てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2007-06-23(土) (畦の草刈り)
投稿日:2007-06-26(火)

 午前中と午後の前半は、畦の草刈り。 畦の草刈りを最後にやったのは田植えの二週間ほど前だったと思うから、今日から逆算すると一カ月以...

 午前中と午後の前半は、畦の草刈り。

 畦の草刈りを最後にやったのは田植えの二週間ほど前だったと思うから、今日から逆算すると一カ月以上前である。草丈が高くなり、刈った草が田んぼの中に入ると、まだ小さい稲に覆い被さってしまいそうである。(実際、草の下敷きになった稲があったので、畦から[普通の長靴なので田んぼの中には入れない]竹竿で除けてやった。)

 草刈りにはむろん草刈り機を使う。大きなエンジン音が耳を聾し、エンジンの振動が把手を通して手を細かく震わせる。聴覚を守るためしばしば耳栓をするが、今日はつけなかった。手に伝わる振動の方は和らげようがない。エンジンを止めても、手の方はしばらくはしびれたままである。

 一度、刃で足の指を切り裂いてから(指が飛んでいても不思議はなかった…)、把手はきちんと握るようになり、また足の位置にも注意を払うようになった。高速で回転する刃が土に食い込んだりすると暴走し、自分に向かって来ることがある。きちんと握るのは、手で暴走をくい止めるためである。また、足は、右を前に、左を後ろにする。草刈り機は、回転する刃が先端についた金属棒を右から左に旋回させながら、草を払う。刃が自分の方に暴走してきた場合、右足を前にして身体を斜めにしておくと、避けやすい。

 足指を切り裂かれたときは、ゲシ[傾斜地の田んぼで、上下の田んぼの段差をなす部分]の草を刈っていて、左足を前に出していたのである。ゲシを刈るときは、畦に立ち、ゲシの斜面に沿って、刃を右下から斜め前に引き上げながら草を刈る。畦は狭いので、どうしても身体は斜めにせざるをえない。刃は右から左に動かすのだから、身体のバランスからすれば左足を前に出したほうがいい。逆に右足を前に出すと、背中から下の田んぼに倒れるバランスになりやすい。だから、怪我をしたときの足の位置は、バランスを考えれば正しかったのである。しかし、足を切りやすい。

 だから、今では右足を前に出し、また、刃を下から斜め上に動かすためには身体を右側にねじり曲げてから左にもどすのではなく、膝を曲げて身体を低くしてから膝を伸ばすようにしている。

 一部を残して、畦の草刈りは済んだ。

 午後の後半から夕方にかけて、パプリカ、万願寺トウガラシ、伏見甘長、ヒモトウガラシの定植。
村便り:2007-06-22(金) (パプリカとサツマイモ)
投稿日:2007-06-25(月)

 夕方、パプリカ(カラーピーマン)を7本定植し、ついでサツマイモの苗を植える。(クリックで画像の拡大)5月26日に定植したトマトの現在の様...

 夕方、パプリカ(カラーピーマン)を7本定植し、ついでサツマイモの苗を植える。


調理用トマト
(クリックで画像の拡大)
5月26日に定植したトマトの現在の様子。トマトは、調理用トマト、赤トマト、黄トマトを作っている。写真は調理用トマト。中玉で、皮がかたく、酸味が強いが、作りやすい。火を通しても崩れにくい。
ナス
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定植した翌日のナス。花がすでに大きく開いている。
パプリカ
(クリックで画像の拡大)
 パプリカの、6月25日朝の様子。
 ピーマンや甘トウガラシは、苗床においているとカメムシが群がる。そこで、カメムシが群がりはじめたころに自宅のベランダに持ち帰り育苗を続けた。しかし、今度はアブラムシがとりついた。畑ではピーマン類にアブラムシがつくことはないが、ベランダには他の植物がないので、アブラムシはしかたなくついたのだろう。自然畝に定植すると、すぐにアブラムシはいなくなった。
サツマイモ
(クリックで画像の拡大)
 サツマイモの、6月25日朝の様子。
定植してから雨が降ったおかげで(降雨を狙って定植したのだが)、すでに活着が始まっている。一番手前の苗がたち始めているのがお分かりだろう。
 パプリカを含むナス科野菜(*)は三月上旬に温床に種まきをし、成長の早いトマトを除き、六月になって定植を始める。定植適期がきても田植えのため手が回らず、6月10日(日)に植え継ぎが終わり、トマト以外の定植にやっと着手した。
(*)トマト、ナス、ピーマン、トウガラシなど。


