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☆ 2016-12-28(水) ☆ どちらがうまい? 新米? 古米?
投稿日:2016-12-28(水)

新米は12月2日に初めて精米した。しかし、まだ古米(2015年・平成27年度産)が残っているので、私はそれを食べ続けている。


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どちらが新米、古米でしょう?
(答は、本文末尾。)
古米から新米に切り替わる時は、おいしい米が食べられる! という期待感がふくらむ。そして、炊きあがった米の、湯気から立ち上る雑味のない香りをかぎ、粒の充実したまるみ、白く輝く艶に瞠りながら、「おいしい新米」という観念にみたされて、味わう。

新米はまだ二回しか食べていないが、しかし、味わい始めるといつも期待が裏切られる。一回目は、本当に新米の方が古米よりおいしいのだろうか、という疑念が頭をもたげた。二回目は、古米の方がおいしい、とたしかに感じた。

その理由は、簡単に言えば、古米の方が あ じ があるからである。それに対し、新米は味が淡白である。よく言えば、みずみずしい。

古米は、水加減を調整しても、新米と同じようにはふっくらと炊きあがらない。(少なくとも私の炊き方ではそうである。)それに、わずかに黄味がかっている。臭う気もしないでもない。人間でも、若い顔は色白でふっくらとしているが、歳をとると色がくすみ、しわくちゃになりしぼんでしまうのに、似ているかもしれない。そして古米は、歳をとった分、旨みが凝縮しているような食感がある。

百姓を始めてまだ間もないころ、或る古老が、新千本はいまからおいしゅうなるんじゃ、と言ったことがある。(当時、新千本という品種がよく栽培されていた。)正確な季節は覚えていないが、春だったように思う。そのとき私は怪訝な気持ちで聞いていた。ところが、いまの私は、新米は、収穫直後よりは年が明け冬が終わるころからおいしくなる、と感じている。(私は、以前は新千本を作っていたが、いまはヒノヒカリを作っている。)

ジャガイモでも掘りたてよりは、数カ月保存してからが旨み(甘味)がある。サツマイモだって掘りたてはそんなに甘くない。野菜ではないが、ワインは新酒は、口のなかで《暴れる》。数年寝かせないとまろやかな味わいが出てこない。日本酒でも、おいしい古酒がある。そうしたことに似た現象が米にもあるのかもしれない。

(ちなみに、我が家の米-品種はヒノヒカリ-は、稲架干し[天日干し]して籾のまま蔵で保存している。そして、一カ月に一度くらいの頻度で、籾摺り・精米をして食用にする。)


答:
左が古米、右が新米。色で判別。
村便り:2016-10-22(土) (稲刈り開始)
投稿日:2016-10-22(土)

一昨々日から稲刈りを始めた。だから、昨日までで三日間、作業をしたことになる。そして今日は雨。



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バインダーでの稲刈りを始める前に、田んぼの隅(この田んぼは台形なので4ヶ所ある)を、バインダーが向きを変えることができるように、手で刈り取ってスペースを作る。
 バインダーは一条刈り。
 

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刈り取り完了。
 この田んぼは約3畝の広さで、刈り取りの所要時間は1時間。
 

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稲架を立てる。稲架は、足は木、横木は孟宗竹である。横木の長さは約9m。
 稲架を立てると、周囲に稲束を集めて、稲架掛けの開始。
 稲架掛けは、稲架ひとつで約1時間かかる。
 

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稲を掛け終えた稲架。
 この画像は、上の3画像の田んぼとは別の田んぼ。掛かっているのはモチ。周りに立っているのは、ウルチ。
 

(クリックで画像の拡大)
稲の熟度は穂軸の色で判断する。私は、穂軸が3分の2以上黄変した時、刈り取り適期である、と判断する。この画像の稲穂は、まだ穂軸の半分以上が青い。早く刈るにしても半分近くは黄変してほしい。なお、同じ一枚の田んぼでも場所によって熟度は違うので、平均的なところで判断する。
稲刈りは、バインダーで刈り取り、稲架で天日干しする。いまの農家では、コンバインを使っていちどきに刈り取りと脱穀をおこない、脱穀した米はその日のうちに乾燥機に入れて翌朝までに乾燥を完了する、というやり方が主流である。わが家の稲刈りはだから、一時代前のやり方と言える。ただ天日干しにしたほうが、米はおいしい。感覚的には、ふっくらと炊きあがり、甘味がある。

