<< 2010-08 >>
SunMonTueWedThuFriSat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

2010/08
このページの記事一覧   << 2/2
 (クリックで個別ページ表示)
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2010-07-31(土)/08-01(日) (休耕田の野菜の世話)
投稿日:2010-08-10(火)

 この土日は休耕田で栽培している野菜たちの世話で過ごした。野菜たちは、里芋類、すわちコイモ[品種名不明だが、子芋を食べる品種で、親芋も食べられる]、ヤツガシラ、エビイモ、タケノコイモ、および、大豆と小豆である。

 里芋類は7月10日に一度除草して、追肥、元寄せをした。今回が二度目である。一回目から、草の生育が一番旺盛な梅雨を経て、3週間がたったため、株間に草が生えている。まずその草を草取り鎌でのぞく。単純だが、根気のいる作業である。

タケノコイモ
(クリックで画像の拡大)
タケノコイモの畝を除草、追肥、元寄せしたところ。
 左隣の、まだ除草していない畝は、エビイモ。エビイモはまだ子芋の芽が出ていない。去年の経験からして芽が出揃うのは盆を過ぎてから。それから何度か元寄せして、千葉のエビイモ畑に負けないエビを《養殖》するつもり。
 
里芋類の畝
(クリックで画像の拡大)
里芋類の畝の溝に水を入れる。
 除草、追肥、元寄せが終わった里芋類の畝の溝に、井手[農業用水路]から水を入れた。この井手では、水は水田用(すなわち、田んぼで野菜を作るときは井手の水は利用できない)と申し合わせができているが、この休耕田の上下の水田はわが家の所有であるので、水田に引く水を融通して、こちらに流し入れる。年に一度あるかどうかなので、この程度の《違反》は許してもらえるだろう、と勝手に判断している。
 コイモとヤツガシラの株は、乾燥防止のため、藁で覆った。それに対して、タケノコイモとエビイモはこれからも元寄せするので、畝は裸のまま。
 右の畝は除草して元寄せした大豆。そのさらに右の畝はまだ除草も元寄せもしていない大豆。
 作っている株数は、コイモ48株、エビイモ34株、ヤツガシラ5株、タケノコイモ9株(10株植えたが、1株がなぜか消えた)。主力はコイモとエビイモである。ヤツガシラは、何回か栽培をしているが出来が悪く、毎回ほとんどを種用に回している。今年も、5株は食用というより、種芋用。今年は栽培を成功させて、来年は食用にもしたい。タケノコイモは今年がはじめての試み。タケノコイモは京芋とも称するそうだが、宮崎県が特産地。ただしわが家のタケノコイモは(ルーツは宮崎かもしれないが)千葉県から、わが家のエビイモとの交換トレードで、移住してきたもの。エビイモは向こうですくすくと育っている様子。栽培者のムーさんは鮭釣りの名手だから、秋にはきっと畑で大エビを釣り上げてくれることと期待している。ただ、こちらに移住してきたタケノコイモははたして筍のようににょきっと頭をだしてくれるか、いまのところはおぼつかない。

 そんな沢山コイモを作ってどうするんだ、とときどき言われる。でもこのくらいの量なら心配はいらない。わが家はイモ類がすきなので、冬の間、頻繁に食卓にのぼる。畝に生えている草は見るとうんざりはするが、それでも除草の根気が続くのは、作業の間、おいしそうな冬のコイモを思い浮かべているから。農作業の動機はけっきょく食欲、だと思う。出荷するのであれば、コイモがカネに見えるかもしれないが。


 大豆畝にも草が生えていたが、里芋類の畝に比べて背丈が低かったので、こちらは手鎌ではなく、ホーで草を削った。三つ鍬で中打ちしたあとで、元寄せ。大豆に関してはこれが最後の管理。これからは、ヒエやアメリカセンダンソウ(いずれも水田雑草)の場合は生えてくると抜き取るかもしれないが、畑雑草は生えてきたとしても収量には関係ないので無視。
村便り:2010-07-30(金) (干天下、ニンジンを蒔く)
投稿日:2010-08-04(水)

 夏になると村は雨の空白スポットとなる。


 7月28日(水)の夜から7月29日(木)の朝にかけて雨が降る予報だった。実際、自宅のあるH市では予報通り、強い雨が降った。それまでは日照り続きで畑の土は乾燥しきり、鍬が刺さりにくいほどであった。

ジャガ掘りあげ
(クリックで画像の拡大)
ジャガイモ掘りあげ。7月25日。
 秋作用の種にするジャガイモ(出島と普賢丸)は7月始めに掘りあげたが、それ以外のジャガイモは梅雨が明けてから掘りあげた。サラリーマン稼業との兼ね合いで、どうしてもこの時期になる。用心すべきは、梅雨の間に腐ってしまわないようすることである。ジャガイモは畝が帯水すると腐ってしまう。そこで、排水をよくするため溝を掘りあげておく。溝は次第にくずれて水が通りにくくなるので、梅雨の間、必要に応じて掘りあげなおす。
 梅雨明け前から人参の種蒔きを予定していた。しかし、梅雨末期に豪雨があり作業ができず、また、梅雨があけるとジャガイモの掘りあげを優先したため、そのあとの日照りつづきでまた作業のためには不向きの気象条件になった。人参の種蒔き以外にも、空いている畝を、秋に向けて耕耘しておきたかった。

