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2006/10/23
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村便り:2006-10-20(うるち米の稲刈り開始)
投稿日:2006-10-23(月)

 予定通り、休暇をとって稲刈りの開始。
 昨夜、東京から友人が《援農》に駆けつけてくれた。今日(金曜日)から日曜日までの三日間、稲刈りを手伝ってくれる。久しぶりの再会のゆえ昨夜は二人とも飲みすぎて、朝は出遅れた。

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(クリックで画像の拡大)
 刈り取ったソバを島立てにした。島立ては実際には見たことがないので、ソバの産地に住んでいる人(非農家)の、画像付きの説明をもとに、自己流にやってみた。ポールが立ててあるは、島立てを固定するため。
 後ろの、バインダーが入っている田んぼが今日稲刈りしたところ。
 稲刈りの前に、ソバの刈り取り。収穫適期を過ぎた状態なので、これ以上、刈り取りは延ばせなかった。友人にも鎌を渡し要領を説明して、二人で作業を始めた。しばらくすると友人が、腰が痛くなった、とはやばやと悲鳴をあげた。おまけに、鎌はほとんど使ったことがない、と言う。小面積ながらも市民農園を借りていた彼なので、意外な気がすると同時に、これからの《援農》に心もとない不安を感じる。

 稲刈りを始めたのは正午ごろ。今日中に田んぼ一枚は刈り取って、稲架にしなければ明日以降の予定に差し支える。そう思うと昼食抜きで作業を進めたかったが、なにしろ都会からの《援農》者が一緒、あまりハードなスケジュールでは、農耕に抱いているかもしれない《期待》と《意欲》を一瞬にして打ち砕いてしまうかもしれないと思い、三畝(300m2)の、変形田を刈り終えてから、近くの食堂に遅い昼食に出かけた。
 食堂は村の人が経営している。最近開店したばかりのまだピカピカの店内なので、野良着に長靴という格好では気後れしたが、午後2時半という時間では客は我々だけだったので、ひと安心。うちも今週始めから稲刈りをしている、という女主人と言葉を交わしながら食事を終えた。
 稲を稲架にかけ終えたのは、夜の闇がすっかりおりた午後7時。

 夕食時、酒を飲み交わしながらふと「稲刈りに情緒はないね」と彼が漏らした。やはりハード・スケジュールで彼を《幻滅》させたようである。
 農作業に《情緒》はない。のんびりとした稲刈りといったものは、通りすがりの非農耕者の感情移入によって成り立つ風景にすぎない。あるいは、流行りの「スローライフ」といった言葉でマスコミが虚飾する見かけにすぎない。いずれにせよ、《情緒》は農耕を対象化する主観が自分の側にかもしだすものであり、農耕自体にあるのは、生きるという感覚である。意識はしっかりと、たとえば刈り取ろうとする稲や前進するコンバインに向けられている。《情緒》という曖昧なものが入る余地はない。あるのはただどっしりとした身体感覚だけである。
 酒でなめらかに軽くなった口で、そんなことをしゃべった。
 てつがく村の
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