八月二十四日（水）に蕎麦蒔きをした。

種は昨秋、青森の方から送っていただいたものを使った。品種ははっきりとはしないが、おそらくは階上（はしかみ）早生と思われる。

昨年、同僚と、来年はこの種を使い、蕎麦蒔きから始めて自家製蕎麦を食べよう、と約束していたので、種蒔きには同僚家族も誘った。最初は二十一日（日）に予定していたが、雨で流れ、三日後の二十四日に日延べした。畑（休耕田）の畝立ては十九日（金）に済ませておいたので、雨のあと三日もすれば畑は種蒔きが問題なくできるぐらいの状態に回復するだろうと読んだからである。ところが、前日の夜から当日の朝にかけて小雨が降ってしまい、畑はぬかるみ加減になった。一日か二日待てば土の状態はよくなると思われたが、他の予定を考えると、二十四日に決行するしかなかった。

約束の夕方四時、同僚家族と私の家族が蕎麦畑にした休耕田にやってきた。それから子ども二人を含む総勢六人で蕎麦蒔きを始めた。

蕎麦は畝全面にばら蒔きをすることにした。全面ばら蒔きは初めての経験なので、播種量とか播種法についての経験的知識はなかった。

（全面ばら蒔きのメリットは、蒔き方が簡単であること、抑草効果があること、倒伏しにくいことである。）

播種法は、青森の方に教えていただいたものを参考にした。まず大きめの茶碗1杯の発酵牛糞堆肥、同じく1杯の牡蠣殻石灰（牡蠣殻を粉砕した肥料で、牡蠣殻以外のものは入っていない）、種200グラムをよく混ぜ合わせる。そして、その種入り堆肥をつかんで、ばらりと蒔く。すると、種は堆肥の中ですでに適当な間隔で混在しているため、種だけを蒔く場合に較べ、蒔きむらが少なくなる。また、牡蠣殻石灰は、その白色によって、種を蒔き終えた部分とまだ蒔いてない部分を区別してくれる。その結果、同じ場所に重複して蒔くことと、蒔き残しの部分がでることとが防げる。

播種量に関しては、蕎麦の栽培に関する書物を参考にした。その本によれば、全面ばら蒔きの場合、種の量は10アール当たり8キログラム必要である。播種予定面積の大まかな広さを計算すると、種の量1キログラムに相当することが分かった。送っていただいた種は1キログラムであるから、期せずして、畑の広さに対応した量になった。畝は5本用意したので、畝1本につき200グラムの種を蒔くことになる。堆肥等に種200グラムを混ぜ合わせたのは、畝1本分の種入り堆肥を作るためである。

種蒔きは全員参加の分業体制で行った。まず、私が畝の下準備をする。レーキで畝を均し、覆土用の土を溝に落とす。同僚が種蒔きをして、そのあとで私が覆土（種の上に薄く土をかけること）する。さらに、覆土の厚さを均すため熊手箒で畝を掻く。最後に、子ども二人と彼と彼女の母親たちが鍬を使って土を鎮圧する。鎮圧するのは、土の保湿性を高めるためである。

私の当初の心づもりでは、子どもたちにも種蒔きをさせようと思っていた。しかし、私が試し蒔きをした結果、1キログラムの種では畝3本余りしか蒔けないと思われたため、また土の状態が悪いので、子どもが遊びながら蒔くと状態をさらに悪化させることが予想されたため、同僚一人に種蒔きを任せた。それでも、六人はわいわいがやがやと種蒔きを楽しんだ。

さあ、十一月か十二月には自家製の蕎麦に舌鼓をうつことができるでしょうか？節目節目に進捗状況を報告します。請御期待！！