てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2009-03-16(月) (ジャガイモを伏せ、温床に藁を踏み込む)
投稿日:2009-03-22(日)

芽出し(畑):ジャガイモ(メークイン、男爵、普賢丸、出島、roseval)作業(畑):(第一)温床の藁の踏み込み 農作業の遅れを取り戻すため...

芽出し(畑)ジャガイモ(メークイン、男爵、普賢丸、出島、roseval)
作業(畑)(第一)温床の藁の踏み込み

 農作業の遅れを取り戻すため休暇をとった。ジャガイモを伏せるのと温床に藁を踏み込むのが今日の仕事。

ジャガイモの種芋
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 ジャガイモの種芋。
 種芋を切り分け、トロ箱に並べて切り口を干した。トロ箱は南方向に傾斜をつけてある。今のように気温が低く、日差しが弱い時期なら一日干してもいいが、夏だと種が萎んでしまう。秋ジャガを干しすぎて失敗したことがある。
 ジャガイモは3月15日をめどに伏せる[仮畝に植えて芽出しをする]。大きい種芋は一片50gを目安に分割する。分割は縦方向に行う。メークインなどの細長い芋は方向が分かりやすい。男爵のように丸い芋は、茎とつながっていたところが縦方向の下として方向を決める。芽は登頂部分に多く、場合によっては密集して出る。したがって、その部分を切り取ることもある。

 その作業を朝一番に行った。ジャガイモの品種は、メークイン、男爵、普賢丸、出島、roseval。メークインと男爵は購入種、それ以外は自家採種のもの。切り分けた芋は切り口を太陽にあてて乾かした。乾かした方が腐り芋が出にくいような気がする。今日はいい天気なので一日干して、夕方伏せることにした。


温床
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 温床の藁の踏み込み。
 右の赤い機械が、藁裁断機。裁断した藁はその前の青いシートで受け止める。その藁を左の枠のなかに踏み込む。
 午後は、第一温床に藁を踏み込む作業。藁は機械を使って裁断する。裁断機をもっていなかった頃は、押し切りで裁断していた。裁断を機械作業してからは、踏み込む藁の量が格段に増えた。藁の量はやはり多い方が、発酵熱が高くなり、また長続きする。裁断は機械だが、踏み込むのは人間。だから、踏み込み作業は全体としては、単調なうえ、時間がかかる。

 藁は200束踏み込むことにしているが、今年は160束。発酵熱の確保が不安定になるかもしれない。その藁に対し、《点火剤》として乾燥鶏糞を2袋(15kg×2)、それと大体同容量(同重量、ではない)の鶏糞を加えた。作業は4時間かかった。


伏せた種芋
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 ジャガイモの種芋に土を被せたあと、その上に保温のため藁を敷く。伏せ床は高畝にして、排水をよくする。滞水すると種芋が腐ってしまう。
(種芋を伏せ床に並べ、まだ土を被せる前の状態は、去年の同時期の記事の画像を参照してください。)
 夕方、干していたジャガイモを伏せて、今日の作業は終わり。
村便り:2009-03-11(水) (カブト虫は生まれ故郷をめざす)
投稿日:2009-03-12(木)

作業(畑):温床の枠作り(一回目)

作業(畑)温床の枠作り(一回目)

温床のある畑
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 温床のある畑。
 温床が画像の右端にひとつ、その左側に畝ひとつ隔ててもうひとつあるのがお分かりであろうか。今日は右側の温床を作り替えた。その前に、温床に放りこんでおいた枝とか、近くの枯れ草などを燃やした。
 一輪車の真後ろ、左側の温床の後ろに幹だけが見えている木がある。それがこの記事に出てくるドングリの木。このあたり、もともとは畑だったが、《山林化》している。
 春はうららかな見かけのもとで命がさかんに動きだしている。野良仕事もうかうかしていると春の早足においていかれる。週後半のスケジュール、土日の予定、天気の変化を考えると、今日あたりに一日休暇をとって野良仕事をする必要があった。田んぼの方も忙しいが、畑は初夏に定植する苗の種まきの時期が迫っている。そのために踏み込み温床を準備しなければいけない。

 以前は3月初旬と4月初旬に二回温床を作っていた。しかし、3月初旬の温床は、まだ寒い外気に負けて、発酵熱にもかかわらず夜には温床内の温度が下がりすぎて、発芽がうまくいかなかった。そこで今は最初の温床は3月中旬に踏み込むことにしている。今日は、その温床の枠組みを作ることにした。


