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低さ競争!【太極拳】
投稿日:2007-01-27(土)

 昨朝の稽古はいつものように私が一番乗り。電気をつけて大鏡を並べる。次に到着したのはお師匠さん。定刻に遅れること数分。しかし残りの弟子二人がなかなか来ない。そこで二人で稽古を開始。今日はもしかしたら二人っきりかな、ムフフ…なんて心の中でにやけていると、残りの弟子が30分も遅れて到着(がっかり)。ひとりがコンタクトレンズを落とし、二人で探していたとのこと。コンタクトは無事発見されたので、私の心の中とは対照的に、二人の顔は晴々。

 さて、昨日の稽古で、ここ一週間、頭にあったことをお師匠さんに質問してみた。

 いま稽古している二十四式太極拳では、第一の動作で、両足を軽く開いて直立した状態から両膝を曲げて腰を落とす。すると当然のことであるが、頭の位置が下がる。この位置が最後の二十四番目の動作までの基本的な頭の位置になる(動作によっては、この位置より高かったり、反対に低かったりする)。低くなった頭の位置は変えずに動作を続けるのであるから、体重がかかる足(両足の場合も片足の場合も)は膝が曲がる(分かりにくければ、中腰のまま歩くのを想像してください)。すると普通に歩く時に比べて、足腰の筋肉によけいな負荷がかかる。

 お師匠さんは最初のころ、太極拳をやっていると足が太くなります(足に筋肉がつく)よ、と言っていた。私もそうです、と付け加えながら、お師匠さんは若い女性なので、あまり誇らしそうな顔はしなかった。しかし私は、つい最近までは、頭の位置など無頓着に動作をやってきたので、言い換えれれば、頭の高さを無意識に調整し、あまり足腰には負荷がかからないような姿勢でやってきたので、《足が太くなる》は、若い女性がゆえの、過剰な意識が言わせているのだろう、とくらいに思っていた。

 しかし、如上のことに気づいて、さらに自分で低さを意識して練習してみると、お師匠さんの言葉がずっしりとした実感をもって理解できたのである。

 私がお師匠さんに質問したのは、いま書いた理解を示した上で、太極拳では《低さ競争》はないんですか?ということであった。修練を積むと低い姿勢でも楽々と動作できる。だから、自分の修練を誇示するため、低~い姿勢で動作を行なうのではないか、というのが質問の心である。

 お師匠さんの答えは、しかり、だった。

 さらに、《遅さ競争》はないのか、と質問を重ねた。動作をゆっくりすることで足腰への負荷をさらに強くし、それに耐えうる力量をみせることはないか、という質問である。この競争はないそうである。競技の場合は、動作を行なう時間が決まっており、それを超過すると減点になる、というのが、その理由であった。しかし、ゆっくりやると自分の動作の確認ができるので、そのためには遅さは有効ですよ、とお師匠さんは説明を付け加えた。

 最後に、私が思ったこと。「太極拳は、オフシーズンの足腰の鍛練に使えるな。」むろん、オフシーズンは百姓のオフシーズンのことです。
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