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あけましておめでとうございます。
投稿日:2023-01-14(土)



[本文]

 「林住の晴耕雨読」短信 ー林住9年目ー
昨年は「林住」の転換点となった▼3月、帯状疱疹に罹る。加齢、ストレス、過労などが引き金となる病に己の実存の現在を自覚させられた▼8月、定年退職から7年半勤めた非常勤講師の職を辞する。父の死後??年間の「二足の草鞋」が終り、正真正銘の「晴耕雨読」が始まった▼「読[・考]」は「耕」の上にこそ成り立つ。まず手が回りかねていた農耕の充実にとりかかった。しかし加齢と共に減退した意欲と体力にとって、時間の足は速く、やるべき作業は多すぎる。一日が終わると無力感が残り、夜、目覚めては「耕」の怪物に圧倒された▼秋、稲の収穫作業を経るうちに、「耕」に取り組む姿勢がわかり始めた。日々具体的な作業計画をたて、手順よく、淀みなく、動く。勢いよく始めれば意欲もおのずと湧き出る。身体と意欲が相互に刺激しあいながら働くと、一日の終りにはまとまった作業量が片づいている。あとには爽快な疲労感が残り、穏やかな睡眠が続く。
▼今年はてきぱき、きびきびの兎でいきます。

☆ 2020年-02月-14日(金曜日) ☆ たまふり
投稿日:2020-02-14(金)

「小走りに動く」
年賀状に書いたが、昨秋の終わり頃から「おもいっきり体を動か」して「野良では、小走りに動いてせっせと仕事に熱中する」ことにしている。「小走りに」移動しようと思い立ったのは、近所の大工さんから、かつて彼の下で働いていた若い大工さんの仕事ぶりを聞いたのがきっかけである。若い大工さんは腕も立つが仕事も早い。そして、移動は歩くのではなく、走ったそうだ。

私も若い頃は農作業中は走って移動していたことがある。作業中の場所に持ってきていない農具が必要になったとすると、小屋まで走って取りに行った。サラリーマンであり、農業は主として土日にやっていたので、野良に出るとやるべき仕事がいくらでもある。わずかな距離ではあるにしても、移動するために潰す時間が惜しかった。走る大工さんはおそらく似たような気持ちだったのだろう。

若い頃を思い出しながら、走る移動を始めた。ここ何年も短い距離であってもほとんど走ったことがなかった。最初は足の運びがぎこちなく、またすぐに息があがった。それでもしばらくすると走る感覚が戻ってきて、呼吸も楽になった。

最初は意識的に走ったが、そのうち、移動は走る、が普通になった。最初は走る勢いは移動の間だけだったが、そのうち、作業意欲にも勢いがつき、てきぱきと仕事を進められるようになった。ひと纏まりの作業全体が途切れない一本の勢いによって貫かれている感覚である。


時間が経つのが早い…
退職が数年に迫った頃だったと思う。教授会の始まる前、3歳ほど年下の同僚と雑談していた。彼は「最近、時間が経つのが早いんですよ。朝起きて何もしていないのに、いつのまにか昼になってしまっているんです。」と自嘲気味に歎いた。たしかに歳をとるにしたがって、時間の経つのが早くなる。彼の嘆きは私も身に沁みて分かった。

幼いころ、おそらくは初老の、大人の動作をみて不思議に思ったことがある。歩くのにのっそのっそといった調子で進む。幼い私には、その人の一歩のうちに二歩、三歩を進めることができるような気がした。なんで大人はあんなゆっくりとした歩き方をするんだろう、といぶかしかった。

