てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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SkiAgain:2009-02-20(金) (低気圧のなかのゲレンデ)
投稿日:2009-02-22(日)

 スキー場に着いてもやはり雨… 一時間半前に家を出たときには雨でした。でも、標高の高いスキー場ではみぞれが雪かと期待していたのです...

 スキー場に着いてもやはり雨… 一時間半前に家を出たときには雨でした。でも、標高の高いスキー場ではみぞれが雪かと期待していたのですが、かないませんでした。このスキー場は今冬スキー遊びの3回目、1月11日にも訪れたOソラkanです。ここは経営主体が違う二つのスキー場が隣り合っていますが、事前の調査で雪の状態の悪いと判断されたスキー場にまず行ってみました。リフト乗り場がある一番低いあたりを見ると地面が露出しているところがありました。両スキー場共通のリフト券が買える(両スキー場はゲレンデ部分でつながっている)ので、雪の状態さえよければどちらのスキー場から入ってもいいのですが、もうひとつのスキー場から入ることにしました。

 ゲレンデは雨のうえにガスが出て、見通しが悪い状態でした。リフト券を買う前に雪の状態を確かめるために試し滑りをしてみましたが、滑れない状態ではありません。そこでリフト券売り場に行ったのですが、しばらく近くの椅子に座って外を眺めながら思案しました。そのまま引き返すことも考えたのですが、ままよ、と一日リフト券を購入しました。ただし共通リフト券ではなく、このスキー場単独のものです。

 あ、書きわすれるところでしたが、今日は今冬9回目にして初めての一人雪遊びでした。土日の予定と、また県内のスキー場から雪が少なくなる現状を考え、今日はわざわざ休暇をとったのです。百姓を始める前、今から15年ほど前には週末になると一人で県内の山歩きをしていました。このOソラkanにも二度来たことがあります(ただし雪のない季節ですが)。そんな昔を思い出しながらゲレンデへの林道を走りました。

低気圧のゲレンデ
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中級コースに向かうリフトから。
 上空の雲は山頂からこちらに向かって早い速度で動いていた。西風である。すると低気圧の中心は、このスキー場の東方にあって移動している、ということだろうか。面白いことに、上空の空気の流れと地表近くの風の動きとは一致してはいなかった。
 さて、滑り始めると山の天候はどんどん変化していきました。ガスは晴れましたが、その代わり、強い風が吹き始めました。風がガスを蹴散らしたと言うべきなのでしょうか。風は雪を巻き上げ、リフトをときおり強く揺らしました。谷間から吹き上げる風を体に受けると滑走スピードが落ちてしてしまうほどでした。雨はやがて微細なあられに変わり、さらに雪になりました。午後は晴れ間が出もしました。しかし、上空の雲はいつも同じ方向に早い速度で動いていました。低気圧の圏内に入っていたのでしょうか。

 雪質のせいだと思いますが、滑り跡のないところに入ると足をとられ何度か転倒しました。積もった雪が雨にさらされ、水を含んで固まった状態です。圧雪ではないのでスキー板は雪の中に沈みますが、かたい雪が板の動きを邪魔します。私の技術ではそのような雪質をこなすことができません。同じ箇所を二度三度と挑戦してみもしたのですが、その度に転倒しました。総じて、今日は転倒が多い日でした。久しぶりに頭を打ちもしました(軽度ですが)。

 昼食は家で作ってきた弁当を車の中で食べます。昼に車のところに帰ってくると、隣の車でも二人が昼食の様子でした。ふと見ると、車近くの雪の上にビールジョッキがおいてあるではありませんか! 私も酒好きですが、この寒いのに屋外に近い温度の中でビールを飲む気はしません。でも、そのジョッキを見て、前回の SkiAgain へのにらさんのコメントを思い出しました。昼食時にビールを飲むと、それからは恐怖心が薄らいで上級コースのこぶも転倒せずに滑り降りることができる、という内容のコメントです。私はビールこそ飲みませんでしたが、にらさんのそのコメントを思い出しながら、急斜面を攻略しました。谷に気持ちを向けて(ショートターンのときは体も向けて)、谷への落下に心も体も背を向けないで、(もっと言えば、重力に逆らわずに、自然に、ということでしょうか)滑り降りました。結構いい感じで滑ることができました。それと、カービング・ターン[雪面をエッジで彫り込む carve ような仕方で曲がること]のこつも、なんとなくつかめかけた気がします。

