てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2010-08-22(日) (エビイモとタケノコイモの、3度目の元寄せ)
投稿日:2010-08-28(土)

 昨日の昼下がりと、今日の午前中を使ってエビイモとタケノコイモの除草と元寄せをした。(クリックで画像の拡大)除草と元寄せが終わったエビ...

 昨日の昼下がりと、今日の午前中を使ってエビイモとタケノコイモの除草と元寄せをした。

里芋畑
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除草と元寄せが終わったエビイモとタケノコイモ。
 大豆が植わっているところあたりからこちら側の二畝。正午すぎの日差しのもとで。
 里芋類の主力、コイモ(子芋を主として食用にする《普通の》里芋)は二回目の元寄せ(8月1日)で管理をほぼ終了。株元を藁で被覆したので、草はコイモの生育を阻害するほどには生えていない。これからの作業は、8月の終わりに子芋・孫芋の芽を切ることと、冬に備えてスクモ[もみ殻]で防寒することが残っているだけである。

 ところがエビイモ(と、おそらくはタケノコイモ)はこれから何度か元寄せをして、エビ(とタケノコ)の形を仕上げていかなければならない。二回目の元寄せのとき除草はしたが、こちらは藁を敷いていないので、3週間もたつとまた草が伸びてきた。今年は雨が降らず(H県でのこの一カ月の降雨量は年平均の6%、とラジオで報道していた)畑は畝の底まで乾ききっているが、休耕田での転換畑の土は十分に湿っているので、作物も元気に成長しはするが、草も負けていない。


イナゴ
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里芋の葉の陰で涼むイナゴ。
 涼むように見るのは擬人化。彼らには夏ばてはないだろう。ひたすら生きているだけ。まあこの充実も、彼らよりも寿命の長い人間の時間感覚からの擬人化であろうが。
 転換畑では、里芋類のほかに大豆と小豆が育っているが、今年は例年に比べてイナゴが多いような気がする。作物のなかを歩くとイナゴが群れをなして飛び立つ。私の小さいころは稲刈りのころイナゴがたくさんは跳ねていたものだが、それ以降、農薬のせいだろうが、伝説のなかの存在のように少なくなった時期があった。しかし近年、どうもイナゴは復活しているようである。農薬の使い方の変化のせいかもしれない。イナゴは稲の害虫ということだが、私の経験ではイナゴで被害にあった、ということはない。ということは復活したとはいえ、被害を与えるほどには大量発生していない、とうことだろうか。


エビイモ
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エビイモ。
 草取りをしながら、芽を出したコイモと親芋の茎との間に土を入れた。以後は鍬で土を寄せることになろうが、今回だけはシャベルでていねいに土を入れた。邪魔な親芋の茎はかいた。
 エビイモは、エビにする子芋の芽が出揃ってきた。これから二週間おきくらいに元寄せと親芋の葉かきとをおこなって、《エビ》の養殖を仕上げる。今年はアヅマに競争相手がいて刺激があるので、去年よりうまく仕上がるかもしれない。


タケノコイモ
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タケノコイモ。
 親芋だけでなく子芋も天に向かって伸び立つ。芋は長さといい皮の模様といい、まさに筍だが、なぜかタチウオを連想した。瀬戸内海地方に育つのだから、タチウオイモなんて名前もいいのでは(けっしてない 笑)。
 タケノコイモは初めて(厳密には二度目の)挑戦である。元寄せの按配が分からないので、アズマの人に問い合わせたところ、土寄せが不十分だとずんぐりイモになる、との仰せだったので、エビイモと同程度に元寄せしていくことにした。

 休耕田の転換畑では生き物たちが元気に育っているが、その管理者である私は夏ばて状態、喘ぎながらの作業だった。
村便り:2010-08-14(土) (節季働き)
投稿日:2010-08-20(金)

盆灯籠 今年の盆は週末と重なる。週末は半農半サラの私にはかきいれ時だが、それが盆に重なるなんて、どうも巡り合わせがよくない。 昨日...

