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村便り:2007-10-06(土) (ウンカ、枝豆、白い彼岸花)
投稿日:2007-10-07(日)

ウンカ被害
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 褐色の部分が被害にあったところ。周りを休耕田・耕作放棄田に囲まれたこの田んぼがいちばんひどい。全面積の三分の一以上が被害にあっているだろうか。これから一週間の間にさらに被害が拡大するだろう。イノシシに狙われ、ウンカにとりつかれ、まったく運のない田んぼである。
黒豆
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 黒豆。枝豆としてもって帰るため、葉っぱだけは落とした。黒豆は順調な生育である。一緒に写っている鎌の柄は23㎝程度。右下角に私の、田靴を履いた足の一部が写っている。
青大豆
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 青大豆も黒豆も晩生となっているが、青大豆の方が生育が早い。作業の関係上、黒豆を早く植えるが、それから一、二週間遅れて植える青大豆が、枝豆の時期になると、いつも追いついてしまう。青大豆は黒豆に比べて枝が小振りだが、黒豆とさほど遜色のない豆のつき方をする。青大豆は枝豆としても美味しい。
白い彼岸花
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 前の畑の、〈林〉と化している部分にひっそりと彼岸花が咲いていた。花の数からしてことし初めて咲いたものではないように思う。たしかに彼岸花は球根を植えてから二、三年しないと花がつかない(私の経験)。しかし最初に2、3球植えたとして、花が何年か/も咲かないと、これだけの株に増えない。それにしても今までここに彼岸花があるのは気がつかなかった。(この「村便り」を書いたあとふと思い出したが、昨冬、このあたりに彼岸花の葉っぱが繁っているのを見て、どうしてこんなところに?と思ったことがある。)
 いったい誰が球根を植えたのだろうか。それも不思議である。私には記憶がないから、母かもしれない。この〈林〉部分に生えている山桜、ウミミズザクラ、柿などは鳥が種を運んできたのだろうが、彼岸花は運んではこない。
 ちなみに、彼岸花の後ろに細い幹だけ見えているのはコナラ。このあたりにリスはいないから、種を運んだのは子どもだろうか?
ウンカ被害
 稲刈りが近づき、今日は田んぼの水を落とす作業を始めた。稲刈りの時期が例年通りだとすると、水を落とすぎりぎりの時である。しかし、今年は稲の状態がおかしく、稲刈り時期を早めなければならない気配になってきた。ウンカがつき、稲が最初は部分的に枯れ始め(「坪枯れ」といい、狭い面積が円形に枯れる)、次第に枯れた部分が拡大してきたのである。被害はわが家の田んぼに限らない、村を含む近隣の地域で発生している。

 ウンカに食害された稲は枯れ、茎がもろくなる。私はまだ経験がないが、聞くところによると、バインダー[刈り取り結束機]がうまく結束しない。また、機械に屑藁が詰まるので、それを取り除くのに手間と時間がかかる。だから、枯れた部分は手で刈らざるをえない。ウンカ被害が出ても、農薬を散布すれば、被害の拡大をくい止めることができる。しかし、農薬を使わないとすれば、刈り取り適期(*)にならなくても、被害が拡大しないうちに、刈りとった方がいい。
(*)穂軸[籾がついている軸部分]が三分の二ほど黄熟した時が適期。

 実が充実し始めてからは田んぼに水は入れていないので、すでに十分に土が乾いているところもある。ただダブ[湿田あるいは水のはけにくい箇所]はムナクト[排水口のことで、稲が熟すまで閉じてある]を切り開き、横手[田んぼ内縁に沿って作る通水路]を浚って水の通りをよくしなければ乾かない。だから、今日と明日で水を落とすと、稲刈りは早くて一週間後になる。しかし、今のような状況であれば、落水作業が終わるとすぐに、土がすでに乾いているところから少しずつでも刈りとりたい。ところが、もう新学期が始まっているので、週日は休暇をとることはできない。これから一週間、被害の拡大を苛々と座視するしかないのである。

 夕方、農道脇の横手を浚っていると「早ようせんにゃぁ[早く〈稲刈りを〉しなければ]」と農道から声を掛けた人がいた。いきなりの声に驚いて顔をあげると隣家の主人だった。田んぼも農道を隔ててわが家と隣り合っている。日課の犬の散歩で通りかかったのである。その人は自分の家の田んぼがウンカにやられたときの経験談をした。被害にあった稲でも収穫はできる。しかし、精米の時に米選機にかけると小米[こごめ]として除外される。「まあ[籾の充実期の]いつやられたで違うがの。」その人の田んぼははやもん[早稲]を作っているので、とっくに稲刈りは終わっている。「今年ゃ、はやもんがえかったの」と言うと、「ちいたぁ[すこしは]、ええことがなけんにゃの」と笑いながらその人。ただ、今年の9月の稲刈りは、真夏に稲刈りをするようで、「暑うて、やれんかった」そうである。

