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2016/10/22
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村便り:2016-10-22(土) (稲刈り開始)
投稿日:2016-10-22(土)

一昨々日から稲刈りを始めた。だから、昨日までで三日間、作業をしたことになる。そして今日は雨。



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バインダーでの稲刈りを始める前に、田んぼの隅(この田んぼは台形なので4ヶ所ある)を、バインダーが向きを変えることができるように、手で刈り取ってスペースを作る。
 バインダーは一条刈り。
 

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刈り取り完了。
 この田んぼは約3畝の広さで、刈り取りの所要時間は1時間。
 

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稲架を立てる。稲架は、足は木、横木は孟宗竹である。横木の長さは約9m。
 稲架を立てると、周囲に稲束を集めて、稲架掛けの開始。
 稲架掛けは、稲架ひとつで約1時間かかる。
 

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稲を掛け終えた稲架。
 この画像は、上の3画像の田んぼとは別の田んぼ。掛かっているのはモチ。周りに立っているのは、ウルチ。
 

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稲の熟度は穂軸の色で判断する。私は、穂軸が3分の2以上黄変した時、刈り取り適期である、と判断する。この画像の稲穂は、まだ穂軸の半分以上が青い。早く刈るにしても半分近くは黄変してほしい。なお、同じ一枚の田んぼでも場所によって熟度は違うので、平均的なところで判断する。
稲刈りは、バインダーで刈り取り、稲架で天日干しする。いまの農家では、コンバインを使っていちどきに刈り取りと脱穀をおこない、脱穀した米はその日のうちに乾燥機に入れて翌朝までに乾燥を完了する、というやり方が主流である。わが家の稲刈りはだから、一時代前のやり方と言える。ただ天日干しにしたほうが、米はおいしい。感覚的には、ふっくらと炊きあがり、甘味がある。

今年は9月は雨の日が多く、早稲の収穫が遅れた。早稲(コシヒカリやキヌヒカリ)は9月中に刈り取りをする。稲刈りというと初秋の肌寒くなったころを連想するが、早稲の場合は残暑の日差しのもとで刈り取りをする。もっと、コンバインを使うと機械が全部やってくれるので、人間はたいして体を動かすことはない。涼しい顔をして、9月終わりまでには収穫をおえることができる。

ところが、今年は田んぼの土が乾かず、収穫作業が遅れた。そして、やっと作業を始めても、コンバインが軟らかい土に足(正確には、クローラー)を取られ、作業が難渋した、という話をよく聞いた。

10月になると晴れの日が多くなった。わが家は中生のヒノヒカリを作っており、田植えは5月終わりなので、稲刈りは10月の半ば以降になる。そこで、できれば10月15日前後から稲刈りを開始したかった。稲刈りの適期はあるのだが、天日干しの場合、稲架に掛けたあとに後熟が期待できるので、多少未熟でも刈り取りができる。(コンバインの場合は、すぐに脱穀して強制乾燥するので、完熟状態で刈り取る。)しかし、今住んでいる団地の自治会(町内会)の秋祭りがその時期に重なる。そして、今年は(機械的に順番が回ってくる)班長になってしまったので、祭りに参加せざるをえず、やむなく稲刈り開始を遅らせた。

稲刈りを急ぐのは、11月に入ってからは、日照時間が短くなると同時に、例年、気候も不順になるので、籾が乾ききらないからである。去年と一昨年は、稲刈りが遅れたため、結局は、乾燥機をもっている人に頼んで、稲架掛けでは残ってしまった余計な水分を飛ばしてもらった。今年はそんな事態になるのを避けたいので、遅くとも10月終わりには稲刈りを完了したいと思っている。

バインダーでの刈り取りは、田んぼの土がぬかるんでいてはできない。田んぼに立って足が5㎝あまり沈み込むくらいまでの土の軟らかさを目処にする。それ以上軟らかい場合、湿田用タイヤを使えば刈り取り可能だが、そうなると足が取られたり、刈り取った稲が水に浸かったりするので、好適な状態とは言えない。普通タイヤで作業できると判断したのは、一昨々日だった。

稲刈りは中途で一日をおえることはできない。刈り取った稲はその日のうちに稲架に掛ける。そうすると、私の経験では、ひとりで作業して一日(おおよそ8時間の実働)でできる広さは3畝[畝 せ≒100㎡]である。

若い頃と違い(若い頃も?)、三日も連続して作業をすると、やはりきつい。今日の雨は、心は急くが、ひとり農家の体にとっては、いい休息となった。


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