てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2010-01-05(火) (沢庵漬け)
投稿日:2010-01-07(木)

 二年ぶりの沢庵漬け。大根は12月23日に干し始めたので、今日で2週間。トマトの支柱から降ろして、葉っぱの部分は短く切り詰め、板の上で転が...

 二年ぶりの沢庵漬け。大根は12月23日に干し始めたので、今日で2週間。トマトの支柱から降ろして、葉っぱの部分は短く切り詰め、板の上で転がしながら揉んだ。それから、沢庵漬けの素をこしらえた。大根は5kg(乾燥重量)。それに対して、塩400g(大根との重量比で8%)、昆布50g、唐辛子10g、糠1リットルを混ぜ合わせて素にした。

沢庵漬け
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左の金盥のなかは漬け物の素。記事で処方したほどの分量であれば、大根を詰めた一段ごとに、両手ですくえる量を振りかけるとちょうどいい。
 
沢庵漬け
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重石は二個使った。石は現地調達。左側の樽は白菜漬け。
 時折小雪が舞う寒い日。黙々と作業をしていると過去の沢庵漬けの光景が思い出されてくる。初めての冬は、しんしんと雪が降り積もる日だった。掘っ建て小屋のような作業小屋の軒先で、雪を避けて作業をした。その翌年の春先に父が逝った。葬儀のあと、親族や近所の人たちが集まって食事をするとき、その沢庵漬けを出した。

 それから2年ほどあとだろか、まだ4歳だった子どもが私の作業を見ていた。唐辛子には触らないようにと注意をしたのだが、その年齢である、好奇心から唐辛子をいじった。その手で自分の眼をこすったのである。[眼が]痛い、痛い、と大泣きをした。

 農作業に没頭して無念無想、とはいかないものである。単調な作業のときはいろいろな想念が脳裏に湧いては過ぎ去る。

 普通、大根は40リットル樽に漬ける。しかし今年は少量なので、新たに15リットルの樽を購入して、それに漬けた。大根はできるだけ隙間のないよう樽に詰める。詰めおえると、そのうえから、切り離した葉っぱで覆う。重石は近年は購入した専用の重石を使っている。15リットル樽には、その重石は大きすぎて入らない。以前は、自然石を使っていた。その自然石が井戸端に放置してある。今回は、それを重石として使った。


 なお、沢庵漬けに関しては、
「沢庵漬け 2000-12-30」で詳しく書いたことがあります。
村便り:2010-01-02(土 (白菜の本漬け)
投稿日:2010-01-05(火)

 正月二日。午前中は箱根駅伝をテレビ観戦したりしながらのんびりと過ごす。元旦同様、新年を祝う(?)朝酒でいい気分になりたかったが、...

 正月二日。午前中は箱根駅伝をテレビ観戦したりしながらのんびりと過ごす。元旦同様、新年を祝う(?)朝酒でいい気分になりたかったが、自己規制。車を運転しなければいけないからである。

白菜漬けの素
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白菜漬けの素。昆布、するめ、唐辛子を刻んで塩と混ぜ合わせたもの。
 素がおいてある樽の白菜は下漬けのもの。右側、わずかにみえている樽は本漬け。
 
白菜漬けの素
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白菜漬けの素。柚子の皮を刻んだもの。
 
白菜の本漬け
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白菜の本漬け。
 一段に6片並べる(上の方は7片の段も)。次の段は、前の段と方向が直交するように並べる。
 午後、作業小屋で下漬けしてある白菜の本漬けに向かう。12月27日に下漬けした白菜は12月31日には水が完全に上がった。差し水は下漬けの当初、1リットルを入れたが、さらに0.5リットルを加えた。水が上がって三日目くらいに本漬けにする。正月早々から農作業はしたくはなかったが、スケジュールの関係で仕方なかった。

 下漬けの白菜を取り出し、水分を軽く搾りのぞいて本漬けにする。漬け物の素として、するめ、昆布、トウガラシ(いずれも刻む)と塩を混ぜ合わせたものと、柚子の皮を刻んだものを用意した。素は白菜の葉っぱに挟み込む。白菜を樽に詰めおえると、そのうえに、下漬けの時にも利用した葉っぱを敷きつめて覆う。重石は15キログラムのものを2個のせたが、水が上がった時点で、1個に減らす予定。

