てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2006-10-02(レンゲ)
投稿日:2006-10-04(水)
久しぶりにレンゲの種蒔きをした。来年の晩春から初夏にかけて、休耕田はレンゲの花盛りになるはずである。

 私が小さいころは、レンゲの咲く田んぼは普通の風景であった。しかし今では珍しい。
 稲作の近代化により、田植えは手植えから機械植えになった。すると、機械植えでは幼苗を使うので、少なくとも20日田植えが早まる。実際には1カ月は早くなっている。だから、たとえレンゲが育っていたとしても、花が咲く前に荒起こしで鋤きこんでしまわねばならぬ。
 また、牛耕から機械耕になると、稲刈り後、年内に一回耕起するのが普通になった。冬の間また耕起する人もいる。すると、たとえレンゲが発芽していても育たない。
 それにそもそもレンゲのように、扱いに手間がかかる緑肥を使わなくても、肥料は、有機肥料でも化学肥料でも簡単に買える。
 そのような理由でレンゲの風景は珍しくなった。

レンゲの種
(クリックで画像の拡大)
レンゲの種。レンゲの種は硬くて小さい。
稲刈り前の田んぼ
(クリックで画像の拡大)
早朝、空にはまだ昨日の雨の名残があった。
 今年は田んぼにレンゲの種を蒔いた。一日雨の降り続いた日曜日の翌日である今朝である。
 レンゲは何年かぶりである。以前は、翌年休耕する予定の田んぼに花を楽しもうと蒔いた。稲刈りは委託していた。コンバインでの稲刈りなので、同時に切り藁が田んぼ全面に散布される。すると稲刈り前に蒔いておいたレンゲは、藁に邪魔されて発芽が悪くなる。このことを知らず、失敗したことがあった。発芽率を高めるためには、わざわざ藁を取り除いてやらない。だから、レンゲを二、三回蒔いた後やめた。しかし、今年からは自分でバインダーを使って稲刈りをする。藁は脱穀した後、カッターで切る。だから、田んぼに切り藁を撒かないこともできる。そこでレンゲを蒔こうと思い立った。
 レンゲは田んぼの水を落とした後、稲がまだ立っているところに蒔く。朝はまだ前日の雨のため、稲は濡れていた。そこで下半身にカッパをつけて田んぼに入り、稲の上にふりまいた。こうすれば、種が落ちた地面は湿り気が保たれているので、稲刈りのころにはもう発芽が始まっている。

 今回は2枚の田んぼに蒔いた。1枚は、レンゲを緑肥として使う実験のため、来年休耕予定のもう1枚は、花を咲かせて楽しむため。田んぼの広さは共に3畝(300m2)で、種は各々1kg使った。

 緑肥にするとは、すなわち、有機的栽培の試みである(有機《的》とニュアンスをつけて書いたのは、穂肥[出穂約二週間前に施す追肥]には化学肥料を使うため)。ところが、レンゲの種の生産地は中国。私の考える有機栽培の意義によれば、、輸入種は矛盾である。皮肉の種を蒔き終わると、職場に向かった。
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