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村便り:2006-09-15(畦の草刈り・彼岸花)
投稿日:2006-09-16(土)

 昨日に続いて、今日も畦の草刈り。昨日は夕方に始めたので、暗くなるまでに一時間あまりしか作業時間がとれなかった。この季節になると、夕方は六時過ぎにもなれば薄暗くなる。また、台風の接近で土曜日から始まる三連休は雨になる予報。畦の草刈りは五分の一も済んでいない。そこで、今日は思い切ってサラリーマン稼業を半日休み、午後を草刈りに充てることにした。草刈りを始めたのは午後三時ごろ。

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開花の始まった彼岸花。この畦に彼岸花が並んで咲く。(昨日は、花はまだ小さな赤い塊だった。彼岸花はするすると長い茎を天に向かって伸ばす。)

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草が伸びた畦。上の写真の稲と田植えは同時期。
上はうるち米(品種は中稲[なかて]のヒノヒカリ)だが、こちらはもち米。もち米の方が熟するのが少し早い。
もち米は穂がすこし赤みがかっている。
 畦の草は二カ月あまり刈っていないので大分伸びている。草刈りを急ぐのは、そのためもあるが、他にも理由がある。九月後半になると彼岸花が満開になる。畦のところどころにも咲く。私は六、七年ほど前の五月、畦の一部に彼岸花の球根を植えた。人によっては不気味で毒々しく映る、異形の赤い花が私は好きである。我が家の田んぼの畦すべてを彼岸花で埋めつくしたい、と思う。植え付けはその手始めだった(ただし、その後は続いていない)。

 彼岸花を考えれば、草刈りは八月終わりにしたほうがいい。実際、昨日には、早い花はもう頭を出していた。だからといって、花が終わるまで草を伸ばしておくわけにはいかない。そんなことをすれば、稲刈り間近の十月になってしまう。草刈りを始めた昨日、まず「彼岸花の畦」に手をつけた。草を刈っていくと、60cm間隔で植えてある彼岸花のなかにはもう地中から頭を出しているものもあった。草刈り機では、そのように小さい花は切ってしまう。今年ははどのくらいの花が咲き揃ってくれるだろうか、と心配になりながら、件の畦の草刈りを終えた。

 近所の人は、稲が育っている期間、一カ月に一回は畦の草刈りをする。私は人が二、三回刈るうちに一回しか刈らない。刈らない、というよりは、むしろ刈る時間が作れない。ところが、草は伸びると刈りにくいし、刈るのに時間がかかる。手間のない私のような農家が、おうおうにして、手間がかかるようになってから仕事にとりかかる、とは皮肉なことである。


 下隣の田んぼでは、一族総出で稲刈りだった。品種は早稲のコシヒカリなので稲刈りは早い。一番の働き手は私より十歳年下の男性である。彼は私と同じ年齢で父親を失った。だから、やはり兼業農家である彼を見ると十年前の私に重なる。稲刈りの大部分はコンバインを操作する彼の仕事だが、おばあちゃん(彼の母親)から孫(彼の子ども)まで三世代とおばちゃん(彼の姉)が田んぼに出ての稲刈りは、傍から見ていてほのぼのとした思いにさせられる。と同時に「農家」の有り様を考えさせられる。私のように「一人農家」は農家としては異形(むしろ、いびつ)である。
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