てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2006-11-18(黒豆を抜き、ソバを叩く)
投稿日:2006-11-20(月)
 天気予報によれば明日は雨。今日は朝から曇りである。できれば今日中に、黒豆を抜いて稲架に掛け、蕎麦を脱穀し、さらに、タマネギを定植...

 天気予報によれば明日は雨。今日は朝から曇りである。できれば今日中に、黒豆を抜いて稲架に掛け、蕎麦を脱穀し、さらに、タマネギを定植する畝を作りたい。

黒豆を縛る
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 抜いた黒豆は、6株ほどを二房に分けて、一括りにする。手前から3株ずつを二束にして置いてある。一番手前の束は藁で縛り、縛り目を一捻りしてある(「一捻り」が重要ポイント!)。藁は、さらに二番目の束を縛るべく、その束の下側に回してある。二束目も縛り、二束を一括りにすると、三番目の束のようになる。ご覧になれば分かるように、二房に分かれている。このようにしないと、大豆の枝は硬いため、稲架にうまくかからない。
 
稲架に掛けた黒豆
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 今夏ナスを作っていた畝に短い稲架を立てて、黒豆を掛けた。その手前の畝にはニンニクが小さな草姿を見せている。
 写真では見えないが、雨が降っている。
 
ソバを叩く
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 ソバは、木槌と「まとり」で叩いて脱穀する。Y字型の木製の道具が「まとり」。叩いているソバ(木槌とまとりを一緒においてあるところ)の周りをソバの束で囲って、実が飛び散るのを防いでいる。
 
ソバのテント
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 ソバは、乾いてからは、ビニールシートのテントで覆い、雨露を防いだ。裾は石で止めた。
 屋敷に着いたのは9時過ぎ。黒豆も蕎麦も休耕田に作っている。軽トラックは車検に出しているので、一輪車に荷物を積みロープで固定して、田んぼに向かった。普段は荷物の多少にかかわらず習慣的に車を使っているが、一輪車や背負子ないしメゴ[目籠]で十分間に合うことも多い。一輪車を押しながら、いつもとは違う荷物の運び方に新鮮さを覚えると同時に、普段の生活ぶりをちょっぴり反省。

 まず、黒豆を抜いて、藁で縛った。黒豆は11月半ばになると完熟状態になる。枝を揺すると鞘のなかで豆が動く気配がする。すると抜き取り、しばらく稲架に掛けて干す。縛った豆は屋敷周りの畑に干すので、一輪車で二回に分けて運んだ。

 黒豆の次はソバ。ソバは10月20日に刈り取り、島立てにした。その頃は晴天続きだったので、2週間もすれば脱穀できたのだが、稲の脱穀との関係上、ずっと干したままにしておいた。雨が降るようになってからは、ビニールシートを被せた。

 正午、三つの島立てのうち二つ目を脱穀していたとき、ソバを叩く手を休めると、ビニール・シートを雨が叩く音がわずかに聞こえるようになった。昼になっても草の露は消えず、空は雨雲に覆われている状態なので、降り出しても不思議はなかった。作業を中断して、叩き残したソバにまたビニールシートを被せた。一輪車に荷物を積んで引き上げる準備が完了した頃には、小雨ではあるが紛れもない雨になった。

 近くのうどん屋で昼食を済ませて帰ってくる頃には、本格的な雨になった。しかし、黒豆を稲架に掛けるのだけは、済ませておかけなければならない。カッパを着て作業を始めた。作業中、近所の人が通りかかった。「あんたがたの[黒豆]は、よう熟れちょるの。うちのは青い。見てみんさい。」その人の家の黒豆は近くに干してある。たしかに青い豆が目立つ。その人が説明するには、今年は豆が充実する時期に晴天が続いたので、熟しきらないまま収穫期を迎えた。我が家の場合は、水田の下側にある休耕田で作ったので、水不足にはならなかったのである。その人は「雨じゃけん、早よう帰りんさいよ」と言い残して去った。

 いくら差し迫った仕事があるにしても、雨には勝てない。半日を残して引き上げることにした。
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