枝豆
 落水作業の途中で、休耕田に作っている大豆をみると、枝豆として食べられると思われる大きさに実が充実していた。黒豆も青大豆も食べられそうだったが、試しに黒豆を一株抜き取った。今年は、今まで作ったことのない、くらかけ豆も作っている。黒豆や青大豆に比べて実は小さい。ひたし豆として食べる予定であるが、枝豆としての味も試してみるつもりである。

白い彼岸花
 夕方17時ごろ、井戸端の水場で鍬などの泥を落としていた。ふと前の畑の草むらに目を向けると白いもやもやした塊が見える。目を凝らすと白い彼岸花のようであった。近づいてみるとたしかに彼岸花。いままでそこに彼岸花が咲いているのを見たことがない。ましてや白い彼岸花は話に聞いたことがあるが近隣で見たことはない。忽然として地中から涌きでたように思えて不思議な気がした。
村便り:2007-09-30(日) (ニンニク植え、サツマイモ畝の草取り)
投稿日:2007-10-01(月)

播種:ニンニク

 夜の間に雨が降ったが、予定している畑作業に支障が出るほどではなかった。


タマネギの発芽
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 タマネギの発芽状況。藁の覆いを取り除いた翌朝の姿。
ニンニク植え1
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 ニンニクを植えつつある畝。
 昨年11月から今年5月までソラマメが生育していた畝。夏中、草が生えるがままになっていた。背景に草が生えている畝(カボチャを作っていた)があるが、それ以上に高い草(主としてエノコログサ)が生えていた。その草を直前に鎌で刈り倒した。
ニンニク植え2
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 ニンニクは、草をかき分けて植える場所を作り、そこに12㎝おきにスコップで穴をあけて種を入れる。普通ニンニクは70球、葉ニンニクは18球植えた。
サツマイモの畝
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 草を除いたサツマイモの畝。
 6月下旬に蔓を植えたから、三カ月以上経っている。一番手前の株は、9月始めに草取りをしたもの。他の株とは葉茎の繁り方が違う。霜が降りるまであと一カ月あまり、葉茎は、したがって芋は、どのくらい大きくなってくれるだろか。
タマネギの発芽状況
 畑に着いてまず、9月22日に種蒔きしたタマネギの発芽状況を確認する。そろそろ覆っていた藁を除いてやってもいい時期のようであった。タマネギはうまく管理してやらないと発芽率が悪くなる。管理の仕方については、9月8日の「村便り」の画像で説明した。発芽管理の最後は、覆っていた藁を除くことであるが、この時期の見極めが難しい。発芽が始まったので慌てて藁を除くと、まだ発芽していない種が日の目を見ないままになる。好暗性発芽に適した条件を除かれ、さらに、土が乾燥するからである。しかし、欲張って藁を覆ったままにしていると、早く発芽したものはモヤシ状態になる。他方、藁を除くのは慎重にしないと、藁の間に挟まっている苗が抜けてしまう。少しずつ、ゆっくり、そっと、といった動作で除く。藁は夕方に除いたが、今年は種蒔きして雨が降り土壌水分が好適な状態だったこともあり、満足できる発芽率であった。

 今日の農作業の予定は、白菜とキャベツ類(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)の追肥と、ニンニク植え。

白菜とキャベツ類の追肥
 ニンニクは草が繁っている自然畝を草刈りして植えるので、草を濡らしている露が乾くまで待つことにして、白菜とキャベツ類の追肥にとりかかった。

 白菜は肥料食いである。二、三回追肥をして、寒さで成長が止まるまでに葉の数をかせぎ、大きく結球させなければならない。だから、肥料の少ない畝では、結球に至らず冬を迎えてしまう。自然畝では葉数が少なく、葉の開いた白菜しかできない(私の経験によれば)。しかも、白菜は食い残しが多い。いわば白菜は飽食の現代人のようなものである。
 キャベツ類は、ひさしく自然畝で栽培していたが、今年は慣行畝に変更した。やはり肥料が効いている慣行畝は生育がいい。その生育を見ると、禁欲的な自然畝栽培で長いあいだ忘れていた感動を覚える。だからと言って、自然農法をやめようとは思わない。全品種ではないにせよ、小振りの出来であるが安定した栽培法を編み出したい。自然農法は未来を開く一つの方向だと考えているからである。