子どもの頃の1日は、いま思い返せば、なんと長かったことか! 何をやるにも全力で、素早いテンポで、熱中して動いた。そして夜になると、すぐに眠りに落ちた。だから、大人になって回顧すると、今の1日と同じ長さとは思えないくらいに、出来事をたっぷりと生きていた。老年になったいま、朝起きてから私はゆっくりとした動作で生きはじめる。サラリーマンだった頃のように、急いで家を出るように強制する組織の時間割があるわけではない。また、子どものように、一瞬一瞬を熱中して生きたおす内発的勢いに溢れているわけでもない。習慣となった動作を、古くなって出力のあがらなくなった機械のように、のろのろと実行するだけである。その私を尻目に、時間(時計)はあっさり昼まで経過してしまう。

だから、何もしていないのにすぐに昼になってしまう、という同僚の嘆きは、じつは、何もしないからすぐに昼になってしまう、と言いなおすべきかもしれない。


意欲のアンチ・エイジング?
小走りに移動することから始まった、意欲の勢いと作業のテンポの加速は、ただひと纏まりの仕事にとどまることはなかった。一日の作業全体がそうなった。歳をとるにしたがって意欲が衰えてきて、ひとつの仕事を終えるから次の仕事にとりかるまでに時間がかかる。一仕事終わると、意欲のエンジンが止まってしまうので、次の仕事にとりかかるには、改めて、よいこらしょとエンジンを起動しなければならない、といった具合である。それどころか、ひと纏まりの仕事の最中にも意欲のエンストが起きてしまう。つまり、加齢にともなって持続する集中力が難しくなる。

意欲のアンチ・エイジングが可能だとすると、私のような百姓の場合、小走りの習慣はそのひとつの手段かもしれない。
村便り:【週間短信】2020年01月13日(月)-19日(日)
投稿日:2020-01-15(水)


01月15日 仕事始め; 今月の農作業:畑の《開墾》と庭木の管理; タマネギの追肥



 01月15日(水) 
投稿日:2020-01-15

仕事始め
今年の仕事始めは1月5日(日)だった。昨年末までに片づけておきたかった田の耕耘である。それに手をつけることなく正月を迎えたので、1月の早い時期にはやってしまいたいという気持ちが強く心にあった。とはいえさすがに正月三が日は野良にでるのは気が引ける。やっと5日にトラクターを田んぼにもっていった。

耕耘の目的は、稲こぎ[稲の脱穀]で出た切り藁を土と混ぜ合わせること。藁は、土に混ぜ合わされると腐熟が促進される。5月終わりの田植を考えると脱穀後できるだけ早く藁は鋤きこんだ方がいい。だから鋤きこみ時期の目安を「年内に、すなわち年が明けるまでに」としている。
(他家の田んぼはそうなっているが、私はじつはこれまで実行できたためしはない。弁解じみているが、脱穀したあと藁を田んぼ全体に藁を広げなければならないが、一人農家ではそれがなかなかできない。)

年が明けてからの作業で、また、田んぼ全部を終えることはできなかったが、大部分をやったので、まずは一安心。

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今月の農作業:畑の《開墾》と庭木の管理
今月の農作業は、畑と庭木の管理を中心にして進めて行くつもりである。

畑はルーティンの作業もあるが、屋敷周りに三枚ある畑(利用可能な面積はあわせて7畝=700㎡ほどか)を《開墾》することである。畑は、屋敷を中心に、「前の畑」、「横の畑」、「裏の畑」と名づけているが、長年管理が行き届かず、さらに、定年退職してからここ数年は《原野》化しつつある。去年はほとんど横の畑しか利用できなかった。だから、とくに前の畑と裏の畑を《開墾》して、春から畑として利用可能な状態に戻そうと考えている。寒の時期に荒起ししておくと、土が寒気にさらされ春までにこなれて扱いやすくなる。

庭木の管理については、屋敷に庭と呼べるようなものがあるわけではなく、ただ畑の隅っこに木が立っているだけである。しかしそれらも長年の放置のせいで《森》化している。だから枝払いしたり、場合によっては伐採して、風通しと日照をよくするつもりである。

