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再度、太極拳における上半身の姿勢について
投稿日:2007-01-19(金)

S字姿勢からI字姿勢へ
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 左が胸張り・出っ尻姿勢、右が太極拳姿勢。(あくまでもイメージ図であり、解剖学的に正しいものではありません。)
 左の姿勢で頭の位置を動かさないようにしながら、赤い矢印で示した方向に尻を動かす(尻を押しさげながら前に回転させる)気持ちで尻を引っ込める。すなわち、尻を前に出す。すると右の姿勢になる。青い矢印は、左の姿勢に比べてへこむ部分を示している。
 今日の稽古が始まる前、前回の記事に書いた、上半身の姿勢の作り方についてお師匠さんに意見を請うた。「臀部を、少し下に押し込む気持ちで前に向かって回転させる」だけで、胸がすぼみ、腹が引っ込み、尾てい骨がまっすぐになる、といった、S字姿勢をI字姿勢に正すための動きがまるごとできる、というのが私が説明し実演した、姿勢の作り方である。お師匠さんの答えは、それでよい、であった。そして付け加えて、(ここから先は褒められたのか?)その一動作でI字姿勢ができるのは股関節についての意識が鋭いからであり、普通、臀部の動きだけを説明したら後傾姿勢になるので、同時に腹を引っ込めるように指示する、との教示があった。たしかに尻を前に出したために後傾姿勢になったのを前傾姿勢に修正するには、腹を引っ込める動作をすればいい。

 ただ私の場合、胸のすぼめかたがまだ足りないようである。いいかえれれは、まだ胸を張り過ぎているようである。練習中に何度か上半身の姿勢を矯正された。適正な胸のすぼめかたは背中を見ればわかる、とお師匠さんは弟子の皆に教えてくれた。胸を張ると背中が背骨に沿ってくぼみ、着ている服は背中の真ん中に寄って皺ができる。それに対して、胸を十分にすぼめると、背中が平らになり、服の皺も伸びる。お師匠さんが実演してくれた。そして、お師匠さんの許しが出たので、背中に実際に触ってみるとたしかに説明の通りであった。

 私はどちらかというと胸張り・出っ尻タイプの姿勢である。出っ尻は昔からだったような気もするが、あるいはyogaの実習のせいかもしれない。だからお師匠さんから、お尻の姿勢が《中正》(まっすぐ)になりましたか、と尋ねられると、いや《不正》です、と答えてしまった。わざと作っている姿勢のように感じられるからである。また、胸をすぼめるには(軽くであるが)意識して力を入れなければならない。さらに肩がもう少しさがらないか、と言われたが、力を抜いても今以下にはさがらない。(ただし、怒り肩ではない…と思う。)

 太極拳姿勢は、撫で肩・猫背・偏平尻タイプと言えるよう。

 今の私にとっては太極拳姿勢は《自然体》ではない。もっと正確には、まだ…ではない、というべきかもしれない。というのも、《自然体》は人によって、社会によって少しずつ違うからである。太極拳姿勢がI字姿勢だといっても、厳密な意味で背骨がまっすぐになるわけではない。胸張り・出っ尻のS字姿勢が弱まっただけである。生活がS字の強弱を作る。《自然体》とは絶対的ではなく、習慣である。

 私は、太極拳的姿勢習慣の《意味》が知りたい。ただその意味を、性急に、書物で知解しようとするのではなく、まずは、稽古を繰り返しながら、じっくりと体得しようと思っている。
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