 16時くらいになるとゲレンデもすいてきます。その頃には九州方面のバスが出発します。本州と九州の境界、関門海峡まで2時間半はたっぷりかかるでしょう。ついで16時40分には広島(市内)行きのバスが出発します。平日なのでもともとなので少なかった客がどんどん少なくなってきます。この時間帯になると、赤いユニホームのインストラクターたちが集団で滑降し始めます。やはり彼らは上手い! 最後にリフトに乗ったのが16時55分。今日最後の滑りを惜しみながら楽しんで、車のところに戻ると、営業終了の放送がありました。
SkiAgain:2009-02-14(土) (春一番が通りすぎたゲレンデ)
投稿日:2009-02-16(月)

 昨日、2月13日(金)は春一番が吹き荒れました。当地では、一昨年に比べて1日早いそうです(昨年は春一番はやってこなかった)。そのため気温...

 昨日、2月13日(金)は春一番が吹き荒れました。当地では、一昨年に比べて1日早いそうです(昨年は春一番はやってこなかった)。そのため気温が一気に上昇、さらに夕方から夜にかけて雨が降りました。私は、今年8回目のスキー遊びを翌日に控え、スキー場の雪を思ってやきもきもきしていました。

 今日の遊び仲間はいつもより多く、私たち《子連れ狼》に子どもの同級生二人と、そのうち一人のお父さんが加わりました。総勢、子ども三人と大人二人。二台の車は高速道のサービスエリアで待ち合わせて、スキー場に向いました。行き先は、今冬第三回目のスキー遊びと同じG.K.スキー場。

リフト
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6人乗りの高速リフト。標高差450m を、1120m 余りの終点に向かって上る。
 出発前にスキー場のホームページでゲレンデ情報を確かめたところ、全コース滑降可能、となっていました。たしかに滑走可能ではありましたが、昨夜の雨のせいでしょう、雪が消えて地肌が出たところが目立ちました。ゲレンデの雪はいわば《夏のかき氷》状態。スキー板に対する抵抗が大きく、膝に負担がかかりました。でも、地上の悪条件とは対照的に、リフトで受ける風は心地よく、前回まで寒風や雪に凍えていたのが嘘のよう。まさしく春スキー・モードでした。

 子ども三人は三匹の小犬のように雪遊びを楽しみました。大人二人は子どものサポート役。三人は技術レヴェルの差はあるものの、一緒に上級コースから滑降。初級レヴェルの子どもも果敢に滑り降りては転倒し、何度もスキー板を外しました。それでも、運動好きな子ども(三人とも同じ野球部仲間)なので、臆することはありません。むしろ、そんな滑り(転倒?)をみんなで楽しんでいる様子でした。

 シーズン当初は一人でも雪遊びに行くつもりでしたが、今日までの8回、いつも仲間がいました。ひとりで黙々と滑るのもいいかもしれませんが、つるんで滑るのも楽しいものですね。今日は仲間も増え、その分いっそう楽しくなりました。《手継楽》ですかね( >> にらさん)