 今年は白菜24株、それを二つ割りにしたから、全部で48片を漬けた。これだけの量があれば、4ヶ月近く食べられるのではないか、と思う。食べ始めるのは1週間後くらいから。ただしこの頃はまだ塩がなじんでいない。口に入れると《塩が暴れている》といった感じがする。時間がたつにつれて味が変化してくる。その変化も楽しい。


 最後に白菜漬けに使った塩などのメモ。

●下漬け(今年使った白菜は、24株で36キログラム)
  塩:白菜の重量に対し4%。
  差し水:1リットルないし2リットル(1リットルの水に800グラムの塩を加える)。

●本漬け
  塩:下漬け時の白菜の重量に対し1%ほど。(今年は、0.85%)。
  昆布:白菜の重量1キログラムに対し1グラム。
  するめ:2はい(足をのぞく。今年は、50グラムになった)。
  唐辛子:白菜の重量1キログラムに対し0.5グラム。種は除かない。
  柚子の皮:2個分。
  差し水:なし。
村便り:2009-12-27(土) (白菜の下漬け、蕎麦の脱穀)
投稿日:2009-12-30(水)

(クリックで画像の拡大)白菜の下漬け。 (クリックで画像の拡大)重石をのせたところ。 (クリックで画像の拡大)蕎麦の脱穀。 天候さえ悪くな...

白菜の下漬け1
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白菜の下漬け。
 
白菜の下漬け2
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重石をのせたところ。
 
蕎麦の脱穀
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蕎麦の脱穀。
 天候さえ悪くなければ、干し始めて1週間から10日ほどで脱穀できる。それが二カ月に延びたが、その影響が味に出るものだろうか。
 脱穀はまとり(画像中央あたりにみえるY字形の木製の道具)で実をたたき落とす。脱粒性[熟した実がたやすく枝からはずれ落ちてしまう性質]のある蕎麦は簡単に脱穀できる。
 12月23日に準備して干していた白菜を下漬けした。株数24、重量36kgの白菜を50リットル樽二つに漬けた。使った塩は白菜の重量に対して4%。各々の樽に、差し水を1リットル(100gの塩を加える)注ぐ。本漬けは、水が上がってから二、三日後なので、年明けになる予定。

 10月23日に刈り干していた蕎麦をやっと脱穀する。蕎麦はそれから二週間ほどしてビニールシートのテントで雨よけをした。二カ月も圃場にさらしていたことになる。脱穀したとしても年越し蕎麦には間に合わないが、蕎麦の実を圃場で年越しさせたくはない。脱穀し、ゴミを、篩でのぞき箕でおおまかに飛ばしたあと袋におさめた。粉にするまでは、ゴミをきれいにのぞき、水選・水洗して乾燥させなければならない。実際に蕎麦打ちするかどうかは分からないが、ともかく来年の種は確保できたことになる。
村便り:2009-12-23(水) (白菜漬けと沢庵漬けの準備)
投稿日:2009-12-26(土)

(クリックで画像の拡大)軽トラックの荷台に並べた白菜。夜はシートで覆いをする。 (クリックで画像の拡大)頭を縛った白菜。 隣のお姉さんが...


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軽トラックの荷台に並べた白菜。夜はシートで覆いをする。
 

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頭を縛った白菜。
 隣のお姉さんが、白菜に虫がついていないのはどうしてか、と私に訊いてきた。自分の畑では白菜が虫にやられ、葉っぱがレース状になったため、しかたなく殺虫剤をまいた、とのことだった。彼女は、私が農薬を使用しないのは知っている。そこで不思議に思い尋ねたようである。
 私は工夫として、周囲の人より一週間おそく種蒔きすることにしている。白菜はまず定植してすぐにダイコンサルハムシ(黒光りする小さな甲虫)がつく。一週間遅らせることで、サルハムシの虫害を回避することができる。むろんサルハムシはやってきはするが、白菜の生育には大きな影響はでない。他の虫もくるが、出荷するつもりがない限り、食べられる程度の虫害で済む。(このことはすでに「村便り」に書いたので、以上は繰り返しの注記。)
 白菜は、去年、一昨年と出来が悪かった(管理がおろそかになったため、結球しきらなかった)が、今年は順調に育った。過去二年の経験で、半結球の白菜は、漬けはじめは苦みがあるが、なれてくると味わいが出てくるのが分かった。それは成果ではあったが、やはり、きちんと結球した白菜を漬けたい。