 ナス科野菜は自然畝で作る。苗床で定植適期を迎えたものから順次、定植する。草を刈り、穴を掘り、穴いっぱいに水を注ぎ、水がしみこんだらポットから苗を移し入れ、土を戻した上からまた水を注ぐ。最後に株の周囲に発酵鶏糞をショベル(大型の移植ごて)ひとすくいを撒いてやる。穴施肥(*)は面倒なのでやめてしまった。
(*)穴施肥に関しては、
『自然農法爾』の二つの記事、「自然農法再考(2005-08-12)」と「キュウリとノリ菜(オカノリ)の定植(2005-8-23)」を参照してください。

 まず12日(火)に、ナス10本とパプリカの赤5本(*)。ナスは稲の世話をしている間に定植適期をわずかにすぎてしまった。最初の花がふくらみかけた頃が適期であるが、すでに花は大きく開いていた。このナスは二種類育苗しているもののうちの先発。少し遅れて定植する長ナスが後発の本命。最初のナスは本命が出てくるまでの繋ぎ。パプリカは極早生種。したがって普通ピーマンより早く定植できる。そして普通ピーマンができるようになるまでは、普通の緑ピーマンとしても利用する。なおピーマン類の定植適期は一番花の開花時。
(*)ピーマン類は今年は、普通のピーマン、パプリカ(カラーピーマン)、伏見甘長、万願寺トウガラシ、ヒモトウガラシを作っている。最後の三品種は甘トウガラシ、つまり辛くないトウガラシ。シシトウ[ガラシ]もその類。長い間シシトウを作ってきたが、去年から品種を変えてみた。


 ついで17日(日)に、甘トウガラシ類の第一弾として、伏見甘長3本。そして今日は、パプリカの赤を2本、黄を5本追加した。

 サツマイモは採苗すると26本とれた。苗は、蔓の先を葉っぱ5枚つけて切り取る。蔓は大きくなると葉っぱの付け根から根が出始めるが、根が出ていないものがいい。この前の日曜日に作った畝はまだ植えるための細工をしていなかった。そこでカマボコ状の植え場所を13カ所作って、各々に2本ずつ苗を植えた。畝には、まだ、20本ほど植えられるスペースが残っている。しばらくしてまた蔓が伸びてきたら追加して植える予定。作業が終わったときには薄暗くなっていた。
村便り:2007-06-18(月) (小豆とモロッコ豆の播種)
投稿日:2007-06-25(月)

 朝早めに家を出て、通勤途中に畑に寄り、種蒔きをする。(クリックで画像の拡大)5月3日に種蒔きしたつゆ豆の現在の様子。(クリックで画像の拡...

 朝早めに家を出て、通勤途中に畑に寄り、種蒔きをする。

花をつけたつゆ豆
(クリックで画像の拡大)
5月3日に種蒔きしたつゆ豆の現在の様子。
発芽をはじめたモロッコ豆
(クリックで画像の拡大)
モロッコ豆。種蒔きして1週間後の5月22日の様子。発芽が始まっている。
 まず昨日作った畝に小豆を蒔く。条間40cmで2条、株間40cmで都合46株分蒔く。1株に種を3粒蒔く。発芽状況によるが、1株に2本立てるつもりである。
 つぎに、自然畝にモロッコ豆(平莢インゲン)を蒔く。収穫は8月下旬からになるだろう。インゲンマメは、今はつゆ豆(品種は黒種衣笠)が花をつけ始めたところ。モロッコはその後継のインゲンマメ。さらに8月上旬に今年最後のインゲンマメ(品種はモロッコか黒種衣笠)を蒔く予定。最後のインゲンマメの収穫は10月。
村便り:2007-06-17(日) (大小二頭の「牛」で田と畑を耕す)
投稿日:2007-06-22(金)

 金曜日で植え継ぎが終わり、稲作の初期作業は一段落した。やっと田んぼから出られた!といった気分である。むろんこれからも何度か田んぼ...

