てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2007-07-17(火) (シカク豆の定植)
投稿日:2007-07-19(木)
今学期、最後の授業 今日は今学期最後の日。昼前の一般教養科目の授業(哲学)が私にとっての締めくくり。学期中は通常、授業のない午後は...

今学期、最後の授業
 今日は今学期最後の日。昼前の一般教養科目の授業(哲学)が私にとっての締めくくり。学期中は通常、授業のない午後は水曜日や木曜日の授業の準備をするが、今日はその必要はない。夕方は早めに学校を出て、畑でシカクマメの定植などをすることにした。シカクマメは自宅のベランダで育苗していた。

キジ
 屋敷に着くと、まずキジの巣を確認。親鳥はまだ卵を抱いている様子。古椅子の屋根の下で相変わらず不動の姿勢で坐っていた。

自然畝へのシカクマメの定植
定植したシカクマメ
(クリックで画像の拡大)
 自然畝に定植したシカクマメ。
 シカクマメの栽培は今年で二回目である。「村便り」のコメンテーターの一人であるmoo(ムー)さんのブログで見て、夏野菜として利用できるかな、と考えてからである。
 野菜に関する本をめくっていて、たまたまシカクマメの記述に出会った。その記述によれば、シカクマメは熱帯・亜熱帯が原産で、典型的な短日植物。高温と短日を要求するので、高温であれば長日、短日であれば低温という日本では栽培できないマメだったそうだ。ところが日長に鈍感な品種が育成された結果、現在では夏秋野菜として栽培されるようになった。
 我が家では、炒めたり揚げたりして食べる。
ウロ二種
(クリックで画像の拡大)
 蔓性のマメは巻きつき型(インゲン、シカクマメなど)とよじ登り型(エンドウ)がある。巻きつき型は支柱に巻きつきながら上に伸びる。だから、シカクマメの定植の写真をみていただければ分かるように、マメのすぐ横に支柱を立ててやる。
 巻きつき型のマメは、私は二種類のウロの立て方で対応する。ひとつは角錐型のウロ、もうひとつは合掌型のウロである。角錐型の方が、支柱が少なくてすむ。どちらの型でも支柱としての働きには変わりがない。
 写真の手前が角錐型のウロ。作物は丸莢インゲン(いわゆるつゆ豆で、品種は黒種衣笠)。向こうが合掌型のウロ。作物は平莢インゲン(品種はモロッコ豆)。つゆ豆は収穫の最中。モロッコ豆は8月半ばから収穫の予定。
キュウリのウロ
(クリックで画像の拡大)
 よじ登り型の蔓性作物は、合掌型で対応する。写真は、定植して間もないキュウリ。よじ登り型の場合は、作物の横に支柱を立てる必要はない。支柱に巻きつかないで、ヒゲ状の〈手〉を絡みつけながら、よじ登る。だから、ヒゲが摑む手がかりがいる。キュウリネットとして売られているのものが、手がかりのひとつである。私は、孟宗竹の枝を立てる。
 後ろに見えるのは、やはりよじ登り型の野菜であるニガウリ。
 シカクマメは自然畝に定植する予定だが、その前にまず〈畑づくり〉をしなければいけない。自然畝は作物がないときは、草が繁るがままにしてある。その草を植え付けに必要な面積分だけ刈り敷く(抜き取るのではなく、根元から刈り取り、根は地中に残しておく)。畝は自然農法を始めて3、4年にもなると表面が枯れ草で覆われて、土は露出しなくなる。経験的には、これが自然畝の〈熟し〉た状態である。

 ついでエンドウのウロ[支柱]を解体する。解体しないことには、シカクマメにウロを立てようにも、支柱の数が足りないからである。エンドウはとっくにあがっている(収穫期は5月下旬から6月上旬)が、ウロはそのまま放ってあった。エンドウの蔓は枯れ、今は注意しないとそれとは認められないくらいにしぼんでいる。このように、差し迫った必要に追い立てられなければ、前作の後片付けをしない、というのが、私の、いわば強いられた流儀。

 シカクマメは発芽率があまりよくない。種袋には発芽率は75%以上、と記してあるが、私の二回の経験では、ポット育苗で6割程度である。1ポットにつき3粒まいたが、3粒全部が発芽したポットはなかった。

 スコップ(移植コテ)で畝に穴を掘る。二日前の台風通過で土がまだ湿っているので、穴にそのままポットの中身を入れる(乾いている時には、まず穴一杯に水を入れて周囲の土を湿らす)。土を保持するくらいには根はポットの中で回っておらず、根鉢が崩れるものもあったが、活着には影響ないだろう。苗を土に落ち着かせてやったあとで、桶に入れて担いできた水をヒシャクで周りにたっぷりと撒く。支柱を合掌型に立ててやり、定植終了。

