村便り:2009-10-29(木) (稲刈り)
投稿日:2009-11-28(土)
今年は、平日は休暇をとり、10月29日(木)、10月30日(金)、10月31日(土)、11月2日(月)、11月5日(金)の五日を使ってウルチの稲刈りをした。平年に比べ...
今年は、平日は休暇をとり、10月29日(木)、10月30日(金)、10月31日(土)、11月2日(月)、11月5日(金)の五日を使ってウルチの稲刈りをした。平年に比べて遅い稲刈りである。11月に入ってから稲刈りをしたのは初めてである。そのわけは、まず田植えが遅かった(6月6日)こと、ついで、なかなか梅雨が明けず、夏の日照時間が少なかったこと、さらに、熟期がどんどん日の短くなる時期にさしかかったので熟するスピードが落ちたこと、と考えている。
いくつかエピソードを記しておく。
磁石になった稲架
援農(?)
11月1日(日)は弟家族が手伝いに来た。弟の奥さんと、娘の二人である。昼頃から降雨の予報なので、せっかくの手伝いだが、稲刈りはやらなかった。稲を刈っても、稲架掛けの時になって雨が降ってきそうだからである。その代わりイモ掘りをした。サツマイモは二人にまかせた。品種は鳴門金時(たぶん)なので、皮が鮮やかな深紅である。二人にはその鮮やかさは印象的だったようである。ついで、里芋を掘りに休耕田に行った。4株掘ったが、私は少し驚いたのだが、彼女たちが掘り出したままの里芋の姿を初めて知った、ということであった。昼間、弟の娘が作った昼食を一緒に食べていると、はたして雨になった。
稲架足が折れる
11月2日(月)の朝、稲架がひとつ傾いていた。稲架杭(稲架足)が二本折れていたのである。杭にはいろいろな木が使ってある。そのなかでも松が折れやすいようである。折れるのは内部を虫が食いもろくなったため。折れにくい、すなわち虫の入りにくい木もある。杉とかねじり木がそうである。杭の状態を確かめてみるためには、杭を地面に打ちつける。もろい杭は折れてしまうか、グキッといった音を立てる。そのような音を立てた杭は今度は強く打ちつけると折れてしまう。私自身は杭にするため山に木を伐りにいったことはない。だから杭はずいぶん年数が立っている。そのうち杭が足りなくなってしまうのではないか、と心配している。今は金属製(鉄製ないしアルミ製)の杭がある。それを購入するか、自分で木を伐りにいくか、あるいは、他家で使わなくなった杭を譲ってもらうか、そんなことを考えている。
稲架は傾いていたが、まず稲を刈ってからにしようと思い、昼前まで稲刈りを行った。昼前である。近所の田んぼで脱穀後の作業をしていた人が、解体した稲架のナル(稲架の横木)の竹を携え、どうして稲架を起さんのんない、と言いながらやってきた。その人はナルが折れたため傾いた、と思っていたようである。それで自分の家のナルをもってきたのである。ナルではなく足が折れた、と説明すると、そうか、と返事し、稲架をなおすのを手伝うから、代わりの足をとって来い、と言って、傾いた稲架から稲を下ろし始めた。私は、屋敷まで帰り、杭をもってきて、その人に手伝ってもらいながら稲架を掛けなおした。
その人は杭を藁縄で結びながら、「わしゃビニール紐を使う。[藁縄と違い]ギュッと締まる」と説明した。私もビニール紐の方が扱いやすいのは知っている。しかし、あえて藁縄を使っている。生産過程に、その過程に異質なものを、できるだけ持ち込みたくないからである。ビニール紐の助言はだから、聞き流したが、杭の縛り方、杭の立て方に関しては学ぶことがあった。
虹
この日は、前日の雨のあと寒気が入り、しかも風の強い日だった。まさしく冬の天気であり、今年の稲刈りの遅れを肌で感じた一日であった。夕方、太陽が低くなったころ、仕事の最中、ふと北西の方向を見ると虹がかかっていた。地上から高い空に向かって、虹は弧を描きながら伸びていた。束の間、虹は消えた。その束の間にその方向へ目を向ける。偶然以外のなにものでもない。あるいは、虹が呼んだのかもしれない。夏の間、大気にのぼっていた水が次第に冷えて地面に降りてくる季節に、それに逆らうかのように、地面から天空にのぼる己の姿を見せるために。
遅い稲刈りはともかく済んだ。これからは気温が下がり、晴れがなかなか続かない。籾が乾きにくく、脱穀は遅れるだろう。
いくつかエピソードを記しておく。
磁石になった稲架
援農(?)
(クリックで画像の拡大) サツマイモの品種は鳴門金時だと思う。最初は苗を購入したが、以降は自家育苗しているので、品種名の記憶が定かでない。 |
稲架足が折れる
(クリックで画像の拡大) 倒れた稲架。 |
稲架は傾いていたが、まず稲を刈ってからにしようと思い、昼前まで稲刈りを行った。昼前である。近所の田んぼで脱穀後の作業をしていた人が、解体した稲架のナル(稲架の横木)の竹を携え、どうして稲架を起さんのんない、と言いながらやってきた。その人はナルが折れたため傾いた、と思っていたようである。それで自分の家のナルをもってきたのである。ナルではなく足が折れた、と説明すると、そうか、と返事し、稲架をなおすのを手伝うから、代わりの足をとって来い、と言って、傾いた稲架から稲を下ろし始めた。私は、屋敷まで帰り、杭をもってきて、その人に手伝ってもらいながら稲架を掛けなおした。
その人は杭を藁縄で結びながら、「わしゃビニール紐を使う。[藁縄と違い]ギュッと締まる」と説明した。私もビニール紐の方が扱いやすいのは知っている。しかし、あえて藁縄を使っている。生産過程に、その過程に異質なものを、できるだけ持ち込みたくないからである。ビニール紐の助言はだから、聞き流したが、杭の縛り方、杭の立て方に関しては学ぶことがあった。
虹
(クリックで画像の拡大) 虹。 11月2日、16時50分。 |
遅い稲刈りはともかく済んだ。これからは気温が下がり、晴れがなかなか続かない。籾が乾きにくく、脱穀は遅れるだろう。