<< 2016-03 >>
SunMonTueWedThuFriSat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

2016/03/14
このページの記事一覧   1/1
 (クリックで個別ページ表示)
記事の分類
 (クリックで分類毎に表示)
以前の記事
 (クリックで月毎に表示)
村便り:2016年03月14日(月) (お花盛りはえぐ味盛り)
投稿日:2016-03-14(月)

冬のほうれん草はおいしい。甘味がある。冬の寒さに耐えるため、ほうれん草がため込んだ栄養分のためだ。(甘味は、収穫して時間が経つと変化する。店頭に並ぶものでは味わえないことがある。また、冬以外の季節は、いくら新鮮でも甘味はない。)


(クリックで画像の拡大)
薹が立ちはじめた、ほうれん草。
 茎が伸び、葉間が広がっているのがお分かりだろうか。
 

(クリックで画像の拡大)
薹が立ち、蕾をつけた、ビタミン菜。
 ビタミン菜は癖のない葉菜類である。比較的近年作り出された品種。薹は太くて、しかも癖がない。だから、冬の間にとり残した株は、菜の花として利用する。
 

(クリックで画像の拡大)
ブロッコリー。
 ブロッコリーは主茎の花蕾を収穫したあと、今度は側枝から出てくる花蕾を食する。《落ち穂拾い》的な収穫であり、これは普通、市場に出回らない。(先日、JAの産直市場に、側枝花蕾が並んでいた。産直市場だから、ありうる商品なのかもしれない。)
 画像は真上からのものなので、花蕾が側枝から出ている様子が分かりにくい。
3月になるとほうれん草は薹立ちを始める。先日、収穫しようとすると、薹立ちが始まっていた。茎が伸び、葉間が伸びてくる。新しい葉っぱの色が鮮やかになる。(この現象は、菜っ葉類一般に共通。)早く食べてしまわないと、と焦る思いで収穫した。その夜さっそく茹で、食卓に並べる前に味見をした。茎の部分は甘味があったが、葉っぱにはえぐ味が感じられた。このえぐ味は、薹が立った野菜の味であり、冬にはない。再度、茎の部分を味わうと、甘味の中にえぐ味が混じっているではないか。二、三度、味見の後しばしためらったが、捨ててしまった。

この時期の畑は、薹が立った野菜でお花畑になる。その中から、まだ薹立ちの始まっていないもの、薹がおいしいものを選んで収穫する。高菜系の野菜やふだん草は比較的薹立ちが遅い。白菜は薹が太く味に癖がないので、食用にする。薹は一般に、それを食用にする野菜でなければ、美味しくない。茎がかたかったり、えぐ味があったりする。これは、自然の普通の摂理かもしれない。薹立ちは結実の前段階であり、ついで花が咲き実を結ぶ。だから、子孫を残すための自己防御策として、他の生物に食べられないようにする。(虫たちは、アクの強い野菜はあまり好まないようである。人間と同じである。)薹が立ってもおいしいような野菜は、人間の手が不自然に入れられ改良された結果なのかもしれない。

春先は、夏野菜の植えつけをしながら、冬野菜のなれの果て、味わいはあるけれど店頭には並ばないもので食いつなぐ。

 てつがく村の
  ひろば(BBS)
最新20コメント
Powered by
Serene Bach 2.19R