てつがく村の入口 | てつ人の雑記帳
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村便り:2009-10-08(木) (台風18号通過後の朝)
投稿日:2009-10-08(木)

 今年初めてやってくる台風(二年ぶりに上陸する台風、だそうである)。暴風雨圏内に入ることはまぬかれないと覚悟して、昨日は夕方、多少...

 今年初めてやってくる台風(二年ぶりに上陸する台風、だそうである)。暴風雨圏内に入ることはまぬかれないと覚悟して、昨日は夕方、多少の備えをした。ダブの稲の一部が倒伏していたが、半分ほどは10月4日に藁で縛って立てておいた。残りの半分を、時折小雨が降るなか、縛った。

稲
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台風通過後の田んぼ。
 田んぼの左の部分、縛った稲が「く」の字の帯になっている。
 
蕎麦
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蕎麦。
 縛っていくうちにコツがつかめてきた。二株を一束にすると、安定が悪い。だからといって、四株を一束にすると、束が大きくなるし、穂の受光体勢が悪くなる。三束だと、安定するし、穂の受光体勢が大きく損なわれない。ぬかるむ田んぼでときに体のバランスを崩しながら、残り半分を縛り終えた。


 台風18号の影響は心配したほどではなかった。朝、田んぼに寄って様子を見た。新たに倒伏したところがあるかと思ったが、ほぼ無傷。蕎麦は倒伏しやすいので覚悟していたが、こちらも軽傷。収穫が近い稲と蕎麦が無事だったので、胸をなでおろした。
村便り:2009-10-04(日) (田んぼの落水開始)
投稿日:2009-10-07(水)

播種:ホウレンソウ(次郎丸) 稲刈りに向けて田んぼの落水作業。今年の稲刈りは10月後半になる予定だが、田んぼの落水は、ダブ[湿田]は二...

播種ホウレンソウ(次郎丸)

 稲刈りに向けて田んぼの落水作業。今年の稲刈りは10月後半になる予定だが、田んぼの落水は、ダブ[湿田]は二週間前くらいから作業を始める必要がある。排水のいい田んぼは一週間前の落水で間に合う。

落水
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落水作業 1。
 田んぼの周囲に溝をつけた。水は向こうからこちらに流れ下り、田んぼから排水される。溝をつけて間もないので、水はまだ途中までしか来ていない。
 溝は、向こう側で、さらに右側に曲がっている。下の画像参照。
 
ウワコウダの落水
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落水作業 2。上の画像の続き。
 ウワコウダの周辺につけた溝。水は向こうからこちらに流れ、上の画像の溝に続いて流れる。10月3日の「村便り」に書いたように、この部分は稲が倒伏している。一部は、3、4株を藁で縛り、立て直した。画像でもお分かりかと思う。

 「きけん」という黄色い札の下がっている緑色のポールは電気柵。画像では見えないが、ポールにはアルミ線が張ってあり、夜は高圧の(4000ボルト以上)電気が流れている。イノシシ対策。
 稲刈りを委託していた時期には、落水には気をつかった。重量のあるコンバイン[刈り取り・脱穀機]を使うので、少しでも田んぼがぬかるんでいると、機械が泥に沈んで稲刈りができない。落水が十分でない、と委託した人に文句を言われたこともある。しかし、いまはバインダー[刈り取り・結束機]を使い自分で稲刈りをしているので、さほど神経質にならなくていい。軽量のバインダーはコンバインより土のやわらかさに対する適応性がある。それでもダブの場合は余裕をもって排水作業をしておかないと、バインダーでも埋まってしまい、使えないことがある。

 ダブの場合、田んぼの周辺に溝をつけて、地下水位の高いウワコウダから排水しやすくする。溝を掘り上げるところは、田植えのとき、あらかじめそれだけのスペースをあけて、苗を植えてある。そのスペースに溝をつけるには、まずスコップで踏み込んで条をつけ、それから、土が硬い場合は三つ鍬で土を上げてから、平鍬で仕上げる。泥だらけになる作業である。


 昨夜は小中学校の同窓会だった。会場はQ市内。初めて幹事をやり、慣れない役割ゆえ準備に手間取った。二次会につきあい、自宅のあるH市に向かう最終電車になんとか間に合い帰宅。幹事だったので、酒は控えめにしたため、今朝は比較的はやく起床できた。それでも、追い込むようには作業はできないので、落水作業は中途半端で終わった。

ホウレンソウ播種
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ホウレンソウ播種。手前の、スクモが被せてあるところ。ここの電気柵はダミー。
 ホウレンソウは9月始めから10月半ばまで一週間置きくらいに少しずつ蒔くと、新鮮なものが食べられる。…といつも考えているのだが、今年ははじめて、そのスケジュールで蒔いている。二回目の播種。一回目は日本ホウレンソウ、今回は次郎丸。


村便り:2009-10-03(土) (仲秋の名月のコイモ)
投稿日:2009-10-05(月)

 今夜は仲秋の名月。コイモ[主として、子芋を食する里芋]はこの日を初掘りと決めている。仲秋の名月は別名《芋名月》だからである。(クリ...