コロッケ屋の前で
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コロッケ屋の前で。18時すぎ。
 県北西部のスキー場に行ったときの帰りにはいつもTogouchiインターから高速道に入ります。それが最寄りのインターのひとつだということもありますが、じつは、インターに入る前に、すきっ腹をいやすためでもあります。インター入り口近くの沿道に食べ物屋が何軒か並んでいて、そのなかにコロッケ屋があります。初めてその前を通ったとき、スキー帰りの若者たちが群れていました。近くの公衆トイレに行ったついでに様子を見に行くと、店の前では炭火で焼きとりがあぶられ、中には揚げたてのコロッケが並べられていました。コロッケを食べると、スキー場帰りのすきっ腹と冷えた体においしいこと! さらに、その店では温かい味噌汁が無料。これもまたおいしい! それ以来、そこを通るたびにコロッケを食べることにしています。今日は子どもたちは味噌汁を二杯も飲んでいました。
SkiAgain:2009-02-11(水) (通勤ラッシュ? いや、スキー場ラッシュ。)
投稿日:2009-02-12(木)

 県内ないし隣県のスキー場にアクセスするにはChugoku自動車道を利用します。自宅の最寄りのインターチェンジからSanyo高速道に入ると、しばら...

 県内ないし隣県のスキー場にアクセスするにはChugoku自動車道を利用します。自宅の最寄りのインターチェンジからSanyo高速道に入ると、しばらくしてその自動車道への分岐に差しかかります。今日はそちらへ分岐していく車が多く見られました。多くはスキー場に向かうとおぼしき車です。しかも、追い越し車線を急ぐ車が目立つのです。今冬になって休日(日曜日)にスキーに行ったのは三度ありますが、こんなに車が多かった日は記憶がありません。不思議な気持ちになりました。時計見ると8時過ぎ。ああ、そうか! 今日は週半ばの休日です。勝手な想像ですが、これらの車は、時間からして、出勤モードで家を出てきたのではないでしょうか。そして出勤モードでアクセルを踏んでいる… スキー場に着くと駐車場はすでに車であふれていました。すると、高速道で私の車を追い抜いて行った車は出勤モードではなく、遅刻すれすれモードだったということでしょうか。遊びモードのときにも、日頃の行動パターンがつい出てしまうのかもしれません。

 今日は隣県のAsahi_tengu_suton(スキー場の正式名称はカタカナ表記)スキー場を雪遊びのゲレンデとして選びました。この"tengu_suton"という名前、おそらくは県境にある「てんぐ いし やま」(地名としては漢字表記)から来たのだと思います。このスキー場では、そのカタカナ表記を、英語では「十個の、良い、石たち」と表記していますから、言葉遊びとはいえ、なかなか考えた名前と思えます。

雪の初級コース
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雪の初級コース。
 昼間は雪だった。正確には、雪だったり、みぞれだったり、あられだったり、雨だったりした。午後の後半は晴れてきた。
 
 ゲレンデは混んでいました。家族連れも多く、初級コースでは、お父さんを先頭に、小さい子どもが続き、最後尾ではお母さんが子どもたちに「そこで腰を落として!」とボーゲンのターンを指示する微笑ましい光景も見られました。さながら雪の上をいく鴨の一家です。

 私は今日も《子連れ狼》(といっても子どもはもう《大五郎》のようには小さくありません)。スノボ3日目の子どもは午後は個人レッスンを受けました。うまくなりたい一心で自分から申し込んだのです。受講料も子ども負担(お年玉を振りあてた)。インストラクターは20代前半と思われるお兄さんでした。2時間、みっちりと指導してもらったようです(ちなみに、受講料は《樋口一葉》が二枚です)。そのお兄さん、高等学校までは野球(ポジションはサード)をやっていたそうで、その点でも、野球部の子ども(ポジションはショート)とうまがあったのではないかと思います。別れ際にはお兄さんから「野球もしっかりやれよ」と激励されていました。

 スノーボードはバインディング[ボードへ靴を締めつける金具]のセンティングから教えてもらったようです。レンタルのボードなので、セッティングが悪かったようです。そこで、レッスン前にセッティングをやりなおした、とのことでした。利き足はやや前方向なるよう金具をセットする、とインストラクターのお兄さんはレッスン後に私に説明してくれました。さらに、子どもにふさわしい金具の角度(両足それぞれ違う角度)をメモにして渡してくれました。基本をしっかりと教えてもらったおかげもあって、子どもはレッスン後、今までにましてうまく滑れるようになりました。子どもは個人レッスンに満足していました。


