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村便り

村便り:2008-05-30(金) (代掻き)
投稿日:2008-06-06(金)
 今日、金曜日と来週の月曜日は休暇をとり、今日から連続四日間を農作業にあてて、代掻きから田植えまでを終える予定。(クリックで画像の拡...

 今日、金曜日と来週の月曜日は休暇をとり、今日から連続四日間を農作業にあてて、代掻きから田植えまでを終える予定。

ゲシ際の草を削る
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ゲシ際の草を削る。
 「ゲシ」とは上の田んぼと下の田んぼとの段差部分のこと。トラクターはゲシすれすれまでは寄れない。ロータリーでゲシを壊してしまうからである。水生の草は水田ではびこるが、田んぼのなかに生えているものは代掻きで土に埋もれてしまう。しかし、畦際の草はロータリーが処理できないため、あらかじめ平鍬で削り取り、田んぼのなかに投げておく。この作業はやってもやらなくても収量に有意の差はでないが、私はやることにしている。むしろ気分の問題である。
 
元肥をまく
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元肥をまく。
 元肥に有機肥料(具体的には発酵鶏糞)を使ってみようと思っているが、いつも時間の関係で手軽な化学肥料を使ってしまう。発酵鶏糞の場合は、代掻きが始まる前に散布して土に混ぜるが、化学肥料は代掻きの直前にまき、代掻き時に土に混ぜ込む。
 肥料は動力散布機でまく人もいるが、私は桶に入れた肥料を手で振りまく。
 
代掻き
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 アラジのあと二週間もおくとヒエが発芽してくる。この田んぼは去年休耕していたため、とくにヒエが多い。田んぼの真ん中あたり、向こうからこちらにかけて緑の帯があるのがお分かりだろうか。発芽して間もないヒエが群生しているところである。
 二週間もおいたのは今年がはじめてである。ヒエが発芽するのは分かっていた。でも、そのヒエを代掻きで埋め込めば、田植え後のヒエの発生が減るのではないか、と予想してみた。ヒエは首尾よく埋め込めた(あるいは、回転刃で裁断した)。でも予想通り、田植え後の発生が減るだろうか。
 
エブリ
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 タブ[湿田]はウワコウダ[田んぼの上半分]の土がとくに深い。トラクターで回ると、どうしても大きな車輪が泥を畦の方に寄せてしまう。寄った土はトラクターを使って田んぼの中側に寄せ戻すことはできる。ロータリーのカバーで土を引きずるのである。しかし、そうすると、土の深いところを何度も車輪が走ることになるので、土がさらに深くなる。そこでエブリ[泥を均平にするために使う道具]で動かす。
 田んぼはアラジ[荒代掻き]を約二週間前の16日と17日に終え、18日と20日には畦塗りをした。本代掻きが近づいた時点で、まず27日の夕方にゲシ際の草を削り取り、29日の夕方には肥料をまいた(画像参照)。そして、今日は本代掻き。

 代掻きは田植えの四日前くらいに行うのがいいとされている。代掻き直後は田んぼの土がまだ軟らかい泥の状態なので、苗は植えてもしっかりと立たなかったり、水面が波立つと倒れたりする。そこで、代掻き後、二、三日おいて泥が落ち着いてから田植えをする。ただ私の場合、そのスケジュールを守ろうとすると、授業や会議がある日の早朝とか夕方から宵の口に作業をしなけれはならず、すると、いくら頑張っても三日ほどはかかる。去年はそのスケジュールでやってみたが、疲労と睡眠不足が蓄積するハードな作業となった。そこで今年は代掻きを一日で済ませ、一日おいただけで田植えをしてみることにした。さいわい金曜日と月曜日は授業も会議もない日なので、休暇をとることができる。だから、金曜日に代掻き、日曜日に田植え、月曜日に植え継ぎ、というスケジュールでやれば、身体に大きな負担をかけずに田植えができるし、サラリーマン稼業との折り合いもつく。

 代掻き日と田植え日が接近してしまうが、成算がないわけではなかった。代掻き後、一日おけば泥がある程度落ち着くのは、アガタ取り[畦に塗る泥を、鋤簾を使って田んぼの中から畦に寄せる作業を「アガタを取る」と言う]で経験している。それでも歩行型田植機を使う場合、植えた条間を歩くことになるので、泥に抜き差しする人間の足で泥が動き、植えたばかりの苗が動いてしまう。それに対し、乗用型田植機では、車輪の幅が小さいので、泥を動かすことがない。自分だけの判断だけでなく、出会った近所に人にも質問してみた。その人たちは歩行型田植機を使ってはいるが、経験は私よりずっと長い。彼らも、大丈夫だろう、との意見だった。

 朝10時半にトラクターを最初の田んぼに入れた。都合6枚の田んぼの代掻きを終えたのは夕方の7時だった。トラクターはそのあとすぐにホースで水をかけて泥をあらかた落とした。泥は乾いてからでは落とすのに時間がかかるが、まだ濡れているときだと勢いよく水をかけてやれば、楽に洗い流せる。身支度をして帰途についたのは夜の9時だった。
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