今年は9月は雨の日が多く、早稲の収穫が遅れた。早稲(コシヒカリやキヌヒカリ)は9月中に刈り取りをする。稲刈りというと初秋の肌寒くなったころを連想するが、早稲の場合は残暑の日差しのもとで刈り取りをする。もっと、コンバインを使うと機械が全部やってくれるので、人間はたいして体を動かすことはない。涼しい顔をして、9月終わりまでには収穫をおえることができる。

ところが、今年は田んぼの土が乾かず、収穫作業が遅れた。そして、やっと作業を始めても、コンバインが軟らかい土に足(正確には、クローラー)を取られ、作業が難渋した、という話をよく聞いた。

10月になると晴れの日が多くなった。わが家は中生のヒノヒカリを作っており、田植えは5月終わりなので、稲刈りは10月の半ば以降になる。そこで、できれば10月15日前後から稲刈りを開始したかった。稲刈りの適期はあるのだが、天日干しの場合、稲架に掛けたあとに後熟が期待できるので、多少未熟でも刈り取りができる。(コンバインの場合は、すぐに脱穀して強制乾燥するので、完熟状態で刈り取る。)しかし、今住んでいる団地の自治会(町内会)の秋祭りがその時期に重なる。そして、今年は(機械的に順番が回ってくる)班長になってしまったので、祭りに参加せざるをえず、やむなく稲刈り開始を遅らせた。

稲刈りを急ぐのは、11月に入ってからは、日照時間が短くなると同時に、例年、気候も不順になるので、籾が乾ききらないからである。去年と一昨年は、稲刈りが遅れたため、結局は、乾燥機をもっている人に頼んで、稲架掛けでは残ってしまった余計な水分を飛ばしてもらった。今年はそんな事態になるのを避けたいので、遅くとも10月終わりには稲刈りを完了したいと思っている。

バインダーでの刈り取りは、田んぼの土がぬかるんでいてはできない。田んぼに立って足が5㎝あまり沈み込むくらいまでの土の軟らかさを目処にする。それ以上軟らかい場合、湿田用タイヤを使えば刈り取り可能だが、そうなると足が取られたり、刈り取った稲が水に浸かったりするので、好適な状態とは言えない。普通タイヤで作業できると判断したのは、一昨々日だった。

稲刈りは中途で一日をおえることはできない。刈り取った稲はその日のうちに稲架に掛ける。そうすると、私の経験では、ひとりで作業して一日(おおよそ8時間の実働)でできる広さは3畝[畝 せ≒100㎡]である。

若い頃と違い(若い頃も?)、三日も連続して作業をすると、やはりきつい。今日の雨は、心は急くが、ひとり農家の体にとっては、いい休息となった。


村便り:2016-10-04(火) (レタスの定植、台風襲来前に…)
投稿日:2016-10-05(水)

レタスを定植した。雨続きのせいで耕耘するには多少水分が多い畑の土だが、遅れがちな農作業のスケジュールを考えて、昨日、耕耘した。


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畝の真ん中より向こう側、何も植わっていないように見えるところに、深紅色のレタスが定植してある。
定植の際には、基本的には、植え穴に水をたっぷりと注ぎ、さらに、定植あともたっぷりと灌水してやる(そのかわり、定植後は水やりはしない)のだが、今日は、その作業は省略。土は過湿気味だし、明日は、台風が接近して雨が多少とも降るだろうから

定植したのは、結球レタス(ロメイヌと半結球レタス)とリーフレタス(深紅色のものと緑色のもの)の4種。各々24株定植したので、都合96株。順調に生育すれば、秋の深まるころから、たっぷりレタスが食べられる。

定植は順調にいったが、問題は、明日の台風。大分前だが、定植して間もない苗を台風でだめにしたことがある。台風の通過にともない、風がまうように吹き、そのため苗はダメージを受けた。そんな被害に備えるため、苗に不織布をべた掛けにした。効果があるかどうか、台風が通過したあとの《楽しみ》…
村便り:2016-10-01(土) (ズルタケ)
投稿日:2016-10-01(土)

秋のキノコの季節になった。といっても、山に入って確認したわけではない。今年の初春の記事に、屋敷の隅に自生している松の木の下に生えるキノコについて書いた。同じところに今年もキノコが生え始めた。


