てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2006-12-16(黒豆を叩く)
投稿日:2006-12-19(火)
 農耕のシーズン中は早起きするが、冬になると朝はなかなか布団から出る気がしない。少しでも暖かい布団の中にもぐっていたい。それでも急...

 農耕のシーズン中は早起きするが、冬になると朝はなかなか布団から出る気がしない。少しでも暖かい布団の中にもぐっていたい。それでも急ぎの農作業があれば起きざるをえないが、冬になれば、そんな仕事は少なくなる。また、平日、とくに授業のある火曜日から木曜日までは、暗いうちに(といっても6時半頃だが)家を出るので、朝寝坊のできる日は睡眠不足の解消をしたい。そんな理由で、このごろは週末に朝寝坊することが多くなった。

 冬の朝寝坊は自然の節理にかなっている、と勝手に理屈をつけてみる。年がら年中、睡眠時間を削って働いては身体が壊れる。冬眠をする動物のように、人間も《冬眠》すべきである(というのが、若いころからの自説である)。秋の終わりにたらふく食べて脂肪をつけ、冬は暖かい巣穴で過ごす。巣穴はともかく、私の場合、たしかに脂肪がつく。夏の間は腹をつまむと皮膚しかつまめないが、冬になると脂肪の層を感じることができる。すると、自分の身体はちゃんと四季の風土に棲息する動物をやっているな、と変に感心する。

黒豆を叩く(クリックで画像の拡大) 写真中央から少し右上よりのところにある腰掛け状のものに、こちら向きに腰掛けて、黒豆を叩いた。まず、木槌で一株の鞘全体を叩く。すると鞘は口を開けて、中から豆が出始める。さらに「まとり」(Y字状の木製の道具。写真では2本見える。)で叩く。
 以前は、木槌だけで叩いていた。しかし、青森の方に「まとり」を送っていただいてからは、それも使っている。木槌は重量があるのでざっと鞘を崩すには便利である。しかし、場所を限定して叩くといった細かい作業ができない。そこで次に「まとり」を使って豆を叩き出す。

 青森の方は、豆を叩くにも「まとり」を使う、と説明していたが、きっと重量のない「まとり」だけでは力が必要であろう。木槌と「まとり」を組み合わせることによって、より効率的に豆叩きができるように思う。ちなみに「まとり」は蕎麦を叩いている写真を見て欲しくなり、青森の方から送っていただいた。村ではこのような道具は見たことがない。
 …そんなわけで、畑に着いたのは10時半だった。今日のメインは黒豆(黒大豆)を叩く[叩いて豆を鞘から出す]こと。

 一カ月前に黒豆は抜いて稲架掛けした。それから晴天が続いて鞘が乾き、叩くのに好適な時期が12月始めにあった。しかし私は、急ぎの仕事が別にあり、その時期を逸した。それからは雨の日が断続的に続くようになった。去年の黒豆は年が明けてから叩いたが、今年もぐずぐずしていては、去年の二の舞になりそうな雲行きになった。先週末、雨が続きそうな週間予報だったので、黒豆の稲架にビニール・シートを被せた。昨日、金曜日は一日晴天。そこで朝、シートを外し豆を太陽に当てた。今日は「晴れ、時々曇り」の予報だが、夜は雨になるらしい。他の仕事を考えると、黒豆を年内に叩くとしたら、今日がラストチャンス。鞘は乾ききってはいなかったが、決行することにした。

 実際の天候は「曇り、ときに晴れ間」。シートを広げて、そこで黒豆を叩いたが、日が射さない上に風があった。それでも身体を動かしていると、寒くてこごえる、というほどではなかった。11時半からはじめて、昼食休みを挟んで、夕方5時まで作業をした。途中、二人がやってきて雑談したから、実質的な作業時間は4時間ほどであろうか。暗くなるころにやっと片づけを終わった。

 黒豆は、さらにゴミを除いて選別すると、利用可能な状態になる。
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