 むろん耕耘機を使えば、乾燥して硬くなった土でも耕耘できないわけではない。しかし、土は粉々に砕けてしまう。土の、いわゆる団粒組織が壊されてしまい、土の粒子間の隙間がなくなる。土が過湿の状態でも、粘土のように土がこねられて、やはり粒子間の隙間がなくなる。土は乾きすぎても湿りすぎても、耕耘には適さないのである。鍬を使う場合とは違い、耕耘機の鋤は回転を微妙に加減することができないから、土の状態には、鍬での耕起の場合よりいっそう注意を払う必要がある。

 予報通り、村にも雨が降ったとすれば、今日は耕耘に好適な条件であるはずだった。



 話が少し前に遡るが、7月14日(水)は集中豪雨のため朝から交通網が麻痺した。通常利用する高速道路が通行止めになったが、私はいつもより倍も長い時間をかけながらも朝の一コマ目が始まる前には学校に到着した。授業がはじまってしばらくして構内放送があり、休校が告げられた。高等学校までの教育機関は警報が出された時点で自動的に休校処置がとられるようだが、大学はなかなか休校を決定しない。状況からすれば、授業の始まる前に決定されてもおかしくなっかたが、危機管理の動きが迅速でなかったようである。

アキシマインゲンの定植
(クリックで画像の拡大)
定植したアキシマインゲン。7月26日。
 ポットに播種した種は、外見からして発芽能力に劣りそうなものがほとんどだったので、発芽率が気になったが、結局3分の2が発芽した。定植したのは10株。ただし1株に2本。したがって、20本定植した。収穫は、たぶん、8月終わりからになる。
 その日の授業の補講が次の週の土曜日(7月24日)に行なわれた。悪いことではけっしてないが、最近の大学は授業回数(1学期15回)を厳密に守らせる。天変地異で休校になった! もうけた! なんて喜んではいられない。かならず抜けた授業には補講が設定される。たとえ補講日が土曜日や日曜日や祝日になっても… ただ、出勤日でない日に補講をすると、今度は代休をとれ、と通知が来る。労務管理も(大学が法人化してから)厳格に、また他方でけち臭く、なった。代休をとらせないと、時間外手当を出さなければならなくなるのだろう。

 正直なところ、私のような職種では代休はさほどありがた味のあるものではない。できれば時間外手当をもらいたい。なんだ、また代休か、なんて不満げに思っている頭にふと最初に書いた畑仕事のことが浮かんだ。そうだ! 金曜日を代休にして、野良仕事をしよう!


 朝、畑に行って、畑のすぐそばに住んでいる従姉と話した。「雨? ぱらぱらと降っただけよ。湿りもせんかった。」彼女は意外なことを言った。「Hの方では降ったんじゃろう?」畑の土を確かめると、たしかに雨が降った形跡はなかった。四囲を低い山に囲まれた山間部の村は、夏になると、まるで雨が逃げるように、雨の空白スポットとなる。村を囲む山の中で最高峰である灰ヶ峰(標高737メートル)に薄い雲がかかることはよくあるが、それが雨にならないのである。薄い雲は雨の期待をかきたてはするが、その実、雨が抜け落ちたあとカスかもしれない。


人参畝
(クリックで画像の拡大)
人参畝。表面を起こして、散水したところ。
 
人参畝
(クリックで画像の拡大)
人参畝。肥料を撒布したところ。白いのは、カキ殼石灰。
 
人参播種
(クリックで画像の拡大)
人参を蒔き終わったところ。畝の乾燥を防ぐため、不織布で覆う。
 しかし、代休をとった以上、何かしなければ甲斐がない。草焼きをしたり、空いた畝でさらに草取りをしたりして暑い日中を過ごしたが、人参だけは蒔いてしまいたかった。狭い畝のために耕耘機を出すのはかえって手間である。また、上に述べたような理由で耕耘機を使いたくもない。そこで鍬で畝作りをすることにした。

 まず鍬で軽く土を起こし、ついで、そこに散水する。最初から硬い畝に散水したのでは、水は表面を流れ落ちるだけで、なかまで浸透しない。水が浸透したのを確認して、肥料を撒布して、今度は深く掘り起こしながら、肥料を土と混和する。こうして畝作りをしてから、人参(新黒田五寸と金時人参)を15ガンギ[蒔き床]分、種蒔きをした。

 今のように乾燥した時期だと毎日、ガンギに灌水してやらないと人参は発芽しない。他の野菜でも発芽しにくいが、薄くしか覆土しない人参はなおさらそうである。発芽が揃うまで一週間ないし二週間は灌水が日課となる。

 人参畝以外にも、同じやり方で、ビートとキュウリの畝も作った。一週間後の週末にはいずれも定植したい。
 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R