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村便り:2017-03-01(水) (ジャガイモ畝の耕耘)
投稿日:2017-03-04(土)

「追い出し牛」という言葉を、春先になると両親が使っていた。両親が、というより、父の死後、私が百姓を始めてから、母が、思い出話に、父がそう言っていた、と語っていた、という方が正確だろう。冬の間、牛は野良で働くことなく小屋で過ごす。ところが、春になると農作業に連れ出される。「追い出し牛」という表現には、嫌がる牛を追い立てて外にだす、というニュアンスが込められている。役牛はいなくなって久しい。追い立てられるのは、今は人間自身である。

冬の間、家に閉じこもっていることに慣れた体は、春の農作業をはじめる頃になっても、外に出たがらない。3月の半ばから畑の春が本格的に始まる。その前に畑の準備などやらなければならない。そこで、寒さの緩み始めた頃合いを見計らい、自分の体を野良に追い出してやる。


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耕耘の終わったジャガイモ畝。
 このあと、溝をつけて畝立てしておいた。ジャガイモ植え付け前にもう一度、耕耘するので畝立ては無駄なように思えるが、しかし、溝をつけて排水をよくしておかないと、土が粘土質なので、乾きにくい。
 

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2月の終わりに石を掘った。
 この石は上面だけをみると大きくなさそうだが、深くなるにつれ周囲が大きくなる。また、この画像の状態で、深さは50cmある。しかし、まだ底には届いていない。
 石は粘土層から作土層に少しだけ頭を出している。だから、耕耘機の刃が当たる。鍬で耕しても同じことである。思いっきり振り下ろした三つ鍬の刃が折れたこともある。(ちなみに、その刃は溶接して付けてもらったら、また使えるようになった。)
今日は、ジャガイモを植えつける畝の耕耘をした。その場所は、今まで積極的には利用してこなかった部分である。粘土質が強く、耕耘しても土がかたまりになってこなれない。また、大きな石が埋もれている。だから、冬の間に耕耘し、寒気にさらして土を砕き、また、耕耘機の刃が跳ね返されるような石を取り除いておきたかった。しかし、やっと「追い出さ」れたときには、すでに冬は終わっていた。

それでも、目星をつけていた大きな石は2月の終わりに掘り上げようとはした。石ふたつが畝の真ん中あたりに埋もれているのは数年前からわかっていた。以前、ショベルとツルハシで掘り上げようとしたが、だめだった。まだ現役のころだったので、腰を据えて作業する余裕がなかった。そこで、この前は、時間がかかっても掘り上げようと決意して作業をはじめた。結果は、やはりだめだった。ショベルとツルハシだけで一人で掘り上げるには石は大きすぎる。結局、そこは畝のなかの「未開地」として残しておくことにした。耕耘機では耕さない、野菜は作らないことにした。

今日の耕耘の際にも小さめの石はいくつか除いた。それでおおむね耕作の邪魔になる石は取り除いたつもりだった。が、最後になって、畝の隅っこに「未開地」の石よりはさらに大きな石が埋まっているのが分かった。角の隅っこなので、そこも植えつけしないところにした。このあたりは、遠い昔(恐竜のいる時代?)は湖か川の底だったのではないか、と思われるほど、石が多い。すぐ近くに、地名が「亀石」というところもある。

ジャガイモの植え付けは3月終わりになる予定である。種芋は、いまは、日中は日光に当てて発芽を促している。3月半ばに伏せ、二度目の耕耘をしてから、植えつける。

村便り:2017-02-19(日) (豌豆の支柱、ニンニク畝の草取り)
投稿日:2017-02-21(火)

エンドウの支柱を昨日と今日で立てた。11月8日に播種した2種のエンドウ(スナップエンドウと実エンドウ)がそろそろ支柱が必要になりそうなくらい大きくなった。早めに支柱を立てることにした。


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エンドウの支柱。
 こちら半分がスナップエンドウ、向こう半分は実エンドウ。隣接して作っていたら、交雑してしまうのではないか、と心配される向きがおありかと思うが、エンドウは開花以前に受粉するので、基本的に、その心配はない。
 

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藁の下でのび始めているエンドウ。
 

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除草と追肥が終わり、中打ちを始めたニンニク畝。こちらから、三つ鍬のあるところまで中打ちしている。
支柱を立て、各々の株に、よじ登り用の藁をつけてやった。背丈が藁より上に伸びるまでに、支柱の上部にネットを張る予定。

余談であるが、スナップエンドウと実エンドウは、以前は、前者をメナシ、後者をブンドウと呼んでいた。私が百姓を始めた20年ほど前には、母親や近所のおばあさんは、そう呼んでいた。(この名称を含めて、エンドウと空豆について、以前記事にしたことがある。)

支柱立ての後、ニンニク畝の除草をして、追肥・中打ちをした。冬の間ずっと気になっていて、やっと今日できた。

村便り:2017-02-16(木) (人参とダイコンの播種)
投稿日:2017-02-21(火)

