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2006/12/04
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村便り:2006-12-01(新米の精米)
投稿日:2006-12-04(月)

 今年の新米をはじめて精米した。精米はいつもは妹がすることになっており、新米の、初回の分に関しても、すでに妹に頼んであった。しかし、我が家で食べる米が底をつき、急遽午後に精米することにした。

 米は籾の状態で保存し、必要に応じて(平均すれば、一月半か二カ月に一回のペースで)農協の精米所でひく。精米所が営業する日は季節によって異なる。そこで電話して確かめると、今月は月・水・金が営業日になっていた。精米所には機械を操作する人が一人いる。定年退職した村の人が非常勤で詰めているのである。手当てがいくらだかは知らないが、ボランティアに近い仕事ではないか、と思う。

 籾を投入すると、籾摺り、選別(未熟米が排除される)、精米の連続的なプロセスを経て15kg(1斗)単位で精米が出てくる。玄米が欲しければ、選別を終えた時点で米を出す。何年前までかは忘れたが、古いシステムでは、籾摺り(選別を含む)と精米は別々になっていて、籾摺りを終えた玄米を精米機まで運んでいた。農協に精米所ができるまえは、石臼に入れた籾や玄米を、足踏み式の杵でついて籾摺りや精米をしていたはずだが、私はその時代は知らない(石臼はまだ残っている)。

 精米が済むと、糠と籾殻は回収する。糠は糠漬けの材料にしたり、畑にまいて肥料にしたりする。もみ殻もさまざまに使う。稲は、米を食べるだけでなく、藁はむろんのこと、まるまる利用して、棄てる部分はない。

 ちなみに精米料は1kgにつき21円(消費税込み)。米袋は中古が1袋42円(消費税込み)で買える。

 精米が終わってから、今年の収穫量を判断した。単位面積あたりの収量は去年よりは劣る。今年は作況指数が100を割った、と新聞で読んだが、我が家の場合も感覚的にはその程度である。精米後の量を試算してみた。その量を基に、我が家ときょうだい家族が食べる分、友人に送る分、知人などに贈る分…と頭の中でおおまかに計算すると、これから一年なんとか食いつなげそうである。今の「豊かな」時代、米はなければ買えるとはいえ、この一年、辛苦して米を作った私としては、一年分の米が保証されたのは、深い安堵である。そして、やはりありがたい。ありがたい、といっても、いまどき流行りの「自分自身を褒めてあげたい」式の、自己に向けられた賛嘆ではなく、自分ではない何か大きなものへの感謝のような気持ちである。
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