村便り:2017-10-23(月) (横手をつける)
投稿日:2017-10-25(水)
台風が去って、やっと雨の降らない日が来た。今年の、この時期の長雨は異常だ。私は、20年あまり稲作を続けてきたが、このような雨は経験がない。
10月になると、通常、天候が安定し晴れの日が多い。田んぼでは、おそもん[晩稲(おくて)。はやもん、すなわち早稲(わせ)に対して言う]の稲刈りが進む。近年ではコンバイン[刈り取り・脱穀機]で刈り取ったあと乾燥機で籾を乾かすやり方が主流になったが、昔ながらに、刈り取り後、稲架で乾燥する農家も少なくない。稲架に掛けられた稲は2、3週間で乾き、どんどん脱穀されていく。10月終わりには、ほぼ全部の田んぼで稲刈りが終わる。
ところが、今年は10月初旬に稲架に掛けられた稲はそれ以降、雨にさらされ、濡れそぼった黒ずんだ枯色をして田んぼに立っていた。やっと雨があがり、予報によればしばらく晴れ主体の天候が続くようだが、脱穀できるほどまで乾くのに優に1週間はかかるのではないだろうか。
稲刈りはいつもしんがりのわが家の田んぼは、稲架掛けどころか、まだ稲刈りも始まっていない。
(クリックで画像の拡大) 畦の草を刈る前。 右側の田んぼの左端に横手をつける。左側が上の田んぼで、これから畦の草刈りをする。 |
(クリックで画像の拡大) 畦の草を刈った後。 |
今日は田んぼの排水作業。稲刈りをするためには、田んぼから水が排出される必要がある。しかし、今年は、ムナクト[排水口]を開いても、いつまでも田んぼに水が溜まっている状態。したがって、さらに排水のための処置をしなければならない。
わが家の田んぼは傾斜地にある。するとどうしてもウワコウダ[田んぼの、傾斜の上側の部分]に水が溜まりやすい。そこで、ウワコウダの外周に溝(横手)を掘り、水を傾斜の下側に排出する。
今年は畦の草刈りを怠ったため、畦に丈の高い草が生えている。まず、横手を掘る田んぼと接している、上の田んぼの畦の草を刈ることから始めた。高い草は一気に刈ることはできない。まず高いところを払って、つぎに根もとから刈る《二段刈り》をする。さらに刈った草は邪魔になるので、畦から運び出す。草の運び出しは、週に2、3回手伝いにやってくる相棒にやってもらった。相棒は、草刈機は使えない(というより、使いたくない)し、田んぼの中での泥まみれになる作業もしない(したくない)ので、こんな仕事をやってもらうことになる。それでも、だいぶ助かる。
(クリックで画像の拡大) 外周の1条分の稲を刈ったところ。田んぼは、別の日に作業したところで、この記事の田んぼではない。 |
(クリックで画像の拡大) 横手を掘り上げたところ。向こうからこちら側に水が流れてきて、右に折れて、下の田んぼに排出される。 |
ついで、ゲシ[上の田んぼと下の田んぼの段差部分]に近い最外周の稲を一条だけ刈る。溝を掘るスペースを確保するためである。それから、溝掘りにとりかかる。シャベルと平鍬を使って泥を掘り上げる。
作業に午後の時間をまるまる費やして、17時過ぎに終えた。