☆ 2005-09-05 ☆ オカノリとのり菜
(クリックで画像の拡大)
左がのり菜、右がオカノリ。9月1日の姿。
|
(クリックで画像の拡大)
のり菜を上から見たところ。大きい葉っぱは直径15cmほど。9月5日の姿。
|
オカノリは、別に七、八年前くらいであろうか、種を買って育てたものが畑で「野生化」して育っている。今回、定植したのは、信州の方にいただいた種で育てた苗であり、その方は「のり菜」と呼んでいる。オカノリものり菜も、アオイ科ゼニアオイ属の同じ品種の植物を指すと思われる。しかし、この記事では、「オカノリ」を購入種の末裔が「野生化」したもの、「のり菜」を現在育てているものとする。また両方を指す場合には「オカノリ菜」を使う。
二つのオカノリ菜を見比べて、違う特徴をもっていることに気づいた。のり菜の葉は、オカノリに較べて、切れ込みが深く、また縁が波うっているのは以前から分かっていた。その葉の様子がいかにも食欲をそそるので、信州の方に種を送っていただいたのである。
しかし、茎の色も違うことにも気づいた。オカノリの茎は薄緑色なのに対し、のり菜の法は赤みがかっている。これだけ特徴が違えば、まったく同じ品種とは言えないのではないか、と、素人の推測ではあるが、考えるようになった。たとえば大根といっても、様々な品種があるように。
試しにインターネット上で「オカノリ」で検索して画像を確かめてみた。すると、オカノリ系のオカノリ菜もあるが、のり菜系のオカノリ菜の方が多いように思われた。(ただし、茎の色は確認できなかった。)するとオカノリは非主流のオカノリ菜か?実際、図鑑でオカノリ菜の学名を調べてみると、Malva verticillata L. var. crispa Makino とあり、crispa は「縮れた」と意味するので、のり菜が、葉の特徴からすれば、学名にふさわしい。
私は、今までは、オカノリが正統的なオカノリ菜の特徴を示している、と信じていた。さる大手種苗会社から購入した種なので、「権威」からの偏見によって、そう信じていたのである。そして、のり菜は地方に埋もれていたオカノリ菜の品種ではないか、と推測していた。しかし、どうもそうではないようである。
ともあれ、食べられるような大きさに成長するのが楽しみである。
この記事は「てつ人の雑記帳」に最初掲載した。そのときは、いずれ「天地人籟」に収録し直そうと思っていたのだが、記事に内容に疑問が生じ、「雑記帳」に残していた。疑問とは、やはりのり菜は普通のオカノリ菜とは違った特徴をもつのではないか、ということである。この記事を書いて以降大きく成長したのり菜を見て、この疑問が生じた。今年ものり菜の種蒔きをした。のり菜が大きく育ったとき、その画像を掲載してこの疑問をもう一度検討してみたいと思う。
(2006-05-17記す)
|