人参と大根を、ビニールトンネル内に播種した。(手順としては、播種した後、ビニールを掛ける。)今年になって初めての種蒔きである。


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向こう側は、人参を蒔いてビニールで被覆した。こちら側は、大根を蒔いたところ。これからビニール掛けする。
春は野菜の端境期である。秋に蒔いた野菜は2月後半から薹が立ち始める(すなわち、茎がのびて、花がつく)。葉菜類(葉っぱを食べる野菜の類)は、今の時期、新しい葉っぱが出始めているが、それまでのものと色や形が違う。薹立ちの前兆である。人参や大根は薹が立つと、根を貫いて芯ができて食べられなくなる。薹がおいしい野菜もあるが(たとえば白菜や広島菜)、たいていの場合、硬かったり、えぐ味があったりするので、食用には向かない。

その端境期を少しでも埋めるため、人参と大根を蒔いた。(私の栽培暦に従えば、2月に入るとすぐに播種するのだが、今年は暦より少し遅れた。)まだ春浅い時期なので気温が、発芽には低すぎる。また、大根は発芽してからしばらくのあいだに寒気にあたると、薹立ちが早まる。(秋、9月に蒔いた大根は春までは薹立ちしないが、春に蒔く大根はそれよりずっと早く薹が立つ。)そこで、ビニールトンネルで覆って保温する。ビニールの裾には土を載せて、ビニール内を密封する。保温と水分保持のためである。

村便り:2017-02-11(土) (タマネギとエシャロットの追肥)
投稿日:2017-02-19(日)

タマネギとエシャロットの追肥をした。共に2回目である。1回目は年が明けた1月9日。使ったのは化学肥料。私は基本的に肥料は発酵鶏糞主体の有機肥料を使うが、タマネギとエシャロットは、今シーズンは、効きが速く(また、きれがよく=残りにくく)、肥あたりのしにくい肥料を選んでみた。


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タマネギ。
 寒さに耐えながら、まだ小さい。三枚目の葉っぱが出ている。経験的に、今この生育状況であれば、温かくなると急速に大きくなり、十分な大きさのタマネギが収穫できる。
 今冬は、寒さで枯れたり、霜柱で浮いたりする苗はほとんどなかった。(実際上は、皆無。)
 

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エシャロット。1月9日の一回目の追肥のとき。

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エシャロット。
 エシャロットは、植えつけるときは、1箇所に種球が1個である。それが、数個に分球する。分球の時期をみはからって追肥をするのがいいのだろうが、観察していないので、時期は分からない。
 真ん中のエシャロットは葉っぱの出方からすると、4個に分球している。私としては4個はできてほしい。
 
タマネギは極早生と中晩生の二種類を栽培しているが、極早生はこれが止め肥(最後の追肥)。中晩生は、もしかしたら3月始めにもう一度追肥するかもしれない。(中晩生の場合、止め肥は3月初旬。)

エシャロットに関しては、日本ではあまり栽培されていない(栽培しているのは、若取りのラッキョウではなく、ヨーロッパのエシャロット)ようなので、施肥の仕方についての情報が少ない。私は近縁のワケギに準じて施肥する。今回が最後の追肥になるだろう。


村便り:2017-01-24(火) (この寒いのに、朝早くからよく来るね。)
投稿日:2017-01-25(水)

朝、精米するため畑(私の意識では「畑」というと、屋敷[更地状態]とその周りにある畑の両方が含まれる。米は屋敷の隅にある蔵に収蔵してある。)に行くとヒヨ《軍団》が畑から飛び立った。数からすると本格的な襲来である。ブロッコリーの畝に行くと、案の定、若い葉っぱがかじられていた。餌食になりそうな野菜はしっかりと防鳥対策をしないと、食べられてしまう。まだ防鳥対策をしていなかった野菜、ブロッコリーとキャベツにはキュウリネットを、空豆と豌豆には防虫ネットをかぶせた。


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ブロッコリー。
 中心の花蕾のすぐ傍の若い葉が、食害を受けているのがお分かりだろうか。ヒヨは花蕾は食べない。
 今シーズンは2回ブロッコリーを蒔いた。最初のは、昨年中に食べ終えた。それ以降は、残った茎から伸びる花蕾を食べている。画像のは、2回目に蒔いたもの。もう少し経ったら食べてもいいかな、という程度まで大きくなった。
葉菜類は、ヒヨの好きな部分と人間の食べる部分は同じなので、ヒヨに襲われると、人間の食べ分がなくなる。ブロッコリー(果菜類に分類される)は、花蕾周辺の若葉を狙うので、ヒヨが食べても、人間の食べる分は無傷で残る。キャベツは、まだ小さいときには、惨めな姿になる。もっとも根っこから食べるわけではないので、生育は遅れるにしても最終的には結球したキャベツにはなる。豌豆もついばまれる。しかし、これも残った部分が成長して、豆をつける。空豆は食べられた経験はないのだが、念のためにネットをかぶせた。ネギやニンニクは、やつらの食欲は刺激しないようである。食べる野菜にしたがって、ヒヨの害鳥度は違う。

畑は、人間が食料を、効率的かつ安定的に生産する人工の場である(←当たり前 笑)。野山には食料生産に特化した場所はない。虫、鳥、獣が《餌》が豊富にある場所に集まるのは当然である。しかし、彼らの食べるもの、食べるところが、人間と競合すれば害獣、害虫、害鳥と呼ばれ、そうでなければ、ただの生き物であり、あるいは「益」を冠して呼ばれる。人間の縄張りのなかだから、人間中心的に分類されるのも当然である。農地はだから、人間と、領分を荒す侵入者とのたたかいの場。少なくとも、私にとってはそうである。共生があるとすれば、その結果でしかない。
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