(クリックで画像の拡大)
ズルタケを思い出した…
画像を撮るため、2本並んで生えているキノコのひとつをひっくり返し、裏表がひとつの画像で確認できるようにした。その時ふとキノコの匂いが鼻をかすめた。本当に匂いがしたのか、観念が匂わせたのか分からない。キノコを嗅ぎなおしてみても、最前の匂いは香ってこなかった。観念が嗅がせたとすれば、ひっくり返したキノコの、細かい網の目状の組織が目に入ったことが誘因になったのかもしれない。というのも、ほとんど同時に「ズルタケ」と呼ばれていたキノコを思い出したからである。

いまは工業団地に造成されてしまったところに、わが家の山(といっても狭い区画だが)があった。小学生の頃は、秋になるとそこにキノコを取りにいった。朝はやく起きて、ひとりで行くこともあった。松茸が主たる目当てだったが、他にズルタケがよくとれた。名前は、表面がぬめぬめ(ずるずる)していたところからつけられたのではないかと思う。表側は、画像のよりもっと濃い色だったような気がする。裏返すと画像のと同じような細かい網の目状になっていた。かすかな記憶を辿ると、ズルタケは香りよりも味が特徴で、ナスと一緒に煮て食べると美味しかった。それ以外にもクロコウとかあったように思うが、実物は記憶に残っていない。

この時期になると夏野菜は終わりである。しかし、同じ夏野菜でもナスは相変わらず旺盛になり続けている。「秋なす」という言葉があるが、このようなナスの生態をよくあらわしている。ズルタケはそのナスと料理ではマッチングしたキノコなのだろう。

屋敷の隅に生えているキノコを見て遠い昔の、いまは記憶の中にしか存在しなくなった山での収穫物を思い出した。
村便り:2016-09-30(金) (ハクビシン)
投稿日:2016-09-30(金)

先日、畑の近所の家に用があって行った。上がり込み、用件を済ませてから雑談を始めた。

まず、私が田んぼの電気柵に電気を通した話をした。その田んぼは周りが耕作放棄田に囲まれているため、よくイノシシが荒らしに来る。そこで何年も前から電気柵で囲い、イノシシの侵入を阻止している。ただ、近年は電気を通していなかった。ひとつは、学習能力の高いイノシシは、電気柵で痛い目にあうと電気柵を《学習》し、それ以降は、たとえ電気が通っていなくても、電気柵には近づかなくなるからである。それに、電気柵用の電池は高価なので(約4,000円)、できれば使いたくないからである。ところが、今年はイノシシが電気柵を無視して田んぼの中に入った。そこで、再度《学習》してもらうために、電気を通した、というわけである。

すると、その家の主人はハクビシンを捕まえた話をした。今年になって、見慣れない動物がこの辺りの畑にやってくるようになった。タヌキのようにも見えたが、ハクビシンという結論になった。

その人の畑で、トウモロコシなどが被害にあった。そこで、その人は罠を自作して、畑の隅に置いた。罠は、イノシシ用の檻罠を小型化したものである。ハクビシンは簡単につかまった。そこで、動物愛護協会(と、その人は言ったと思う)に頼んで、引き取ってもらおうとした。しかし、野生動物は許可なく捕獲してはいけない、と諭されて、引き取ってはもらえなかった。その間、数日。その人の孫娘は、ハクビシンを観察しては日記にその様子を記録した。そして、ペットのように愛着をもったようである。その人はハクビシンを引き取ってもらえないので、籾袋に入れて山の中に捨てにいった。ところが、孫娘はハクビシンが消えたのを見て、しくしく泣いた。かわいい《ペット》がいなくなったからである。そのうち、孫娘は落ち着いた。ところが、お祖父さんの顔をみると、またしくしくし始めた。お祖父さんが、ハクビシンを捨てたのを思い出したからである。「ほいでも、ハクビシンを飼うわけにゃいかんけんのお」と、話がそこまでいくと、その人(つまり「お祖父さん」)と、一緒に話していた奥さんと私と、孫娘の様子を想像して、三人で笑いこけた。

それから、モグラ捕獲器の話になった。モグラをくし刺しにして捕獲する、というか、捕殺する器械である。が、この記事ではここで終わります。
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