てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

SKiAgain4:2012-01-02(月) (幻の林間コース)
投稿日:2012-01-02(月)
 今シーズン(2011-2012)の初滑りは、12月23日の恐羅漢。2回目は、12月29日の瑞穂。いずれも雪山にからむ自動車事故を目撃しました。内黒林道で...

 今シーズン(2011-2012)の初滑りは、12月23日の恐羅漢。2回目は、12月29日の瑞穂。いずれも雪山にからむ自動車事故を目撃しました。

内黒林道での雪道スリップ事故
 初滑りは、同僚と、彼の車で行った。スキー場に行くコースは二通りあり、ひとつは、狭くて曲がりくねった古い林道(内黒林道)を経由するコース、もうひとつは、近年開通した大規模林道経由のコース。大規模林道は雪道にともなう危険は少ないが、遠回りになる。だから、私は内黒林道を利用する。私にとっては恐羅漢は通い慣れたところだが、同僚にとっては初めて。コース事情を説明し、彼に選択をまかせた。すると、内黒林道にチャレンジするという。彼の車は四駆でスタッドレスを履いているので、無謀ではない。わずかに滑るような瞬間は何度かあったが、彼は無難に運転をこなした。

 帰り道、暗くなり始めた谷筋を内黒峠から下っていたときである。カーブミラーにハザードランプを点滅させる車が見えた。道路脇の雪溜まりに突っ込んだかたちでとまっていたコンパクトカーであった。追い抜くとき停止して、同僚がその車に様子をきいた。「大丈夫です。レッカーを呼びました。」と助手席から返事があった。この林道は谷筋や急斜面を走っているにもかかわらず、ガードレールは所々にしかない。車は運良く道路際でとまっていた。車種から推測して、スタッドレスは履いているにしても、二輪駆動であろう。スキー場のホームページには、四駆でスタッドレス以外はチェーンを装着してください、と書いてあるが、大袈裟な警告ではないことを目で確かめることになった。

高速道での事故
 2回目は、部活がオフになった子どもと瑞穂に向かった。広島市内から高速道利用でゲレンデに行くには、中国道から浜田道に分岐して、瑞穂ICで降りる。中国道から浜田道への連絡道に入ってすぐのことである。前に、車二台が停まっており、後ろのワンボックスカーは道路脇でハザードランプを点滅させていた。私は二台のからむ事故だと判断し、状況を確認しながら、その場を通過しようと思った。しかし、前のミニバン(H社のオデ〇〇〇)が道をふさぎ通り抜けできない。そこで、車を停め、外に出て状況を詳しく確認した。ミニバンは、中国道から左折して連絡道に入ったとき、右のガードレールに接触し、その反動で左側にはね飛ばされ、後ろ向きになって止まったようである。つまり単独事故。車には大学生くらいの年代の若者が5人乗っていたが、怪我はないようであった。事故の連絡はすでにすませているとのこと。ミニバンは前バンパーの右端がつぶれてタイヤに接触していたためか、うしろから押してもなかなか動かなかったが、なんとか車が通れるくらいのスペースができた。

 高速道には冬タイヤ規制が出ていたが、路面には雪はなく、また凍結するほどには気温は下がっていなかった。ミニバンは大分ナンバーだったので、朝早く出て、ここまで長い時間走ってきたはずである。事故がおきたのは8時半ころ。すると原因は、疲れか眠気か、あるいはまた、分岐点に気づいてあわててハンドル操作をしたせいか。彼らの様子からしてゲレンデに向かう途中と思われた。しかし、かわいそうに一日は事故処理でつぶれることになったろう。


《鵯越の逆落とし》コース
 さて、ゲレンデの話は、瑞穂ハイランドに絞ります。

林間コースの入口
(クリックで画像の拡大)
林間コースの入口。

 今日はゲレンデの上半分はガスが出て見通しが悪かった。入口はリフト終点にある。左の建物がリフト終点。

 子どもが手をかけている立て札には「最難関コース。初・中級者の方はご遠慮ください。コースが狭く、絶壁斜面連続の非常に難易度の高いアドベンチャーコースです。」と書いてある。

