てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2007-06-10(日) (さなぶり!)
投稿日:2007-06-11(月)
 やっと植え継ぎ(補植)が終わった。6月4日(月)に機械での田植えが終わり、6日(水)から植え継ぎを始めた。その日から8日(金)までは早...

 やっと植え継ぎ(補植)が終わった。6月4日(月)に機械での田植えが終わり、6日(水)から植え継ぎを始めた。その日から8日(金)までは早朝とか夕方を利用しての作業であり、9日(土)は全日を、10日(日)は午前と、午後の半分を費やした。

植え継ぎ
(クリックで画像の拡大)
植え継ぎには、苗は小さな籠(写真中央左側)に入れて腰につける。苗はあらかじめ小さく短冊状(籠の手前にひとちぎりが置いてある)にちぎり、根を水で洗っておく。根は育苗土がついていて、そのままでは適量(私は一ヶ所3本を目安に植える)をちぎり離すのに力がいるし、またちぎる本数が分かりにくい。
 田んぼ内部の欠株を補うときは前後左右の株の間隔を見ながら、植える場所を決める。しかし、田んぼの隅で広い範囲にわたって補植するときは「定規」を使う。写真中央右に見える竹竿がそれである。竹竿には、20cm間隔と30cm間隔に印をつけてある。苗は、条間30cm、株間20cmで植えられる(株間は機械により、また設定により、変わりうるが、我が家の機械の場合は20cmである)。「定規」は水に沈むと都合がわるいが、逆に、水に浮いていると風などで流されることもある。そのような場合には、長い棒で作ったクリップで挟み込む。写真の「定規」は両端をクリップで挟んである。
 手植えと違い、機械植えではかならず植え残しが出る。機械が田んぼに出入りする個所と機械が方向転換する隅(田んぼが長方形だとすると、角の四ヶ所)は、植え残しは避けようがない(*)。苗は、根の部分がマット状になった長方形の形に仕立ててある。そのマットの湿り具合、あるいは苗の密度によって、苗を適量マットから掻き取り、その苗を植える金属製の爪がうまく動作しない、すなわち苗を掻きとらない、ことがある。孤立して一ヶ所だけ株が欠けることがあれば、連続して複数株、欠けることもある。さらに、田んぼの土の柔らかさも植え付け状況に影響する。それ以外にも欠株の原因はある。
(*)方向転換する隅に関しては、本によれば、植え残しを少なくするテクニックがあるそうである。
 機械植え二年生の私は、植え付け状況に十分に注意を配るだけの力量も余裕もない。

 一年目の去年は、田植えまでに機械の説明書や機械操作に関する市販の本を読み「予習」しておくつもりであったが、田植え準備に終われ、結局はぶっつけ本番になった。田植え当日は、JA農機センターの若い所員が来てくれた。まず、軽トラックへの田植機の積み込みと積み下ろしを説明しながらやってくれた。田んぼに着き、段差のある田んぼへ私がおそるおそる田植機を入れると、その所員は操作の説明をしてから、少しだけ実演してくれた。狭い田んぼを一枚植え終わるまで、所員は見守ってくれたが、あとは「一人旅」。フランスでは自動車教習所に入ると、仮免許なしに初っぱなから路上教習らしいが、まさにそれであった。無我夢中で田植えを終え、作業に関する簡単なメモを残しておいた。

 田植機は一年に一回しか使わない。だから、去年の記憶は薄れてしまい、今年もまっさらの初心者マーク状態。こんな私が植えるのだから、植え残しが多く、植え継ぎにも時間がかかった。今年が去年と違うのは、植え残しの原因を考えるだけの素地が、一回とは言え去年の経験から、できていたこと。したがって、機械操作の改善点に関して、去年よりはるかに多くのメモができたこと。私の鈍さのゆえかもしれないが、農作業は三年くらい経験しないとなかなかうまくならない。畦塗りも人に見られても恥ずかしくない程度にできるようになったのは三年目だった。来年は欠株を大幅に減少します!

 今日はさなぶり。やっとさなぶり[早苗饗 ― 田植えを終えた祝い]。気持ちが晴々し、茹でた赤ソラマメをつまみに飲む晩酌が格別に旨かった。
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