 一年前の温床は、初夏に育苗が終わってから放置してある。まずそのうちのひとつを片づけた。枠組みを解体し、熱源として使った堆肥を掘り出す。二つの温床のうち、ひとつには堆肥のなかにカブト虫の幼虫がいることは分かっていた。去年もその温床には幼虫がいた。今日解体するのはもうひとつの温床である。堆肥をスコップで掘り出すと、今年はこの温床にもカブト虫の幼虫がいた。

カブト虫の幼虫
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カブト虫の幼虫。
 
幼虫の移住
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 幼虫の移住。
 藁と木の枝で簡単な枠を作り、そこに堆肥とともに幼虫を移住させた。手前は、もうひとつの温床にいる幼虫の移住予定地。
 去年、幼虫のいた堆肥は別の場所に移し、カブト虫が成虫になるのを待った。温床を作る畑の一角にはドングリの木(樹齢は十数年)がある。その木に惹かれてカブト虫が来るのだろうか。育苗の終わった温床はカブト虫の産卵場になったようである。鮭は生まれた川に戻ってきた産卵するが、カブト虫もそうだろうか、とあまり科学的でないが経験的には信じたいような考えが頭に浮かぶ。

 幼虫は20匹はいただろうか。ドングリの木の近くに移住場所を作ってやり、棲息していた堆肥とともに運んだ。半月後にはもうひとつの温床を踏み込むので、そこに住む幼虫も同じ場所に隣接して移住させるつもりである。初夏に育苗が終わった時点で堆肥を掘り出し、別の場所に積み替えておくと、翌春に移住の手間をかけなくてもいいし、幼虫も静穏を乱されなくていいだろう、と想像するが、夏のその時期はおそらくはそんな余裕はないだろう。


温床の枠
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 温床の枠。
 温床の枠に藁を編みつける作業は根気のいる作業ではあるが、この程度の枠だと1時間半程度でできる。枠のなかに藁を踏み込むが、これは来週月曜日にまた休暇をとってやる予定。
 温床の枠作り以外にもやろうと思っていたことがあったが、枠に藁を編みつけ終わった時点で16時半。後片付けを始めた。

 なお、温床の枠作りの詳細については、村便り:2008-03-08(土) (鎌の刃のつき方、温床作り)村便り:2007-03-10(土) (温床育苗の開始)、および後者の記事からのリンクを参照してください。
村便り:2009-03-09(月) (鳥の声も春)
投稿日:2009-03-10(火)

管理(田んぼ):藁の撒布管理(畑):アサツキの除草(クリックで画像の拡大) もち米。 古古米のもち米が2袋(精米すると約40kg)残っていた...

管理(田んぼ)藁の撒布
管理(畑)アサツキの除草

もち米
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 もち米。
 古古米のもち米が2袋(精米すると約40kg)残っていた。古米のもち米も2袋残っているし、去年度産のもち米も2袋ある。昔と違って、もち米の消費量は少なくなった。そこで、まず古古米を処分することにした。田んぼに戻してやるのである。藁を散布したあとにもち米をばらまいた。鋤きこむまでは鳥たちの餌になるだろう。古米も去年度産米も食べきれないだろう…
 このブログを見て、もち米がほしいという人がいれば送りますが、いかがでしょう。まずは古米から。
 午前中と午後の前半は昨日の続き。ようやく藁の裁断と撒布は片づいた。続く作業は、横手浚いと耕耘だが、耕耘の方は土が乾かないとできない。できるだけ三月半ばまでにはやりたい(*)が、最近は雨の日が多いので、予定通りいくかどうか。
(*)代掻き近くなって鋤きこむと藁が十分に腐熟せず、田植えしてからメタンガスが発生する。経験的には、それで稲の生育に障害がでるとは思えないが、ぶくぶくガスが発生するのを見るのはと、心理的には穏やかではない。



 午後の後半、残った時間で何をしようかと考えた。朝の予定では、午前中で田んぼの仕事は終わり、午後は温床の準備に取りかかるつもりだった。田んぼの仕事が長引き、残りの1時間半(17時まで作業をするとしての計算)では温床の仕事には中途半端である。そこで、アサツキの除草をすることにした。

アサツキの除草
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 アサツキの除草。
 アサツキは昨秋、植え替えた。それが今は春草に埋もれている。その草を、鎌で地面すれすれで刈り取るようにして除く。一本一本根から抜き取れば除草としては完璧であろうが、そこまでするにはおよばない、と考えている。多少は草が生えていても、作物が負けてしまわなければ、それでいい。《下農》の私は、畑管理の要求水準は高くない。



