と実際に植えた量を比較して、本数を調整すべきであった。田植機の操作がまだまだ未熟なゆえの迂闊さであった。これからへの教訓である。
 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R