私は《森》が好きだ。木があれば鳥がやってくる。他の生き物も棲息する。ドングリの木(コナラか?)が大きくなるとかぶと虫がその周辺に卵を産むようになった。松の木の下にはキノコが生えるようになった。(ただし食用になるかどうかわからないし、毒キノコの可能性もあるので、採取はしない。)でも、そのドングリの木や松は伐採も考えている。

ただ1月はあと半分しか残っていないので、計画は部分的にしか実行できないだろう。

タマネギの追肥
1月12日14日は、畑のルーティンであるタマネギの追肥をした。去年の6月に収穫したタマネギは、一部は3月まで保存できる品種だが、芽が出るのが早い。原因ははっきりしないが、肥料のやりすぎだったのかもしれない。12月の終わりに1回目の追肥をして、1月から3月始めにかけてさらに2回追肥した。そこで今シーズン(タマネギは、晩生タマネギを例にとれば、9月下旬に種蒔きして翌年6月初旬に収穫する。)は施肥量を減らそうと思っている。1月と2月にそれぞれ1回、合わせて2回にする予定。また止め肥(最後の施肥、つまり2回目の施肥)は早めに施す。しかも肥料は切れのいい化学肥料にする。

タマネギ畝はそろそろ雑草が生え始めている。そこでまず鍬で除草してから、追肥した。鍬は今までは三つ鍬を使い、条間[作物が植わっている条と条の間]を掻くように耕していたが、最近になって、平鍬を使っている。草が双葉程度であれば、平鍬による除草が効果的である。平鍬を土の表面を削る程度に動かせば、平鍬の幅いっぱいに除草できる。三つ鍬であれば、鍬の歯の間に隙間があるので、その部分は草を逃してしまう。

(クリックで画像の拡大)
平鍬で除草。


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三つ鍬。三つ鍬は4本もっているが、この三つ鍬は鍬の部分が他のものより小さい。子どもが小さいときに買ってやったものだが、今は柄を長いのに付け替えて、中打ち専用に使っている。


今年は記事を続けたい。「おもいっきり、ふっきり、ひとり暮らし」(今年の年賀状)の晴耕雨読生活をライブ配信するような村便りにしたい。そのため、短めの記事にするようにつとめよう。長いと、書くのに時間がかかり結局、続かなくなるから。(と書きながら、長い文章になってしまったが。)
☆ 2020-01-01(水) ☆ 明けましておめでとうございます。
投稿日:2020-01-01(水)



[本文]

「林住の晴耕雨読」短信 -林住6年目-

テレビ番組「ぽつんと一軒家」をよく観る。人里離れた山奥で自給自足風の生活をしている人が出てきたりする。今の時代、本物の自給自足は無理だから、貨幣経済に巻き込まれることが少ないということだが、生活ぶりを見ていると心が昂揚する。▼生きていれば悩みはつきない。それにとらわれると暗く沈む鬱になる。この頃おもいっきり体を動かすことにしている。ゆったり象さんではなく、くるくるハツカネズミ。家を出るのは早くはないし、帰途につくのは日が落ちないうち、の下農だが、野良では、小走りに動いてせっせと仕事に熱中する。パスカルが否定的に語った「気散じ」を肯定的に生きる。すると体も心も軽くなる。まさに晴耕[はればれ]。▼今年は〈おもいっきり、ふっきり、ひとり暮らし〉でいくか。それに、雨読する 気兼ねなき 一人住まいがあれば、言うことなし …だが。

村便り:【週間短信】2019年03月11日(月)-17日(日)
投稿日:2019-03-13(水)

03月12日 温床の準備; カブト虫の幼虫
03月11日 エンドウの支柱; ヒヨは意外と賢い!



