村便り:2007-11-18(日) (目新しいことばかりで一日のすぎるのが早い)
投稿日:2007-11-20(火)
今日の作業のメインは蕎麦の脱穀。そのあとは残り時間を考えてやるべき作業を選ぶことにした。大学院生のU嬢に、蕎麦の脱穀とジャガイモ...
今日の作業のメインは蕎麦の脱穀。そのあとは残り時間を考えてやるべき作業を選ぶことにした。大学院生のU嬢に、蕎麦の脱穀とジャガイモの掘りあげをやるので「研修」に来ないか、と誘った。約束の時間を15分遅れて到着。中学中国駅伝と農業高校の学園祭とで、途中の道が渋滞していた、とのこと。ちなみに、中学中国駅伝は私にとっては思い出の大会。今は内陸部で開催されているが、私の中学生時代は瀬戸内海沿いに走る国道で行われた。交通量の少ない時代だから可能だったルート選定である。
彼女が到着すると早速、軽トラックで、蕎麦を島立てで干している休耕田に向かった。彼女は荷台に乗りたがる。泥臭いオヤジの私と並んで助手席に座るのがいやなのだろう(笑)。
蕎麦の脱穀
まず、昨日残った大豆を叩いてから、蕎麦の脱穀に取りかかった。ビニールシートの上で蕎麦をまとり[木の枝で作ったY字状の農具]で叩き、脱穀する。ついで、実に混じったゴミを箕で吹き飛ばす。今日は西高東低の気圧配置のため、北風が強く吹く。吹きっさらしの田んぼは寒いが、箕を使うには絶好の気象条件。「研修」なのでU嬢には脱穀と箕の作業を二つとも経験してもらった。「研修生」の不慣れな手でも、加われば作業がはかどる。去年は脱穀まではやったものの、蕎麦を食べるところまではいかなかった。しかし、作業の進捗具合からすると、今年は食べられそうである。
昼頃にやってきた家族と昼食を済ませたあと、蕎麦の作業はまだ残っていたが、今度はジャガイモ掘りをすることにした。
秋ジャガ
久しぶりに秋ジャガを作った。長い間、春ジャガ(春に植えつけて夏に収穫するもの)を翌年の春先まで食べていた。今秋作ったのは、普賢丸という名前の、比較的新しい品種で暖地向き春秋兼用の早生。去年の秋に種芋を購入して植えつけたが、芽出しに失敗して収穫できたわずかなジャガイモはすべて種芋に回さざるをえなかった。したがって、今春が事実上、最初の栽培となった。春作の結果は上々。食べてみると粉質で甘みがあった。秋作は、収量としては春作ほどではない、との情報を得ていた。掘りあげてみると、実際、大きな芋はあるものの、数は少なかった。来秋は作付けをもう少し増やそうと思う。
ジャガイモ掘りもむろんU嬢に体験してもらったが、三株ほど掘ると「もういいです」とあっさりと鍬を私に返した。鍬で土を返す作業は彼女にとって「重労働」のようである。
ともかく極早生タマネギの定植
ジャガイモを掘ると16時をすぎていた。彼女の今夜の予定を考えると、残り時間は1時間弱。思い切って、時期は遅くなったが極早生タマネギを植えることにした。夕方になり冷え込みはじめたなかを、草の中に埋もれた苗のうち定植できそうなもの50株ほどを選び出し、用意してあった畝に定植した。定植が気になりながらもを諦めかけていたが、わずかでも定植できたので、胸のつかえが下りた気分になった。
「ここに来ると、目新しいことばかりで一日のすぎるのが早いです」と仕事を終えたU嬢。私としては、「農業研修」に誘っておきながら、単調で身体を使う汚れ仕事なので、心の中では、若い女性にこんなことをやらせて申し訳ない、という気持ちがある。だから、その言葉を聞いて、少しは安堵した。…と書きながら、また誘おうか、と手のない一人農家は懲りずに策略を巡らすのでした。
彼女が到着すると早速、軽トラックで、蕎麦を島立てで干している休耕田に向かった。彼女は荷台に乗りたがる。泥臭いオヤジの私と並んで助手席に座るのがいやなのだろう(笑)。
(クリックで画像の拡大) 蕎麦をまとりで叩いて脱穀する。 |
まず、昨日残った大豆を叩いてから、蕎麦の脱穀に取りかかった。ビニールシートの上で蕎麦をまとり[木の枝で作ったY字状の農具]で叩き、脱穀する。ついで、実に混じったゴミを箕で吹き飛ばす。今日は西高東低の気圧配置のため、北風が強く吹く。吹きっさらしの田んぼは寒いが、箕を使うには絶好の気象条件。「研修」なのでU嬢には脱穀と箕の作業を二つとも経験してもらった。「研修生」の不慣れな手でも、加われば作業がはかどる。去年は脱穀まではやったものの、蕎麦を食べるところまではいかなかった。しかし、作業の進捗具合からすると、今年は食べられそうである。
昼頃にやってきた家族と昼食を済ませたあと、蕎麦の作業はまだ残っていたが、今度はジャガイモ掘りをすることにした。
秋ジャガ
久しぶりに秋ジャガを作った。長い間、春ジャガ(春に植えつけて夏に収穫するもの)を翌年の春先まで食べていた。今秋作ったのは、普賢丸という名前の、比較的新しい品種で暖地向き春秋兼用の早生。去年の秋に種芋を購入して植えつけたが、芽出しに失敗して収穫できたわずかなジャガイモはすべて種芋に回さざるをえなかった。したがって、今春が事実上、最初の栽培となった。春作の結果は上々。食べてみると粉質で甘みがあった。秋作は、収量としては春作ほどではない、との情報を得ていた。掘りあげてみると、実際、大きな芋はあるものの、数は少なかった。来秋は作付けをもう少し増やそうと思う。
ジャガイモ掘りもむろんU嬢に体験してもらったが、三株ほど掘ると「もういいです」とあっさりと鍬を私に返した。鍬で土を返す作業は彼女にとって「重労働」のようである。
ともかく極早生タマネギの定植
ジャガイモを掘ると16時をすぎていた。彼女の今夜の予定を考えると、残り時間は1時間弱。思い切って、時期は遅くなったが極早生タマネギを植えることにした。夕方になり冷え込みはじめたなかを、草の中に埋もれた苗のうち定植できそうなもの50株ほどを選び出し、用意してあった畝に定植した。定植が気になりながらもを諦めかけていたが、わずかでも定植できたので、胸のつかえが下りた気分になった。
「ここに来ると、目新しいことばかりで一日のすぎるのが早いです」と仕事を終えたU嬢。私としては、「農業研修」に誘っておきながら、単調で身体を使う汚れ仕事なので、心の中では、若い女性にこんなことをやらせて申し訳ない、という気持ちがある。だから、その言葉を聞いて、少しは安堵した。…と書きながら、また誘おうか、と手のない一人農家は懲りずに策略を巡らすのでした。