てつがく村 を飾った 写真 たちが再登場します


農耕の季節 2006

写真拡大はここをクリック
500 x 375
辛味大根
(左から、カザフ辛味大根、山口大根、辛味そば大根)

(1月19日)

昨秋、三種類の辛味大根を蒔いた。品種名は「カザフ辛味大根」(そ菜種子生産研究会育成・採種、生産地:茨城県)、「山口大根」(生産地:長野県)、「辛味そば大根」(サカタのタネ、生産地:福井県)である。山口大根の種は長野の人から送っていただいたが、残り二つの大根の種は購入した。いずれも固定種である(山口大根以外は、種袋の記述から固定種と判断した)。

私は大根おろしの辛いのが好きなので、以前は辛味の強い大根を蒔いたことがある。使った種は、「サカタのタネ」の一代交配種(f1種)である「辛丸大根」であった。その大根は辛いのはいいとしても、水分が少なく、それだけで食べると、舌触りがぱさぱさするので、食感はよくなかった。そこで普通の大根に混ぜて食べた。辛味大根は別の用途に使えば、水分が少なくても問題ないということが後から分かったが、当時は大根おろし以外の使い方は念頭になかった。そこで、二、三年試した後、作るのはやめた。

ところが昨秋は、辛味大根を三種類も蒔いた。「カザフ辛味大根」は初めての町で立ち寄った種苗店で見つけた。「ワサビの香りでソフトな辛味」、「そばの薬味、大根おろしに最適」というキャッチフレーズと、種袋の写真に写っている大根の、中まで緑色の爽やかなイメージに惹かれた。買ったときの私は、おろして口に含んだときの清々しさを想像していた。「辛味そば大根」はカタログで見つけた。こちらは、秋蕎麦を作ろうと予定していたので、蕎麦の薬味にするつもりだった。「山口大根」は、長野の人から思いがけなく送っていただいた。これは上田市山口に固有のネズミ型の大根で、種は市場には出回らない希少なものである。その土地の栽培者から手に入れた種を送っていただいたようである。上田市にはほかにも「ねずみ大根」と「中之条大根」という同じような特性をもつ品種があり、長期保存の漬け大根とかおろし用として利用されている(『都道府県別 地方野菜』農文協による)。

「カザフ辛味大根」は、おろすと、色も食感も期待通りのものであった。友人がその味を「清冽」と形容したが、まさしくその通りである。「辛味そば大根」は年末に蕎麦を打ったとき、つけ汁に薬味として入れてみた。蕎麦の薬味として大根を使ったのは初めである。この大根は水分は少ない。だから、すり下ろしてそのまま食べるのには向いていない。しかし、薬味にすれば、むしろ水分が少ない方が、薬味としてアクセントがきいていい。つけ汁に溶け込まないからだと思う。

「山口大根」は、施肥(発酵鶏糞利用)してすぐに蒔いたのが悪かったのか、葉っぱが虫に食われてしまった。それでもなんとか成長して、写真のように育った。水分は少なめで、蕎麦の薬味によさそうである。

写真の「辛味そば大根」(右)の長さは10cmである。「カザフ辛味大根」(左)は、写真のは偏平な球形だが、ほぼ球形が標準の形である。また、標準的なものはもっと大きい。「山口大根」(中)はネズミに似た形をしている。上が頭、下が尻尾。

[先頭に戻る]


てつがく村
depuis le 1er avril 2000