てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳


村便り

村便り:2007-08-19(日) (炎天下のトレーニング)
投稿日:2007-08-21(火)
 昨日の疲れ、暑さで眠られなかった夜のせいで、今日は調子があがらない。朝は食欲がなく、朝食はいつもの半分ほどの量だった。二週間ほど...

 昨日の疲れ、暑さで眠られなかった夜のせいで、今日は調子があがらない。朝は食欲がなく、朝食はいつもの半分ほどの量だった。二週間ほど空調のきいた部屋でレポート読みをしていたので、なまったか、と軟弱な身体を情けなく思いながら、仕事にでかけた。

田んぼの草刈りの続き
 午前中は、昨日に続いて田んぼの畦の草刈り。昨日の作業から、草丈が高いので、一挙に片づけるわけにはいかないことが分かり、少しずつ刈っていくことにした。今日は、昨日刈った田んぼの上の田んぼ一枚分。

畦の草刈り
(クリックで画像の拡大)
畦の草刈り。
 草刈り機(回転刃が見える)と鎌(柄の部分が見える)が置いてあるところが畦。その左側に立っているのは稲。
 わが家の田んぼのようにヒエの多いところでは、畦にもヒエが生える。しかも畦と田んぼの際に生える。写真で分かるように、ヒエはすでに穂を出している。際のヒエを鎌で刈ってから、草刈り機で残りの草を払う。
 まず畦と田んぼの内部との境の草を手で刈った。その部分には田んぼの中に生える草、とくにヒエが丈高く生えている。草刈り機ではうまく刈れない。下手をすると稲まで刈ってしまう。そこで、まずそこだけを鎌で刈った。中腰なので、炎天下では少し刈ると息があがる。身体を起こしフーと一息をついてからまた刈り進んだ。そんなことを繰り返しているうちに、インターバル・トレーニングという言葉が頭に浮かんだ。一定の距離を全力で走り、それからたとえばグラウンド一周を軽く流して、また全力疾走する、ということを繰り返すトレーニングである。軽く流しているとき(インターバル)に、息を整え、力を回復する。草刈りで息があがると、しばらく息を整え、また草を刈る、という作業の仕方が、その言葉を思い出させたのである。それからは、むやみに水を補給せず、そのトレーニングの仕方で息を整えることにした。インターバル・トレーニング+持久走。農作業をそんな言葉で〈翻訳〉すると、自分が、冬の駅伝シーズンに向けて夏合宿をしている陸上部の一員のような気がしてきた。

てつ人少年の夏季練習
 中学生時代のてつ人少年は陸上班(実態は、長距離・駅伝部)に所属していた。学校は山のなかにあった。暑い時期は、練習のあと飲む井戸水が格別だった。当時は、今とは違い、練習中の水分補給は、水を飲むとバテる、という理由で禁止されていた。練習がおわると、皆一斉に校庭の片隅にある井戸に走った。ポンプのスイッチを入れると、深い井戸からくみ上げられた水が蛇口からほとばしり出た。上級生から順に蛇口からがぶ飲みした。その水の冷たいこと!おいしいこと!

 中一の夏期練習のとき、持久走をさせられたことがある。好きなスピードで走っていい。だからゆっくりでもいい。ただし30分走り続けること。炎天下の持久走だった。経験の浅いてつ人少年は、暑さと時間を見くびり、最初から快走した。力のない少年は、結局、15分ももたずに脱落してしまった。



 何十年も前の記憶である。炎天下の農作業をしていると朦朧とした頭のなかで、そんな記憶がよみがえった。てつ人少年に今の自分を重ね合わせると、なにやら身体に力が湧いてくるよう気がした(あくまでも「気がした」だけです)。午前中の水の消費量は、1.5リットル。

無理はしないで…
 記憶の中で少年時代に戻ったとしても現し身は中年の坂を転げ落ちているおじさん、午後は無理な仕事はせずに、あがることにした。15時から耕運機で人参を蒔く畝を耕耘。一週間前に草刈りして耕耘していたが、再度、土を崩して細かくする。その作業を中心に2時間、身体を動かして、今日の仕事は終了。

 バッティング・センターに寄ってから(遊ぶのは、私ではなく、子ども)の帰り道、夜空に稲妻が走り、しばらくして夕立が降り出した。夜は久しぶりに涼しい眠りに入ることができた。
コメント
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てつ人 ( 2007/08/23 08:56 AM )
 
水の雨子さん

> 草の根に付着するなにかしらの養分によって土が肥えてくるといわれている状態はあきらめて 草の生えないように手を打っていこう

 読点の位置を見間違えていました。素直に読めば誤読は免れたでしょうが、「あきらめ」という言葉をかけことばのように読んでしまいました。和歌のように文学的な表現だな、と感心すると一方で、意味がつかめなくなってしまいました。

 草は生やさなければ自然農法にはならないでしょう。自然農法は、自然放任農法ではなく、作物を育ててくれる自然を手助けする農法です。作物が負けない程度に草を生やす。草は抜くのではなく、刈ってその場に敷く。すると、根は土中で、地上部は表面から、土を肥やしていきます(辛抱が必要ですが)。
 自然農法を始めて間もない状態ですから、あまり草は生えないでしょうが、繁るぐらい草の種があるのが理想です。慣行農法から移行した当初は、草が繁るとやはり心の隅では抵抗があります。自然農法を続けるなら、草は繁らせてください。
 草刈りは一度にしないことです。草がなくなると虫が作物に取りつきます。環境は激変させないことです。まず畝の片側を草刈りし、しばらく(たとえば一週間)おいてもう片側を草刈りします。
 自然の手助けをする手間は必要ですが、それでも「どれだけ手が抜けるか いかに合理的にできるか」という目標は達せられると思います。
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てつ人 ( 2007/08/23 08:27 AM )
 
