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村便り

村便り:2012-03-08(木) (ジャガイモを伏せる)
投稿日:2012-03-09(金)
芽出し(畑):ジャガイモ]シーズンはジャガイモの芽出しから始まる 私の農耕のシーズンは、たいていジャガイモを(芽出しのため)伏せる...

芽出し(畑)ジャガイモ]

シーズンはジャガイモの芽出しから始まる
 私の農耕のシーズンは、たいていジャガイモを(芽出しのため)伏せることから始まる。去年は3月9日にこの作業をしている。ジャガイモは直植えもできるが、ひとつは、畝を作る時間をかせぐため、またひとつは、霜対策のため、私は伏せている。

 週末は土曜日、日曜日ともプライベートな予定があり、また、月曜日は時間に拘束される業務が入っているので、今日、作業をすることにした。朝、種芋を切り分け、昼間、切り口を乾かしておいてから、夕方、伏せた。


(クリックで画像の拡大)
(毎年、同様の画像ですが…)

切ったジャガイモの種を乾かす。
 私は種芋を50gに切り分ける。また、小さい芋は切り分けないが、片隅を切り落とす。芋は傷つけられることで、発芽へのきっかけをつかむようである。生き物は逆境におかれると次世代を残そうとする力が強くなる、ということだろうか。
 

(クリックで画像の拡大)
ジャガイモを伏せる。
 土を被せた上に、防寒、防霜のために藁で覆う。
 

(クリックで画像の拡大)
藁で覆ったところ。
浴光催芽
 百姓を始めたころ、栽培技術を知るために本とか雑誌とかをよく読んでいた。そのなかに、ジャガイモの植え付けについて「浴光催芽」というやり方を書いたものがあった。植え付け前に数日、日光にあてると、強くて太い芽が出る、というものである。日光にあてるのは、切り分ける前か後かは、本文には書いてなかったが、イラストには、切り分けた種芋を太陽にあてている様子が描いてあった。秋ジャガでその方法を試したことがある。切り分けてから数日、太陽にあてた。夏の日差しは強い。種芋は切り口から水分を奪われ、干からびてしまった。その種を伏せはしたが、腐ってしまった。

 推測するに、本の筆者は、まるのまま日にあてていたが、イラストレーターは、切ってあてた、と解釈してイラストを描いたのであろう。泥縄式に農作業を進めるのが私の常なので、種芋をゆっくりと日光浴させる余裕がない。試したのは、失敗したその夏だけである。だから、浴光催芽に効果があるかどうかは、私には確言できない。

品種 考
 伏せた品種は、メークイン、男爵(以上、購入種)、roseval系、普賢丸、デジマ、ニシユタカ(以上、自家採種)。

 ここ数年は春と秋の二回、ジャガイモを作ることにしている。普賢丸、デジマ、ニシユタカは春秋兼用種。普賢丸は甘みがある、デジマはおいしい。この二つはわが家ではレギュラー的品種。しかしニシユタカはいまひとつ味がつかめていない。(ニシユタカはデジマを父として開発された品種、とのことである。)

 roseval系(rosevalを母として開発された品種なので、私はそう名づけているが、「シェリー」が登録品種名である)は何年も作ってきた。ところが、この冬、わが家のシェフが、rosevalはおしいくない、味がない、と不満をもらした。味がない(淡白な)のが、rosevalの味だ、と私は思いつきで反論したが、すこし考えてしまった。インターネットで調べると、食味は「上」と書いてある。すると、roseval系は自家採種で作っているので、そのせいで品質が変化したのか? あるいは、長期保存する(収穫期は七月である)と味が落ちる質なのか? 今年は収穫直後の味を確かめてみようと思う。ただ、インターネットの情報で気になるものがあった。この品種はフランスで開発されたものだが、その用途はでんぷん原料、というものである。そもそも食用に開発されたのではない品種ということである。それを、日本では、皮の色、形態、原産国を売りにして、食用として販売している。もしかしたら、このあたりに、わが家のシェフの不満の根拠があるかもしれない。

 さあ、シーズンに向けて、ようそろ!
コメント
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