 左後方の立て札には、コース外滑走の禁止について書かれてある。コース外を滑走して事故が起きた場合、責任は取らないこと。救出などの費用は全額請求すること。コース外滑走を発見した場合には、リフト券を没収し、退場させること。このような内容である。
 このゲレンデには林間の難コースがありますが、雪の多い時期にしか開きません。ですから、《幻の》コースと言ってもいいくらいです。そのコースが、とりわけ斜度からすれば超難関コースと思われるところが、シーズン始めにもかかわらずオープンしたのです。子どもはホームページでそれを知り、初滑りはそのコースの攻略にしたい、と言い出しました。そういうわけで、12月29日は瑞穂ハイランドで遊びました。

 このゲレンデは尾根筋エリア(ハイランド・サイド)と谷筋エリア(バレー・サイド)に分かれています。林間コースは、谷筋エリアにあります。チェリートゥリー、ディア、ゼルコバと名づけられた3コースです。そのうちで、チェリートゥリーと、それから派生するディアがとくに難コースです。入口には警告の札が立ててあります。チェリートゥリーといっても桜並木があるわけではありません。針葉樹の中を走る狭い急斜面です。最大傾斜は35度、平均傾斜は18度。このコースは子どもはすでに《制覇》しています。しかし、ディアは一度も滑ったことはありませんでした。

 ディア(鹿)と聞けば、鵯越[ひよどりごえ]の逆落としを連想します。鹿が鵯越の断崖を駆け下りると聞いた義経が馬で駆け下りた、というあの故事です。ディアの最大傾斜は38度、平均傾斜は34度です。その斜度を聞いただけで、私などは震え上がってしまいます。広いコースならまだしも、狭い林間コースですから、真っ逆さまに落ちるしかありません。

 一回目は一緒にスタートしました。分岐で子どもはディアに向かいましたが、私は躊躇した末、チェリートゥリーを選びました。一度滑ったことがありますが、ともかく難渋しました。今回もスキーなのに、横滑りを多用してしのぎました。あっ、言い忘れました。子どもは今回はスノーボードです。

 前回は子どもが先導していたのと、滑り跡がはっきりしていたのとで、コースを間違いなく辿れましたが、今回は私一人です。しかも、滑り跡が消えているところもありました。コースの目印であるロープも張ってありません。(私には見えなかっただけのことかもしれませいが。)尾根筋を辿るようにしたのですが、いつのまにかコースを外れてしまいました。遭難! とまでは慌てませんでしたが、やばいことになったとは思いました。深雪の林間を、滑るというより歩きながら降りていくと、向こうにリフトが見えました。そこで自分の位置が確認できて、なんとかコースに戻ることができました。コースを滑り下りたときは汗びっしょり。帽子を脱ぎ、ネックウォーマーは外し、ジャケットを脱いでしばし冷気にあたりました。

 ディアを滑り降りた子どもはといえば、ディアは面白くはなかった、との感想でした。斜度はあるが、単調だったそうです。それでも、数人のスノーボーダーはボードを外して歩いて下っていたそうですから、やはり《鵯越》です。

滑れるんですか?
 この難コースの閉鎖時間は15時。午後の休憩後、分かれて別々に滑り、15時過ぎに待ち合わせのリフト乗り場で子どもと合流しました。チェリートゥリーを滑り降りてきた、とのことでした。ついで不満げにコースに入るときの出来事を話しました。コースに入ろうとしたのは閉鎖直前の時間だったようです。すると入口にパトロールの人がいて、入ろうとする子どもを遮るようにして「滑るんですか?」と訊いてきました。「はい」と答えて、再度入ろうとすると、その人はまたしても遮るようにして「滑るんですか? [いや]滑れるんですか?」と訊きながら足元をじろじろ見ました。子どものボードと靴はレンタルです。子どもは、靴とボードを見てパトロールの人は初心者と疑ったのだな、と推測しました。「滑れます。今日も何度か滑りました。」と答えると、「じゃ、行ってください」とやっと通してくれたそうです。子どもの推測があたっているかどうかは分かりませんが、ありうることだとは思います。パトロールの人としては、力量のない人間が滑降して事故が起きては困りますから。

 子どもは自分を上級レヴェルのスノーボーダーと評価しているので、この出来事で、自尊心を傷つけられたようです。帰りの車で、自分のボードが欲しい、と言ったのもそんな理由からだと思います。

 今シーズンで4シーズン目の SkiAgain です。さあ、どんな雪遊びになるか。
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