 私の方は、と言えば、相変わらず(低級スキーヤー)です。進歩と言えば、転倒する回数が減ってきたことぐらいでしょうか。今日は4回しか転びませんでした。頭部強打はなし。転び方がうまくなるのも、立派な進歩ではないでしょうか(笑)。リフトからうまい人の滑りを見ていると感嘆しますね。動きとスピードもさることながら、滑ったあとに残るシュプールまでも美しい。二本のレールのような跡が残ります。ターンしたところでもシュプールはぶれていません。私などはまっすぐ滑ったつもりでも、二本のスキー跡がそれぞれに曲がっていますし、ターンしたところなどは横滑りの跡しか残っていません。私はいつになったらあのような美しい滑りができるようになるのでしょうか。まあ、年齢から考えると一生無理でしょうが(笑)

営業終了間近のゲレンデ
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17時のゲレンデ風景。上級コース。画面には見えないが、まだ沈まぬ夕日が左側にある。
 今冬最初のスキー遊びは冬至だったが、その頃は17時になると日は沈み暗くなりかけていた。ゲレンデには照明が灯ったほどだった。しかし、いまは明るい夕日が残っている。その日差しに春が近づいているのをはっきりと感じる。今冬の雪遊びは終盤に入った。
 いつものように営業終了まで滑りました。来るときから分かっていたのですが、車の燃料が少なくなっていました。自宅にたどり着けるかどうか不安になるくらいの量でした。高速道路のサービスエリアで給油することはできますが、できれば高速に入る前にやっておきたい、と走りながらガソリンスタンドを探していると、JAのサービスステーションが見えました。ガソリンスタンドに入っていくと、建物に電気はついていて人の姿は見えるのですが、こちらを見ても動きが緩慢です。ためらっているようにも思えました。やっと出てきた年配の女性が「車にガソリンはもう残っていませんか。いま電気を落としたところなんですよ」。営業を終了しようとしたところだったのです。「もうないんです」と私。その人は建物の中にいた人に合図をして電気を入れました。「いま電気を入れましたから、少し待ってください」と女性。燃料タンクを満杯にしてもらいました。私は車を出す前、女性に「どうも済みませんでした」と挨拶しました。するとその女性「いやいいですよ。どうぞお気をつけてお帰りください」と挨拶を返してくれました。不機嫌な態度をとられても仕方ないのに、いやそもそも、営業は終了しました、とつっけんどんに追い出されても仕方ないのに、心なごむ言葉でした。

 遊び疲れ、満ち足りた気持ちで、高速道の暗闇のなか家路を急ぎました(といっても、途中のサービスエリアで、子どもとラーメン一杯を分け合い-たくさん食べて夕食が進まないと、シェフに不機嫌な顔をされますから-、減った小腹[大腹?]を満たしましたが)。
SkiAgain:2009-02-07(土) (節分のスキー)
投稿日:2009-02-07(土)

 今年は暖冬なのかもしれません。いつもスキー場の方ばかり心が向いているので雪があるような気がしていますが、考えてみれば、今冬は生活...

 今年は暖冬なのかもしれません。いつもスキー場の方ばかり心が向いているので雪があるような気がしていますが、考えてみれば、今冬は生活圏内では積雪のせいで交通が滞った、ということがありません。勤務地のある内陸部では、たいてい年に何回かは積雪があるので、車にはスタッドレスタイヤをつけています。しかし、今冬はこれまでそのタイヤが通勤経路では役だったことがありません。

 節分の今日は、私は1月半ばの全国試験業務への代休をとり、また子どもは休校(入学試験のため)なので、家族全員でスキーに行くことにしました。スキー場は十分な積雪があるようですが、天気予報は雨。標高の高いスキー場では雪になるのでしょうが、今日行くスキー場は比較的標高が低いところにあります。