盆灯籠
 今年の盆は週末と重なる。週末は半農半サラの私にはかきいれ時だが、それが盆に重なるなんて、どうも巡り合わせがよくない。

 昨日は日中は墓参りに過ごした。盆灯籠をもって数カ所の墓所をまわった。盆灯籠とは、1.5m余りの女竹の先の30cmほどを6等分に割き、そこを開いて逆六角錐を作り、その六角錐の六つ側面に紙を張り、飾りをつけたもの。盆にはそれを墓の前に立てる。初盆を迎える墓には白い紙を張った灯籠を立て、それ以外の墓には、赤や青や黄の紙を張ったものを立てる。初盆の墓には白い灯籠がたくさん並ぶ。盆灯籠は、広島県(とくに西部)特有の風習らしい。

節季働き
 昨夜、妻方の親族の集まりで飲んだため、今日は遅く仕事に出た。14日の野良仕事はさすがに気が引けたが、遅れた作業が溜まっているのが常態である農民としては、少しでも滞った作業の山を崩したい。私は《節季働きの性悪男》である。

畑の耕耘
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先日草取りをしたところを耕耘。
 白いところは施肥済み。白いのはカキ殻石灰。手前がニンジン畝、同じ畝の向こうの端がセロリラーヴを定植するところ。右隣の畝はタマネギの苗床。
 雨が降らない。作業の予定を考えると、雨をいつまでも待っているわけにはいかない。今日定植するセロリラーヴ(根セロリ)、月末に播種する予定のニンジン(年明けて、厳冬期から春先にかけて食べる)、来月始めに播種する極早生タマネギのための畝を作りたい。たいした広さではないが、この暑さでは鍬を使う気にはとてもならない。思い切って耕耘機を使うことにした。

 耕耘機でひっくり返した土はほとんど湿り気がない。さすがに土埃は立たなかったが、耕耘機を動かすと土がバラバラと崩れる感じがした。


タマネギの苗床
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ビニールを被覆した、タマネギ苗床用の畝。
タマネギの苗床
 タマネギを蒔く苗床はビニールで被覆した。タマネギは中晩生の場合、9月20日頃に播種して、11月20日頃に定植する。苗が苗床にある二カ月間、困るのは生えてくる草である。種は比較的密集して蒔いてあり、また苗は細くて小さいので、あいだに生える草はとりにくい。下手をすると苗まで抜いてしまう。しかし、草を放置しておくと、草のほうが強勢なので苗が育たない。

 以前、読んだ本に、夏の間、苗床にするところをビニール被覆しておくと、高温のために雑草の種が死滅してしまう、と書いてあった。そこで、施肥して畝作りしたあとで、本に書いてあった通りにしてみた。温度が6、70度まで上がると草の種は発芽能力を失う。ビニールの下、数cmなら、もしかしたらそうした効果が期待できるかもしれない。播種するときは表面の土だけを動かすことにすれば、雑草の生え方は抑えられるかもしれない。


サツマイモを掘る雉
 畑の周りには雉が増えたが、その雉がサツマイモを狙う。サツマイモの根元を(嘴で)掘り、イモを突つく。太り始めたサツマイモが見えるわけではないのに、どうして土中に食い物があると分かるのだろうか。不思議である。

雉が掘ったサツマイモの根元
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雉が掘ったサツマイモの根元。
 
防鳥ネット
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防鳥ネットを張ったサツマイモの畝。8月17日。
 右に見える白いネットが、それまで被覆していた防虫ネット。
 対策として、畝全体を防虫ネットで覆った。こうするとさすがに、ネットをはぐってまでサツマイモを掘らない。しかし、防虫ネットはイモの茎の生育を抑えるような気がしたので、目の大きいネットにした。しかし、そのネットの幅は畝全体を覆うほど広くはなかったため、また雉にやられた。畝全体を覆うような防鳥ネットを張るしかないようである。
村便り:2010-08-08(日) (ショウガの追肥・元寄せ、キュウリの定植)
投稿日:2010-08-15(日)

(クリックで画像の拡大)前の畑での草取り。 ナスの左側の3畝の草取りをした。一番手前、エノコログサが生えているが、草をとりおわった畝は...


(クリックで画像の拡大)
前の畑での草取り。
 ナスの左側の3畝の草取りをした。一番手前、エノコログサが生えているが、草をとりおわった畝は、作業前はこんな状態だった。
 一日の大半は草取りに費やした。畝によっては草刈り機で草を払ってから耕耘機で耕すしかないところもあるが、草取り鎌で処理できるていどの草の生え方の畝は鎌でていねいに草を除きたい。じりじりと照りつけるなか、座りこんで草をとっていった。


