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2007/10/29
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村便り:2007-10-28(日) (稲刈り終了!)
投稿日:2007-10-29(月)

 今日で今年の稲刈りは終了(「完了」ではない)するつもり。

 午前中は倒れた稲架の掛け直しと、昨日刈り始めた、最後の田んぼの稲架立てをする予定であった。

倒れた稲架
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倒れた稲架。
 倒れた稲架は登り竜のようにも見える。
 この写真のカメラの位置から、おばあさんは私に声をかけた。
稲刈り終了
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稲刈り終了。
 左手にウンカで枯れた稲が残っている。土が柔らかくて足場が悪いので、鎌でしか刈れない。しかし、株は中途から折れたようになって曲がっているので、刈りにくい。そこで、この部分は田の神様と野鳥への捧げ物にすることにした。
強風で倒れた稲架
 稲架はひとつ、昨日の強風で倒れてしまった。最初から支柱のひとつのすわりが悪かった稲架だった。稲を掛けてしまったあとでは、稲全体はかなりの重量があるので、支柱のすわりは稲束を掛けたままでは直せない。稲架は、掛け始めは動きやすい。支柱とナル[稲架の横木]とは連結していないので、よけいに不安定である。そこである程度の重量の稲束が掛かるまで、支柱のすわりには注意を払う。ところが、この稲架の場合、支柱のバランスが崩れたのに気づかず、掛けてしまった。あとから全体の重量バランスを考えて、弱い支柱あたりの稲束を他に移動したが、強風には効果がなかった。

 稲架を立てなおすため、稲束を全部外すと、支柱の二本が折れていた。支柱は地中に数センチ差し込んである。倒壊したときに土から抜けなかった支柱が稲の重みで折れたものと思われる。

捜索願
 立てなおした稲架に再度、稲束を掛けていると、田んぼの横の農道を下ってきたおばあさんがいた。足どりはおぼつかない。おばあさんは私に声をかけた。何かを尋ねたようだったが聞き取れなかったので、作業の手を休めて近くに寄り聞き直した。「〇△という家は知りませんか?」おばあさんは尋ねた。村の住人の名前としては、私には覚えのないものだった。彼女の歩いていく方向の集落の名前を挙げて、どの集落の家か質した。「下とか西とか[「下」や「西」は私が挙げた集落の名前の一部]、そんな細かいことは言わん。〇△と言えば、この辺では知らんもんはおらん。」おばあさん返事に、私はたじろいだ。私は村の家の名前ならほぼ全部知っているつもりである。その私の知らない名前を「知らんもんはおらん」と自信たっぷりに言われると、自分の方が余所者のような気になった。いろいろ話していくうちに、辻褄が合わなかったり、腑に落ちないことをおばあさんは口にした。

 田んぼの隣に小中学校の同級生が住んでいる。彼女が家のまえで立ち話をしていたので、加勢を頼んだ。同級生を交えておばあさんとしばらく話したあとで、同級生と私は、警察に電話したほうがいい、という結論になった。彼女が電話してくれることになった。しばらくして、彼女はもどってきて、警察に電話したところ捜索願が出ていた、とのこと。おばあさんはどうも灰ヶ峰の向こうの市街地からバスに乗ってやってきたようであった。そこから警察がやってくるにしても30分近くはかかる。同級生はおばあさんを自分の家に連れていき、警察の到着を待つことにしてくれた。

 思わぬハプニングで仕事が中断して、稲束を掛けなおす作業が完了しないうちに昼食時になった。

今年最後の稲刈りの午後に三人の加勢
 午後、稲架の掛けなおしが済むと、最後の田んぼ、ダブの稲架立てをはじめた。この田んぼでは、稲束を二段にかけるとして、3本のナル(9mの孟宗竹)が必要である。稲刈り最後の午後は、妹と ma femme が手伝いに来てくれることになっていた。ma femmeに続いて、約束の時間を少し遅れて妹もやって来た。妹は子ども(私にとっては姪)も連れてきていた。三人とも百姓の熟練者ではないが、これだけの手があれば稲架掛けには十分である。稲架掛けは彼女たちに任せて、私は稲刈りを続けた。

 昨日で足場のいい範囲の稲は刈り終えた。あとは、まず足場のさほど悪くないところを選んで、バインダーを変則的に走らせて少しずつ刈るしかない。ウンカで枯れた稲束は、結束されずにバインダーから投げ出されることがある。おそらくは、稲束が軽すぎて、結束できる位置の上まで持ち上げられるためであろう。すると機械が結束動作をしても、紐が稲束には引っかからず、結び目となって稲と一緒に放出される。

バインダーのスタック
 ついにバインダーが泥濘状態の土に埋まりこんだ。バインダーは軽いので慌てることはない。あゆみ[農業機械をトラックに載せたり、段差を越えさせたりするための渡し板 -わが家のは、アルミ製]を車輪に噛ませて、低速走行にしたバインダーをあゆみ側に引っ張れば引き上げられる。

 夕方5時で女性たちには引き上げてもらった。あとは暗くなるまで、ひとりで鎌で刈り進んだ。結局、全体の五分の一ほどが残ったが、今年の稲刈りはここで打ち切り!
 屋敷に帰り、闇の中、ヘッドライト(車のではなく、頭につけるタイプのライト)の明かりで、バインダーの泥を洗い流してから帰途についたのは19時半だった。
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