てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2008-07-29(火) (ため池の水を抜く)
投稿日:2008-08-08(金)
 昨夕、6時半、井手(*)の関係者がため池の堤防に集まり、渇水対策について話し合った。7月に入ってから雨らしい雨がなく、井手の水が細くなっ...

 昨夕、6時半、井手(*)の関係者がため池の堤防に集まり、渇水対策について話し合った。7月に入ってから雨らしい雨がなく、井手の水が細くなって、田んぼが乾いてきた。田んぼによっては、土の表面が白くなるほど乾いている。ため池の水を抜いて当面の渇水をしのごうか、という相談だった。
(*)わが家が関係している3本の井手のうち小川の上流を水源とする井手。この井手にはため池がひとつある。

 井手頭によれば、ため池の水を抜くのは6年ぶりとのことであった。私には、去年、一昨年は水の心配がなかった記憶はあるが、それ以前になるとはっきりしない。6年前は12回水を抜いた、と井手頭は説明した。さて、どうしようか、と井手頭は集まった人たちに質問した。しばしの沈黙のあと、私が口を開き、穂肥[出穂20日ほど前に施す]をまきたいから水がほしい、と言った。誰にしても水を抜くことには逡巡はなかったはずであり、私の発言がなくても結局は水を抜くことになったはずである。私の発言で直ちに井手頭は明朝、5時半から水を抜くことを決めた。

 集まったのは7人である。私が百姓を始めた12年前は、このような集まりに来るのは、12人であった。12年の間に、耕作を休止したりやめたりした家が5軒あった、ということである。ほとんどは、それまで耕作していた人が年老いたり死んだりして、後継者がなかったり、次世代が農業に携わらなかったり、あるいは、できなかったりする場合である。こうした事情は、たぶん日本の中山間地の農業の現状を反映している。

 水の配分に関しては、昔は各家から《水番》を出して管理したこともあったが、いまは7軒の田んぼであるから大まかである。ため池に近い田んぼから順番に水を入れて、田んぼ全体に水が行きわたったら、次の田んぼに入れる、というやり方である。



大町に入る水
(クリックで画像の拡大)
 わが家の一番上の田んぼに入る水。
 わが家の田んぼは、7軒の田んぼのうち、下から二番目である。だから、5時半に水を抜いたとしても、わが家の番になるのは昼頃にはなる。昨夕、相談のあと、あて口[田んぼへの取水口]は水が入るようにしておいたので、今朝はゆっくりと村にやってきた。

 わが家の田んぼへは12時半ごろから水があたり[入り]はじめ、5枚の田んぼに約三時間で水が行きわたった。(最後の家の田んぼにまで水が入ったのは19時半だった、という話を翌日聞いた。)

 これからは、井手の水はため池に入れて貯水するため、田んぼ地帯を走る水路部分には水は流れなくなる。今度は4日後にため池の水を抜く。
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