てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


天地人籟

2006-07-13(木)  「畑賊」カラス
百姓は食い物をめぐって動物たちと知恵比べ。カラスの襲来に慌てふためいた人間があみだした「泥縄」は?


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トマトの支柱にぶら下げたカラスの「死骸」。
 草むらにトマトを植えた?そうです。我が家の畑の大部分は草だらけ。おどしをぶら下げなくても、熟れたトマトは草に紛れてカラスの目に止まらないかもしれません…
 なお、トマトの左側の畝にはカボチャが植えてあります。カボチャなんて見えない、ですって?そうですね…


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カメラが狙っているのは、中ほどに写っている網をかぶせたトウモロコシ。これも鳥害対策。
 ここも草むら?そうです。でも、問題のトウモロコシの向こうにはズッキーニが隠れており、手前はジャガイモ、その手前は…珍しく地肌がでています…サツマイモ、さらにその手前は、またジャガイモ。最前景にはいうまでもないでしょうが、雄花が満開のトウモロコシです。
ここのところ、カラスによると思われる被害が続いた。7月始めだったろうか、従姉が夜、電話で、トウモロコシが食べられた、おそらくはカラスだろう、と連絡してきた。彼女の畑のトウモロコシは全滅、隣のおばあさんの畑も被害に遭った、とのことだった。やはり隣接する我が家の畑については、はっきりとは見ていないが、草に紛れて被害はなかったのでは、との推測だった。しかし、翌朝、駆けつけると、四分の一から三分の一ほどが食べられていた。

トウモロコシは収穫期を迎えていたが、まだ従姉はひとつも食べておらず、我が家も一度しか収穫していなかった。

我が家の畑の荒され様からして、犯人は地伝いではなく空から進入してきたのはたしかである。それ以前に、まだ未熟な状態のトウモロコシがひとつ食べられたことがあった。皮が剥かれ実の一部がついばまれていた。そのときは、畑によく雉がやってくるので、また雉をトウモロコシが植えてある付近で見たこともあるので、雉のせいだと思っていた。しかし、今度は、略奪した、と表現したいような、乱暴な食べ方であった。さらにカラスが犯人だとしても、一羽だけの仕業とは思えなかった。

数日前、今度は従姉の畑で収穫直前のトマトが食べられた。このときは、彼女は犯人をカラスと断定した。ふてぶてしくもカラスがトマトの周りを歩きながら狙っているのを彼女は目撃したのである。また近所の別の畑でも色づいたトマトが食べられた。

従姉は「カラスがうちの屋根に一ぴき、電柱の上に一ぴきおって、啼きあよぉる。『おい、ええど』と合図を送くりょぉるんかの。癪にさわる」と悔しがった。

従姉と、別の畑の所有者はありあわせのネット類でトマトを覆った。私もなにか対策をしなければ、トマトが狙われる、と思ったが、手持ちのネット類はトウモロコシと黒豆の育苗床を防御するために使ってしまっていた。そこで、黒いビニールでおどしを作った。四角く切った黒ビニールの一方の端をすぼめるように縛り、トマトの支柱にぶら下げた。晒されているカラスの死骸のように見せかけて、「トマトを食ってみろ。食ったらこいつら同様shokeiだ!」とカラスに警告するためである。

四「羽」ぶらさげたが、少し離れて見ると、自分でもぞっとするくらいに似ている。そのおかげか、我が家のトマトは今のところ無事である。(あるいは、カラスはこのあたりの食い物には飽きて、移動しただけなのかもしれない。)

百姓は食い物をめぐって獣と知恵比べ。畑で黒い戦闘機の裏をかき、田んぼでは夜陰に紛れて侵入する褐色の戦車の鼻先に先制パンチを食らわせる。今度は田んぼでの知恵比べを紹介するかもしれません。
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