 スキー場に着くと案の定、小雨。今冬最初の雪遊びは冬至でやはり雨でした。今日は節分、暦の上では冬から春への結節点。どうも節目節目では雨、というのが今年の雪遊びの巡り合わせのようです。

 このスキー場は「Neko山スキー場」という面白い名前をしています。なぜ猫というのかは知りません。県北東部の山間地にありますが、地図で見ると、標高600mから700mのところから1195.5mの頂上に向かって錐状に立ち上がった独立の山塊となっています。あるいはその姿が猫(の顔? うずくまった様子?)を連想させるのかもしれません。こうした立地上の条件のために、ピストの数が少なく、一つ一つのピストもあまり長くはありません。一言でいうと、こじんまりとしたスキー場、でしょうか。そのくせ一番の難コースの傾斜がきつく、そのうえ幅が狭いのです。傾斜がきついと勢い雪の積もりが悪く、今日はピストの方々で土が露出しているため、閉鎖でした。ピストの選択肢は減ったわけですが、平日のため人出は多くなく、ゲレンデは混雑はしていませんでした。

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中級コースの上端あたりからゲレンデを見下ろす。途中から初級コースになる。
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上級コースに上るリフトからの眺め。上の画像の部分は、左側に隠れて、わずかに下端部分が見える。

 このリフトの右側が、今日は閉鎖されている上級コース。スキー場のホームページによると最大斜度が39度となっている。左側が、上の画像の中級コースに合流する上級コース。最大斜度が27度。中級よりの上級コース、というべきか。
 今日の滑り道具は、私はスキー一筋ですが、子どもは、今シーズン後半はスノーボードという自らたてた計画にしたがって、スノーボードを履きました。2日スノボですから、まだまだ初心者です。また、スキーヤーの方は ma femme が、何度やっても一向に進歩しない万年初心者で、私の方は、うーん、何でしょうね。上級コースを滑りおりることはできますが、技術なんてものは微塵も感じられない滑り方ですから、自称、《低級スキーヤー》。言い方に少し格好をつければ、B級グルメという名にあやかって、《B級》スキーヤーでしょうか(← 自惚れ << 笑)。そんなわけで、せっかく家族揃っての雪遊びですが、各々の道具、レヴェルにしたがって、別々に遊ぶことにしました。しかし、狭いスキー場のことですから、何度も《既知との遭遇》はおきました。

 午前中、私はおとなしく中級コースで滑りました。基本を見直すためです(← 基本なんて身につけてはいなんだろう? 笑) 昼食後、いよいよ上級コースを攻めることにしました。まずは一度肩慣らし、じゃなくて、足慣らしで中級コースを滑ってから、と思い、リフトで上っていたときです。場内放送で上級コース用のリフトが15時で終了することが告げられました。残り30分もありません。私はあわてて中級コースを滑り降り、上級コース用のリフトに急ぎました。私以外に乗る人はいません。ピストの頂上に立つと15時まで残り15分ほど。慌ただしく滑走し、またリフト乗り場に急ぎました。リフト乗り場の近くに、赤い上着を来たパトロールの人がスキーを履いて立っていました。リフトは動いていますし、その人は私を見ても何食わぬ顔で立っていましたから、ぎりぎりセーフ。頂上でリフトを降りると、係員の人が待機小屋の窓から顔を出し「どうもありがとうございました」と挨拶しました。運転終了ということでしょう。ピスト頂上で滑り降りる準備をしているうちにリフトは止まりました。そして、私のあとに一人リフトから降りてきました。

 私はその人を先に行かせて、最後の滑走となる今回はゆっくりと降りようと思いました。でも、その人は滑り降りる気配をみせません。仕方なく、先に滑り、途中で止まりました。その人も滑り降りてきて、私より少し上の方で止まりました。そんなことを繰り返して、その人はずっと私のあとをついて来るのです。でも、途中ではたと気づきました。その人は、リフト乗り場の近くに立っていたパトロールの人。最後の客が無事滑り降りるのを確認するのがその人の任務なのです! すっかりストーカーか思い、うんざりしていたのは、私のまったくの勘違いでした(← むさ苦しい男につきまとう男ストーカーなんかいるものか 笑)。ピストの最終確認をして滑り降りるパトロールの人がいるからこそ、前回のように、助けられることもあるのです。