抱卵中の雌キジとつがいの雄キジ?
 ウロを解体した元エンドウ畝を後片付けしていたときである。草の陰(といっても畑の中であるが)からキジの雄が出てきた。おや、あの雌キジの連れ合いかな、と見ているとと、キジはすぐに逃げて行った。私はキジのつがいの習性は知らない。卵を抱いている雌に雄が餌を運んで来るのだろうか。雌の立場に立てば、卵をあたためながら、自分で餌を探すのは、両立しがたい作業である。雄が雌に協力したとしても不思議はない。キジを見たのは裏の畑[畑は屋敷周りにあり、屋敷を起点に、〈前の畑〉、〈横の畑〉、〈裏の畑〉と呼んでいる]]であり、巣との距離も指呼の間である(むろん、キジは指呼などしないが)。だからこの雄があの巣の雌と卵と関係ある、と考えたのである。
コメント
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てつ人 ( 2007/07/27 01:10 PM )
 
 「錦豆」は、本に写真が載っていました。どこかで見たことがあるような、ないような…でも、この辺りで見たことはありません。もし種が手に入ればうれしいですね。

 自然農法では除草はしませんが、多年草は見つけ次第、根から引っこ抜いた方がいいです。ヨモギ、チガヤ、セイタカアワダチソウなどは、地上部を切り取っただけでは消えず、そのうち畝に居すわります。ヨモギとチガヤに畝の一部を占有され、掘り返して根をのぞいた経験があります。
 タンポポははじめはよく生えました。最初は気になり抜いていたのですが、そのうち、生えるがままにしていても問題がないことが分かりました。
 自然農法についてよくご存じかもしれませんが、僕の経験も参考になるかもしれないと思い、書いてみました。

 では、また。
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水の雨子 ( 2007/07/26 10:42 PM )
 
 このインゲン豆は市販にはないので 品種名はわかりません。
日本の在来種野菜の本をみますと 似たものに 錦豆とか、やらず豆がありましたが 微妙に違いがありました。いずれ実物をお送りしますね。
 「自然畝は年を経るにしたがって作物の出来がよくなる」とのこと、今やっとのこと畑の畝が約100センチあたりに全部固定出来た段階で 自然農法の醍醐味は これからですね。では 暑さにおきをつけて。
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てつ人 ( 2007/07/25 04:38 PM )
 
 「秋エンドウとよばれる平さやに赤紫の模様が入るインゲン豆」は初耳です。どんなエンドウか気になります。もし品種名が分かれば教えていただけますか。気候からすれば、この辺りでも作れそうですから。僕はもう少しすると、写真に写っているのと同じもの(黒種衣笠)を蒔こうか、と思っているのですが、季節によって違うインゲンを食べられれば、季節感も味わえます。

 お父さんはそういう病状なのでしょうか。簡単な仕事でも、もういちど畑に復帰できればいいですね。自然農法だっていくらでも仕事はありますから。
 隣接する畑で父と同い年のおばあさん(86か87歳)がいまでも畑仕事をしています。父も生きていれば、そのおばあさんと世間話をしながら畑仕事をしていたでしょう…

 今朝、畑に寄りました。すると今年は初めてのニガウリが二本できていました。長いほうは40cmありました。肥料は、定植した時に株の周りに移植ゴテ一すくいの発酵鶏糞をまいただけですが、よくできます。これから一度くらいは追肥するかもしれません。自然畝は年を経るにしたがって作物の出来がよくなります。ニガウリの畝は自然畝に転換して5年目です。
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水の雨子 ( 2007/07/25 02:56 PM )
 
 シカク豆の定植下草もひけて きれいに終わりましたね。
わたしの美濃の辺りでは 秋エンドウとよばれる平さやに赤紫の模様が入る
インゲン豆を 7月の盆にまきます。自分はまだポット育苗になっていますが 今回は ヤグラ型のみならず角錘型も写真で見たのでつっくてみます。
 ニガ瓜は畑ではなく 父の部屋の西日のあたる窓の下に植えました。見ているとそれはネットにヒゲをからませるとそれをバネの形に変形させて 巧みに蔓を引きよせます。その世話をするのが 父の唯一の畑しごとです。
「もういっぺん畑がやりたいなあ。」と父がいうので「前より良くなってるやないの、苗ぐらい植えれるようになるかもしれんよ。」と励ますと 
「そうかもしれん」とこたえた。
 しかしわたしは 自然農法を始めたのだ。草をむしっては困る、地を耕してはいけないのだ。わたしは心の中で、「そうようならんでもいいよ 年金だけうけっとといて」と答えた。わたしは悪女と化してしまった。
 では またそのうちに。

」 
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