ジョウビタキ
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 ポールの上に止まりこちらをうかがうジョウビタキ。
 背景の畑は従姉が耕作しているところ。
 畑にいると鳥の声が耳についた。キジ。すっかりこの辺りの住人、じゃなくて住鳥になってしまったが、キジの声を聞き、その姿を見るたびに、私は不埒なことを考えてしまう。肉にして食べる、ということである。いっそ村の特産にして《ふれあい市場》(野菜の直販所)で売ったらどうか、なんて構想を ma femme に語ると、買う人がいるかしら、[肉にするより]この辺りを歩いている方がいい、とキジの味方をする。ヒヨ。これは食欲はわかない。憎ったらしいだけである。今冬も葉物類を食いちぎってしまった。ジョウビタキ。鳴き声ではなく姿で存在を示す。農作業をしていると近くに寄ってくる。むろん人間が好きだからではなく、掘り返された虫などを狙うのである(たぶん)。今日もアサツキの除草をしていると、本当に手が届く範囲までやってきた。(ジョウビタキは、季節的には、冬鳥に分類されるようだ。)最後に、ウグイス。私にとっては今日がその初音を聞いた日。私の耳に入るまでにしっかりと練習していたらしく、すでに鳴きなれたさえずりだった。鳥たちの賑わいももう春。
村便り:2009-03-07(土) (肩が痛む)
投稿日:2009-03-09(月)

管理(田んぼ):藁の裁断と撒布 朝、屋敷について間もなく、畑の横を通る生活道を二人の女性がゆっくりと歩いてくるのが見えた。村に住む...

管理(田んぼ)藁の裁断と撒布

 朝、屋敷について間もなく、畑の横を通る生活道を二人の女性がゆっくりと歩いてくるのが見えた。村に住む母の従姉たちである。めったに見ることはないので、彼女たちに声をかけようと思い、屋敷の入り口あたりで歩いていた二人に合流した。
 
タラゴン
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 エストラゴン(フレンチ・タラゴン)の新芽。
(新芽の周りの白い小石は、石灰岩。向こうの植木鉢は、ローズマリー。)
 朝、ベランダに置いてある植木鉢を見るとタラゴンの新芽が出ていた。昨年苗を買って植えたのだが、冬になると地上部が枯れた。調べてみると、春になると新芽が出る、とあった。
 エストラゴンは小石の多い、やせたアルカリ土壌に育つという。そこで土には石灰岩を砕いたものを混ぜた。それだけでは酸性土壌は矯正できないだろうから、草木灰もときにまいてやる。以前にも畑に植えたことがあるのだが、うまくいかなかった。もしかしたら今度はうまくいくかもしれない。
 なお、エストラゴンはフレンチとロシアンがあり、前者は株分け、後者は種で増やす。フレンチは種をつけない。
 二人とも相当な年齢である。年下の方の人に尋ねた。「おばさん、わしが誰が分かるや」その人は「誰じゃったかいね…」と戸惑った。「○○[私の名前]よ。」と私。「そうかいね」とその人はもうひとつぴんとこない様子だった。するともうひとりの人が「○○君じゃろう」と私を見て言った。その人に「おばさん、なんぼ[いくつ]になったんね。」 ときくと「97。このへんじゃ、一番長生きよ。」最初に声をかけた人も90はこえている。近年、入院したことがあり、そのころから老化が進んだように思える。それにしても、二人とも、歳をとった歩き方にせよ、散歩するのだから達者なものである。また、彼女たちが散歩してみようという気になるほど、暖かくなった、ということでもある。



 先週日曜日に完了しなかった藁の裁断と撒布のため、田んぼで作業。昨日雨が降ったため、藁の濡れ具合、田んぼに溜まった水、いずれも先週より状態が悪い。それでも、作業は敢行した。


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濡れた藁は畦において乾かしている。藁は左の田んぼのもの。中央の田んぼは切り藁がすでに一面に散布してある。
 