 営業終了時間の17時が近づいたころ、雪遊びを切り上げました。小雨は一日中降り続き、夕方になっても雪に変わることはありませんでした。明日の立春の前触れなのかもしれません。

 そのスキー場から瀬戸内海沿岸にある町まで、高速経由で約2時間。20時前に自宅に到着しました。ふー、疲れたけど楽しかった…そんな気分になっていたとき、今日最後のどんでん返しがおきました。ストックを忘れてきたのです! ストックとスキー板は帰り支度をしているあいだ、車に立てかけておきました。スキーは車に積み込みましたが、ストックはそのままにしておいたのです。軽いアルミの棒ですから、発車時に倒れたところで、その音は聞こえません。忘れたことに気づいたとき、暗い駐車場のぬかるんだ地面に転がって冷たい雨に降られているストックがスキー場の方角に《見え》ました…

後日談:
翌朝スキー場に電話してストックを探してもらい、着払いの宅配便で送ってもらうことにしました。ストックは、その次の日に届きました。一緒に遊んだストックは、永遠の迷い子になることなく、また私に合流しました。そして SkiAgain は、同じキャストで、これからも続くことになります。
SkiAgain:2009-01-23(金) (あっ、世界の色が変わっている!)
投稿日:2009-01-25(日)

 午後から降り始めた雪が降り積もるなか、今日最後の滑降のつもりで急斜面を滑り降りていたときだった。新雪に足をとられて大きく転倒し谷...

 午後から降り始めた雪が降り積もるなか、今日最後の滑降のつもりで急斜面を滑り降りていたときだった。新雪に足をとられて大きく転倒し谷側に飛ばされた。後頭部を強く打ち、その衝撃がまだ頭をしびれさせているうちに風景が目に入ってきた。妙に青っぽい風景である。打ち所が悪く視神経がおかしくなったのだろうか、と何か投げやりになりながら思った。

 …というドラマチックな書き出しで、第五回目の《Ski Debut Again》です。

 今日は金曜日ですが、先週の土日に全国一斉試験のため出勤したので、その代休として休暇をとりました。子どもは、入試のため休校。いつものように一緒にスキー遊びにいくことにしました。遊び場は、県境のOosa山(標高1069m)山腹にあるスキー場です。リフトの最高点から少し上がったところが山頂になっています(たぶん)。その山頂までコースが続いていますから、歩いて登ると山頂から滑り降りることができるのではないか、と思います。

 スキー場に着いたころに小雨がばらつき始めました。天気予報では雪だったのですが、どうも気温が高いようです(4度でした)。今冬最初のスキー遊びを雨の中でやったことが思い出されました。あの時に比べれば、雪は自然雪だし、積雪量も十分なので、よほどましか、と自分を慰めながらゲレンデに出ました。

 雪は圧雪状態で表面がざらめの状態。急斜面で転ぶと、スキー板がなくてもスキーウェアでどんどん滑っていきました。これは相当滑るな、と思いましたが、転んだときの滑り具合で雪質を判断できるようになったのですから、ずいぶんと上達したものです(← おいおい、上達したら転ばないものだよ - 笑 - )。


二段目のリフト
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二段目のリフト。このリフトは上級コース用。
 リフトは、三つ乗り継ぐと頂上まで行ける配置になっています。最初のリフトは初心者から中級者向けのゲレンデ用、二番目のリフトは上級者向けのゲレンデ用、最後のリフトは初級者から中級者向けのゲレンデ用という少々奇妙なゲレンデ構成です。リフト最高点から初級レヴェルのスキーヤー/スノーボーダーが滑り降りるとして、真ん中の上級者ゲレンデをどう通過するのか、と頭をひねってしまいます。林間の狭い迂回路(初級から中級レヴェルとのこと)は設けてありますが、迂回路を出てもまだ上級コースの末端ですから、やはり初級者向きではないと思います。