 金曜日で植え継ぎが終わり、稲作の初期作業は一段落した。やっと田んぼから出られた!といった気分である。むろんこれからも何度か田んぼに入っての作業はある。田植え後20日ほどで施す追肥、出穂前の穂肥(7月終わりか8月始めになる)、さらに除草剤が效かなかったところの除草がそれである。しかし今からは、代掻きからこれまでのように稲をつきっきりで世話しなくてもよくなる。やっと身体と心を他の作業に向かわせることができるようになった。


ダブをひっくり返す(1)
(クリックで画像の拡大)
 ダブをひっくり返す。
 近くの耕作放棄田からガマの種が飛んできてところどころに生えていたが、それはあらかじめ根ごと掘り起こしておいた。
ダブをひっくり返す(2)
(クリックで画像の拡大)
 耕耘終了!
 草丈の高いところは、草をうまく埋め込めなかった。
耕耘機で耕した畝
(クリックで画像の拡大)
 耕耘機で耕したあとは、少なくとも溝は掘りあげておく。雨が降ると排水されず、畝がなかなか乾かないからである。
 まっすぐな畝だと、溝もまっすぐにしたい。亡父は、溝の両端に目標物(たとえば石)をおいて、ときどき両方を見ながら溝をあげる、と教えてくれた。しかし、これではなかなか真っ直ぐにはならない。そこで、私は、足で線を引く方法をとった。溝の端から、向こうの端に設けた目標物を見つめながら、片足で線を引いていく。長い間この方法でやっていたが、往々にして線が曲がった。今は、線を引くのではなく、目標物に向かって歩いて足跡をつけるようにしている。目標物を見つめながら、両足が一つのラインを踏むように足を運ぶ。耕したすぐあとだと土は柔らかいので深い足跡がつく。足で線を引くよりも、真っ直ぐになりやすい。その足跡を手がかりに、というかむしろ足がかりに、鍬で土を上げて溝を作っていく。
 この畝の長さは9mであるが、鍬の柄の方向に、足跡がほぼ直線状についているのがお分かりだろうか。溝を作るには、こちらに向いて柄の端をつかみ、向こう側に後ずさりしながら土を上げていく。写真では少し分かりにくいが、畝の左側の溝はすでに作ってある。
 この畝は、黄タマネギを栽培していたところである。
 そこで、今日は田んぼと畑の耕耘をおこなった。

 去年復田に失敗し、今年は稲作を見合わせた湿田がある。来年、復田に再挑戦する心づもりでいるが、そのために今年は時々耕耘などの世話をしてやろうと思っている。草丈が高くなりはじめ、しばらくすると本格的な梅雨である。だから、今のうちに一度トラクターで土をひっくり返しておこうと思っていた。朝一番でその田んぼに行き、周辺の草刈りをしてから、トラクターを乗り入れた。

 この田んぼでは、これからはトラクターは土が乾いているときしか使うまいと思っている。とくに水を入れてからトラクターを使うと、もともと深い(*)湿田がさらに深くなってしまう。下手をするとトラクターが泥の中でスタックしてしまう。去年はさいわいスタックには至らなかったが、二回の代掻きのためトラクターで回っているうちにだんだん土が深くなっていくのが分かった。来年は耕耘機で代掻きをするつもりである。
(*)代掻きをすると表面の土は泥状になるが、足を入れると30cmも沈まないうちに硬い地盤にあたる。しかし湿田は地盤がさらに深いところにある。そうした土の状態を「深い」と表現する。湿田でも硬い地盤にあたるところと、地盤らしきところで足が止まっても足先に力を入れればさらに足が沈んでしまうようなところがある。後者のようなところを「底がない」と表現する。

 今回は全般に土は堅かったが、去年、田植機がスタックしたところを通過すると、トラクターが沈む感覚がした。《底なし》の部分にはマサ[花崗岩が風化してできた荒い粒子の砂]入れてやったほうがいいかもしれない。今年の冬の課題としておこう。

 その田んぼから上がると、今度は今年休耕している田んぼ二枚を耕耘。その田んぼは蓮華が生えていたが、いまはもう枯れている。大豆とか蕎麦を作る予定なので、今から耕耘しておいた方がいい。

 田んぼから帰って昼食前にトラクターを洗った。

 午後は、今度は畑を耕耘機で耕耘。昨日、タマネギを収穫し終わった、二つの畝の草刈りをしておいた。ひと畝はアズキを蒔くため、もうひと畝はサツマイモを植えるためである。少々草は繁っていても、草刈り機で根元から刈り払い、耕耘機を二回走らせると、種蒔きや植えつけができる状態になる。