 生産的な作業としては、ショウガの追肥と元寄せ、およびキュウリの定植。

ショウガの追肥・元寄せ
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ショウガの追肥・元寄せ。
 一番手前の列は、まだ元寄せしていない。二番目の列は切り藁をしいた状態。この上に土をかぶせる。向こう側2列(株の数が少ない)は追肥・元寄せが終わり、敷き藁がしてある。
 前2列と後ろ2列の間に、押し切りがあるのがお分かりだろうか。
 ショウガは、第一回目の追肥・元寄せは一カ月前におこなった。それから、灌水を心がけていることもあり、少しは大きくなった。以前読んだ新聞の記事に、二回目の元寄せのとき、「カボチャなど春夏作のツルあげしたものや切り藁、落ち葉などを株元に厚さ5cmくらいに敷く。この上に土寄せすれば、塊茎が二階建てにつき、きわめて多収穫となる」(「日本農業新聞」1996年6月2日)とあったので、切り藁を敷いてみた。

 ショウガの地上部はミョウガにそっくりである。ミョウガは(半日陰というより、感覚的には)日陰でなければよく育たない。とすれば、普通の畑はショウガには不適ということか。でも、販売目的で多量に栽培するときは《普通の》畑を使わざるをえないだろうから、何か技術がありそうな気がする。(そういえば、今年植えたショウガの種は千葉県産と記してあった。千葉県はショウガの産地だろうか。ムーさん、そちらでショウガの栽培風景を見たことはありませんか?)


半白キュウリ
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半白キュウリ。
 自然畝に定植。時間は19時半。画面が暗いのは、そのため。
 キュウリは7月19日に種蒔きした四葉キュウリと半白キュウリを定植した。半白キュウリは種取りが目的なので、自然畝で地這い栽培することにした。
村便り:2010-08-07(土) (穂肥)
投稿日:2010-08-13(金)

穂肥 稲に穂肥を施す。品種はヒノヒカリ、熟期は中稲[なかて]。JAが配布する稲作暦によると、出穂前20日頃に施すことになっている。すると...

穂肥
 稲に穂肥を施す。品種はヒノヒカリ、熟期は中稲[なかて]。JAが配布する稲作暦によると、出穂前20日頃に施すことになっている。すると、6月始めに田植えをすると、8月始めが、その時期になる。出穂時期は経験から8月20日頃と分かっているから、逆算して8月始め、と私は判断していた。

 この時期になると早稲(このあたりで栽培されている品種は、コシヒカリとキヌヒカリ)は出穂を始める。早稲の出穂状況を確かめていた近所のお兄さんとの立ち話で、穂肥が話題になった。するとそのお兄さんは「わしゃ、植えてから60日して穂肥をやるんことにしとる」と言った。お兄さんがいた田んぼにはキヌヒカリが植えてある。だから、早稲のことを言っているのか、それとも私が作っている(お兄さんも別の田んぼでは私と同じ品種を作っている)ヒノヒカリのことを言っているのか、私はその点については突っ込まなかったので、判然とはしなかったが、〈あっ! 発想を逆転すれば、そういう計算の仕方もあるのか〉と感心した。出穂時期から逆算して20日は、田植えから《順算》すれば60日に当たる。田植えをしてから何日頃に出穂し、何日頃に成熟するかは品種によって決まっている(正確には、日数ではなく積算日照時間が、稲の生育を左右する)。だから、逆算しても順算しても同じことである。稲作暦の文章に呪縛されていた私の頭でコロンブスの卵が立った。来年からは、この立った卵で計算することにする。

コナギ
コナギの繁茂した田んぼ
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コナギの繁茂した田んぼ。
 稲の色がさめている部分がコナギの繁茂しているところ。来年からはコナギは駆除しなければならない!
 
コナギ
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コナギ。
 稲の間にびっしり生えているのがコナギ。
 コナギという水田雑草がある。そのコナギが今年、或る田んぼで繁茂した。田植え後1週間で除草剤を撒布するのだが、水管理の加減とか雑草の生える時期とかによっては、うまく効かないことがある。その田んぼはもともとコナギが多かったが今年ほど勢いが強かったことはない。だからコナギが少々生えてもたいして気にしなかった。(ただし、繁茂している姿を見ると、私はなぜかゾクゾクっと背筋が寒くなる。)

 ところが、今年は強勢に繁茂したコナギがチッソを奪い、その部分の稲の生育が遅れ、かつ色も黄ばんでしまった。対策としては、コナギを除草するのが一番だが、そこまで手がまわらない。そこで追肥で稲の生育を修正しようともくろんだが、失敗。コナギの吸肥力が強く、稲まで十分にチッソがまわらなかったためであろう。

