てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2010-12-31(金) (年越し蕎麦)
投稿日:2010-12-31(金)
 今年の年越し蕎麦は「野呂在来」の粉を使って打った。我が家でも今年も蕎麦(「階上早生」)は作った。脱穀して箕で大まかにゴミを除くと...

 今年の年越し蕎麦は「野呂在来」の粉を使って打った。我が家でも今年も蕎麦(「階上早生」)は作った。脱穀して箕で大まかにゴミを除くところまでやったが、粉にするまではまだ作業工程が残っていた。そんなときに千葉のムーさんから蕎麦粉を送っていただいたので、年越し蕎麦にはそれを使うことにした。ちなみに「野呂在来」は千葉の在来種。

年越し蕎麦
(クリックで画像の拡大)
年越し蕎麦
 蕎麦打ちは我が家のシェフにまかせてあるので、私は食べるだけ。口に含むとほのかな蕎麦のかおりがした。野性味を主張するようなかおりではなく、ひかえめであるが、みがかれたかおりである。雑味がそぎ落とされている、とも言える。

 シェフは、茶蕎麦みたいだ、と言った。粉が緑色がかっているからである。新蕎麦は未熟な実がまだ緑色を保っているので、碾くと粉にその緑色が残る。おそらくはそのせいだろう、と私は推測してこたえた。

 細く裁断されているせいもあろうが、喉越しもいい。さぼりがちだった今年の「てつ人の雑記帳」はこの《新打ち》登場で幕。

 今年のご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

(2011-01-03(月)投稿)
コメント
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てつ人 ( 2011/01/05 06:48 PM )
 
「野呂在来」は《伝統芸能保存会》みたいな組織で守っているのですね。そうでもしないと消滅してしまうかもしれない、ということを考えると、仕方ないことなのかもしれません。でも今のような状態では、生活の中で生きている《伝統》ではないような気もします…むずかしいですね。
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ムー ( 2011/01/04 10:48 PM )
 
「原種」の保存と栽培は「野呂在来普及協議会」が責任を持っております。
指定農家さんに委託栽培して選別後会員に播種用種として毎年頒布します。
自家採種は「野呂在来」として認定されません。
「野呂在来」を栽培しようとする時は、「普及協議会」に入会し年会費(個人3000円、団体5000円)を払い、毎年耕作場所耕作面積を申請し、播種用種を購入します(600円/1kg)。
花が咲く次期に、「普及協議会」役員が各圃場を巡回して作付け状況を確認します。
結構厳密にやっていますが、コレでは職業的農家はやっていけません。
退会する会員も出てきました。
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てつ人 ( 2011/01/04 04:39 PM )
 
種取りはどうしているのですか。個々の栽培者が自家採種しているのでしょうか。そうであれば、蕎麦の場合、性質上、混種が容易に起きるそうで、純系を保つのは大変そうですね。

僕が栽培している品種はこの辺りの在来種ではないのですが(そもそも蕎麦の在来種はないかと思います)、年々採種していき、そのうち「てつがく村」の在来種に育て上げようと思っていたりしています。でも、今年は近くの休耕田で別の蕎麦が作られた(米の戸別保障の実績づくりのためかと推測しています)ため、交雑した可能性があります。

在来種はその土地の文化、伝統だと思います。全国どこでも四倍体の信濃大ソバじゃ面白くありませんし、美味しくありません。全国どこに行っても同じ風景じゃ味気ないように(でも、風景はそうなりつつあります)。「野呂在来」が生き残るように応援します。(といっても、実質何もしないので、[喋るのと食べるのと両方の]口だけですが。)
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ムー ( 2011/01/03 11:15 PM )
 
「野呂在来」が広島で年越し蕎麦になりましたか。
光栄です。
全国的にはまだまだ、千葉でも未だ認知度は低いけど美味しいと「日光そば祭り」で美味しいと評判をとりました。
今後も細々とでも残していきたい在来種です。
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