 アズキ栽培はいままで自然畝で挑戦してきたがうまくいかないので、今年は普通畝で挑戦することにした。いわゆる夏アズキ。草木灰と溶リンを施して(窒素は施肥せず)耕耘。草木灰は、草を焼くたびに灰を肥料袋にいれて保存してあるので、十分な量がある。

 サツマイモは一昨年から同じ畝で作るようにしている。連作すると甘味が増す、という話を読んだからである。発酵鶏糞を少量と溶リンを施した。リンを施すと甘味が増す(と読んだ)。鶏糞はもともとリンの含有量が多いが、溶リンはだめ押し。

 大小二頭の「牛」(ただし機械仕掛け)を使っての耕耘作業で今日は一日が終わった。むろん小牛も作業後の夕方、きれいに身体を洗ってやった。
村便り:2007-06-15(金) (除草剤散布)
投稿日:2007-06-18(月)

 夕方、除草剤を撒いた。 除草剤は、我が家の稲作で使う唯一の農薬である。除草剤は代掻き時と田植えあとの二回使う人もあるが、私は田植...

 夕方、除草剤を撒いた。

 除草剤は、我が家の稲作で使う唯一の農薬である。除草剤は代掻き時と田植えあとの二回使う人もあるが、私は田植えあとの一回に限っている。除草剤以外の農薬としては、たいていの人は田植え直前に育苗箱に振りかける殺虫剤を使う。その殺虫剤も使用をやめてから5年になろろうか。やめたのは、田植え時期から考えて、それなしでも収穫に影響の出るような被害(とりわけイネミズゾウムシの被害)はなかろうと判断したからである。実際、その通りであった。

除草剤を散布した田んぼ
(クリックで画像の拡大)
 田の表面の白い粒が除草剤である。次第に溶けて田の水に混ざり、雑草を枯らす。だから、除草剤を「草枯らし」と呼ぶ人もいる。空き地などで、季節でもないのに一面、草が黄色に枯れていたら除草剤が散布されているしるしである。ご注意!
 除草剤を撒くと、気のせいかもしれないが、田んぼの様子が微妙に変化する。その印象は、言ってみれば、「沈黙(silent)」である。しかも不気味な。
 除草剤には乳剤と粒剤がある。乳剤のほうが扱いやすい。私は粒剤を使っている。以前から粒剤だった、という惰性以外の理由はない。粒剤は少量を広い面積に撒くので神経を使う。気前よく撒いていると、足りなくなる。ひと摘まみずつ、目分量ではあるが一定の面積にばらまかねばならない。そこでまず小面積の田んぼでの散布で量の加減をつかんでから、広い面積の田んぼに入ることにしている。

 除草剤散布は田植え後10日ほどでおこなう。稲が活着し、まだ雑草が大きくならない時(ヒエだと二葉半まででないと除草剤は效かない)を狙えば、そのぐらいの時期になる。除草剤を撒いてから少なくとも数日間は田んぼの土が見えない程度の水を張っておく(*)。また、水は田んぼの外に、畦の穴やひび割れを通して漏れたり、畦をこして流れだしたりしないように注意する。水漏れと流出には十分に対応できるが、水張りはなかなかうまくいかない。小川から取水している井手の水は天候の影響をつよく受ける。数日雨が降らないだけで水が細る井手もある。また、毎日、水の状態を見張っていないと、晴天の日には水が蒸発して土の表面の凸部分が露出する。それに、井手の末端にある我が家の田んぼは、水を入れようにも水がなかったり細っていたりすることがよくある。
(*)土が露出していると、その部分には除草剤が效かない。

 農薬を使うときには農業用の防毒マスクをつける。マスクをつけずに作業をして何かの拍子に農薬を吸い込むと、身体を壊す。除草剤を撒く田んぼには蛙が鳴き泳いでいる。蛙は死ぬことはないが、ミジンコなどは死んでしまうのではないか、と思う(確かめたことはない)。蛙でも死なないにせよ、影響は受けるにちがいない。心痛む作業である。

 毒薬撒きは一日で終わらせたい。日が暮れる前になんとか田んぼ全部がすんだ。田植え後の雑草の成長に気を揉んでいた上に、毒薬撒きは鬱陶しいがゆえに、作業が終わると肩の荷が下りたような解放感があった。
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