 コナギ繁茂の場所は穂肥をしてもコナギを太らすだけかな、と思いもしたが、田靴の裏にコナギがごつごつ当たるのを感じてゾクゾクしながら、その田んぼにも肥料を撒いた。

黒豆の芯止め
(クリックで画像の拡大)
黒豆の芯止め。
 黒豆は芯止めしないと株は大きくなるが、実のつきが悪くなる。私は本葉、5-6枚のところで芯を止める。

村便り:2010-07-31(土)/08-01(日) (休耕田の野菜の世話)
投稿日:2010-08-10(火)

 この土日は休耕田で栽培している野菜たちの世話で過ごした。野菜たちは、里芋類、すわちコイモ[品種名不明だが、子芋を食べる品種で、親...

 この土日は休耕田で栽培している野菜たちの世話で過ごした。野菜たちは、里芋類、すわちコイモ[品種名不明だが、子芋を食べる品種で、親芋も食べられる]、ヤツガシラ、エビイモ、タケノコイモ、および、大豆と小豆である。

 里芋類は7月10日に一度除草して、追肥、元寄せをした。今回が二度目である。一回目から、草の生育が一番旺盛な梅雨を経て、3週間がたったため、株間に草が生えている。まずその草を草取り鎌でのぞく。単純だが、根気のいる作業である。

タケノコイモ
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タケノコイモの畝を除草、追肥、元寄せしたところ。
 左隣の、まだ除草していない畝は、エビイモ。エビイモはまだ子芋の芽が出ていない。去年の経験からして芽が出揃うのは盆を過ぎてから。それから何度か元寄せして、千葉のエビイモ畑に負けないエビを《養殖》するつもり。
 
里芋類の畝
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里芋類の畝の溝に水を入れる。
 除草、追肥、元寄せが終わった里芋類の畝の溝に、井手[農業用水路]から水を入れた。この井手では、水は水田用(すなわち、田んぼで野菜を作るときは井手の水は利用できない)と申し合わせができているが、この休耕田の上下の水田はわが家の所有であるので、水田に引く水を融通して、こちらに流し入れる。年に一度あるかどうかなので、この程度の《違反》は許してもらえるだろう、と勝手に判断している。
 コイモとヤツガシラの株は、乾燥防止のため、藁で覆った。それに対して、タケノコイモとエビイモはこれからも元寄せするので、畝は裸のまま。
 右の畝は除草して元寄せした大豆。そのさらに右の畝はまだ除草も元寄せもしていない大豆。
 作っている株数は、コイモ48株、エビイモ34株、ヤツガシラ5株、タケノコイモ9株(10株植えたが、1株がなぜか消えた)。主力はコイモとエビイモである。ヤツガシラは、何回か栽培をしているが出来が悪く、毎回ほとんどを種用に回している。今年も、5株は食用というより、種芋用。今年は栽培を成功させて、来年は食用にもしたい。タケノコイモは今年がはじめての試み。タケノコイモは京芋とも称するそうだが、宮崎県が特産地。ただしわが家のタケノコイモは(ルーツは宮崎かもしれないが)千葉県から、わが家のエビイモとの交換トレードで、移住してきたもの。エビイモは向こうですくすくと育っている様子。栽培者のムーさんは鮭釣りの名手だから、秋にはきっと畑で大エビを釣り上げてくれることと期待している。ただ、こちらに移住してきたタケノコイモははたして筍のようににょきっと頭をだしてくれるか、いまのところはおぼつかない。

 そんな沢山コイモを作ってどうするんだ、とときどき言われる。でもこのくらいの量なら心配はいらない。わが家はイモ類がすきなので、冬の間、頻繁に食卓にのぼる。畝に生えている草は見るとうんざりはするが、それでも除草の根気が続くのは、作業の間、おいしそうな冬のコイモを思い浮かべているから。農作業の動機はけっきょく食欲、だと思う。出荷するのであれば、コイモがカネに見えるかもしれないが。


 大豆畝にも草が生えていたが、里芋類の畝に比べて背丈が低かったので、こちらは手鎌ではなく、ホーで草を削った。三つ鍬で中打ちしたあとで、元寄せ。大豆に関してはこれが最後の管理。これからは、ヒエやアメリカセンダンソウ(いずれも水田雑草)の場合は生えてくると抜き取るかもしれないが、畑雑草は生えてきたとしても収量には関係ないので無視。
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