にらさん

 知らず知らずうちにインターバルトレーニングをしていたのに気づいたと同時に、もう少し息づかいに気をつけたら、疲れ具合もちがうのではないか、と考えました。。肉体的な疲労は酸素の負債が原因だとすれば、そういう考えになります。ですから、リズミカルに、かつ酸素を効率的に取り込む息づかいを心がけたらいいのだろう、と思います。

> 私も中学時代に練習試合で日本で有数の豪雪地の山の学校にいきまして、終わった後で体育館にあった井戸水を飲みましたら、その美味さに感動しました。あの冷たくておいしい水はいまだに忘れられません。そんなところに住める方法はないものかと考えることがよくあります。

 それ以後、その豪雪地の学校の環境はどう変わったのでしょうね。僕の通った中学校は、環境がまったく変わってしまいました。一帯は、山や畑や田んぼが潰されて、住宅地になってしまいました。そして僻地の小さな中学校は、(生徒数からすれば)市内有数の学校になってしまいました。
 成長は「美しい日本」を破壊する、という数多くの実例のひとつです。でも、どこかの首相は二律背反をいずれも実現しようとしているのですから、そんな頭では選挙で惨敗も当然かもしれません。
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水の雨子 ( 2007/08/23 12:41 AM )
 
 いつも丁寧に教えてくださりありがとうございます。とても助かっています。畑仕事はきついと思う中どれだけ手が抜けるか いかに合理的にできるか それも目標にして考えています。でもつい夢中になると切がつかなくないものですね。ところでどこやらの二重人格さんは、この暑い最中半日も続けて作業をこなしたとのこと とても真似はできません。お気をつけください。
 追伸 (草の根に付着するなにかしらの養分によって土が肥えてくるといわれている状態はあきらめて 草の生えないように手を打っていこう)に変更してみました。文章に卓越されたテツジンさんにブログを送るのは 少しの勇気がいります。
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にら ( 2007/08/23 12:00 AM )
 
着々と準備をしていらっしゃたのですね。
知らず知らずにインターバルトレーニングをしているとは、それはホンモノです。私も負けじと私の理想の風景を害す背丈ほど伸びた雑草を刈ってきます。
無心で草を刈るその風景を思い出しましたら、それはそれは美しい風景が思い浮かびました。

私も中学時代に練習試合で日本で有数の豪雪地の山の学校にいきまして、終わった後で体育館にあった井戸水を飲みましたら、その美味さに感動しました。あの冷たくておいしい水はいまだに忘れられません。そんなところに住める方法はないものかと考えることがよくあります。
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てつ人 ( 2007/08/22 06:39 PM )
 
 40℃を経験されたのですか。異様な身体感覚だったでしょうね。僕も一度だけその気温を経験したことがあります。湿度の低い土地柄だったからでしょう、身体から水分が抜けていくのが分かるような感覚がしました。

 雨は降らなくても草は繁ります。里芋は乾燥に弱い、と同時に、草にも負けますね。草の中に埋もれさせてしまい、収量がいちじるしく減った経験があります。僕だったら、草を刈って根元に敷くでしょうね。他のところで刈って処理に困る草があれば、それも敷きます。土の湿り気を保つためもありますが、土寄せをしない方針なら、こうでもしないと、子芋が太りません。

> 草の根に付くなにかしらの養分はあきらめ草の生えないように手をうっていこう。

 「あきらめ草」とは比喩的な表現ですか。それとも、そんな名前のついた草があるのですか。

> そういえばわたしがテツジンさんのブログにひかれたのも 良く出来てなくてもありのままの記述に親しみがもてたからです。

 ほめられたような気がして、うれしいです。そうですね、ブログで、自然畝の今夏を総括してみましょうか。自分の頭の中では総括ができているのですが。何かのヒントになるかもしれません。

 ニガウリのレシピ、試してみます。僕は「原材料を作る人」ですから、「料理を作る人」に頼んでみます。

 もういくらなんでも秋の気配がしてくるはずです。でも、今からが夏ばてが始まる時期ですから、くれぐれもお体には気をつけてください。
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水の雨子 ( 2007/08/22 03:13 PM )
 
暑さのピークはなんとか過ぎたものの未だむせ返すような気温ですね。最近にわかに有名になった多治見市はわたしの生活圏 40度を超えた日は息をすると肺まで熱ごもって それはいくら内陸部気候の地でも異常な事態でした。
 畑の様子はといえば 里芋はしおれえたキノコのような形態(水やりは場所的にできない)なのに草は畑中茂ってしまった。ここで速くも方向転換の構想をたて 草の根に付くなにかしらの養分はあきらめ草の生えないように手をうっていこう。そういえばわたしがテツジンさんのブログにひかれたのも 良く出来てなくてもありのままの記述に親しみがもてたからです。今のように挫かれた気分のときは励みになりますね。
 ニガ瓜がいくつも実を付けています。父は数を確かめるのが毎日の日課、ここでレシピの紹介。
その1 フライパンを熱し砂糖を大めに入れそこにざく切りのニガ瓜を入れいためる後に酒少々、しょうゆ、かつぶし、の順最後は卵でとじます。油は使いません。
その2 ニガ瓜をどう切りにし 天ぷらにします。くれぐれもなかの綿と種はそのままに味わってください。
 ニガ瓜は 夏のにがい贈り物ですね。 では。
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