てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2006-09-18(台風13号通過後)
投稿日:2006-09-19(火)
台風18号通過後の田んぼと畑

 台風13号が、17日から18日にかけての夜半に最接近しながら日本海に抜けていった。深夜、間歇的に聞こえてくる凄まじい風の音で何度も目が覚めた。雨も同時に降っていたはずであるが、コンクリート製のアパートに住んでいる私の耳には雨の音は届いてこない(ふだん雨の気配は、アパートの前を走る車のタイヤ音から聞き取っている)。台風が通過する間、私は堅固に守られた空間で夜を過ごしていたが、同時に畑や田んぼが気になっていた。
 台風13号は、強い勢力と西側を通過するコースとから二年前の台風18号を思い出させた。その時は南からの強風で大きな被害が出た。村の主要道ではコンクリート製の電柱が数本傾いた。わが家では、小屋が吹き飛び、一段低い畑に落ちて崩れた。畑では、まだ若い柚子の木は倒れて根の一部が露出し、屋敷では、彼岸桜が大きく傾いた。(柚子の木は元気になったが、彼岸桜はこの夏に枯れてしまった。)

北に傾いた稲
(クリックで画像の拡大)
北向きに傾いた稲。その下は休耕田で、里芋と黒豆とソバを栽培している。

ソバ
(クリックで画像の拡大)
総倒れのソバ
 朝起きて、外を見ると、アパートの前に立っている大木の、太い枝が折れていた。私は朝食を済ますと、車で村に向かった。

 まず田んぼを見まわった。実りはじめた稲は、北向きに大きく傾いている箇所もあったが、おおむね強風に持ちこたえていた。ただ、ヒエを刈り残していたところは、稲よりも背丈が高く、しかも脆弱な茎のヒエが倒れ、稲を巻き添えにしていた。(台風対策という意味でも、ヒエはきちんと取り除いておかなければいけない、ということなのだろう。今後の教訓としよう。)
 休耕田で栽培しているソバは、さすがに全部が北向きに倒されていた。しかし、いまは生育の途上にあるので、姿勢を立て直しながら成長をつづけるであろう。

 屋敷周りの畑は、キャベツ類(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ)を覆っていた防虫ネットがはがれているところがあった。8月終わりに定植したので、まだ葉数も少なく背丈も低い。ネットが覆われたままであれば、強風の影響は緩和されるが、ネットがはがされると、強風に直接さらされる。実際、茎が強い力で引き回されて根元にすり鉢状に隙間があき、葉が萎れているものもあった。そのようなものは根元に土を寄せてやったが、どこまで勢いを取り戻すだろうか。

 ともあれ、私がコンクリートの壁のなかで眠っていた間、田んぼと畑では生き物たちが暴風雨に懸命に耐えていたのである。耐えながら命を燃え上がらせていたのである。
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