 今夜は仲秋の名月。コイモ[主として、子芋を食する里芋]はこの日を初掘りと決めている。仲秋の名月は別名《芋名月》だからである。

今年の初掘りコイモ
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今年の初掘りコイモ。
 雨続きだったため、掘り上げると泥も一緒についてきた。その泥を洗い流したところ。
草に埋もれたコイモ畝
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草に埋もれたコイモ畝。8月16日。
 
コイモ、畝元寄せ
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コイモ、畝元寄せ。8月16日。
 例年ならとっくに梅雨が明けた時期だか、今年はこの時期になっても雨が多かった。やっと二回目の元寄せ。「やっと」というのは、理想的には元寄せは、2回か3回おこない、しかも梅雨明けごろまでには終えてしまうからである。
 去年の里芋は大粒だったが、今年はこの時期としては普通の、小さな粒。なぜ去年のが大粒だったのか。ひとつは草取りと元寄せの管理が順調にできたのたと、もうひとつは、もしかしたら、去年は田んぼとしては乾燥気味のところに植え、さらに夏のあいだ干ばつ気味だったので、そのストレスが粒を大きくした、ということもあるかしれない。

 それに対して、今年は、例年のごとく、草取りは、一度草に埋もれてからやった(すなわち、里芋は生育がおそくなった)ため、子芋の数は少なくなかったが、ほとんどが小振り。この位が、私の好きな《衣被き[きぬかつき]》にちょうどいい。



稲の倒伏
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稲の倒伏。
 地形は、左から右に傾斜している。
 数日来の雨で、稲の一部が倒れていた。ダブ[湿田]のウワコウダ[傾斜地にある田んぼの上側の部分]の稲である。ウワコウダは、いつも水のある状態のため、根が表面を這いがちである。稲の生育の後半は、水は飽水状態[踏み跡に水が溜まっている程度の水分]にあるように管理し(言い換えれば、間断灌水[水がなくなったら入れる、といった水管理]をし)、根を地中深くに張るようにするのだが、ウワコウダはこうした管理がうまくできない。また、ウワコウダのぬかるみを走る田植機の車輪が滑り、稲の株間が狭まるため密植がちになり、稲が徒長がちになる。さらに、風が吹くと、やわらかい泥では株元が安定しない。そういった理由で倒伏したのだろう。株がしっかりしているヒノヒカリとしては珍しいことである。
村便り:2009-10-02(金) (自然畝を《壊す》)
投稿日:2009-10-02(金)

 不除草が自然農法の原則のひとつだから、自然畝には草は生えている。その草を必要に応じて刈り敷いて管理する。しかし、多年草が生えると...

 不除草が自然農法の原則のひとつだから、自然畝には草は生えている。その草を必要に応じて刈り敷いて管理する。しかし、多年草が生えると始末に悪い。種で畑にやってきて地下茎で繁殖するものには、根を縦横にのばし、茎が硬く背が高くなるものがある。セイタカアワダチソウ、ヨモギ、〇〇[名前が分からない]がそうである。また太い根を地中深くまで伸ばし、その根がある限り生き延びるものがある。スイバがそうである。背は高くはないが、密集して増殖するものもある。ノギク[?]がそうである。メヒシバも長年耕さない畑に侵入してくるが、地下茎で繁殖するので、畑周辺からじわりじわりと入ってくるので、侵入は比較的阻止しやすい。いくら草を敵にせず、と言っても、多年草は種類によっては野菜栽培に支障をきたす。しかし、不耕起も原則だから、多年草がいったん畑に入ると駆除するのがむずかしい。根まで取り除きながら一本一本処理すればいいが、実際には、そんなことはできない。そこで、思い切って、自然畝を更新することした。


自然畝の草刈り
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自然畝の草刈り(2009年9月6日)。
 向こうの建物は、隣家の納屋。
 
自然畝の耕耘
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自然畝の耕耘(2009年9月19日)。
 >ネットが被覆してあるところは、隣家の畑。その手前、耕耘中の畝の両端にウリ類が支柱にからまっているが、左はキュウリ、右はニガウリ。キュウリの手前は、草のなかにトウガンがまだ《生きて》いる。ニガウリの手前は瓢箪形のカボチャ(バターナッツ)があったが、もう《あがっ》てしまっている。
 
自然畝の畝立て
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自然畝の畝立て(2009年9月19日)。
 わが家の畑は、屋敷の前、横、裏に合わせて一反ほどがある。現在、自然畝があるのは、横と裏の畑である。それぞれ半分弱が自然畝になっている。畝の数としては横の畑で5条、裏の畑で6条。今秋から各々の畑で1条ずつ更新していくことにした。更新は、私の心づもりでは、一年ほど慣行畝(ただし有機農法)として使ったあと、ふたたび自然畝に戻すやり方でおこなう。すると、慣行畝である間に何度か耕耘することになるので、多年草は駆除できる、という算段である。