ニンニク植え
 ニンニクは自然畝栽培に決めている。小振りだが、出来る。夏のあいだ繁った草を刈ることから始めた。ニンニクを植える予定の畝にはヒルガオがところどころに生えている。ヒルガオは地下茎を伸ばして繁殖するので見つけ次第抜き取ることにしている。多年草は自然畝から除外するのが私の方針である。ヒルガオを抜くと長い地下茎がずるずるとついてくる。できれば、この地下茎も抜き取る。

 ニンニクは普通ニンニクと葉ニンニクの二種類。葉ニンニクは南方系のニンニクで、色は紫色。春先、茎が柔らかく伸びてきたときに利用する。種球は小さいので、利用しにくい。わが家のシェフは、茎はにおいがきつい、と言って葉ニンニクは使ってくれない。そこで、近年は、いつか利用するときが来るかもしれない、と思いながら種取りのためだけに栽培している。でも、今年は別に25球ほど慣行畝に植えた。茎が成長したら、もう一度使ってくれるよう、シェフに頼んでみるつもりである。

サツマイモ畝の草取り
 畑の作物の中に夏中、気になっていたものがある。サツマイモである。苗を植えてから一度も草取りしていないので、草の中に埋もれ、葉茎が成長できないでいた。去年はイノシシにやられた。今年はイノシシが来ない代わりに、勢いの強い夏草が萎縮させた。受難続きのサツマイモ栽培である。夕方、日が傾きはじめたが、畝の草刈りをする決心をした。

 草取りをしていると、腹立たしいような悲しいような、鬱屈した気持ちになった。種蒔きをして発芽する、苗を作って定植する。そこまではうまくいく。しかし、それからは成り行き任せ。草が生い茂り、肝心の野菜はうまく育たない。こんな気持ちになるときはいつも「賽の河原」という言葉を思い出す。そして、もしかしたら、自分は前世きっと田畑を売ってまで道楽三昧に耽った百姓だったんだろう、と思ったりする。

 暗くなりかけた畑で草刈りを終えると、芋の、植えてから三カ月以上もたったとは思えないほどに貧相な葉茎が姿をあらわした。安堵半分、気落ち半分の気分だった。
村便り:2007-09-29(土) (ワケギ、ロケット)
投稿日:2007-09-30(日)

播種:ワケギ、ロケット(ルッコラ)

 一日中曇り空。時折ぱらぱらと雨粒が落ちるような天気だった。気温が低く、水分は夕方、作業が終わって初めて水を飲んだだけ(昼食時のビール350ml缶は除く)。いよいよ本格的な秋か。

人参の追肥
 午前中は、まず、先週「 一日体験入農」の学生が草取りしてくれた人参畝の手入れ。

 人参の8月21日、まだ乾いている時期に蒔いた。その日の「村便り」に書いたように、人参は発芽しにくいので、それなりの手間をかけてやるが、今回は一部発芽が悪いところがあった。種の量が少なかったので、心持ち薄蒔き[うすまき-単位面積あたりの播種量を減らすこと]したのがたたったようである。

 人参畝の手入れとは今日の場合は追肥。しかし、学生には条間の草だけをとってくれるように頼んでいたので、また彼らは草取りに不慣れなこともあり、草は条間も含めてまだ残っており、追肥の前に、草取りの仕上げをしなければならなかった。草取りは単純作業のように思えて、きれいに仕上げるのはやはりある程度の慣れは必要のようである。

ワケギ
 それから、ワケギを植える畝の準備。ワケギは連作が可能なので、昨年と同じ場所に畝を作った。肥料は、ワケギの幼根は肥あたり[肥料成分の影響で発芽不良や発育不良になること]しやすいため、カキ殻石灰のみを散布。

ロケット
 午後は、ワケギの球根を植えてから、ロケット(ルッコラ)の種蒔きをした。ロケットの種は、五、六年前に採種したもので、調味料の入っていた小ビンで保存している。種が古くなったので、昨秋蒔いたときは翌年(すなわち今年)に採種するつもりであった。しかし、採種用に残しておいた株は、春から夏にかけての忙しさが続くうちに、結実し、落下したり鳥に食べられたりしてしまった(鳥、とくに雀は種のついた野菜を目ざとく見つけて種を食べるので、採種する予定の株は適期に刈りとるか、何らかの防鳥対策をしていないと、鳥の餌食になってしまう)。来夏こそは採種するつもりである。
村便り:2007-09-26(水)/27(木) (レタス、チシャ、菜花)
投稿日:2007-09-28(金)

