てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2007-12-23(日) (蕎麦を碾く)
投稿日:2007-12-25(火)
 昼前から蕎麦の製粉。電動製粉機を使う。製粉作業は、粉が埃のように周囲に舞うので、村まで行って小屋でやろうかとも思ったが、自宅のベ...

 昼前から蕎麦の製粉。電動製粉機を使う。製粉作業は、粉が埃のように周囲に舞うので、村まで行って小屋でやろうかとも思ったが、自宅のベランダですることにした。さいわい、暖かくて風のない日なので屋外での作業も苦にならなかった。

 製粉機は四年前に買ったもので、今までに三回しか使っていない。だから製粉の工程はまだ確立していない。三回目に使った二年前を思い出しながら、作業を進めた。

剥き実
(クリックで画像の拡大)
 殻をとった蕎麦の実。
 新しい蕎麦は甘皮が緑である。古くなるにつれて、褐変する。甘皮が緑なのは??が含まれているからであり、それが蕎麦のかおりの素になる。
製粉
(クリックで画像の拡大)
 製粉に使う道具。
 一番奥が電動製粉機。上皿から穀類を入れて、手前の口から受け皿に製粉されたものが出る。
 手前に、ストレーナー、篩、粉受け容器が積み重ねてある。一番上のストレーナーで皮を除く(工程(1))。その下の60メッシュの篩で粉を取る(工程(2)と(5))。
分離した粉と殻
(クリックで画像の拡大)
 篩分けた粉と殻。
 左上が(2)の工程で出たそば粉Ⅰ。そば粉Ⅱも見た目には同じ。右上は(2)の工程で篩に通らなかった殻まじりの粉。手前は(1)の工程で分離した蕎麦殼。
製粉工程
(1)殻を外しながら製粉。製粉機から出てきた粉を、まず、台所用品のストレーナーに通して、大きな殻を除く。

(2)殻を除いた粉を60メッシュの篩に通して、粉(そば粉Ⅰ)を取る。

(3)前の工程で篩を通らなかった、小さな殻まじりの粉を、再度、製粉機にかける。ただし、製粉機は(1)の工程より細かく碾けるように調整する。

(4)製粉機から出た粉を(1)で使ったストレーナーよりも細かい目の篩にかける。この工程で篩に通らなかった殻まじりの粉を、クズ粉とする。

(5)クズ粉を除いたものを60メッシュの篩に通して、粉(そば粉Ⅱ)を取る。篩に通らなかった粉を、そば粉Ⅲとする。

 以上の工程で玄蕎麦3kgから取れた粉は
そば粉Ⅰ - 900グラム
そば粉Ⅱ - 550グラム
そば粉Ⅲ - 550グラム
クズ粉 - 150グラム
になった。

 蕎麦打ちに使えるのはそば粉Ⅰとそば粉Ⅱであるから、重量比で玄蕎麦の半分ということになる。しかし、完全に機械化された工程で効率よく碾くと、おそらく、重量比で玄蕎麦の三分の二が利用できる粉になるのではないだろうか。

 そば粉Ⅰとそば粉Ⅱを使って蕎麦打ちし、夜、同僚家族と一緒に食べた。粉は、そば粉8と小麦粉(中力粉)2の割合で混ぜたものを900グラム使った。人数は6名(うち二人は「中人」)。

蕎麦のかおり
 新蕎麦のかおり、という固定観念がある。しかし、製粉しているときはふとかおりが立つことがあったが、食べるときはなかった。食感はなめらかだった(私は通ではないので、大雑把な感想である)。

 かおりはほとんどないものだろうか、それとも、製粉の過程で飛んでしまったのだろうか。使った製粉機は小径の石臼が高速回転するもの。回転数の調整はできない。製粉が終わって石臼を触ってみると、かなり熱かった。昔ながらの手回しの石臼がいいのは、製粉時に熱が出ないのでかおりが飛ばないからだ、と言われている。電動でも、本格的なものは、低速回転もできるようだ。しかし、そんな製粉機は家庭用としては高額すぎる。暇になったら、今は使わないまま小屋の隅に重ねてある手回し石臼を使って蕎麦を碾いてみたいものである。
コメント
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てつ人 ( 2007/12/28 08:38 AM )
 
ムーさん

 記事には書き忘れましたが、製粉は3時間ほどかかりました。二人で作業すれば時間は短縮できそうです。でも、三人だと「船頭多くして船山に登る」ですね。

> 早く私らも挽いてみて対比したい。
> でも来年まで持越しです。

 これぞ「年越し蕎麦」!
 ムーさんの洒落には足元にも及ばない駄洒落でした m(_ _)m
 四日後には始まる来年の蕎麦ひき/打ちの報告を興味津々で待っています。
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ムー ( 2007/12/27 11:37 PM )
 
始まりましたねー蕎麦の粉挽き。
なんかコメント書きたいけど、机上の空論になるので止めます。
早く私らも挽いてみて対比したい。
でも来年まで持越しです。
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てつ人 ( 2007/12/26 08:36 PM )
 
雨さん

 今年は「てつ人の雑記帳」にお付き合いいただきありがとうございました。「雑記帳」を開いていただく人がいると、「雑記帳」を書くにも、また、農作業にも励みになります。コメントを書いていただくと、さらにいっそう励みになります。来年も引き続きよろしくお願いします。

> 今、しまったなと思う事は、農耕の記録が執ってないこと、カレンダーへの走り書きでは、来年に十分には間にあわないでしょう。

 農耕記録はとっておくと、後から参考になります。
 僕は、種蒔き、定植などは日にちと、場合によっては、品種を記録しています。何年かすると、自分なりの作付け暦ができます。
 また、畝の位置は大体決まっていますから、畑の図(原図を一枚作ってコピーします)を作り、各年の春、夏、秋にどこに何を植えたかも記録しています。作付けをするときは、以前の図を調べて連作にならないようにします。

> 秋ジャガの品種名の記録もれ、普賢丸でもなかったし、でも、美味しかったですよ。おかげで家族も大満足、だから、農林でもないことは確実です。

 ポピュラーな品種を考えると、「出島」ですかね。僕は一度も作ったことはありませんが、来春は試してみようと考えています。
 普賢丸は比較的新しい品種です。甘みがあり、色が黄色っぽいジャガイモです。粉質ですが、特徴のある品種なので、これからも続けて作ろうと思っています。

 では、また。
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雨 ( 2007/12/26 02:44 PM )
 
 今年、貴ブログへの突然の侵入、また誤字にも付き合ってくださり、お世話になりました。
 今、しまったなと思う事は、農耕の記録が執ってないこと、カレンダーへの走り書きでは、来年に十分には間にあわないでしょう。特にミスったのが、秋ジャガの品種名の記録もれ、普賢丸でもなかったし、でも、美味しかったですよ。おかげで家族も大満足、だから、農林でもないことは確実です。
 では、良い休日を、お過ごしください。
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