 自然農法に転換して8年の畝は、まず草を草刈り機で払った。土の表面は枯れ草で覆われている。刈った草と枯れ草を片づけて、耕耘機で土を返した。自然農法をはじめて年数がたつと土はやわらかくなる、と読んだことがあるが、実際には慣行畝の方がやわらかい。初夏にトマトとかピーマンとかを定植するときは、小型のスコップで踏み込んで植え穴を作るほどである。いまは秋の始め、畝が乾燥していることもあるが、鍬で起こすのは難儀なほど土は硬かった。耕耘機で耕すと、草の根っこがごろごろと出てきた。慣行畝の土は細かいが、自然畝のはぼろぼろしている。団粒組織とはこんなものか、と思う。

 更新を始めた自然畝のうち、一条は秋ジャガを定植した。秋ジャガのあとはタマネギを定植する予定である。草の生え方はやはり慣行畝より早い。ニンニクも芽を出し始めた。このニンニクは、もともと薹のさきにつく種球から育ったものである。もう一条(画像の慣行畝)は、年明けてから収穫するキャベツを定植した。残ったところは、広島菜を定植する予定である。

 いまは、「自然畝5、6年 → 慣行畝1年」という自然畝のサイクルを考えている。このサイクルで作物をどう組み合わせていくか。私にとって、自然農法の新しい経験のはじまりである。
村便り:2009-09-29(火) (プラグトレイ)
投稿日:2009-09-30(水)

播種(育苗):高菜、広島菜、のらぼう菜 プラグトレイなるものを使った。 菜っ葉類の種蒔きは27日にあらかた済んだが、まだ高菜、広島菜、...

播種(育苗)高菜、広島菜、のらぼう菜

 プラグトレイなるものを使った。

 菜っ葉類の種蒔きは27日にあらかた済んだが、まだ高菜、広島菜、のらぼう菜が残っていた。直播きでもいいが、いずれも大株になる。高菜と広島菜は漬け菜、のらぼう菜は菜花である。高菜は春の薹立ちが遅いので(四月おわりから五月はじめ)、菜っ葉類が不足する春先に重宝する。広島菜漬けは一度もやったことがないので、もし今冬できがよく十分な大株になれば挑戦してみたいと思う(時間の関係で無理かもしれないが)。

プラグトレイ
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プラグトレイ
 ひとつのトレイに50個のプラグ(穴)があるもの。
 のらぼう菜は去年はじめて作った。手さぐりの栽培だったが、春先になり薹が立ちだして、はじめてその価値が分かった。菜花として利用するのは種袋から分かっていていたが、ふつう、菜花に特化しているもの(たとえば中国野菜の紅菜苔)は冬の間から薹立ちする。ところが、のらぼう菜は春先になるまで薹立ちしない。これじゃ利用期間が短いじゃないか、とがっかりしたが、食してみると菜花として癖がない。一般に菜の花はアクがあるが、のらぼう菜の花にはない。食べやすいのである。花がついて蕾のうちに折りとっては食べて、春の菜の花としては長く利用した。高菜同様、春の端境期の野菜である。

 のらぼう菜は薹立ち期に利用するので、大きくなる。背丈は1mほどになろうか。高菜や広島菜は菜っ葉として大株であるが、のらぼう菜は菜の花として大株なのである。

 これらは直播きして、間引き菜を利用することはできる。しかし、小株の菜っ葉類はほかにもあるので、これらの間引き菜は必ずしも必要ではない。しかも、直播きすると、草の種も同時に発芽するので、除草に手間がかかる。ところが、ある程度大きくなってから定植すれば、草より生育が先行しているので、除草しやすい。除草は、まず、草が大きくならないうちに中打ち[中耕:株間を、三つ鍬などを使い、土の表面を掻くようにして耕すこと]をする。草は小さいので、土の表面を掻けば、根から抜けてしまう。わざわざ手で抜く必要はない。ところが、野菜の方も小さいと、中打ちの影響が野菜にも及びうる。一緒に抜けたり、鍬が動かした土がかかったりする。だから、草より野菜の方が大きいと中打ちしやすいのである。さらに、野菜の方が早く大きくなって抑草もする。そういう訳で、今年はじめて高菜と広島菜を育苗してみることにした。

 育苗は、いままでは、ポットを使っていたが、ふと思い立って、プラグトレイを使うことにした。土詰めが楽であり、移動もしやすい。ホームセンターで適当なものを探した。プラグトレイは一般に穴が小さい。そのなかで一番穴の大きいのを購入した。容量からして、私が使っているポット類の一番小さいものに相当する。菜っ葉類の育苗には、大きすぎはしないが、窮屈ではない。
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