26日と27日は朝、定植や種蒔きをした。その簡単な記録。

2007年9月27日(水)
定植:チマ・サンチュ(赤)、レタス

 チマ・サンチュは朝鮮かきチシャ。彼の地では、焼き肉などを包んで食べる、と言う。
2007年9月28日(木)
播種:紅菜苔(べになばな)

 「紅菜苔」の「苔」は「薹」と書くのが正しいのだろう。中国野菜で、赤紫色をしている(紅菜)。その薹を食べるので「紅菜苔」。
村便り:2007-09-24(月) (ネギの定植など)
投稿日:2007-09-28(金)

定植:ネギ
播種:カブ(白、赤)、ビタミン菜、水菜、小松菜

村は雨が少ない
 朝、広島市内は雨。降り続きはしなかったが、この量では畑作業はできないかもしれない、と思い、村に住む従姉に電話をかけた。彼女は、少し湿っている程度、と返事をした。そこで村に行くことにした。従姉の言葉通り、村に降った雨は農作業には支障のない程度だった。

 雨の少ない夏季によく思うことだが、村は雨が少ない。私の生活の拠点は、自宅のある広島市内、農地のある村、大学のある内陸部の東広島の三地点である。広島市内や東広島で夕立があったときでも、村に入ると雨が一滴も落ちていないときがよくある。村の最高峰、灰ヶ峰の頂上付近は雨雲がかかることがよくあるが、その雲が村に雨を降すことは少ない。小雨は、周りが山に囲まれている、という地形的な条件によるようにも思えるが、正しい理由は分からない。

 今日は、定植と種蒔き。

ネギの定植-ネギは多年草!
 午前中はネギの定植。

ネギの定植
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ネギの定植。苗を育てた九条ネギ。
 
昨秋定植したネギ
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 昨秋定植したネギ。夏の間草に埋もれていたが、除草し施肥した。今日定植したネギが食べられるまでのつなぎとして利用するつもり。
 春に薹が立った茎は枯れて、夏の間に新しい茎が出てきたようである。
 昨年の10月に九条ネギと下仁田ネギを蒔いた。それまでは春に種蒔きをしていたが、作業を分散させるために、秋蒔きを試みた。発芽はうまくいき、春には小さなネギに坊主がついた。ネギ坊主はとった。最初の心づもりでは、春に仮植えして夏か初秋に定植する予定だったが、手が回らず、昨秋からの苗床に放っておいた。それでも、細いままであるが、秋まで生き延びた。それを定植したのである。

 他方、昨年の初秋、定植したネギが、春に薹立ちし、さらに夏を越して草に埋もれながらも生き続けていた。それは、昨春に種蒔きした九条ネギの二品種(普通の九条ネギと、やや色が黄色みかがっており、暑さに強いと言われる浅黄系九条ネギ)である。ネギは普通、春に薹が立つと、丈を切り詰めて、植えかえる。しかし、件のネギは、坊主は取ったものの、あとは何もせずに、そのままにしておいたものである。

 そのネギを見て、私は図らずも、ネギは多年草であることに気づいた。気づいてみれば当然のように思えるのだが、それまでは、種蒔きして育てた苗を定植する、という一年草的な栽培をしていたのである。

 草の中のネギは細かった。これは苗代わりに使える、と私は思った。そこで、それも定植することにした。もしうまくいけば、下仁田ネギのような一本ネギはともかく、分蘖するタイプの九条ネギは、種なしで栽培を続けられることになる。考えてみれば、ネギと同じユリ科のニラは株分けで増やすことができる。だから、ネギでも株分けによる増殖ができても不思議ではない。

 去年からのネギは一部を残し、施肥してやった。定植したネギが食べられるようになるまでのつなぎとして利用できるかもしれない、と思ったからである。

株と菜っ葉類の種蒔き
 午後は種蒔き。カブ(白と赤の二種類)、ビタミン菜、水菜、小松菜を蒔く。菜っ葉類を蒔き終えようとしていた夕方、雨が落ちだした。茶碗に入れた種(私は種を茶碗に入れて、種蒔きをする)が雨に濡れないよう、身体でかばいながら、無事種蒔きを終了した。
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