 03月12日(火) 
投稿日:2019-03-13

温床の準備
夏野菜を育苗する踏込み温床の準備。例年、3月半ばから育苗を開始するが、その前に去年の温床の残骸を片づけて温床の骨格を作り、藁を踏み込んで温床を作る。三日かかる作業である。内訳は、一日目が温床の《敷地》作り、二日目が温床を囲む枠組みに藁を編みつける、温床の枠作り、三日目が藁の踏込み。今日は、一日目の、温床の《敷地》作りをした。

温床は、夏野菜(トマト、ナス、ピーマン、カボチャ、ズッキーニ、ニガウリ等)の育苗が終わる6月始めから翌春までの間、放置する。春になると温床はいわば廃墟になる。まずその廃墟周辺の草を刈り、踏み込んで腐熟した藁を廃墟の中から掘り出す。

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廃墟化した去年の温床。


カブト虫の幼虫
藁は完熟堆肥になっている。毎年のことだが、藁を掘り出すと中からカブト虫の幼虫が出てくる。今年は例年になく多く、結局70匹ほどいた。例年の倍ほどであろうか。今年の冬は暖かかったのが幸いしたのかもしれない。いつものように別の場所に掘り出した堆肥でベッドを作り、そこに移動してやった。初夏になり無事孵化するのかどうか確かめたことはないが、私の心づもりとしては、それまで順調に育ってもらうためのベッドである。孵化すれば、また温床にもどって卵を産むだろう。近くにはドングリの木もあることだし。

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新しいベッドに移動したカブト虫の幼虫。

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《藁屋根》を被せてベッドの完成。


竹で枠組みを作り、温床の《敷地》作りが完了。

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 03月11日(月) 
投稿日:2019-03-12

昨日は一日雨で、とくに午後から夜にかけて強く降った。今日は雨は上がったが、朝はまだ畑に水が残っているだろうから、と考え、午後から野良に出た。

エンドウの支柱
午後にしても、土をいじる仕事はできない。そこで気になっていたエンドウのウロ[支柱]を立てることにした。エンドウは例年どおり、11月の頭に種蒔きをした。発芽したエンドウは冬の間は小さな草姿のまま寒さに耐えているが、3月になると伸び始める。そのころにウロを立ててやる。人によっては早くからウロをたて、《手がかり》にぶら下げた藁(画像参照)で防寒する。しかし厳冬期までに大きく伸びないかぎり、エンドウは寒さに強い。だから私は春の始めにウロを立ててやることにしている。

やはり昨日の雨で足場は悪い。作業の必要上、畝を踏むと、そこがへこんでしまう。できるだけ畝を踏み荒らさないようにしながら作業を進める。

支柱の組み立てには、X型に組み合わせたポールと、合掌部分でそれらをつなぎ合わせる水平のポールを縛る時はしっかりした麻紐(稲刈りのバインダーに使う紐)を使う。しかし、それ以外の箇所は藁で縛る。エンドウのウロは収穫期の5月後半まで3ヶ月ほど立っているが、このくらいの期間なら縛るのにすべて藁を使ったとしても、ウロは崩れることはない。(エンドウのウロは、強度のある麻縄は念のため、骨格部分だけには使った。)藁はいろいろな使い道がある。私はビニール紐は使わず、また、自給できる材料があればそれを使う。

ヒヨは意外に賢い!
ヒヨが野菜の葉を食害しだした。それを避けるために、キャベツにキュウリネット(画像参照。支柱の一部にネットが張ってある)を被せておいた。ネットがあれば、足が引っかかるので警戒する、と考えたからである。ところが、今日気づいたことだが、奴らはネットの目が大きいと、かまわずキャベツの頭に止まって、葉を食べている。引っかかる目の大きさと、そうでない大きさをちゃんと区別できるようである。意外と賢い。そこで、キュウリネットを外して、防虫用ネットでキャベツを被った。


(クリックで画像の拡大)
スナップエンドウの実エンドウの2種類を植えている。
 下の方の水平のポールに結びつけているのが、エンドウがよじ登るための《手がかり》。寒い時期だと、これがエンドウの幼苗を寒さから守る役目をする。
 支柱の一部にキュウリネットが張ってある。エンドウは、大きくなると、これにひげ蔓を絡ませる。

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