 雨は昼頃から雪に変わりました。そのなかをおもに二番目のリフトを使って遊びました。平日ですから人が少なく、午後も後半になると、そのリフトはほぼ貸し切り状態になりました。

 急斜面に立つと、斜面自体よりも、斜面によって加速されるスピードに対する恐怖心がわきます。うまい人のようにショートターンで滑降することなど、私にはとてもできません。そこでスピードを殺すため、大きなカーブを描きながら滑り降ります。そんな滑りで遊んでいたのですが、新雪は、圧雪のうえに、どんどん積もっていきました。すると、雪の上ではなく、雪のなかをスキー板が滑るようになりますから、私のようなレヴェルのスキーヤーだと、足をとられたり板のエッジが雪にひっかかったりして、レヴェルが一段下がったような気がします。また、私の技術のせいなのか、スキー板の性能のゆえなのか、ターン時のスキー板の挙動が変化してきます。ターンしすぎるのです。ターンから斜滑降に移ろうとしても、スキーの先端が山に向いてしまう、ということもあります。

 スキーを買いに行ったとき、店主が最初提案したスキー板が私の予算を超過していたので、別の板を見せてもらうことにしました。店主は、最初に示した板のほうが新雪に強い、と言っていました。私は二番目に見せてもらった旧旧モデルを選んだのですが、もしかしたら、こんな時に、新雪に強い、あの板は力を発揮するのかな、と思ったりしました。

 さて、16時をすぎた頃になると、降りしきる雪のせいで寒くなったので、最後の滑降をすることにし、リフト最高点から子どもと二人で滑り降りました。子どもは(下手な私の目から見れば)すいすいと滑り降りますが、どんどん深くなる雪に私の方は難渋しました。中間の上級コースでは恐怖心でへっぴり腰。そのとき冒頭に書いた転倒が起こったのでした。

 視界が青っぽい、と一瞬脳の変調を疑いましたが、じつはなんてことはありません、ゴーグルが外れていただけのことでした(笑)。ゴーグルのレンズはオレンジ色なので、外すと一瞬、すべてが青みがかって見えます。スキー板は片方が外れ、少し上の方に残っていました。取りにいこうと登っていると、上二段のリフトの営業終了にともないその部分のゲレンデを点検しながら降りてきたパトロールの人が気づいて、板をもってきてくれました。親切なことに、さらに、スキー板をはくのを手伝ってくれました。そのとき、その人は板を私に履かせながら「BeruShiroで買われたんですか」と聞いてきました。スキー板に貼ってあるスキーショップの小さなワッペンに気づいたのでしょう。

 BeruShiroとは私がスキー道具を買ったショップの略称です。そのショップは、買ってから知ったことなのですが、その道の人にはよく知られたショップのようです。私のような下手レヴェルのスキーヤーではなく、上手レヴェルの、たとえばスキーのインストラクターの、顧客が多いようです。住んでいるところから比較的近くにあり名前も聞いたことがあるので、そのショップを選んだのですが、自分のレヴェルを考えるとショップを間違えたようです。でも、きっといい方に間違った、とは思っています。

 さて、パトロールの人(むろん上手レヴェルの人です)に尋ねられて、なにやら恥ずかしい思いもしました。おまえ、下手なのに、けっこういい板を使っているようじゃないか、と言われたような気がして(私の思い過ごしでしょうが)。

 やっとスキーをはきなおしましたが、それからはすっかり怖じ気づいてしまい、パトロールの人に先導してもらいながら、急斜面をボーゲンで恐る恐る下りました。

 帰りは行きとは降雪で風景が一変。雪の降りしきる暗闇のなかを街に向かってドライブしました。でも、街にもどると別世界。雪のかけらもありませんでした。
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