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 この田んぼの藁は脱穀機に取り付けられた裁断機が切ったもので、上の画像の切り藁より長めである。そのため見た目がふんわりと量が多い。昨秋、脱穀作業が遅れ、近所の人に手伝ってもらった。その人の脱穀機が裁断したものである。わが家の脱穀機には裁断機はつけてないので、あとから専用の裁断機を使って藁を切る。
 ふんわりとした切り藁を撒いていくと、ふと雪を一面に敷きつめているような錯覚に陥った。まだ SkiAgain の世界から抜け出ていないようである。
 裁断していない藁の量は少ない。まずは水に浸かっていない束を裁断し、残りは水を切るため畦においた。畦におくと藁は水を滴らせた。すぐには裁断できない。そこで、裁断した藁を田んぼ表面に均一に撒く作業をすることにした。藁の多いところから、少ないところに、藁を一輪車に乗せて移動して撒く。冬の間、力仕事から離れていたため、フォークで藁をすくったり、撒き散らしたりしていると、腕と肩が痛くなった。とくに肩の関節の痛みがきつい。スキーで転んで肩を打ってから痛みを感じるようになった、と自分では自覚しているが、もしかしたら四十肩とか五十肩とか呼ばれているものなのかもしれない。痛む肩を回してみた。

 畦においていた藁は乾いたわけではないが、水がある程度切れた段階で裁断した。藁裁断機は先週と今日の作業で泥だらけ。三月中には温床を作り、そのときも裁断機を使う。そのあとで洗浄するつもりで、今日はそのまま格納した。

 今日は日没を待たず、17時で作業終了。
村便り:2009-03-01(日) (探し物は藁の下…)
投稿日:2009-03-03(火)

管理(田んぼ):藁の裁断 今日から田んぼ作業を本格化させた。しかし、どうも心と体はまだ冬のまどろみから覚めきってはいないようである...

管理(田んぼ)藁の裁断

 今日から田んぼ作業を本格化させた。しかし、どうも心と体はまだ冬のまどろみから覚めきってはいないようである。

 昼食後にタマネギの追肥と中打ち[中耕]をしたのを挟み、朝11時頃から田んぼで藁の裁断をした。秋に脱穀したあと田んぼに転がしたままにしておいた藁束を一束一束、裁断機に投げ入れると、裁断された藁が勢いよく放出されて、北風にあおられながら田んぼに散らばる。二、三日前の雨で地面近くの藁束は濡れ、提げると水を滴らせるものさえあった。

藁裁断機
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藁裁断機。
 作業を終えたところ。向こうの山に日が沈もうとしている。
 機械の左から藁を投入すると、右から裁断された藁が放出される。
 三畝[300㎡]の田んぼで作業を終えて、次の田んぼに入って作業を続けていたときである。藁の水が裁断機の投入口から滴り、下のエンジン部分に漏れてきていた。状態を確かめるためエンジン部分を見たときである。燃料タンクの給油口の蓋があいたままになっているのに気づいた。蓋はプラスチック製で口にねじ込むようになっている。三畝の田んぼでの作業前に携行缶からガソリンを移し入れたが、そのとき蓋をするのを忘れたようであった。思い出してみると、ガソリン携行缶の蓋はした記憶はあるが、タンクの蓋をした記憶はない。給油口は、藁の投入口の下にある。だから、給油するときには投入口部分を取り外す。入れたあとはまた投入口部分を取りつけるので、給油口は、わざわざ見ない限りは、作業中には目に入らない。だから、蓋をしていないのに気づかないまま作業をしてしまったのだ。

 蓋は作業中に落ちて、田んぼに撒き散らされた切り藁の下に隠れているにちがいない。そう考えた私は、裁断作業を中断して、三畝の田んぼに戻り、蓋を探した。藁は田んぼ全面に均一に撒かれているわけではない。だから裁断作業後、厚く溜まったところから藁のない場所に、フォークなどを使って藁を移動する。その作業をかねて蓋探しをやった。田んぼ全面に藁を撒きなおしたあと、今度は田んぼのなかを、フォークとゴム長の足裏で地表をさぐりながら、しらみ潰しに探した。きっとこの田んぼのなかにある、と思ったが、結局、見つからなかった。給油口の蓋をなくしたのははじめての経験である。心と体がまだ冬の無為(と遊び)から抜けきっていないせいだろう。

 給油口が開いたままでは作業を続ける気もせず、今日は引き上げるか、と重い気持ちになりながら、裁断機を置いてある田んぼに戻った。裁断機を田んぼから出して軽トラックに乗せるため、エンジンをかけようとしたときである。エンジン部分の下の方に蓋が挟まっているのが見えた! 蓋は作業中に落ちかかったのだが、運良く機械の隙間に引っかかったのである。今日はついていない、と沈みかけていた心が、一気に晴れた。気を取り直して作業を再開し、日没まで続けた。今日中に裁断だけは終わらせるつもりだったが、蓋騒動で時間を食ったため、一部残ってしまいはした。

 不運の一波瀾があったが、ラッキーで終わり、春の最初の作業としてはまずまずの一日だった。
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