てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2008-03-01(土) (三つ鍬、見つけた!)
投稿日:2008-03-03(月)
(クリックで画像の拡大) 三つ鍬は横手(画像の上から下に流れている水路)を浚うとき使った。浚い終わって、右手の田んぼに置いたまま忘れた...

見つかった三つ鍬
(クリックで画像の拡大)
 三つ鍬は横手(画像の上から下に流れている水路)を浚うとき使った。浚い終わって、右手の田んぼに置いたまま忘れた。一カ月以上野ざらしになっていたことになるが、土に埋もれていた鍬先がすこし錆びていただけであった。
荒起こし
(クリックで画像の拡大)
 変形田はトラクターを走らせるのに工夫がいるうえに効率が悪い。この細長い田んぼは約7畝で、手前が広く、向こう側が狭まっている。昔は二枚の田んぼを一枚にしたものと思われる。こちら側5畝と向こう側2畝とが別々の井手に属しているからである。
 昔の広さは、動物耕にはちょうどよかったのかもしれない。二、三十㎝の幅の鋤で、ゆっくりと歩くような速度で土を起こすのだから、この広さでも一日かけて鋤き終わらなかったかもしれない。
 自宅から村までは1時間の道のりなので車を運転しながら色々なことを考え想像する。有料の熊野トンネルに向かう曲がりくねった坂道を駆け上っていると、下ってきた車がバッシングライトを点滅させた。そのライトにはすぐには反応できなかった。そのとき物思いに耽っていたわけではない。このような場合、普段なら「ネズミ取り」をすぐに疑いスピードを落とす。しかし、その道路では一度も「ネズミ取り」を疑ったことはなかった。だからすぐには反応できなかったのだ。怪訝な思いのなかでアクセルを戻すと、さっき追い抜いた後ろの車が追い越して行った。そのとき左側の茂みからカメラがのぞいているのに気づいた。 慌ててスピードメーターを見ると「危険ライン」上! トンネル前の駐車場にさしかかると警官たちが立っているのが目に入ったが、止められなかった。罰金と時間のロスをまぬかれた、と思うと、今日はラッキーかも、と心の中でほくそえんだ。

 それから頭の中で今日の作業を予習しはじめた。田んぼをひっくり返して、つぎに、ダブ[湿田]の藁を切って広げる…そこまで想像すると、はたと思い当たることがあった。行方不明になった三つ鍬のことである。三つ鍬がないのに気づいたとき、畑での作業場ばかりを考えていて、田んぼでの作業を忘れていた。「村便り」には書いていたのにもかかわらず。もしかしたら、という思いは、しばらく考えているうちに確信に変わった。三つ鍬はダブに置いたままだ!

 トラクターの準備をして、軽トラックで田んぼに行くと、はたして二週間ほど記憶の闇の中を探し続けていた三つ鍬が、鍬先を少し土に埋もれさせた状態で、現実に露出していた。今日ふたつ目のラッキー。

 三つ目のラッキーはなかったが、ふたつ目のラッキーのおかげで、一日すっきりした気分で、稲刈り以来はじめての、田んぼの荒起こしができた。
コメント
--------------------

コメントを書く



     
Powered by
Serene Bach 2.19R