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2006-05-11  自然畝での春ジャガ栽培

《自然畝でのジャガイモ栽培はうまくいくか?その試みを報告する最初の記事。》


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 ジャガイモは、伏せて芽出ししてから定植する。直植えも可能だが、出たばかりの芽を遅霜から防ぐためと、芽かきを容易にするためとで、この方法をとる。複数芽が出た種芋は、一番強そうな芽をひとつだけ残して、あとは掻きとる。
 写真では、小さな穴に種芋が入れてある。その上から芽がのぞく程度に土をかぶせる。そしてその周辺に元肥として発酵鶏糞を撒いた。

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種芋は1m20cm幅の畝に2条、株間60cmで定植した。したがって、慣行栽培に比べて、三分の二の粗植である。定植した場所にはもみ殻が撒いてある。
旧聞に属するが、4月下旬に自然畝(自然農法を試みる畝)に定植したジャガイモについて記録しておく。

自然畝で最初にジャガイモを作ったのは、自然農法を試みはじめた2001年の秋だった。品種は農林を使った。株間と条間は慣行農法と同じにした。すなわち、幅1m20cmの畝に3条植えで、株間は60cmとした。記憶によると、収量は一株に中ぐらいの芋が二、三個ついた。

しかし、それ以降はジャガイモを自然畝で作ることはなかった。その理由は、ひとつは収量が少ないことと、もうひとつは、ジャガイモを作ると土を動かしたり掘りあげたりしなければならないからである。二番目の理由についてもう少し詳しく説明してみよう。ジャガイモ栽培では、大きくなった芋が地表に露出するのを防ぐため元寄せ(土寄せ)を二度ほどするし、また収穫時に土を掘り返す。ところが、自然畝は、原則として、土を起こさず草を抜くこともしない。そうすると次第に土が肥沃になるからである。土を起こさないと、微生物や小動物からなる土中の生態系が破壊されることがないし、草の根は土を「耕し」、枯れた根は土に有機質を供給する、というわけである。自然畝のそんな性格を考えると、ジャガイモ栽培にともなう大幅な土の移動が億劫になった。

最初の試みから5年たった今年、もう一度、自然畝でのジャガイモ栽培を試みてみようと思い立った。今春から本腰を入れて、自然農法の可能性を確かめることにしたが、その企ての一環としてである。春のジャガイモは今年は三品種を植えつけた。男爵、メイクイーン、ローズヴァル(roseval)系品種。そのなかで男爵の一部を自然畝に植えつけた。男爵を選んだのは、芋のつき方が「素直」だからである。すなわち、株の周辺に芋がつくため、掘りあげやすいからである。(それに対して、メイクイーンは、芋の数は多いが「行儀が悪い」。すなわち、株から離れたところまで地下茎を伸ばして芋をつける。)

施肥や元寄せに関してはまだはっきりと計画していない。ジャガイモの生育を見ながら、臨機応変に対応を考えていくつもりである。
 
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