 全部で24株を調製した。外葉を剥がし、包丁で根元に十字に切れ目を入れ、深い切れ目に指を差し入れ二つに割る。根元を洗い、外葉を敷いたトロ箱に並べる。それを軽トラックの荷台に載せて干す。調製後の白菜の重量は36kg。二、三日干したあとで下漬けをするつもり。

 白菜漬け用に収穫した残りは、藁紐で頭を縛った。防寒用である。



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大根を干す。
 干している支柱は、夏から秋にかけて調理用トマトの支柱として利用したもの。自然畝。トマトは、結局、元肥しかやらなかったが、実は満足できる程度にはついた。
 白菜の仕事が終わったあと、夕暮れまでに時間が残ったので、沢庵漬け用に大根を調製することにする。今年の大根は出来が悪かった(これも管理のせい)。そのため、沢庵漬けはやめようかと思ったが、ここ二年、大根を漬けていない。沢庵漬けの味が懐かしい。そこで急遽、小さめではあるが、大根を40本ほど抜いた。泥を洗い流し、トマトの支柱に干した。トマトの支柱は、もしかすると大根を干すかもしれないと思い、解体せずに残しておいた。
村便り:2009-12-20(日) (稲架杭の収納、もち米の乾燥)
投稿日:2009-12-23(水)

 今日の冬作業は、相変わらず脱穀の後片付け。でも、今日で完了した。(クリックで画像の拡大) 10本ずつ縛った稲架杭。 (クリックで画像の拡...

 今日の冬作業は、相変わらず脱穀の後片付け。でも、今日で完了した。


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 10本ずつ縛った稲架杭。
 

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ナルも収納。
 田んぼから撤収して干しておいた稲架杭を片づけた。田んぼの土に埋まっていた端に泥が残っていればこそげ落とす。毎年同じ側を地面に突きたてるので、腐って短くなったり、細くなったりしているものが多い。おそらくは撤収後、土がついたままにしておき、土が水分を含み腐ったこともあったのだろう。あるいは、長い間使わずに小屋に保存していたので、そのとき湿気を含んで腐ったのかもしれない。できるだけ長持ちさせたいので、収納前にしっかり乾燥させ、また、泥を落とした。その稲架杭を10本ずつ藁縄で縛る。220本もあれば、けっこう時間がかかる。

 その間、十分に乾燥しないままに脱穀したモチを筵に広げて乾かした。風が強かったので乾燥には適した気象条件であった。

 稲架杭は小屋の所定の場所に立てかけておく。稲架杭を小屋に運び込むのは、それなりの力仕事である。秋になって右腕を痛めた。原因ははっきりしないが、肘が痛む。或る方向に腕をまわすと痛みを感じる。力仕事をすると、治りかけていた腕がまた痛む。冬の間に完治すればいいが、と思う。慢性化させたくない。百姓をしていると、いつも体のどこかを痛めている。擦り傷や切り傷はすぐに治るが、筋肉や関節を痛めると治癒に時間がかかる。



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 もち米を干す。
 もち米は、干している分で精米後の量で3斗くらいになるだろう。毎年もち米は余らすので、今年は作付けを少なくした。
 もち米を干している後ろには、稲架杭とかナル[稲架の横木]が干してある。
 
 モチ米は日が落ちないうちに袋に入れなおした。今日はたまたま子どもが来ていたので、手伝わせた。筵の真ん中に米を集め、筵を二つ折り、四つ折りにして米を移し入れる。しかし、なかなかうまく袋に入らない。昔は、脱穀したあと筵で仕上げの乾燥をしていたので、なにかうまいやり方があるはず。まず筵から大きな容器に米を移す。その容器から、大きい漏斗状の道具を使って袋に入れる。そんなやり方を想像してみたが、それを実行するための道具がない。しかたなく、ヒシャクですくっては袋に入れた。そうしたやり方でも量が少ないので根気がつきない前に作業を終わった。

 そんな単調な作業をしているうちに日が暮れてしまった。冬の間はこんな単調作業が多くなる。
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